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姫路市の松尾山(八幡山)は籔だった



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平成15年3月14日(金)  メンバー 私だけ

松尾山 まつおやま 316.9m


松尾山はどこにあるのか

姫路市の北西の端に、姫路市内で一番高い「葛城山478.6m」がある。「書写山371m」が姫路市最高峰だという噂もあるが、葛城山の方が標高が高いのは明らかだ。ただ葛城山は地形図に山名が載っていないのが弱みだが。

葛城山の南に「松尾山316.9m」(八幡山と呼ばれているかもしれない)がある。この山も地形図には山名が記載されていなく、情報は皆無の山だ。

去年(平成14年)の1月に葛城山に登ったとき、松尾山頂上の北東にある307.3m三角点ピークは北の峠から登れそうなのが分かったが、三角点ピークから頂上までの様子、下山路はあるのかなどは全く不明だ。

計画としては、「地形図:安志」の右下、『姫路市』の文字の『路』と『市』の間にある「かつらぎ自然学校」まで車で行き、破線道を北西に峠まで進む。

峠から南に307.3m三角点ピークまで登る。尾根を南西に進み松尾山頂上(316.9m三角点ピーク)に。頂上から南東にある溜池に下山する。というような計画だ。



かつらぎ自然学校から登山開始

9:41
家を出発。天気は晴れ。3月になってから私の休みは雨続きでどこにも行けなかったが、半月ぶりにやっといい天気に恵まれた。

追分を過ぎ林田の信号の北、国道が左に曲がるところで、右に入り林田町奥佐見に向う。「かつらぎ自然学校入口」の案内板のところから北に入る。

10:17
奥佐見の集落を抜け奥佐見奥池を過ぎ、1車線幅の舗装道路を北に入っていく。葛城下池を過ぎると山の中にかつらぎ自然学校の木造の建物が現れる。路肩の草地に車を止める。かつらぎ自然学校には誰もいないようだ。

10:22
登山開始。植林の中の破線路を北西に進む。右手の植林の中に削平地が現れ、そこにブルーシートを掛けた三角小屋がある。自然学校の作品だろうか。

三角小屋
上の継ぎ目から雨漏れ放題

10:31
破線路は峠に近づくと背丈を越す笹薮となるが、峠に着くと右手にテープが3本巻かれた木が現れる。そこから北に曲がると葛城山に登る道が始まっている。今日は南に笹薮の隙間を抜ける。笹薮はすぐ終わり草原(くさはら)に出た。

峠の南側の草原から登る
ここから南に登る

左側は雑木林で、右側は伐採され草原になった斜面を登っていく。踏み跡もない、かなり急な斜面だが北と西の展望が広がり振り返ると近くに葛城山が見える。実は今日の展望地はこの斜面だけだった。ここ以外は周りを雑木に囲まれ展望は良く無かった。

北の葛城山
頂上は中央の奥のピーク

三角点ピークに近づくと雑木の籔になるが木の間隔が広く下草も無く、登りやすい部類に入るだろう。相変わらず道も踏み跡もないが。

307三角点ピーク手前の登り
道は無い、踏み跡もない

11:11
307.3m四等三角点ピーク(点名:山田)に着いた。周りは雑木に囲まれ展望は全く無く、その上周囲に踏み跡も無い。三角点の近くになぜかガラスの牛乳瓶が2本落ちている。

11:14
仕方なくコンパスで方向を定め雑木とシダの籔を行くが、このまま踏み跡も無いと計画どうり行けるか心配だ。

三角点から南の籔
このまま踏み跡もないのだろうか



境界の切り開きが現れた

11:21
7分ほど行くと、境界標石が現れた。赤く塗られ「一八〇」と彫られた大き目の標石だ。ここから南に切り開きが始まり、境界標石も続いている。

切り開きがどこまで続いているかが問題だが、307.3m三角点ピークから南の狭い尾根にも続いていた。切り開きは広く快適な道で倒木も無い。

快適な尾根の切り開き

12:02
松尾山頂上への方向転換地点に着いた。境界標石の切り開きは残念ながら頂上とは反対側の東の尾根へと続いている。それでも頂上に続く西の尾根も何とか行けそうな雰囲気があるので、予定どうり西に進むことにする。

西に進む尾根は結構歩きやすく、古い境界石が時々現れる。

結構歩きやすい雑木の尾根
楽勝だ

12:16
しかし方向転換地点と頂上の間の広いピークはひどい笹薮だった。背丈を越えるササが濃密に茂っている。ピーク間の尾根は歩きやすい雑木林だがピークの笹薮との落差は甚だしい。

濃密な笹薮
この籔もプロローグに過ぎなかった

12:42
頂上手前のさらに酷い笹薮を抜けると、笹薮の中の松尾山頂上に到着。四等三角点(点名:八幡)が笹薮の中にある。

松尾山頂上
三角点は笹薮の中

それでも頂上の北側は少し切り開かれていて上からの日差しがポカポカとして暖かい。ここで昼食にする。

展望は悪いが北方向が少し見え、葛城山西側の中腹まで林道が上がっているのが見える。

頂上の西側から古い薄い踏み跡が下りているような雰囲気があるがはっきりしない。下山予定方向の南から西は猛烈に濃密な笹薮が待ち構えている。

松尾山頂上から見た葛城山
展望は悪い



下山は完璧な籔の中

13:31
松尾山頂上を後にし南の笹薮に突入する。背の高いササの中に細いツタも混じっていて体が絡め取られてしまう。ナイフでツタ切りながら何とか下りていく。重力に助けれながらササを漕いで行くが、これが登りならどうにもならないだろう。

笹薮を抜けると、今度は急斜面の雑木籔になった。何とかかんとか抜けるが、写真を撮っている余裕は無かった。従って下山中の写真は無い。

14:04
時々見える外界の様子から下山方向を修正して行き、計画通りの溜池の北に出た。

溜池(奥池)の北側にはしめ縄を掛けられた大岩があり、その横には寛延三年の銘がある石碑と多宝塔が七つ並んで立っている。大岩や石碑の由来が分かればまた興味深いものになるだろう。

溜池北側の石碑と多宝塔
お墓かな

石碑の西には「開拓記念碑」が建っている。

開拓記念碑

一、土地十二町二畝八歩外道路敷雑地約二町歩
  代価九万千八百五十三円六十三銭也
二、昭和三十一年一月林田町開拓組合設立合併
  組合出資者三七名出資金三万七千円也

追憶

開拓組合解散に当りこの土地が八幡部落のため役立つ事を祈念して全財産事務を八幡部落え移管して組合を解散する

昭和五十年十一月三日 姫路市林田町八幡 八幡開拓組合長

昭和31年のこの辺りはどんな様子だったのだろうか。松尾山も薪炭林として利用され、下草も刈られた素晴らしい里山だったのだろうか。その頃に行って見たい気もする。

14:40
背中に入った大量の枝葉を服を脱いで払い、駐車場所に向う。

溜池の南に「西通山国有林」と表題が付けられた営林署の看板があり、東側の山に道が入っている。もしかするとこの道を行くと松尾山の東のピークに行けるのだろうか。

15:24
南の車道まで出て、それからかつらぎ自然学校に行く道を北に進み車に戻る。

15:25
車を出し家路につく。

16:07
家に帰着。総走行距離39km。

ここまで書いてきて気がついたが、道も無い踏み後も無い、藪だけの松尾山に登りたいと思う人が現れるとは思えない事に。非常に残念だが、私も二度と登ることが無いと思う。



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