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鹿ケ壺山荘から登る鉾立山、雪彦山



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平成15年7月2日(水)  メンバー 私だけ

鉾立山(通称鉾立山) ほこたてやま 962m
雪彦山(三角点雪彦山) せっぴこさん 915.2m

2万5千分の1地形図「寺前」及び鹿ケ壺山荘で配布している「雪彦山ハイキングコース」地図を参照すること。


連続の雪彦山登山

三日前、雪彦山の東側の夢前町から登り西側の安富町に下山した。下山後「鹿ケ壺山荘」にて西側の安富町から雪彦山へのハイキング地図を入手した。

その地図に、鹿ケ壺山荘から北の「東カニワ渓谷」沿いに登り、三角点雪彦山の北にある通称鉾立山(962m)へ行くコースが設定されている。鉾立山から雪彦山大天井岳まで行って少し引き返し、下りは西の千畳平から鹿ケ壺を経由して山荘まで戻るコースだ。

一周11,322mで時間は約5時間半かかるコースなのだが、谷道をかなり行くのでヒルにとりつかれやしないかとそれだけが心配だ。

姫路から国道29号線を北上し、安富町の安志南の交差点で右に曲がり、中国自動車道の下をくぐり県道430号線で安富ダム・富栖湖を目指す。

10:59
安富ダムの奥、関集落の北端の鹿ケ壺山荘の駐車場に到着。ミニパトが2台来ていて、遭難かと思ったがただの巡回のようだ。

雪彦山の東の登山基地「鹿ケ壺山荘」
バーベキュースペースもあるぞ

お 願 い

  1. この地区での飯ごう炊はん、バーベキュー、キャンプ等は有料になっておりますので、ご希望の方は必ず鹿ケ壺山荘又は鹿ケ壺の売店に申し出て下さい。
  2. 当地区では、自然を残すよう努力しておりますので、みだりに木を折ったり、草木や河原の石を持ち帰らないで下さい。
  3. 当地区は皆様の遊休の場であると共に、自然観察、自然教育の場でもありますので隣人に迷惑のかからないよう、又ゴミを捨てないよう清掃にご協力をお願いします。
  4. 当地区での打ち上げ花火は禁止されております。他の花火をご希望の方は鹿ケ壺山荘又は鹿ケ壺の売店に申し出てください。
  5. バーベキュー場、キャンプ場、コテージ等へのペット類の連れ込みは堅くお断り申し上げます。
  6. 当地区における事故に関しては一切の責任を負いませんので、保護者の方リーダーの方は、くれぐれも注意をして下さいますようお願い申し上げます。
  7. 皆様方の気配りと、思いやりにより楽しいひとときでありますよう従業員一堂心より願っておちます。

グリーンステーション鹿ケ壺



始めは県道と舗装林道歩き

11:06
準備を整え登山開始。県道に出て北に進む。極普通の舗装された県道だ。ただ「私有地無断立入り禁ず」の掲示が所々にあり、観光客のマナーがかなり悪いためだろう。

11:20
林田川の左手にほとんど垂直な岩壁が現れた。「大落としの岩場」の表示があり、安富町が昭和47年5月に自然保護条例により指定している。面白いのはその表示板にローマ字で「shizenhogojyoureiniyoru shitei」と記載されていることだ。外人でも読めるだろうが、意味は分からないだろうに。

「大落としの岩場」
登った人はいるのかな

11:27
県道の終点に着いた。

通行不能

路線名・東河内安富線
理由・巾員減少1.0m
箇所・これより300m先

竜野土木事務所

県道は橋を渡り、さらに続くが巾が狭くなり自動車の通行はできなくなる。道にはフェンスがあり立入禁止の表示もある。歩いて入るのは問題ないかとも思うが、フェンスは道幅一杯に設置されているし一部有刺鉄線も使われている。しかし、歩いて越えるのは簡単だ。

ハイキングコースはここから右に曲がり、完全舗装の林道を行く。右に曲がるとすぐに「千寿の水」があり、パイプから勢いよく流れだしている。生水に非常に敏感な私は味見もしなかったが、きっと冷たくて美味しいのだろう。

「千寿の水」
冷たそうな水だ

11:31
林道は渓流沿いの道と、千畳平に行く道に分岐している。千畳平に行く道には鎖がかかっていて、

車両通行禁止

この道路は、生活環境保全林の管理車道であるため、一般車両の通行を禁止します。

安富町・関地区

とあるが、鎖は路面に着いていて通ろうと思えば通れる。しかし常識がある人なら車を入れることはないだろう。

渓流沿いに延びる林道には、

林道 カニワ線

林道の規格、構造は、公道とは、異なり路肩の保全、法面の落石防止等の処置が十分ではありませんので、利用される方は、次の事を承諾厳守のうえ通行して下さい。

  1. 車のスピードは、20km/h以下として下さい。
  2. 落石、土砂崩れ、路肩に注意して通行して下さい。
  3. 見通しの悪い場所での駐車は、避けて下さい。
  4. 万一事故がおきても管理者は、一切の責任を負いません。

