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姫路市最低峰、檀場山



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平成15年1月30日(木)  メンバー 私だけ

御旅山 おたびやま 140.1m
仁寿山 じんじゅさん 175.2m
小富士山(麻生山) こふじやま(あさおさん) 173m
檀場山 だんじょうさん 10.0m


姫路市内で一番低い山

「播磨 山の地名を歩く」によると、JR神戸線御着駅の北に位置する標高10.0mの檀場山が姫路市内で一番低い山だそうだ。標高が10mでは山と言えるか怪しいが、とりあえず登ってきた。

しかし檀場山だけでは余りに淋しいので、御着駅の南にある御旅山・仁寿山・麻生山もついでに登ってきた。

市川河口近くの山陽電車の妻鹿(めが)駅から出発し御旅山に登り、一旦下界に下りて姫路バイパスの下をくぐり、仁寿山・麻生山に登る。また下山し、JRの線路の下をくぐり、最終目的地の檀場山に登るという計画だ。いつもは自動車で移動するが、今日はバスと電車を使うことにした。



御旅山へ

家からバスで姫路駅前に出て、山陽電車の各駅停車に乗る。平日なのにハイカーのグループが乗ってきた。今の時間でどこに行くのだろうか。六甲山ならJRで行くだろうし、もしかすると私と同じ山なのだろうか。

9:46
山陽姫路駅から4駅目の妻鹿で下車する。ハイカーのグループも下車した。やはり同じ山に登るようだ。御旅山や麻生山は結構人気があるのかもしれない。

9:56
東に進み国道に出るとすぐに、「3/3起点 水利 飾磨消防署」の標識があり、階段もある。特に登山口の標識は無いがここから登り始める。

階段を登りきると舗装道路に出た。東側に不思議な工作物が現れた。鉄骨を階段状に組んだものだ。擂鉢状になった中央には空き地があり駐車場になっている。これが灘のけんか祭りの練り場なのだと気付いた。意外と練り場が狭く感じたが、その方が観客と屋台の一体感が増すのだろうか。

灘けんか祭りの練り場
練り場は意外と狭い

10:14
舗装道路を登っていくと、終点には松原八幡宮のお社があり、同じ電車で来た人たちが社の横から始まる登山道を登り始める所だった。どうやら練り場を見学中に追い越されたようだ。

松原八幡宮のお社
本殿だけで拝殿は無い

地形図「姫路南部」に記載してある破線道がお社の左手横から始まっている。御旅山頂上に着くまでの間に散歩をしている人とかハイカーのグループに出会った。いつも平日に登ると誰にも会わないのだが、この山はやはり人気があるのだろう。

北向きの斜面には一昨日に降った雪が薄く凍りついていたが、特に滑るようなことは無かった。周囲には低木しか生えてなく眺めは結構いいほうだ。

10:40
御旅山頂上に到着。頂上には東屋と四等三角点<点名:妻鹿>がある。標高の割りに展望は良く南は瀬戸内海、北にはこれから上る仁寿山・麻生山がよく見える。

頂上では先行していたハイカーのグループが休憩中で、その中の御一方から「野歩記の方ですか」と声を掛けられた。相生から来た人で、このHPをよく見ているそうだ。私のHPの読者に会ったのは初めてで、思いっきりうれしかった。

南の市川河口

北の仁寿山



仁寿山へ

10:52
御旅山頂上を後にし北西方向に下山する。北斜面には雪が凍り付いて残っている。セルフタイマーで写真を撮ったが、滑りそうで時間内にカメラから離れることが出来ずうまく撮れなかった。

11:04
御旅山の北側登山口に下山。登山口には薄汚れ文字の判別がしがたい「山火事防止」の垂れ幕と、「コース」とだけ書かれた木杭がある。

次に登る仁寿山だが、地形図には2ルートの破線道があるが、途中に記念碑の記号のある西側から登ることにする。

御旅山北側登山口から道路を東に進み、それから北西に進み姫路バイパスの下をくぐる。地形図通りにバイパスのすぐ北に細い道がある。

11:26
「仁寿山1,250m」の案内標識がありその横には「左 仁壽山梅岡河合家墓道」の石碑が立っている。

11:31
緩やかな広い道を登っていくと「河合家墓所」があった。土塀に囲まれた質素な墓所だ。

河合家墓所

姫路藩酒井家の家老で財政建て直しに大きな功績のあった河合寸翁をはじめ祖父定恒や塀山など一族の墓がある。

姫路市教育委員会 平成5年2月

河合家墓所
質素だが結構広い

墓所を過ぎると道は一気に狭くなり、背の低い松の木の間の急な上り坂になる。ようやく登山らしくなってきた。

11:46
墓所から10分程で仁寿山の西の140mのピークに到着。周囲の松の木は焼け焦げ、山火事の跡が残っている。南東に見えるピークや仁寿山頂上には沢山のアンテナ塔が立っている。

一旦南西の鞍部に下りアンテナ塔目指し登り返す。余り人が通らないようで道ははっきりしないが、低木やススキ・ササしか生えていないのでどこでも通れる。

11:56
「関西電力」の反射板のところに登り着いた。次には「日本テレコム」の反射板と「J−PHONE」のアンテナがある。その先にある大きなアンテナ塔には表札が出ていなくどこのものか分からないが、電話の引き込み口に「大阪ガス」の小さな表示があり、敷地内の危険物の表示板は「(財)近畿移動無線センター」となっている。

