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御津山脈縦走(柏公園から石見神社へ)



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平成15年3月29日(土)  メンバー 私だけ

雄鷹台山 おすたかだいやま 310.6m
嫦娥山 じょうがやま 265.8m
ジェット山(Z山) じぇっとざん(ぜっとやま) 228m
Y山 わいやま 251.9m
X山 えっくすやま 175m
稲富山 いなとみやま 177m
碇岩北山 いかりいわきたやま 201.2m
北山の奥山 きたやまのおくやま 151m
塚黒山 つかぐろやま 100m
権現山 ごんげんやま 140.3m


御津山脈完全縦走計画

地形図「相生」と「網干」を参照すること。

揖保郡御津町の北の町界(西は相生市・東は揖保川町)に沿って延びる山々を「御津山脈」と呼ぶ。標高は最高地点でも310mしかないが、適度に整備された道が続いていて、瀬戸内海の展望も良好だ。

これまでに中央部の3分の1ほどを除いて歩いているが、今回は完全縦走を目指し計画を立て実行してみた。

御津山脈の西端は、国道250線の御津町と相生市の境の御津町柏公園の脇で、東端は揖保川に架かる王子橋の南、中島の集落にある石見神社の境内だ。

地図ソフトで町界を適当に計ると約12km。地形図でおおよその獲得高度を読み取ると約1,200m。かなりの距離・高度差だが1日で歩けない距離ではないと思う。

終わりを西の柏公園にすると、公共交通機関は<相生荘口〜相生駅>の神姫バスしかなく、平日は15時から17時まで1時間に1本づつあるが、土曜・休日の午後は16時31分の1本しかない。乗り遅れたらタクシーを呼ぶ以外方法は無い(相生まで歩くという手もあるが)。

終わりを東の石見神社にすると、JRの網干駅も山陽電車の山電網干駅も歩けない距離ではないし、南に1km弱行けば神姫バスの中島口バス停がある。バスは平日・土曜は15、17、18時には1本づつ、休日は15、17時に1本づつあり山電網干まで行ける。

神姫バスの時刻表はのぞみNavi時刻運賃検索で調べることができる。

公共交通機関を使うなら、始まりを西の柏公園にするしかない。しかしJR相生駅から相生荘口に午前中に出るバスは、平日は7時28分の1本のみ、土曜・休日は9時30分のみしかななく、平日なら何とかなりそうだが、土曜・休日は遅すぎる。相生駅からタクシーを使えば解決するが。

私は今回、妻に柏公園まで送ってもらうことにしたが、これが一番簡単な方法だろう。タクシーを使う、車2台で行き1台をデポする、自転車をデポする、自転車を担いで山に登るなどの方法もあるだろう。



西の柏公園から登山開始、雄鷹台山へ

国道250線の御津町と相生市の境から御津町側に柏公園という小公園があり、車数台を止められるスペースもある。ここまで妻に車で送ってもらった。

5:44
まだ少し暗いが、歩くのには問題ないので登山開始。柏公園の西の端に登山口があり、登り始める。切り通しの北側を道に沿って登り、それから北に尾根を登っていく。

6:04
それなりに急な尾根を登って行くと、岩がテラス状になった「柏第一展望台」がある。まだ薄暗い中、相生湾の向こう側にこの前行った細見山や釜崎が見える。

柏第一展望台から、まだ薄暗い相生湾
この前行った釜崎が見える

6:11
尾根を登りきり、関西電力の電波反射板の横を通り西に進んでいく。周りを雑木に囲まれ展望は無い。

6:34
南側が開けた「柏第二展望台」に着いた。御津山脈西部の登山道は両側を雑木に囲まれ展望は悪く、「展望台」と名前が付けられたところのみ展望が広がっている。
柏第二展望台から、赤松鼻、藻振鼻
家島も正面に見える

