山行記録にもどるホームにもどる



姫路の小赤壁、早朝散歩



スポンサード リンク




平成15年8月10日(日)  メンバー 私だけ

小赤壁 しょうせきへき 高さ50m、長さ900mくらい
木庭山 きにわやま 61m

2万5千分の1地形図「姫路南部」を参照すること。


小赤壁

姫路市南東部の岩崖海岸「小赤壁」に行ってきた。姫路にはめずらしい自然の海岸が残り、50mほどの岩崖が900mほど続く姫路の景勝地だ。真夏の暑さを避けるため早朝に行ったが、それでも暑かった。

6:46
妻に山陽電車八家(やか)駅南の八家川河口にある「木場ヨットハーバー」駐車場まで送ってもらう。ヨットハーバー駐車場の西から小赤壁がはじまっているので、山上の小赤壁公園駐車場から歩き始めるより便利だ。ただし、ヨットハーバーの駐車場は利用者しか車を止められないが。

防波堤の前に解説看板がある。一般向けと子ども向けの2枚あり、子ども向けの方が内容がより専門的に感じられるのがおかしい。

小赤壁

八家川河口の東から福泊にかけての海岸は、市内唯一の岩石海岸であり長さ900mの海食崖が連なる。これより東に木庭山・姫御前山・灯籠地山と続き、その南側が瀬戸内海に面して奇石巨岩を到る所にあらわし、絶景の自然美をもつ景勝地になっているのである。
小赤壁の名称は、頼山陽が武漢の南、中国揚子江中流にある赤壁に思いを馳せて名付けたということである。
姫路藩家老河合寸翁が創立した仁寿校に招かれていた頼山陽は、文政8年(1825)10月15日生徒らとともに此の地を訪れ、蘇東坡の赤壁の遊びにならった。船上で漢詩を詠じ、特に赤壁の賦を詠じた、呉の周郎が魏の曹操の大軍を破った赤壁に戦いを思い起こしたということである。

平成13年7月 姫路市教育委員会



子ども用説明文 小赤壁

いまから約7000万年前に、岐阜県から山口県にかけて大きな火山活動が何回も繰り返しておこり、吹き出した火山灰が積もってできたのが小赤壁なんだよ。高さ約50mの崖が東西900mほど続いている岩と石の海岸なんだ。
小赤壁という名をつけたのは、1780(享保15)年に大阪で生まれた頼山陽という先生が、ここの風景が中国にある「赤壁」という名勝地に似ているところから、小赤壁と名づけたらしいよ。
また、砂地や岩のすき間などには、ハマと名のつく約十種類の珍しい海浜植物のほかに、道端や草むらに生育する植物も育って、四季それぞれに美しい花を咲かせるから皆でよく観察してね。
小赤壁は、岩石や植物の勉強をする絶好の場所で、約1億5000万年前の岩など、自然がいっぱいのこっているよ。

平成15年年7月 八木地区連合自治会
(文)灘中学校トライやる・ウィーク

6:51
防波堤を越えて海岸に出ると、石段が斜面を登ってる。この石段を行くと木庭山にある木庭神社に登ることが出来る。その横にはコンクリートを流した遊歩道が造られていて小赤壁の波打ち際を行くことが出来る。遊歩道の一部は波により破壊されているが特に問題なく通行できる。

階段は木庭神社へ
いきなり始まる小赤壁

小赤壁はフリークライミングのゲレンデになっているようだ。しかし真夏に南向き岩壁では美味しいクライマーの干物が出来るだけだろう。

また小赤壁はパラグライダーのやラジコンのグライダーでも有名なようだが、これも風のない夏は不可能な遊びだろう。

今日は早朝なので、釣りをしている人が2人、散歩の人1人にしか会わなかった。しかし昼間になれば磯遊びの人が増えてくるだろう。

6:53
少し行くと波切不動明王を祀ってるテラスが海岸より少し上にあり、展望台にもなっている。

波切不動明王
秩父西国三十番札所

波切不動明王から波打ち際に下りて小赤壁を行く。遊歩道より上にも海水溜まりがある。満潮の時は遊歩道は海面の下になるのだろうか、それとも土曜日に通過した台風のせいだろうか。

小赤壁その1
西側

小赤壁その2
中央西

下の写真はコケコケと名前が付けられたフリークライミングのルートがある大岩だが、初心者向けだそうだ。これが初心者向けとは上級者はいったいどのような岩を登るのだろうか。

小赤壁その3
中央東

小赤壁その4
東側

7:31
写真を撮りながらゆっくりと歩いても30分程で小赤壁を通り過ぎてしまった。普通に歩いたら10分くらいか。

海岸の東端は「小赤壁公園」となっていて、展望台が置かれている。今日は霞んでいて遠望は利かず家島が見えるだけだ。


八家神社から木庭山へ

7:51
小赤壁公園の東、船泊まりの入り江を回った先は福泊の「八家地蔵」だ。遊魚センターの駐車場の海側で、桟橋では十数人の釣り人が糸を垂れている。

防波堤のすぐ内側の地蔵堂は普通よりも大きめで、古い大きな地蔵が祀られている。お堂の外にも小さいのから大きいのまで、たくさんの地蔵が祀られている。

八家地蔵堂
銅葺きの立派なお堂だ

姫路市指定重要有形文化財(彫刻)平成8年12月2日指定
地蔵菩薩半跏像(八家地蔵)

