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千町峠から平石山へ



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平成15年8月24日(日)  メンバー 私だけ

ヒシロガ峰 ひしろがみね 1,042m
平石山 ひらいしやま 1,061.2m

2万5千分の1地形図「神子畑」、「長谷」を参照すること。


千町峠へ

お盆が過ぎて猛暑がぶり返した今日この頃、涼しくて手軽に歩くことが出来る良いところはないかと考えたら、生野町と大河内町の境の千町峠からヒシロガ峰・平石山・高星山と続く緩やかな町界の稜線歩きをしたくなった。日曜日なのに誰もいない涼しい高原歩きを満喫できるだろう。

姫路から国道29号線を北上し、一宮町の安積橋手前で右に折れ県道6号線に入る。右手に生栖行者山への登山口標識を見て、その先の福知から「福知渓谷」の案内標識に従い県道39号線へと右折する。

釣りやバーベキュー場などのリクリエーション施設が続く1車線から1.5車線幅の道を行く。その先は福知川と断崖の間の狭い見通しの悪い道が砥峰高原への分岐まで続いている。

砥峰高原への分岐地点には次のような案内板があり、2車線幅の完全舗装の林道が千町峠方向に延びている。前に来た時はダートの道だったのが見違えるようないい道になっている。

広域基幹林道「千町・段ケ峰線」工事案内

幅員 5.0m 延長 20.5km
林道は21世紀の森林・林業を創る基盤設備です。
全線開通は平成19年度を予定しています。
(ここより千町峠までは、平成9年度までに、開通する計画です。
工事中は林業、工事関係者以外の立入りは、ご遠慮下さい。

播磨林道建設事業所

案内板には簡単な地図が付いている。

ここから始まる林道は千町峠の東で生野町栃原に下る道と分かれ北に曲がり、段ケ峰の東で登山道を横切り、今度は西に段ケ峰を取り囲むように進む。段ケ峰の北から1088mピークの西側を巻き笠杉山の頂上近くの西側を進み笠杉トンネルの西側の入口に接続するようだ。

この林道が全通すれば段ケ峰や笠杉山に登るのが簡単になるだろうが、なんだかなといった感じだ。

砥峰高原の分岐地点から車を数分は走らすと、道の右側の川との間の植林の中に案内看板が立っている。

長沢村の解説看板
ただの植林地だ

長沢村の集落跡

長沢村は、中世から存在し明治始めの頃まで人が居住していた。現在、江戸期(明暦、文化、天明)の墓石が残されているのみである。この地は、平家落武者の隠れ里とも言われている。昔、播磨の北と但馬の南を結ぶ生活路でもあった。

大河内町教育委員会

林道は千町峠の5kmほど手前で舗装は途切れるが、その先も比較的路面状態の良いダートが続く。1ケ所だけ山側の斜面が崩れ道幅が半分になっていたが普通車でも楽勝で走る事が出来る道だ。

8:10
姫路から約1時間半で千町峠に到着。平成13年の秋に来た時は「悠友山荘」ともう1軒の山荘があった。しかし、眼前には悠友山荘しかなく峠には消えた山荘のものなのか鉄骨の残骸が放置されている。

山荘は減ったが、林道が増えている。千町峠から南にこれから歩く稜線に沿って南に延びている。案内図では1,042mピーク(ヒシロガ峰)手前の東側まで延びているようだ。入口にはチェーンが張られていて車は進入できなくなっている。

車は峠を越えた生野町側の道路脇の駐車スペースに止める。


千町峠から南に延びる林道の入口
植林のための林道だろう

8:31
準備を整え登山開始。峠の北側には「段ケ峰 登山口」があり、悠友山荘の脇を通り階段道が付けられている。それにひきかえ、私の行こうとしている南の平石山方向は峠の3mくらいの低い切り通しがあるだけで、何も表示がない。

切り通しを登ると、南に延びる稜線には鹿除けネットが張ってあり、その脇に踏み跡が続いている。新しく出来た林道は鹿除けネットの下方を通っているが、ネットは地面にしっかり固定され高さもあるので、始めは林道を行き途中から稜線に登ることは不可能だ。

最初は鹿除けネットの横を行く
天気がもう一つだ

天気は曇り、気温は25度ほどで弱い風が吹いている。湿度が高いのか気温ほどには涼しさを感じない。少しけむっていて遠望は利かない。

8:51
稜線の西側は雑木林から植林に変わり、1,033.8mの四等三角点ピーク(点名:千町峠)に到着。MTB大柿さんのプレートが下がっている。

ここからは鹿除けネットを離れ、右は大河内町の植林、左は生野町の雑木林の境を行く。薄暗い道(明瞭な踏み跡、ただし鹿の足跡しかない)が続き、テープ類もかなり付けられているので迷うことはまずないだろう。

9:02
暗い林を抜けると、ヒシロガ峰(1,042mピーク)頂上の手前にはアセビの低木とシダの林が広がっている。なかなかとみごとな景色だがアセビとシダが密生していて通り抜けるのが少し難儀だ。

