姫路市大回り、その11
(新宮町との町界尾根を歩く)
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平成15年12月14日(日) メンバー 私だけ
姫路市と新宮町との町界尾根 |
2万5千分の1地形図「安志」を参照すること。
姫路市大回り
姫路市大回りは前回で姫路市最高峰の葛城山を登り国道29号線沿いの安富町狭戸まで達した。ここからは瀬戸内海を目指し南下を開始する。
その南下する経路の始めは姫路市と新宮町の町界で、西を揖保川・東を林田川に挟まれた南北に延びる標高400mにも満たない山々が連なっている。
今日の宇原坂から始まる3kmほどの行程の中のには私の知る限りでは名前の付いた山はないようだ。
山崎町の宇原坂
8:49
妻に車で国道29号線沿いの安富町狭戸まで送ってもらう。姫路市から1kmほど安富町に入ったところだ。天気はいいのだがなぜか今日登る西の山々には霧がかかっていいる。川霧が風に流されたのだろうか。
まず狭戸から県道80号線で西に行き山崎町宇原との境界の宇原坂を目指す。谷沿いに舗装道路が延びているが、下に見える西山川の流れの脇に古い峠道の跡が残っている。
9:13
高度差100mほどを登り宇原坂に着いた。峠の山崎町側の南に「宇原坂地蔵」がブロック積みのお堂の中に祭られている。地蔵の台座は古そうだが地蔵自身は近年の作だろう。お堂の屋根の下には大きなスズメ蜂の巣が下がっていて、寒くなる前にお参りに来たら怖い目に会っただろう。
文政13年(1830年)出羽国友之助他7人の発願で宇原村の人々の協力のもと三界万霊の菩提を祈念して建立された。昭和45年坂道の改修で現在地に移された。
平成2年8月建之
9:20
地蔵堂の裏は雑木と笹の籔になっていて、踏み跡がないか探すが見つからない。仕方がないので籔を15mほど分け入ると、植林の斜面となり、赤プラ杭が打たれている。下草もあり急な斜面で登りにくそうだが何とかなるだろう。
まだ霧が晴れていないのか湿度が高く、汗をかきながら植林の中を登って行く。足元も悪く展望もなく苦しいだけの登りだ。
9:52
しかし何とか登れる植林が途切れてしまい雑木とシダの籔が行く手に現れた。籔の薄そうなところを木の幹につかまりながらよじ登っていく。
10:01
急に緩やかになり、雑木籔は10分ほどで抜け出すことが出来た。そして目の前の雑木の尾根には、はっきりとした踏み跡が現れた。その踏み跡は東の方から登ってきているようだ。
峠から登り始めて40分になるが実は高度は130mほどしか登っていない。きつい登りだった。
写真では雑木とシダの籔に見えるが、明確な切り開きが続いている。最近は通る人もいないのかシダが茂っているが歩くのには全く問題がない。
南に進むと、切り開きは少々急になるが足元のシダもなくなり快適な登りとなる。
10:39
431.1mの三角点ピークのすぐ東側の430mほどのピークに着いた。ここは山崎町と安富町と新宮町の三町界ピークで、南側には地形図の実線道が見えている。実線道に下りて三角点に行ってみる。
三等三角点(点名:狭戸)は実線道の脇7、8mのところにあり、周囲を雑木に囲まれ展望はない。
しかしこの道は何のための作られたのだろうか。西側の新宮町上笹から始まり山中で輪を描いている。道幅は軽自動車なら通れるぐらいあるが轍はない。林業のための道か、はたまたハイキングのために作られた道なのだろうか。機会があったら上笹から登り1周してみたいものだ。
点名:下笹へ
10:52
実線道から離れ南に延びる尾根に入る。ここに切り開きがなかったら実線道で西に下りようかと思っていたが、残念ながらキッチリとした踏み跡があり、赤プラ杭も続いている。
始めは明るい雑木の尾根道だったが、残念ながらその先は東側は暗い植林、西側も暗い雑木林で展望もなく暗い切り開きを進むことになる。