12:08
仁寿山頂上に到着。ここにも大きなアンテナ塔が二つあり、手前のは「ツーカーホン関西」、「姫路テレビジョン放送局(MBS・ABC・KTV・YTV・SUN」、「姫路JSMRシステム」の共架のアンテナ塔で、奥は「NHK」と「KissFMKOBE」共架のものだ。その間に「建設省」の反射板がある。

二等三角点<点名:仁寿山>が頂上にあるはずだが見当たらない。NHK施設のフェンスに「三角点を大切にしよう」があり、フェンスの中にコンクリートで固められた三角点の頭が確認できた。頂上の周りはアンテナだらけで、あまり長居したくないところだ。

NHK施設内の三角点標石
触りたいのに触れない



麻生山へ

仁寿山は頂上まで車で登れる山で、車道を少し行くと道の下に「仁寿山デジタル通信クラブ デジタル通信中継局(JI3YVA)がある。その手前から麻生山との鞍部に真っすぐ下りることが出来る山道があり、途中に最後の大きなアンテナ塔が立っている。ベージュ色の建物が下にあり、四方に監視カメラが取り付けてある。周囲には一切表示が無く謎の中継所だ。おそらく警察関係のものと思う。

謎の仁寿山アンテナ塔
おそらく警察関係だ

麻生山の登山道がよく見えるが、平成11年4月発行の「姫路南部」地形図に記載されていない送電線が麻生山の西を南北に走っていてその下に送電線巡視路も見える。また麻生山頂上への登山道(地形図の破線路)に沿って電柱が建っているのが見える。鞍部まで下りたら電柱に沿った道を行けば頂上に行けるだろうと、その時ははっきり理解できていた。

12:29
鞍部近くの車道に下りた。パンを食べながら車道を下りていくと、「小富士山登山口 15分頂上」の小さな標識が車道から左手に入る山道の入口にあった。

2分ほど登ると十字路になっている。右手方向には「至 麻生山 450m」の古い標識がある。直進は鞍部を通り県立養護学校へ、左手は仁寿山への直登ルートだろう。ここは当然右に行く。

もう少し行くとY字分岐があり、左は送電線巡視路の非常に良い道。右は深い溝が刻まれた歩きにくそうな山道だ。ここは右に行かなければならないと分かっていても、なぜか足は左に向いてしまう。

12:40
足の向くまま、緩やかな巡視路を北に進むと、平成8年に建てられた「宮西線2番鉄塔」、その先には「3番鉄塔」がある。麻生山の頂上は右手の上に見える。

12:45
「3番鉄塔」に到着。4番鉄塔方向に巡視路が続いているが、頂上方向にも山道が付けられている。どうやら道を戻らずに済みそうだ。

12:51
狭い山道を登って行くと、地形図の破線道に合流することが出来た。破線道はここも深い溝になっている。

12:58
麻生山頂上北側の石仏が沢山ある華厳寺境内に到着。頂上は南側にあり丸い広場になっている。なかなか展望は良いのだが、同じような景色ばかり見てきたので少し厭きてきたかもしれない。この頂上には三角点は無い。

麻生山頂上

麻生山頂上北の華厳寺



最終目的地、檀場山へ

麻生山からの下山ルートは地形図では3本ある。南の奥山に下るもの、北に進み東側の小学校か西側の中学校に下るものだ。JR御着駅に一番近い小学校ルートを取ることにする。

13:16
境内の東から下山路は始まっていて、「四郷小学校登山口743m、四郷中学校登山口708m、仁寿山1,215m、奥山520m」の標識がある。北に下ると道は左右に分かれていて、右に曲がり小学校に下りていく。良く整備された道で、階段はあるし、下の方には手摺まである。

13:38
四郷小学校と四郷保育所の間の道に下山。登山口には山火事防止の標識があるが、特に案内標識は無かった。

14:19
JR御着駅の東側で線路の下をくぐり、国道を渡り、檀場山の北東登山口に到着。「史跡檀場山古墳」の石柱が建っている。
檀場山北東登山口
本当に山かな

檀場山古墳 国指定史跡(大正10年3月3日指定)

5世紀前半に築かれた前方後円墳で、全長約143m、県下で第3位、西播地方では最大の規模である。檀場山の名前は、「神功皇后が西征の途中、この山に檀を築いて戦勝を祈った」とする伝承に由来している。
周濠をめぐらし、前方部と後円部の間のくびれ部に造り出しが見られる。後円部頂上には組合式長持形石棺の一部が露出し、「縄掛け突起」のある石棺蓋が見えている。
また、後円部の南方左右には陪塚(第1、第2古墳)があり、北方にある山之越古墳(第3古墳)は、一辺50mの方墳である。

あっという間に登山は終わってしまった。地形図には前方部に神社の印があるが今は何も無く、後円部頂上には案内看板通りに石棺が見えている。10mの山に展望を期待するのが間違いだが、古墳の斜面には木が茂り周囲の民家が幹の間から見えるだけだ。

檀場山頂上
柵の中に石棺が見えている

JR御着駅から姫路駅まで電車に乗り、駅前からバスに乗り家に帰着。

御旅山・仁寿山・麻生山ともに200mもない低い山だが、展望も良くなかなか楽しめる山だった。それと、このHPの読者に会えたのが今日の最大の収穫だった。



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