6:47
292.9m三角点ピークへの分岐に着いた。三角点ピーク方向は「仏が台山方面(往復)」となっている。前に来た時、行ったので今回は割愛する。

6:53
三角点分岐の東の鞍部は「瞑想の撓(たわ)」と名前が付けられている。由来は分からない。

7:02
北側が開けているところに来た。「山彦台」と名前が付けられている。「ヤッホー」と大声を出してみたがこだまは返ってこなかった。

7:04
「柏第三展望台」に到着。正面に家島の島々が大きく見える。

7:22
十字路分岐に着いた。北に下ると相生の野瀬の集落へ、南に下ると「大師堂」経由で「大浦西登山口」に行ける。南北とも縦走路よりも良い道だ。

7:25
大師堂には行ったことがないので寄り道をしてみた。南に下ると平地がありお堂が建てられている。

山中の大師堂
どうしてこんな山の中に建てたのかな

7:32
尾根に引き返し、縦走を再開する。曇っていたが、薄っすら日が差し始めた。天気予報どうり曇りから晴れになるようだ。所々から南の大浦の浜を見ることができる。この辺の道は雑木林の中で、道を開くとき木を伐るのを最小限にするためか道は細かく曲がりくねっている。

8:06
登山開始から2時間22分、今回の縦走中最高地点になる「雄鷹台山」310.6mに着いた。頂上は雑木に囲まれ展望は無い。四等三角点(点名:奥山)とダイセル化学工業の看板塔とゴミが少しある。

雄鷹台山頂上
周りは雑木に囲まれている



嫦娥山へ

8:26
雄鷹台山頂上から始まるダイセルの有刺鉄線柵沿いに東に下りていくと、「雄雌大岩展望台」(雌は鷹の誤りだろか、はたまた岩が2段になっているので雄と雌なのだろうか)がある。平らな大岩があり、瀬戸内海とこれから向う嫦娥山がよく見える。

雄雌大岩展望台から
手前にもよく見えるところがあった

8:36
長い下り道を下りると、不法投棄のゴミがあった。「鳩が峰」の切り通しの御津町側に下りたところだ。峠なのに峰とは不思議な名前だ。ある道路地図などは間違って山の頂上に使う黒三角印を付けている。

鳩が峰の最高地点には次のような表示杭があった。しまった杭の裏を見なかった。

旧室津街道 鳩ケ峰

ふるさとの歴史を刻んだ文化財
旧室津街道上の丸亀藩と姫路藩の境界 当時の街道は現在地より東へ200mほど上ったところ

鳩が峰の切り通し
車も通れる

8:44
下りてきた向かい側に「室津街道入口」と「御津山脈縦走路 嫦娥山 登山口」の表示板がある。前に来た時よりも道がよくなっているような気がする。

8:51
少し登ると分岐に出た。「ここが鳩ガ峰」・「御津山脈縦走路 嫦娥山へ」の表示板がある。しかし、南側への分岐は旧室津街道だが表示はなかった。

ダイセルの朽ち果てた有刺鉄線柵の横を登っていくと、今日唯一のハイカーに出会った。この方はWEBで御津山脈のことを調べられていて、私のHPも知っていた。

9:12
嫦娥山頂上に到着。三等三角点(点名:七曲)と、ここにもダイセルの看板塔がある。前に来た時は笹が茂っていたが、刈られて明るくなっている。しかし、潅木のため展望はあまりよくなく、枝越しに家島が見えるだけだ。

南方向へ道が下りていて、「室津バス停」となっている。縦走路はダイセル看板塔に赤色スプレーで矢印が付けられている方向だが、明確な表示はなかった。

嫦娥山頂上
Z山は赤色矢印へ



Z山・Y山・X山へ

9:16
「天狗岩」を通過。どこが天狗なのかよく分からない。

町界にはダイセルの有刺鉄線柵が続いているが、縦走路は南に離れピークを巻くように進む。そのため南側の展望がよく時々立ち止まって見入ってしまう。

9:38
「眺め岩」通過。東の綾部山がよく見える。岬の先の小さな島が「四十四島」だろうか。

「眺め岩」から東の綾部山
霞んでいるな

9:57
ジェット山頂上に着いた。228mの標高点のところだが、なぜか山名板の表示は253mになっている。頂上は岩盤で周囲に遮るものがなく展望は良い。ここにもダイセルの有刺鉄線柵が続いているが、一部切り取られて出入りは自由になっている。

ジェット山頂上から南の家島
春霞がはれない

10:23
ダイセルの工場群を左に見ながら下って行くと、ロープがある急坂に出た。その下の鞍部は平らに整地された広場になっている。何かを建てようとしたのだろうが、放棄されてしまったようだ。地形図の実線道が登ってきているところで、轍があるところを見ると車でも登ってこれるのだろう。