管理者  関部落

の表示板がある。ここの分岐地点には車を止めるスペースもあるので、ここから歩き始めるのが良いと思う。

舗装林道を行く
車でも十分通れるが

11:56
九十九折れの急坂を登ると「かつらの木」へ登る遊歩道が右の山の中に続いている。4分ほど登ると山の斜面に大きな「関の大カツラ」が2本立っている。「糸井の大かつら」並みの巨木を期待しているとがっかりするが、結構大きなカツラだ。石柱がそばにある。

町指定天然記念物 関の大カツラ(2株)

平成2年3月31日 安富町教育委員会指定
指定番号 安教委指定第9号
カツラは、深い山に自生する落葉高木。主木が古木になると根元から、ひこ生えが叢生する性質がある。

この石柱は4面に文字が彫られたもので、かなり珍しいものだ。危うく裏面を見逃すところだった。

関の大カツラ
私と比べると大きさが分かるだろう

12:20
林道に戻り7分ほど行くと終点に着いた。大カツラの登り口からここまでは舗装されていない。終点には駐車・旋回スペースもありここまで車を入れることができる。いよいよここから渓流沿いの道を行くことになる。


カニワ渓谷を行く

いきなりの丸太の橋で渓流を渡ると、散弾銃で打ち抜かれた「大カツラの木、千寿の水」の標識があるが、この道がどこに続いているかの表示はない。また関西電力の「火の用心」の送電線巡視路表示もあり、渓流から左に登る道へは9・10、渓流沿いのこれから進む道には10・11の表示がある。

12:29
渓流に鉄パイプ製の橋がかかっている。路面がメッシュなので下がよく見える。上流側には「カニワ廊下」の表示がある。ここから沢登りで行っても面白いだろうと思う。

鉄パイプ橋
これがないと進めないだろう

12:39
「げんこつ岩」と名前が付けられた丸い大岩が川の真ん中に鎮座している。

渓流を丸太橋で何度も渡るのだが、結構古くて半分くらい腐ったような丸太橋もある。丸太橋の高さと長さと腐り具合とが渾然一体となり結構スリルが楽しめる。それでも以前にあるところで渡った、完全に腐りブアブアになったものでも落ちることがなかったので、ここの橋はまだまだ大丈夫だろう。

恐る恐る渡る丸太橋
まだまだ橋はいける

風が通る渓流沿いの道は気温が20度と下界に比べたら大分涼しい。時々立ち止まり三脚を立て写真を撮ったが、このことが後ほど悲劇を生む一因となることにまだ気がついていない。


渓流沿いを行く登山道
風が通り涼しい

12:53
10鉄塔への道が左手から下ってきている地点を過ぎると、少し急になってきた。「カニワ城壁」と名付けられた岩壁の横に付けられた手摺つきの丸太道を行くと「つづれ滝」が下の方に見えてくる。

13:09
渓流の左手を進んでいるのだが、行く手にトラロープが張ってあり直進できないようにしてある。ロープの先に11鉄塔への表示が左の山の中を差し、12鉄塔へは浅くなった渓流を渡るように付けられている。

渓流を渡ると「雪彦山、峰山」の案内表示が立っていて、この道の行き先が初めてはっきりした。ここからは谷から尾根に登るようで、

急登 10〜15分
急登はここだけです。頑張って下さい。

山頂まで50分です

というありがたい案内板もある。しかし、山頂とはどこの山の頂を示すのだろうか。雪彦山だろうか峰山だろうか、はたまた鉾立山なのであろうか。


送電線鉄塔から鉾立山へ

渓流から離れ、植林の斜面に付けられた少し急なプラ階段の関電巡視路を登って行くと、緩やかな植林の中に着いた。歩みを止め耳を澄ますと遠くからかすかに水の流れる音が聞こえ、近くの木からは鳥たちのさえずる声だけが聞こえてくる。

13:30
また少し急になり、鹿除けネットの出入り口を開閉し通過すると「播磨中央線12」鉄塔に到着。ここからの眺めもまずまずだが、鉾立山頂上からの展望を楽しみに休まずに登る。

この鉄塔にはなにやら注意書きが貼ってある。

注意

昇降時、作業時は、次の事項を守ること。

  1. C1アームより上方で作業を行なう場合は、C1アーム踊場に於いて接地装置により絶縁架空地線及び配線の接地を取付けること。
  2. 降塔時には、同装置において接地を取り外すこと。

山登りには全く関係なさそうだ。どうりで鉄塔の高い見にくいところに貼ってあるわけだ。

13:50
峰山と雪彦山への分岐地点に着いた。途中に915.8mの三角点のある三辻山への分岐があったはずなのだが、気がつかずに通り過ぎてしまったようだ。

分岐地点の表示は、北向きに「峰山」、南向きに「鉾立山、雪彦山」、登ってきた道には「大かつらの木、千寿の水」。古い表示板には登ってきた道には手書きで「三辻山」とある。

峰山方向に向う道はあまり人の通るコースではないのに、非常にいい道が続いている。思わず北に向け歩き出そうとしたが、思いなおし南に進む。今度はぜひここから北に進みたいものだ。

