山行記録にもどるホームにもどる



赤穂ふれあいの森



スポンサード リンク




平成15年4月24日(木)  メンバー 私だけ

高雄山 たかおさん 182m


明日は雨だ、どこ行こうかな

地形図「相生」を参照すること。

明日の天気予報は雨。

雨の中でも、歩きやすい遊歩道があり、まだ登っていない山はないかと、ネットで調べていると赤穂市の千種川の東岸にある「赤穂ふれあいの森」が浮かんできた。

南の高雄山にある神護寺から北の験行寺の北まで遊歩道があり、それほどきつい登りがなく、展望良好(雨が降っていては駄目だろうが)と完璧に雨の日向きの山だ。

姫路バイパスから国道2号線を西進し、JR山陽本線有年駅南の信号を左折し周世坂に向う。峠への登り口にも「赤穂ふれあいの森 0.2km」の案内があるが、そこには入らない。

大型車通行禁止の狭い周世坂の峠を越して下りていくと、右手に「赤穂ふれあいの森 1.4km」の案内が現れる。「神護寺登山口(徒歩20分)」の案内もある。

そこには「赤穂ふれあいの森(周世地区)案内図」がある。

赤穂ふれあいの森(周世地区)案内図

この地域は本来スダジイやコジイなどの常緑広葉樹に覆われる地域です。しかし、古くから製塩や生活のための燃料として森林の伐採が行われてきたため、現在では尾根に多く見られるアカマツや沢および斜面の一部にみられるコナラ・アベマキ等の広葉樹林でしめられています。
ここに位置する神護寺は天台宗の寺院で、鎌倉初期に文覚が開創したと伝えられています。
また、周辺は兵庫県を代表するスダジイの自然林が残されています。

平成8年3月

兵庫県・赤穂市・(社)兵庫県森と緑の公社

案内図は北が右下を向いていて、頭に入れてきた地形図とどうも一致しない。

これ以外にも案内図は各所にあったが北が右下・右・下・左とばらばらで統一されていない。おまけにここの案内図はふれあいの森の一部しか記載されてない。遊歩道は北に延びているはずなのだが、案内図では北に行くと行き止まりになっている。

どうにも全体像がつかめない、こまった案内図だ。

9:48
「赤穂ふれあいの森」のゲートをくぐり、舗装道路(地形図の実線道)を登り、終点の駐車場に到着。かなり広い駐車場だが私以外の車は止まっていない。雨は上がっているが、いつ降るか分からないような天気だ。

駐車場には案内図や役に立つ道標はない。横にフィールドアスレチックの施設があり、「木製遊具配置」図と「展望舎 0.1km」の道標があるだけだ。展望舎に行ってみたが、西の周世の集落が霞んで見えているだけだった。

10:03
駐車場の奥からどこかにいけそうな雰囲気があるので入っていくと、広場と「高雄山荘」と名前が付けられた管理施設があった。ここにも入口にあった案内図と同じものがあり、「験行寺」にはどの道を行けばいいのかさっぱり分からない。道標もいくつかあるが験行寺へのものはない。取りあえず道標のある高雄山頂上に行ってみることにする。

10:11
高雄山頂上に着いた。高雄山への遊歩道は周回できるようになっていて「歴代住職の墓」の横を通り反時計回りに登ってきた。頂上には東屋があり、南側を流れる千種川が見える。天気がよければ瀬戸内海も見えるのだろう。

高雄山頂上から南の展望?
予想どうりの見え方だ

高雄山頂上
雰囲気は悪くはないが

高尾山から下山し、あれなんでこんなところに民家があるんだと思うような「神護寺」や「大石良雄寄進の石灯籠」、「大石良欽寄進の手水鉢」を見る振りをしながら、北に行く遊歩道の入口を探すが、「裏参道」や「表参道」の道標に惑わされ変な方向に進んでしまう。

神護寺、左隅に大石良欽寄進の手水鉢
無住のようだ

神護寺境内?にあった、植生解説板。

コジイ−カナメモチ群集

赤穂市は、本来はスダジイやコジイなどの常緑広葉樹林に覆われた地域でした。しかし、古くから薪炭材などとして利用したためにこれらの林は伐採されつづけられ、現在ではほとんどが二次的な植生に移り変わっており、自然の林はごくわずかしかありません。
当地の神護寺周辺にみられるシイの林は兵庫県を代表する貴重な自然林として、県の環境緑地保全地域に指定されています。
群落内には、スダジイ、コジイ、の大木がみられるほか、カナメモチ、タラヨウ、ヒサカキ、アラカシ、クロガネモチ、サカキ、ヤブツバキ、シキミ、ベニシダ、マンリョウなど常緑性の木が多くみられます。

(平成7年度里山林整備事業)




北に向う遊歩道はどこに

10:47
管理施設のある広場の奥に「散策路(林道へ)0.2km」の道標があり、これが方向もあっているし、験行寺に行く道なのかも知れない。

その道を行くとまた植生解説板があった。

アカマツ−モチツツジ群集(ネズ・コシダ型)