所在地 姫路市的形福泊498番地
管理者 養泉寺
時 代 鎌倉時代
法 量 像高154.0cm 光背・台座共総高210.0cm

西の小赤壁をのぞむ景勝地に安置されており、「八家地蔵」として古くから信仰を集め江戸時代に書かれた「播磨名所巡覧図絵」にも載せられている。「子授け地蔵」としても有名である。
本像は光背・台座を含めると210.0cmで石造地蔵菩薩像としては、稀にみる大像である。編笠様の光背及び本体部は、一石より彫出し、蓮台は別の一石で造る左足踏み下げの地蔵菩薩半跏像で、頭部は円頂、着衣は大衣(袈裟)と左肩を覆う下衣(僧祗支)をまとい、左手の掌中に宝珠、右手に錫杖をもつ。
光背の背面は笠のように造り、正面に蓮弁と円相七つを薄肉で彫出す。また、大きく白亳をあらわした張りのある面相や堂々とした体躯は、平安時代の地蔵菩薩像の余風をたたえたところがあり、木造の仏像に劣らぬみごとな技法を見せている。
本像は近畿を中心に、近県近郷に類例のない鎌倉時代石造地蔵菩薩の優作である。

平成9年1月 姫路市教育委員会

姫路市の「緑の十景」に小赤壁は選ばれているようで、その案内板もあった。檀特山近くの朝日山公園でも同種の案内板を見たことがある。(ネットで調べたら小赤壁以外に書写山、増位山・広峰山、藤木山、仁寿山・小富士山、朝日山が選定されているのが分かったが、あと4ヶ所が分からない。制定された昭和54年から24年たち、忘れ去られようとしているのだろうか。「緑の十景」完全制覇という新たな目標が一つ増えそうだ。)

緑の十景 小赤壁・磯周辺
(姫路市制施行90周年を記念し昭和54年4月1日制定)

小赤壁は木場港からながさ800mにわたって山崖が海へ張り出し白波がうち砕ける景観が中国の揚子江に赤壁に似ているので小赤壁といわれています。
近くの磯の住吉神社周辺にはウバメガシ・クロガネモチ・ノジギクなどが自生し木庭山は桜の名所ともなっています。
このかけがえのない緑豊かな自然を市民の財産として後世に継承するために大切に守っていきましょう。

姫路市

8:08
八家地蔵から、小赤壁の上に三つ並んでいる山の東側、灯籠地山に登る北からの破線道入口に行くが、入口と思われる階段道には有刺鉄線が張ってあり入れないようになっている。

8:12
狭い車道(バス停があるところを見るとバスも通るのだろう)をさらに西に進むと、南側に「袖もぎ地蔵」があり、その北側に「火の用心」の関西電力送電線巡視路の標識がある。北の山の中へ踏み跡が延びていて、ここから北の高坪山105.9m頂上に行くことが出来るだろう。点の記によれば高坪山頂上は視通不良(雑木多数)となっている。

8:15
公園口バス停のところから「小赤壁公園」への舗装道路が南の山の中に延びている。地形図の中央の登山道は破線になっているが、道幅も十分あり車でも登ることが出来る。

8:21
かなり気温が上がり暑くなってきた。汗をかきながら舗装道路を登ると、頂上のすぐ下に車が40台は止められそうな駐車場があり、車が1台だけ止まっていた。

駐車場の上には展望台があり、ここでも霞んでいてあまり視界は良くない。澄んでいたら瀬戸内海の風景が広がっているのだろう。展望台から東に行く道は夏草が生い茂り通行が非常に困難な状態になっている。無理をすれば行けないことはないだろうが、姫御前山・灯籠地山の登頂は諦める。

展望台から西に行くと木庭山頂上(どこが頂上かはっきり分からない)で木庭神社がある。同じ大きさの石灯籠が短い間隔で並んでいるのが印象的だ。

木庭神社
眺めはいいぞ

木庭神社

当社は、白浜町の松原八幡神社の別宮で、当地の産土神である。
元和元年(1615年)に木庭の開発の長者三木久右衛門宋栄によって創建されたといわれている。
風雨によって大破した寛保元年(1741年)に木場村の医師三木寸斗によって再建されたという。その後、幾度かの改修工事が行われ、現在に到っている。
祭神は、天照大神、豊受大神。表筒男命、中筒男命。底筒男命、仲哀天皇、神功皇后、応神天皇、大己貴命、小彦名命の十神。これだけ多くの霊神を祀る神社は、全国でもめずらしい。
法 参道は桜の名所として知られ、毎年7月15日の夏祭には紙鳥居が建てられ、鳥居の紙は無病息災、夏まけ防止のお守りとしてひたし舞えている。

平成5年2月 姫路市教育委員会

子ども用説明文 木庭神社

木庭神社は木場の守り神で、白浜の松原八幡神社から神様を分けてもらった神社なんだ。
1939年、木場の塩田を開いた三木右衛宋栄という人によって建てられたらしいよ。
その後、風や雨などによって壊れたり、古くなったりして何回となく修理され今の神社になったんだ。
毎年7月の夏祭りには紙をはった鳥居が建てられるが、鳥居の紙は病気を治したり、夏ばてを防ぐお守りとして、破って家に持ち帰っていたんだよ。今は紙ではなく、ビニールになっているんだ。
また、木庭神社の桜の名所としても有名で毎年多くの人が桜見に来ているよ。

平成13年年6月 八木地区連合自治会
(文)灘中学校トライやる・ウィーク

木庭神社の参道は北に下りているが暗そうな道なので、木場ヨットハーバーへ西へ送電線鉄塔の横を通り下りることにする。

8:47
木場ヨットハーバーの前に下山。高坪山に行こうかなとも思ったが、暑くなってきたので山陽電車の八家駅に行き家へ帰ることにした。

早朝にもかかわらずかなり暑く「はりま歴史の山ハイキング」にも載っているが小赤壁の登山適期は10月から5月までだろう。



スポンサード リンク



山行記録にもどるホームにもどる本ページのトップ