11:09
410mほどのピークに着いた。ここから尾根はニ方向に分かれるが、ここは南東方向に行く。
11:15
猪が突然行く手に現れた。20mほど先にいるのだが、私に気が付いていないようで近づいてくる。しかし私が大声を出して威嚇すると西側の斜面に下りていった。
山の中で猪にあったのは始めてで、その余韻に浸っていると、今度は黒い猟犬が鈴を鳴らしながら前方から走ってきた。猟犬は私に目もくれず、横を走り抜けていった。さっきの猪を追ってきたのだろうか。
とすると次ぎは鉄砲を構えたハンターの出番になる。打たれてはたまらないのでホイッスルを吹き鳴らし私がいることをアピールする。ここから先でも時々ホイッスルを吹き鳴らしながら進んだが、幸いハンターに出会うことはなかった。
11:22
今度は安富町と新宮町と姫路市との三町界に着いた。ここも緩やかな植林のピークで展望はない。
ここから南に続く尾根に乗るのだが、始め南西に行く尾根に乗ってしまい後戻りして目的の尾根に乗ることが出来た。植林の隙間から西側下笹の屋根が青い工場群が見えて間違いのないことが分った。
11:49
牛でもつかれそうな大きなヌタ場が現れた。ここまでに地面の掘り返しがいたる所にあり、たくさんの猪が生息しているようだ。
11:55
351.5m四等三角点ピーク(点名:下笹)に着いた。ここも東側は植林、西側は雑木林に挟まれて展望はない。ここまでの町界の切り開きは明確なもので歩くのには特に問題は無いが、展望がない植林ばかりで、歩く楽しさに欠ける。
なんという名前の峠なのだろう
12:05
三角点ピークからの南の下りは疎らな雑木とシダの斜面で、南の386mピークがよく見える。日当りもいいし眺めもここまでで一番よいので、ここで昼食をとることにする。
12:34
食事を終え南下を再開する。今日は386mピーク南の送電線と峠道が交差する地点までとし、そこから東に下りることに決める。
12:45
254mピーク手前の鞍部に着いた。東西とも踏み跡の痕跡があるような気もするがよく分からない。町界の踏み跡は254mピークを下りたところまでははっきりしていたが、その先の雑木の斜面に入ると消えてしまった。
13:08
十分隙間のある下草のない雑木林の斜面を登っていくと、ようやく緩やかになり、目印にしたのか木にポリ袋が縛り付けてある。
13:24
空缶がたくさん捨てられている。ビール瓶や弁当の殻も捨ててありどれもかなり古そうだ。切り開きもはっきりせず周囲を雑木に囲まれよく見えないが、ここが386mピークだろうと判断したが、どうやら間違っていたようだ。
ピークから南に下るが予想以上な雑木の急斜面で、おまけに木の隙間から西側に尾根が見えてきた。間違いに気がついたが何故か足元のシダの中に古い境界石がある。昔と今では境界が違っていたのだろうか。とりあえず昔の境界を下りたということにしよう。
13:56
広い谷筋に出ると、踏み跡があった。それを下っていくと破線の峠道に下りた。峠よりは大分東のようだが、植林の中のものすごく暗い薄気味悪い道だ。
峠方向に少し行ってみるが、破線道は不鮮明でどこにあるか分からなくなり引き返す。次回の姫路市大回りで峠まで登り解明することにして、ザックからヘッドランプを取り出そうかと思ったほど暗い道を下ることにする。
14:22
獣除けのフェンスの扉を通り、国道29号線「上山下」バス停脇にある荒神社に下り立った。
今回の行程は展望もほとんどなく、目的とする頂上もなく、人が通った気配が全く感じられない淋しい切り開きを行く、といったあまり楽しいものではなかったが、初めて猪に会えたことでよかったことにしよう。
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