赤穂市にはアカマツ群落(2次林)が広くみられます。当地のアカマツ群落は、地表植生の違いによってコウヤボウキ型とネズ型に分けられます。ネズ型はここに多くみられ、尾根の急傾斜面上部の劣悪な土壌条件のところに分布しているためアカマツの樹高が低く、出現種数も少なくなっています。特にここでは林床にコシダの密生するコシダ型が広く見られます。本事業では、下刈りなどの手入れを行うことにより、明るく展望のよい疎林を維持しています。群落内にはコバノミツバツツジ、モチツツジ、ソヨゴ、ネジキ、ヒサカキなどのほか地表植生を特徴づけるネズ、ナツハゼ、ススキなどがみられます。

(平成7年度里山林整備事業)

10:58
丸太の階段道を下りると、駐車場に登る舗装道路に出た。来た道は「神護寺(健脚向)0.2km」となっている。

すぐ先の道路左側に東屋のある広場(駐車場)があり「展望広場 0.5km」となっている。

この広場には全域が表示された「赤穂ふれあいの森案内図」があり、初めて全容をつかむことができた。

赤穂ふれあいの森案内図(右斜め下が北)
初めにここに来ればよかった

遊歩道を行くとまた植生解説板があった。前のとは似ているが少し違うようだ。

アカマツ−モチツツジ群集

赤穂市にはアカマツ群落(2次林)が広くみられます。当地のアカマツ群落は、地表植生の違いによってコウヤボウキ型とネズ型に分けられます。ネズ型はここに多くみられ、尾根の急傾斜面上部に劣悪な土壌条件のところに分布しているためアカマツの樹高が低く、出現種数も少なくなっています。多くは地表にコシダの密生するコシダ型ですが、局所的に林床のコシダを欠きコケ類を伴うハナゴケ型がみられます。これは劣悪な土壌条件のところで局地的な極相林に近いと考えられます。群落内にはコバノミツバツツジ、モチツツジ、ソヨゴ、イヌツゲ、ヒサカキなどのほか地表植生を特徴づけるネズ、ナツハゼ、ススキなどがみられます。

(平成7年度里山林整備事業)

11:08
分岐地点に出た。左斜めに道床がえぐれた道があり、「赤穂市民ウォーキング」の道標がある。

分岐地点には案内図(この案内図は北が左になっている)があるがどう見ても現在地には分岐がない。真っすぐ行ってみると100mほどで行き止まり、ベンチがおいてあり展望休憩所のようだ。

引き返し「赤穂市民ウォーキング」の示すほうに進む。道は尾根の東側に付けられていて、あまり急なところもなく、まさに遊歩道といった雰囲気の道だ。

遊歩道を行く
歩きやすい道だ



川向山南側は焼け野原

11:20
尾根側の木々が焼け焦げている。まだきな臭い臭いが残っている。最近の山火事後のようだ。

11:21
東屋があり、この辺から山火事が始まったような感じだ。たばこの火の不始末辺りが原因だろうか。

焼け焦げた木々
今年の冬辺りか

11:25
山火事跡の中に分岐があった。来た道は「神護寺へ(シイの森)1.3km」、真っすぐ行く道は「験行寺へ(昭葉の森)1.4km」、分岐のプラ階段の道は「山頂へ0.3km」となっている。山頂とは三角点のあるピークを指しているのだろう。

山火事後のプラ階段の道を登っていく。関電の送電線巡視路なのだろう。

11:28
「赤穂火力線25」の送電線鉄塔の真下を通り登っていく。展望は良さそうだが何も見えない。残念だ。送電線の碍子からコロナ放電の音がジージーチリチリと聞こえてくる。

ピーク近くの焼け野原
新鮮な山火事後だ

11:38
286.9mの三等三角点(点名:川向山)ピークに着いた。ピークから北側は山火事から免れたようだ。

道は登ってきた南東側のものと、南に下りるもの、北西の尾根に向かうものの3本が確認できた。

周りの木々は焼けているので展望はいいのだろうが、残念ながら今日は何も見えない。山火事注意の看板がむなしく焼けた木にぶらさがている。

川向山ピークから、何も見えないなー
あーあっ

11:52
山火事から免れた、北西方向の道へ進む。道はあまり歩かれていないようで、踏み跡程度だ。

道はすぐに尾根から右にそれ急な斜面を下りていく。新緑の美しさに気をとられ足を滑らせしりもちをついてしまった。

道は緩くなり、次第に広くなってきた。ツツジがところどころに咲いていて、歩いていいるのが楽しくなってくる。

遊歩道に戻るまでの道
遊歩道もいいが、こっちのほうがいいな

12:08
遊歩道に復帰する。「神護寺へ(シイの森)2.0km」、「験行寺へ(昭葉の森)0.7km」、「山頂へ0.5km」の道標がある。

12:13
十字分岐に着いた。分岐地点に東屋と案内図がある。右に行くと県道に下りられ、直進と左は先で合流し験行寺方向へいけるようだ。東屋で一服し直進の道を進む。



験行寺から展望デッキへ

道は植林の中に入り、次第に下っていく。右に分岐し小さな池の横を下りていくと舗装道路に出てしまった。横にある広場の隅に井戸を六角形のお社で囲んだお堂がある。最近建てられたもののようだが、祀られている井戸には何か由来があるのだろうか。