南の雪彦山方向もいい道だ
植林で展望はないが

この写真を撮っているとき、三脚を登ってくるヒルに気がついた。三脚にいるのなら足にもいるんじゃないかと思い、恐る恐るズボンの裾を捲り上げたら、両足に1匹ずつのヒルを発見。思わず叫び声をあげながら振り払ってしまった。今度吸い付かれたら、よく観察してみようと思うができるだろうか。

13:58
13鉄塔に到着。紅白の大鉄塔だ。しかし、よくもこんな山の中に建てたものだ。ここの鹿除けネットの出入り口には、

雪彦山登山ルート
敷地内は通行可能です。通行される方はトビラを閉めて下さい

と表示がある。ここからの展望もまずまずで、ここで遅めの昼食にしようかなとも思ったが、ハイキング地図に「絶景ポイント」と書かれている鉾立山に休まずに登ることにする。

14:04
鉾立山と虹ケ滝下山道との分岐に着いた。西は「通称鉾立山へ」、東は「虹ケ滝へ(約55分)」、歩いてきた道には「峰山方面へ(三辻山尾根約10分」の表示がある。南の三角点雪彦山・鉾立山から来たなら普通は東に曲がり虹ケ滝方向に下山するところだ。私は通称鉾立山へ向う。

14:07
尾根の南側の木々が伐られ、展望のいい地点に着いた。「鉾立山東尾根展望図 安富山を歩こう会2002年3月」と書かれた横幅のある展望図が設置してある。今日は家島・淡路島までは見えないがまずまずの視程だ。雪彦山の岩峰が意外と低い位置に見える。


鉾立東尾根展望図
山の名前を覚えるのには良いが

14:20
東尾根展望図から4分ほどで、「通称 鉾立山」頂上に到着。「通称 鉾立山」の山名プレートが「北:峰山方面へ、南:鹿ケ壺、大天井岳へ」の案内板の上に付いている。ここは北西側の木々が伐られ大展望が広がっている。少し霞んでいるが氷ノ山や後山まで見えた。

手前に送電線が2系統も横切っていなければ、更に素晴らしいものになっただろうが残念だ。ここにも「安富山を歩こう会」の展望図があり、見えている山がどの山なのかがすぐ分かり、便利ではある。

ここで遅めの昼食を取る。食べているとコバエがたくさん集ってきて落ち着いて食べてられない。


鉾立頂上からの展望
大山までは見えなかった


下山は三角点雪彦山から三ケ谷の滝へ

14:47
鉾立山を後にし次の目的地「三角点雪彦山」に向う。鉾立山から植林の尾根の急な長めの坂を下り、その先は数回緩い登り下りを繰り返す。

14:56
虹ケ滝への下山道分岐がある。南から来たのならここでは下りずに、鉾立山まで行き展望を楽しんでもらいたいものだ。この道は以前来た時はもっと籔っぽかった記憶があるが、よく整備され普通の登山道になっている。

15:09
植林の中の展望のないあまり特徴もない「三角点雪彦山」に着いた「三角点 雪彦山(標高915.2m)」の表示板があり、四等三角点標石<点名:雪彦山>がある。周囲の木々には20枚近くの登頂記念プレートがさがりにぎやかになっている。

ここからは南西に延びる主尾根を外れ、南に行く枝尾根に乗らなくてはならない。道も踏み跡もない植林の中の見通しが利かないピークだとコンパスと地形図をにらみつけ下る方向を決めるところだが、ここは雪彦山、ただ登山道を下れば良い。

標識がないと通り過ぎそうな「三角点雪彦山」
植林のピークだ

15:30

三角点雪彦山から18分ほど南に下り「鹿ケ壺」への分岐地点に着いた。「しそう森林王国 やすとみミニ王国」の分かりやすい図入りの表示板がある。

北:雪彦山・鉾立山・峰山・大かつらの木、南:大天井岳、西:千畳平・鹿ケ壺

となっている。あまりポピュラーでない「大かつらの木」がどこにあるか分からない人にとっては、少し分かりにくいだろうが「カニワ渓谷」の名前を出されても更に分からなくなってしまうだろう。

ここから植林の急な斜面を谷まで下り、渓流沿いの谷道を下る。登ってきたときにヒルに取り付かれたので、今度は立ち止まらずに写真も撮らず一気に下りることにする。

16:05
千畳平の芝生広場に到着。ヒルが付いていないか調べたが1匹もいなくて一安心。ここから前回は「鹿ケ壺」に下りたので、今度は「三ケ谷の滝」に下りることにする。

16:29
急な谷道を下り「三ケ谷の滝」に到着。一枚岩を落ちる落差もあるいい滝だ。

三ケ谷の滝
ここもヒルがいそうだ

16:42
出発地点の鹿ケ壺山荘に戻る。休憩も含め5時間半ほど、雪彦山大天井岳まで行っていたらあと1時間ぐらいかかっていただろう。

ヒル以外は渓谷もきれいだったし、鉾立山からの展望も良いし、道標も登山道もよく整備された良いハイキングコースだと思う。秋口の紅葉の時期などさらに良くなるだろう。



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