ゆめさきの森公園
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平成15年5月10日(土) メンバー 私だけ
最高標高地点 | さいこうひょうこうちてん | 350mほど |
あれ、あそこは通らないんだ
2万5千分の1、地形図「前之庄」を参照すること。
飾磨郡夢前町の塩田温泉から夢前川を挟み、西側の山間に性空上人が開いたという弥勒寺がある。そして標高300mほどの山々がその弥勒寺を取り囲んでいる。その山々と弥勒寺の北にある通宝寺池周辺に兵庫県により「ゆめさきの森公園」が造られた。
昨年末から、この周辺を訪れ紹介してきたが、今回、遊歩道等がほぼ完成したので再び訪ねてみた。
兵庫県ホームページ内「HYOGO EYE」の「今年オープンする主な施設を紹介します」より引用
今年7月に開園する「ゆめさきの森公園(仮称)」は、県民が里山を舞台に森づくりやさまざまな交流の場として利用できるよう、ボランティアなどが集う活動拠点施設、炭焼き小屋、炊事棟などが整備されます。さらに、地元住民と都市住民で構成する「運営協議会」が中心となり、ボランティアとともに、県民が楽しみながら森の大切さを考えることができるような多彩な事業を展開します。
姫路から書写山を左手に見ながら夢前川沿いの県道を北上し、又坂で「菅生澗」の道へ左に入る。ゴーカート場・ゴルフ練習場を過ぎ、弥勒寺への案内標識に従い山間の道を進む。
9:19
弥勒寺の奥にある「ゆめさきの森公園」の駐車場に到着。数台の車が止められている。山々の新緑、新築なった活動拠点施設、青々とした芝生が清々しい雰囲気をかもし出している。
駐車場に「ゆめさきの森公園」の総合案内看板がある(北は左を向いている)。この公園は夢前町ではなく兵庫県の施設のようだ。
ゆめさきの森公園
里山は、自然の恵みを余すところなく活用し、人と自然の生活・文化をはぐくんできました。
「ゆめさきの森公園」は、この里山の豊かな自然に親しみ、森づくりや森の学習を楽しみながら、その大切さに気づき、みんなの手で守り育てることをめざした公園です。
この公園は県民の文化・スポーツ・レクリエーション活動を促進するため、県内の多くの企業から協力を得て、法人県民税の超過課税による税収を財源として整備したものです。
兵庫県
周囲の尾根(周回尾根)に登る道が5本開かれ、周回尾根の道がそれらをつないでいる。
地形図で339mの標高点があるところは、この公園内で一番の展望の良い岩尾根なのだが、案内図を見るとなぜかそこを通る「岩の山道」は尾根の内側を巻いている。岩尾根に遊歩道を通せない理由が何かあったのだろうか。
平成15年8月9日(日)追記
今日、ゆめさきの森公園は森開きの日をむかえ、盛大にオープニングイベントを行ったようだ。15時過ぎに少しだけのぞいて見た。
案内図の「岩の山道」部分は巻き道を含め完全に消され、遊歩道化を断念したようだ。おそらく尾根部分の地権者の承諾が得られなかったのと、安全な巻き道を通すことが出来なかったためだろう。
岩の山道(もうこの名前が使われることもないだろう)部分の尾根には歩きやすい踏み跡があるので通過にはまったく問題がない上、大展望が得られるが、完全な自己責任で通行することになる。
今回は活動拠点施設から通宝寺池の西側を北に進み、「かぜの谷道」から周回尾根に登り、「岩の山道」「ラクダの背道」を巡り、管理施設の西の「ホオノキの道」で下山しようと思っている。
「テーダ松の道」
9:28
準備を整え登山開始。活動拠点施設から北に進む林道に出ると、すぐに分岐がある。「テーダ松の道」で、通宝寺池西の林の斜面に付けられた遊歩道だ。池の堰堤付近からも入れるのでここは直進する。
9:32
通宝寺池の堰堤は改修され、昨年末に来た時とは大きく変わっていて、工事はまだ続いているようだ。ここにも大きな案内図看板がある(ここの地図の北は右を向いている)。
観察の水辺
通宝寺池にはいろいろな生物が集ってきます。
水辺に生息する生き物たちや周辺の山を飛び交う野鳥を観察してみましょう。展望デッキ
水辺に近寄って生き物を観察したり、風景を楽しみましょう。野鳥観察小屋
動物たちはとても敏感です。驚かさないように静かに観察しましょう。兵庫県
通宝寺池堰堤から西に「テーダ松の道」に入る。池を右下に見る、真っすぐ空に伸びたテーダマツの間の遊歩道は、開かれたばかりでまだ周囲の雰囲気になじんでいない。立派な道標と植生解説看板がある。
テーダマツ林
テーダマツは、北米東海岸に分布する高木のマツで通常、樹高は25〜30m、直径は70〜90cm、大きいものでは樹高55m、直径は1.3mに達します。
この林には、テーダマツの他にも、いろいろなマツが生育しています。