ヒシロガ峰手前のアセビ林

アセビ林を登りきるとヒシロガ峰頂上だが特に山名プレートなどは下がっていない。頂上からは北の段ケ峰方向が見通せるが霞んでいてあまりよく見えない。


平石山へ

鹿道
歩きやすいところに付いている

人の踏み跡は全くないのだが、鹿の踏み跡がきれいに付いている。今回の山行では1頭も見なかったが、たくさんの鹿が住んでいるのだろう。右手は植林、左手は雑木の林が続く。

9:30
1,040mピークに到着。このピークで南西に方向を変えなければならないのだが、新しい赤ビニール紐と「栃原区」と表示されたプラ杭が東に下る尾根に付いている。まんまと、それに釣られて東に行ってしまった。

9:46
あまりにも下りが長く続くのでコンパスと地図を見ると、ルートとから外れ東に下りていることに気が付いた。「栃原区」プラ杭はまだ続いているが、赤ビニール紐は途中からなくなっている。

しかし、これだけ下りても千町峠からの林道に出会わなかったところをみると、林道はこの辺までは延びていないようだ。

登り返す途中から赤ビニール紐のルートが南の斜面に下りているのを見つけた。下る途中にそれを見つけていたら、そこでミスコースが分かっただろうが注意が足らなかったようだ。

10:04
赤紐の行方を探りに斜面を下りていくと「201モニタリング調査」と表示された赤プラ杭があった。新しい赤ビニール紐は、何かの調査をしている地点への案内ようで、それなら1,040mピークにはっきりと表示しておいてほしいものだ。しかしほぼ反対方向に進んでしまった私には文句を言う権利は余りないかとも思う。

10:20
50分も道迷いに費やして、ようやく1,040mピークに戻った。この50分がなければ予定通り高星山まで行けただろう。

ピークの周囲をよく観察すると(普通に見てもすぐ分かる)西側の木に赤布が付けられている。50分前にこれになぜ気が付かなかったのだろう。

3分ほど進むと立木に赤と黄色のビニールテープが巻かれ「平石山左へ」の表示がある。ここは指導標がないと間違う可能性が大きいが、その手前で迷った私は何なのだろうか、猫の額ほどはあった自信もぐらついてきた。

親切な指導標
1年ぐらいはもつかな

指導標から左に尾根から外れるように下るが、その先は比較的狭い尾根に乗ることが出来る。相変わらず大河内町側は植林、生野町側は雑木林が続く。

平石山頂上から北西の960mほどの鞍部からは、大河内町側に下りると思われる、はっきりしたソマ道が植林の中を下っている。その分岐点にある木には印を付けられた跡が薄っすらと残っている。ここを過ぎると大河内町側の植林は途切れ、両側ともに雑木林となる。

11:09
平石山頂上に着いた。頂上手前は開けていて展望が良さそうだが、平らな頂上は木々に囲まれ展望はない。三角点は最高地点から南東方向に数十m行ったところにあるらしい。

11:16
探すこと7分ようやく三等三角点標石(点名:栃原)を見つけることが出来た。地形図には山名が載っているがマイナーな山らしくプレート類は2つしか下がっていない。

平石山に近づくにつれ、小虫が増えてきて体の周りをうるさく飛び回る。飛び回るだけならいいが、その中には刺すやつもいて眉毛のところを刺されてしまった。痒み止めは目に近すぎてぬれないし、腫れきて痒いし散々だ。幸い蒸し暑い中を長袖・長ズボン・手袋の重装備でいたのでそれ以外には刺されず、虫除けジェルを顔や首筋に塗ってからは近づいてくる虫も減ったようだ。

三角点標石を発見
変な写真だ

上の写真は三角点標石を見つけたところ。周りを飛ぶ小虫がストロボの光に浮かびあがっている。虫も多くここで昼食をとるのも、立ち止まるのもいやなので次ぎの目的地、高星山を目指し出発する。


高星山は断念

平石山の最高地点から西に進み、高星山への稜線にのる。雑木の尾根は明確で下草もなく歩きやすい。時々、赤布やテープ類も現れ快適に歩くことが出来る。

高星山への稜線
快適な尾根道が続く

11:52
1,067mピーク手前の広場に着いた。西を見ると川上から砥峰に登る道が見える。近くの山も霞んでいてよく見えない。

北のほうから雷鳴が響いてきて、今日はここまでとする。途中で迷わなかったら高星山まで行けただろうが残念だ。

千町ケ峰が霞んで見える
秋にもう1回来よう

12:08
千町峠に引き返し始める。相変わらず虫が多いのでコンビニのおにぎりを歩きながら食べる。

14:10
帰りは迷うこともなく、無事に千町峠に到着。雷鳴は近づくこともなくいつの間にか聞こえなくなっていた。

汗でぬれた服を着替え、帰りは生野町栃原に下る林道を行くことにする。平成13年秋に段ケ峰に登った後、工事中の林道を歩いて下ったが国民宿舎跡の駐車場所まで2時間かかった。今回車で下っても、道は狭く見通しは悪く、おまけに落石も多く、路面もかなり荒れていて(一部はコンクリート舗装されている)時々車の底が路面に当たる音がする。それでも普通車でも十分走ることは出来た。

国民宿舎跡の段ケ峰登山口の駐車場に寄ると車が6台止まっている。それなりに段が峰は賑わっていたようだ。

平石山は秋になって空気が澄んできたらもう1回来たい山だ。



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