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初級ヤブ山、姫路市の天神山



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平成15年5月16日(金)  メンバー 私だけ

天神山 てんじんさん 164.4m
美濃山 みのやま 60mほど


登山口探し

2万5千分の1、地形図「姫路北部」を参照すること。

姫路市の書写山の南に「天神山」がある。標高は164mと低いが、なぜか地形図に名前が載っている。WEBで調べてみるが国土地理院の「点の記」以外には何も情報が無い。

その点の記によると北東の曽左公民館付近より登れそうなのだが、駐在所から奥に入る道にはゲートがあり、駐車場所も無いので北から登るのは諦める。

天神山の南西に回り、書写中学校の西の菅生川に架かる「書写中学校橋」の東のたもとから山に入る遊歩道風の階段道を見つけた。何も表示は無いが天神山の登山口に間違いないだろう。

菅生川「書写中学校橋」脇の登山口
遊歩道風の入口だ

登山口の反対側の道端に空き地があり、そこに車を止める。道の脇に何か案内板がある。天神山の説明かと思ったが、「実法寺天神山古墳」の解説板だった。

実法寺天神山古墳

天神山山頂から南西方向に向って伸びてきた尾根筋の突端部(海抜93m)に築かれた柄鏡式の前方後円墳。残念なことに主体部の構造、副葬品の状態などは判明していない。しかし、その特異な位置、低平な前方部の形状などから、3世紀末〜4世紀初頭ころに築造された古式古墳と推定されている。
本墳は、現状では埴輪は判明していない。しかし、列石は後円部を中心に二段巡っていると考えられている。後円部は径約20m、前方部は長さ約23.5m、全長は約43.5mを計る。その規模からいって、本墳は菅生川流域の平野を基盤とする集団の首長の墓といえそうである。なお、当古墳の斜面下方にはかつて数基の小円墳が分布していたが、大半が削り取られ、消滅してしまった。

平成12年11月設置




古い踏み跡はあるが‥‥

14:37
登山開始。普段なら下山していてもおかしく無い時間だが、午前中、家でウダウダしていたため出遅れ、おまけに登山口探しに30分以上かかってしまったため、この時間になってしまった。

橋の脇の階段を登ると、関西電力の高圧送電線巡視路の標識「火の用心 西播線9」がある。これですぐ上にある送電線鉄塔までの道を心配する必要がなくなった。

14:42
送電線鉄塔に着いた。ここまでは良い道だった。しかし送電線鉄塔の下に続く踏み跡は雑木林の中へ消えている。覗いてみると踏み跡はあるが枝葉がかなり出ていてヤブっぽい道になっている。

送電線鉄塔から上の道
おもいっきりのヤブだ

昔は良い道だったのだろうが、今は草木が両側から茂っている。踏み跡はまだしっかりしているので歩くことはできる。暑くなってきて、近所の山なので油断してTシャツできてしまったが、長袖シャツで来るべきだった。枝先やイバラで腕が傷だらけになってしまった。

途中、立木が数本焼け焦げている。山火事にしては範囲が狭く不思議だ。雷でも落ちたのだろうか。

14:47
下の道路脇の解説板にあった、尾根の先端にある古墳に着いた。全長40m以上の前方後円墳なのだがど、どのような構造になっているのかよく分からない。ただ自然の地形では無いのは分かった。今は周りを雑木に囲まれて展望は無いが、築造された時はさぞかし立派な墓で周囲を眺望できる素晴らしいところだったのだろう。

古墳からの尾根は下草もなく歩きやすい踏み跡が続き、モチツツジの花が所々に咲いている。踏み跡は北に向って登っていく。書写中学校から吹奏楽部が練習している楽曲が聞こえてくる。

モチツツジの花
つぼみやがくはベタベテする

天神山頂上から西へ伸びる広い尾根の西の外れに着いた。南東の方向の眺望があり、「自然観察の森」方向の山がよく見える。

踏み跡は4mほどの雑木に囲まれた空き地に続いているが、その先の踏み跡が分からない。周囲を5分間ほどかけ調査しやっと見つけることができた。

空き地の入口近くに北に行く薄い踏み跡があった。よほど注意深く探さないと見つけることができないだろう。

空き地から矢印に進む
ここが一番分かりにくいところだ

空き地から上はかなりのヤブで、気をつけないと薄い踏み跡を見失ってしまうが、ごく一部に赤テープの目印がある。緩やかな登りが続く。

ヤブが続く
分かりにくい踏み跡だ



頂上は天神さん

15:12
頂上手前はさらに緩やかな道となり、四等三角点<点名:天神山>に到着。登り始めてから35分、ヤブに手こずったが何とか登ることができた。

頂上は少し開けていて、三角点標石の周りは保護石4個と共にコンクリートで四角に固められ大切に守られている。そしてそれらを守るかのように岩が5個取り囲んでいる。

天神山頂上
展望は無い

天神山頂上は雑木に囲まれ展望は無い。木の隙間から書写山が垣間見られるだけだ。踏み跡は北からも登ってきているが、南側と同じにかなりヤブっぽくなっている。

木に字が薄れた山名板が掛けられている。吊るしている針金が木に食い込んでいるところからしてかなり古いものだろう。

それと、周囲の木に布が縛りつけてある。何だろなと思い、一つを外し広げてみると次のような文面が書かれていた。

1999年1月5日火曜

1つ、勉強の成績がUP!
2つ、テニスで全国大会出場!?
3つ、いつまでも、1997年度に入学して来たサイコーのテニス部員の思い出をいつまでもみんな忘れないように願う。

By(女の子の名前)

読んでいてはたと気がついた。ここは学業成就、菅原道真公の天神さんでもあるのだ。昔は願掛けに登ってくる人がいたんだ。最近のものは無いようだが12枚ほど確認できた。4年前でも、道は今とほとんど変わらなかっただろうに、よく登ってきたものだ。

登山道を整備し、頂上周囲の木を伐り展望をよくして、祠を建て天神さんを祀ったら、わんさかと人が登ってくるのではないかと思う。

15:33
下山開始。

16:24
古墳と送電線鉄塔の間で少し迷うも、無事に下山。写真を撮りながら下りたので、登る時よりも時間がかかってしまった。



おまけの「美濃山」

天神山の南に独立した標高60mほどの小さな丘がある。丘の南側を車でよく通り、頂上に展望台風の建物がありなんだろうなと常々思っていた。

南側の道路の交差点には「美濃山」の表示があり、この丘の名前なのだろう。

地形図では頂上に黒丸印があり、貯水タンクだろうと想像できるが、今回の駐車場所から近いので行ってみることにした。

地形図にある破線道を西側から登って行くと、送電線鉄塔、ドコモ姫路町田無線中継所・J−PHONE飾西局の電波塔があり、頂上には予想どうり貯水タンクがあった。かなり変わった形だが。

美の山配水塔
レトロなデザインだ

「姫路市上水道 美の山配水塔」という表示が門柱にある以外は、何一つ表示が無い。下は配水塔を取り囲むように三層の、その上に2層の塔が建っている。レトロなデザインで、今はもう使っていないのかなと思ったが、通気管から水道水消毒用の塩素臭がしたことから今も現役であることが分かった。

展望塔に登ると姫路市街・姫路城をはじめ、書写山・広峰山・八丈岩山、今登ってきた天神山などが見え、結構いい展望がひろがっている。ここは姫路の隠れ名所の一つだろう。


美濃山の展望塔から見た天神山と書写山
360度の展望がある



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