違いを見比べてください。女マツと男マツ
アカマツはその枝や葉の女性的な感じから別名「女マツ」と呼ばれています。
一方、黒松はアカマツに比べて木の様子が荒々しく感じられることから別名「男マツ」と呼ばれています。
9:46
通宝寺池の北端近くでテーダ松の道から下の道に下りる。ここには森林浴に関する解説板がある。
森林の効果
ゆめさきの森公園は、豊かな水、清涼な空気の源です。
この豊かな自然(緑や水)を肌で感じながら、森の中をゆっくりと歩いて見ましょう。森林の効果
森林浴は、「健康づくり三浴(水浴/日光浴/大気浴)」の中の一浴(大気浴に含まれる)であり、森林内にある自然環境の刺激が私たち人間の心や身体の健康づくりに有効に作用しているのです。
森林には、緑や水のせせらぎ、鳥や虫の鳴き声など様々な自然要素が集約されており、それらの要素によって、人間は疲れが癒されたり、心が和んだりといったリラックス効果を得ることができます。また、森林の中を漂っている清々しい香りは、木々から分泌される「フィトンチッド」と呼ばれる揮発性の高い物質で、風邪の予防にも効果的であるといわれています。樹木(植物)がフィトンチッドを作る理由
本来、このフィトンチッドは、土に根ざし生き、移動することができない樹木が外敵から自らの身を護るために、発散していると言われています。
- 自己の生育を妨げる他の植物の成長を阻害する作用
- 昆虫や動物に葉や幹を食べられないための摂食阻害作用
- 昆虫や微生物を忌避、誘因したり、病害菌に感染しないように殺虫、殺菌を行ったりする作用 などがあります。
フィトンチッドが人間の生活にもたらす効果
- リフレッシュ
自律神経の安定に効果的といわれ、肝機能を改善したり、快適な睡眠をもたらすことが知られています。- 消臭・脱臭
空気を浄化したり、悪臭を消す消臭作用は身近な生活臭にも効果的です。- 抗菌・防虫
食品の防腐、殺菌を始め、部屋や浴室のカビ、家ダニなどへの防虫にも効果的で、この抗菌作用は、人体を蝕む病原菌にも有効と言われます。
その先で小川になった通宝寺池を渡り、東屋やバードウォッチング小屋を見に行く。そこにはこの周辺の水辺の生き物や、鳥類の説明板がある。
ここからも東の尾根に登る遊歩道があり「ツバキの道」と名前が付けられている。緩やかな支尾根を登る展望のいい道だ。
9:53
「ツバキの道」からは登らずに、川の西側に戻り、さらに下の道を北に進む。
9:59
道端に植生解説板があった。
この森の植生
様々な種類の樹木が生育しています。
これらの樹木のおかげで、森は豊かで多様な自然が保たれているといえます。尾根周辺にはアカマツ林が分布し、その周辺にコナラ林が広がっています。通宝寺池周辺などの谷の低い部分には、テーダマツ林やスギ・ヒノキ林が広く分布しています。
針葉樹と広葉樹の違いは?
針葉樹
文字どうり針のような葉がたくさんついている木のことをいいます。葉の数は広葉樹の百倍くらいあって冬でも葉を落とさないのが特徴です。スギやヒノキ、マツなどが代表的です。広葉樹
手のひらを広げた丸みのある葉をもつ木のことをいいます。葉の形は木によって様々で紅葉したり落葉したりするのも広葉樹の特徴です。ケヤキやサクラ、モミジ、コナラ、アベマキ、クリなどがあります。
今度は、里山の手入れの方法の解説板がある。
里山のすがた
里山はかつて、薪・炭などの燃料や、落ち葉から作った肥料を得るための大切な林でした。しかし、現在では手入れされずに放置され、木や草が生い茂るうっそうとした林になってしまいました。
里山は、人間だけでなく、動物や植物の生きる大切な空間です。みんなで手入れして、明るい憩いの空間を作りましょう。里山の整備
森林整備の作業には大きく分けて「下刈り」、「つる切り」、「除伐・間伐」があります。目的に合わせてこの作業を順次進めていきます。
下刈り
- 作業内容
林床にコシダ、ウラジロやササ類が繁茂している場合は、多様な植物の生育ができるようにそれらを刈り取る。生育させたい幼樹のじゃまになる草や低木を刈り取る。- 作業難易度
比較的容易。カマを用いる。低木の常緑広葉樹を除去する場合はノコギリを用いる。- 時期
夏期に行うのが最も効果的ではあるが、夏期の下刈りは植物に対するダメージが大きすぎて裸地化する危険性もあるため、場所によっては秋〜冬期に行う場合もある。低木の除去は秋〜冬期に行うのが一般的である。つる切り
- 作業内容
樹木(特に高木)に巻き付いて、生育を抑えるフジやクズなどのつる植物を除去し、樹木の健全な生育を促す。- 作業難易度
比較的容易。カマや剪定バサミ、ノコギリを用いて根元部分でつる植物を切ったのち、なるべく取り除く。高いところは上部が枯れてからつるの処理を行う。- 時期