この広場にもダイセルの柵が続いていて東側の急勾配斜面にも一直線で続いている。

立入禁止

当社敷地内につき無断立入りを禁ずる。

ダイセル化学工業(株)播磨工場



不法侵入者は住居侵入罪(刑法第130条3年以下の懲役又は10万円の罰金)・金網を破った物は器物損害罪(刑法第261条3年以下の懲役又は30万円の罰金)に罰せられます。

兵庫県龍野警察署

柵にはこのような注意書きが付いていた。ダイセル工場の中には何かいいものがあるのだろうか。大きな花火でもあるのだろうか。

10:28
西から下りたところはフェンスの近くだったが、東の登るところはかなりフェンスから南に離れたところで、「御津山脈縦走路 Z山−Y山登山口」の案内板がある。

案内板のところから、さらに南に轍の残る道を進むと、いきなりロープが下がる岩場の登りがある。251.9m三角点ピークから南に延びる尾根を目指しているようだ。途中、岩見港がよく見えるところがあった。

10:48
Y山山頂に着いた。251.9m三角点ピーク(四等三角点、点名:岩見)だが、ここは雑木に囲まれ展望はない。

三角点標石はペンキで赤く塗られ、ただの町界標石と見間違うところだったが、保護石があることで三角点だと分かった。近くの木に航空測量用の対空標識が半分壊れて残っている。

Y山頂上の三角点標石
赤い三角点

Y山から岩見坂までは町界上に一直線の急な下り坂が続いている。標高差は200m近くあり、あまり登りたくない坂だ。

10:56
中腹の地形図の岩印のところは急な一枚岩の斜面でロープが下がっている。ここからは、これから進む山々が一望の下に見渡せる。ここで10分ほど休憩。登山開始から5時間そろそろ疲れが出てきたか、注意して下りよう。


Y山東斜面の岩場から東の展望
終了点はまだまだだ

11:17
傾斜が緩やかになり、小さめの古墳の石室が現れた。二つ目の古墳には「国有林」のアングル杭が立てられている。

11:24
岩見坂に下り立った。町界よりもかなり南だ。下山口には「御津山脈縦走路 Y山 登山口」の案内板がある。

東側のX山(175m標高点の山)への上り口はさらに南にある。取り付けはアスファルト舗装の脇道だが、車が登れるか怪しいぐらい急だ。「御津山脈縦走路 X山 登山口」の案内板がある。

道路はすぐ行き止まりで、その先には天井石の残った古墳がある。

シダの茂った急坂を登って行くと、頂上近くに南の展望が良いポイントがあり、岩見港がよく見える。

11:43
X山頂上には表示はなく、古墳の石室が崩れた石が散乱している。



岩見梅林から碇岩北山へ

岩見梅林までの籔っぽい道
明るく良い雰囲気だ

11:57
雑木に囲まれた少し籔っぽい道を進んでいくと「岩見梅林」に出た。梅林の一番西の端で、「御津山脈縦走路 中島−X山」の表示板があるが、梅林側からは白い板にしか見えない。

梅林は満開は過ぎたようだが、きれいな花が咲き良い香りも漂っている。土曜日なのに観光客は誰もいない。

岩見梅林の梅の花
誰もいない梅林

12:02
梅林の中の道を行き、177mピークの方向に続く簡易舗装の道を登っていく。交差点には案内標識はないが、所々に縦走路の案内板がある。

12:07
「御津山脈縦走路 中島へ」の案内板のところから山に入る。初めは竹林の中を、その先は暗い雑木林の中を行くのだが、縦走路の中では最も雰囲気の悪いところだ。

12:20
「稲富山」頂上に着いた。177m標高点のところだが、雑木の中で展望はない。

12:28
尾根を北西に下ると鞍部には西方向に分岐があり「馬場へ」の案内板がある。おそらく送電線巡視路だろうが、あの「火の用心」標識はない。北に進む。

12:31
相生線13の鉄塔に着いた。東方向に分岐があり「碇岩南登山口へ」の表示がある。送電線巡視路を使い下りて行けるのだろう。ここも北に進む。

12:42
201.2m三角点ピーク(碇岩北山)の南の鞍部は東西に切り通しがあり、切り通しの南北にはロープが下がっていて、それで登り下りするようになっている。西側は行き止まりになっているが、東側は溜め池の横を通り碇岩の集落に下りることができる。