験行寺近くのお堂
新しそうだ

12:29
道標に従い舗装路を登り験行寺に到着。お寺の横にふれあいの森の管理施設なのか「医王山薬師山荘」と名前が付けられた建物がある。天気が怪しくなって小雨が降りだしたのでカッパを着る。

験行寺
付属の建物はない

12:42
験行寺から北の尾根への道には「鴾ケ堂城址」の道標がある。暗い植林の中の道を進んでいくと右手にアスレチック施設がある。平日の雨の降る日だ。誰もいない。

12:48
「鴾ケ堂城跡」の木柱が現れ、少し行くと三階建ての展望台が現れた。

鴾ヶ堂城跡

三重山の山頂(標高196m)にある鍵形梯郭式の山城跡である。「播州赤穂郡志」によれば小田弾正がはじめて住んだとある。

赤穂市教育委員会

12:51
三階建て展望台に到着。昔の砦を模したような大きな展望台だ。

JR有年駅までは見えるがその先は霞んでいる。天気がよければ素晴らしい眺めなのだろう。ここで昼食を取る。

三重山の山頂の展望台
昔の砦を模したのだろう

赤穂ふれあいの森

展望デッキ

この展望デッキは、木製遊具同様、県内で生産された杉で作成しています。防虫防腐処理には、薬剤による殺菌ではなく、木材を加圧処理し内部で防護膜をつくり、白アリやカビを防ぐ酸化亜鉛含浸処理を施しています。この処理は、有害物質を含みませんので人体・環境面で安全性に優れた加工処理です。



帰りは周世坂

13:22
さて、ここから南の高雄山駐車場所までどう戻るかが問題だ。雨もかなり降り出してきたし、一旦下りて周世坂の車道で戻ることにする。林の中の道をゆっくり歩いていけば、車で通り抜けるのとは違い何か発見があるだろう。

験行寺までは戻らず、途中の分岐から階段道を下りる。車道(地形図の破線道の途中)に出たところにはトイレ付きの東屋があり駐車場もある。

こちら側にもあった「赤穂ふれあいの森」のゲートを抜け周世坂への道に出る。

途中の池(なぜか白鳥のいる陰山池)の手前東側に荒山(316.2m)中腹の送電線鉄塔に行く巡視路入口がある。少し入ってみたがいい道が山の中に続いていた。天気も悪いし荒山は次回ということであきらめた。陰山池周囲に駐車スペースがあり、荒山登山に利用できそうだ。

峠には地蔵堂があり、大きなお地蔵さんが祀られていた。その先には、湿原への入口があり120mほど入ると植生解説板があった。しかし、雨のため一面が濡れていて湿原がどこかよく分からない。入口には湿原への道標があり「5号線駐車場」と看板がある駐車スペースがある。

湿地

この辺りには小さな湿地が点々とあります。モウセンゴケやミミカキグサなどの小さな食虫植物や、ラン科やキク科の水辺を好む植物が集り、美しい花を咲かせます。またイトイヌノハナヒゲやチゴザサ(子供のササという意味)などカヤツクリグサ科やイネ科の植物が細くしなやかな葉を持ち湿地にいろどりを添えています。
このような湿地は栄養分が少なく湧き水があり、地中に水を通さない層(不透水層)がある場所にできます。自然性が高く貴重な湿地で、とても繊細なバランスの上に成り立っているところです。大切に見守っていきましょう。

14:26
またその先には、ふれあいの森への入口があり案内図や植生解説板があった。ここは「3号線駐車場」になっていて広い駐車スペースが用意されている。

この辺りには、尾根にはアカマツ林、その他のところにはコナラやアベマキの林が広がっています。ある一部のところで珍しいシリブカガシの森もみられます。ここから北にある験行寺や南にある神護寺のまわりには、昔々ここら辺でよく生えていた(この地域の本来の植生)シイの森が残っています。
アカマツの林やコナラ林の下にはツツジが多く、春にはピンクや赤紫の花を楽しむことができます。また谷筋の一部に点々とある湿地では、モウセンゴケなどの小さな食虫植物や水辺を好むランなどがかわいい花を咲かせています。この辺りには小さな湿地が点々とあります。モウセンゴケやミミカキグサなどの小さな食虫植物や、ラン科やキク科の水辺を好む植物が集り、美しい花を咲かせます。
尾根沿いの道は神護寺と験行寺を結び、所々で瀬戸内海や千種川が眺められるハイキングコースになっています。

14:33
「赤穂ふれあいの森」南側ゲートに着いた。

14:56
急な舗装林道を登り、駐車場所に到着。験行寺北の三階建て展望台から1時間半ほどかかり、尾根を行くのとあまり時間が変わらなかった。帰りも尾根沿いの遊歩道を戻ったほうがよかったかもしれない。



スポンサード リンク



山行記録にもどるホームにもどる本ページのトップ