根元部分は夏期に切り、つるの処理は冬期に行うと作業が比較的楽である。除伐・間伐
- 作業内容
枯死木や老衰木、病害虫に侵された木を伐採する。
林内を明るくするため、中・低木のソヨゴ、ヒサカキなどの常緑広葉樹を伐採する。
必要に応じて高木の密度調整(間伐)やたくさん株立ちしている木の株整理(弱っている枝や細い枝をまびく)を行う。侵入した竹が見られる場合は伐採する。
伐採した樹木は1m程度に伐りそろえ、木の根元などに分けて集積する。- 作業難易度
比較的大きな樹木を伐採するため難易度は高く、また危険を伴う作業である。
熟練した人はチェーンソーを用いる。一般の人はノコギリを用いて株整理や伐採可能な常緑広葉樹、竹の除去を行う。- 時期
植物に対するダメージの大きさでは夏期が効果的であるが、比較的重労働なことから秋〜冬期に行うのが望ましい。
また、萌芽再生を期待する場合は冬期に伐採を行うと再生しやすくなる。注意すること
落葉広葉樹の株を整理する場合は、伐りすぎないように徐々に作業する。
(徒長したツツジ類は根元で切らず、地上1m位残す方が、早く花を咲かせる)
「かぜの谷道」
10:01
下の道の奥に着いた。林道はここで終わり、ここから道は二つに分かれ、左は雑木林の中を登る「杉の道」、右は植林の中を登る「かぜの谷道」だ。道の名前と、道の入口の雰囲気はまるで逆だが、上のほうはその名前通りなのだろう。
以前に「杉の道」から下りたことがあるので、今日は「かぜの谷道」で周回尾根に登ることにする。
前半は植林の中の緩やかな遊歩道を登っていく。周囲の植林はきれいに間伐され、明るい林になっている(普通の植林地にくらべて明るいだけで、暗いことには暗い)。伐採された木々は短く切りそろえられて積まれている。
10:12
杉の間伐材を使ったと思われる階段道が現れると、周囲は雑木の林となり「かぜの谷道」の名前のような雰囲気になってきた。しかしながら、下草が刈られすぎているようで、かなり殺風景な雑木林になってい。これは時間が解決してくれるだろう。
「岩の山道」
10:27
「ゆめさきの森公園」を囲む周回尾根に着いた。左に行くと周回尾根の「見晴らしの道」から登下山道の「杉の道」へ。右に行くと周回尾根の「岩の山道」、「ラクダの背道」から南東の「古墳の道」で下りることができる。
平成15年8月9日(日)追記
この地点から右に行く「岩の山道」は公園の遊歩道ではなくなりました。遊歩道は左の「見晴らしの道」から「杉の道」にしか通じていません。右の尾根に行くの自己責任の世界です。
今日は右側の「岩の山道」を行き、「ラクダの背道」の途中から「ホオノキの道」で下山することにする。
10:28
「岩の山道」少し行くと、「注意」表示板があった。
注意
- 岩の山道は絶壁に面し、道が大変細く、手元も足元も滑りやすいので十分な注意が必要です。
- 小さなお子様や、脚力、体力に自信のない方はここを通らずに別の道を通ってください。
- 天候が悪いとき、道が濡れているときは、危険ですから絶対に通らないで下さい。
遊歩道には不釣合いの文面だ。どんな危険が待ち構えているのだろう。
周回尾根に登るまでの階段道は、杉の皮をむいた均一な材料で造られていたが、周回尾根の階段道は周囲の雑木を切った物を材料にしている。
10:42
339mピークへの登り始めに道標があり、ここから「岩の山道」は尾根を外れ内側を巻くようになっている。339mピークへの尾根にも踏み跡はあるが全く整備はなされていない。
339mのピークはこの公園内で最も見晴らしのいい岩尾根のピークで、どういう訳で遊歩道を外したのか不思議だ。大きな露岩のピークだが特に危険なところもないように思えるのだが。
道標どおりに巻き道にはいる。途中まではそれなりに幅のあるはっきりした道になっている。
11:02
モチツツジの咲く支尾根の下に来た。「岩の山道」の道標は周回尾根の中腹をさらに進むように指示している。しかし、ここから先は道がどこにあるか一目では分からないぐらいに不鮮明だ。これが道かなと思えるような感じだが、所々に木の階段があり、道を間違えてないことが確認できる。
11:20
とうとう道がなくなってしまった。どんなに目を凝らして探しても道がない。引き返して、339mピークへの踏み跡を行けばいいのだろうが、周回尾根はすぐ上なので雑木の斜面を適当に登ることにする。
周回尾根に向け急な斜面を登って行くと、最後は大きな一枚岩の下に出た。その岩は登れないほどの傾斜ではなかったので、3点確保で5mほど登り周回尾根に復帰した。
11:32
北の展望岩尾根に行き早めの昼食をとる。風が吹き抜け少し寒いくらいだった。