12:50
ロープが所々にある北山への急な登りの途中に、「一服岩」と名付けられた岩があり、ここで5分間休憩する。かなり疲れてきたようで、5分間があっという間に過ぎてしまった。ここから上に登ると再び家島が見え始める。

13:02
登山開始から7時間18分、碇岩北山頂上に到着。雑木が少しあるが展望はよく、南も北も良く見渡すことができる。

三角点標石(四等三角点、点名:東山)には直接対空標識が取り付けられ、これもまた赤く塗られている。三角点は国土地理院が管理しているのであって単なる標石ではないので、赤くは塗らないでほしい。対空標識のウレタン製の表示板は外れているが、木製の枠は残っている。航空測量は終わっているはずなので、外そうとしたが意外としっかり作られていて壊すことができなかった。

対空標識の残骸付きの赤く塗られた三角点標石
かわいそうな三角点

ここで遅めの昼食を食べる。お日様がポカポカとして暖かい。



縦走も最終段階、権現山へ

13:34
30分の休憩の後出発する。東に続く尾根道は背の低い草木しかなく展望が非常に良い。南側には背の低い山しかなく、瀬戸内海を見ながらの楽しい緩やかな下山路だ。

13:57
一旦上り返し、151mの標高点のあるピークに着いた。「北山の奥山」の表示がある。ここから東は雑木や背の高いシダなどで展望は余りよくなく、一部で南の展望があるだけだ。東の権現山(140.3m三角点ピークのある山)は展望がなく、この辺が縦走路最後の展望地だ。

14:12
車道に下りた。碇岩の北の峠道のピークから少し北側だ。「御津山脈縦走路 北山登山口」の表示がある。

道を渡り、ピークの少し南のフェンスの隙間から、また登り始める。「縦走路 中島方面入口」と「御津山脈縦走路 塚黒山 登山口」の表示がある。

2:21
展望の無い暗い尾根を登って行くと、標高100mほどのピークに着いた。ここが塚黒山なのだろうか。ここから東には沢山の古墳があり、最終的に下山するまでに、30近くの古墳を確認することができた。私には動かすことが出来ないような大きな岩で石室が作られている。昔の人はさぞかし力持ちだったのだろう。

展望は無いが古墳を探しながら歩くと疲れも癒されてくる、わけはない。もう少しだ。

権現山51号墳の説明板の少し西に「御津山脈縦走路」の案内板がある。そこにかなり分かりにくいが、北への分岐があり、王子権現に下りることが出来る。

14:33
51号墳のすぐ東の権現山頂上に着いた。ここには三等三角点(点名:中島)がある。ここは赤く塗られていないが、展望は無い。

権現山頂上のきれいな三角点標石
やっとまともな標石だ



フィナーレは石見神社

14:45
権現山から東に古墳の数を数えながら雑木の中を進むと、いきなり前方の展望が開け、揖保川に架かる王子橋が正面に見えた。とうとう縦走も終了が近いようだ。ここから夢前川に沿って狭い尾根の上を南東に進む。

夢前川の王子橋
縦走もお終いが近い

14:50
石見神社の北、崩落防止工事された崖の上にしめ縄を掛けられた大岩があるところに出た。石見神社のご神体なのだろうが由来書きなどはなかった。周囲より40mほど高く、夢前川の東の展望が広がっている。

15:03
濡れた服を着替え、バスに乗っても恥ずかしくないように荷物を整理し石見神社に下りていく。下り口はご神体岩の手前にトラロープが張ってあるところだ。きれいに掃かれているので砂が浮き滑りやすい。

15:08
石見神社社殿の一番奥左側に下山。「御津山脈 中島登山口」の案内板がある。

9時間25分かかり、御津山脈縦走は無事に終了した。普通の人なら、足の遅い私よりも時間はかからないと思う。

プリントアウトしてきた「中島口」のバス時刻表を見ると、20分後にバスが来るようだ。1kmほど南なので十分間に合うだろう。

中島口のバス停が見つからず、御津病院前のバス停まで行ってしまったが、バスの時刻には間に合い、山電網干までバスで行くことが出来た。



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