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姫路市大回り、その15(槻坂「けやきざか」)



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平成15年12月30日(火)  メンバー 私だけ

槻坂 けやきざか 90mくらい

2万5千分の1地形図「龍野」を参照すること。


姫路市大回り

前回、「姫路市大回り」は国道29号線の追分峠まで達した。今回は龍野クラシックゴルフ倶楽部の東側の山を南下し槻坂まで行く計画だ。途中で行き詰ったらゴルフ場に下りたら何とかなるだろう。

籔漕ぎに疲れたら、山域の中央付近を東西に横切っている送電線の巡視路をエスケープに使えるだろう。


龍野クラシックゴルフ倶楽部

前回の終了地点、姫路市林田町下伊勢の国道29号線「伊勢」バス停近くまで妻に車で送ってもらい、姫路市大回りその15を歩き始める。

「伊勢」バス停の北から西へ農道を入り、大津茂川を渡り地形図の破線道を行く。

9:53
二つの溜池が東西に並んでいて、その北側の入り口に小さめの石仏がポツンと祀られている。風化がかなり進み石が白っぽくなっている。

溜池入口の石仏
里山と石仏の関係は切っても切れない

道は一つ目の溜池まではよかったが、二つ目になると両側のササや雑木の枝ががうるさくなり倒木まで現れた。しかし道自体はよく踏まれたはっきりしたもので、昔はよく使われたのだろう。

峠への破線道
もう少し整備して欲しい

10:06
峠の切り通しにはお堂があり、「一カ願地蔵」と名付けられている。このお堂は比較的新しいものの様に思われる。

お堂が峠の切り通しの半分を塞いでいるが、今は通る者もいなく苦情は来ないだろう。西側に下りる道は土留めの板などで整備されている。この地蔵堂を建立した人は西側の竜野市の人なのだろう。

峠の地蔵堂
現代的なお堂だ


切り開きがあった

10:15
切り通しの南側に登ってみると、市町界はきれいに切り開かれている。極最近の仕事のようで木の切り口が真新しく、切られたササもまだ青々している。半月もここに来るのが早かったら、切り開きもなくここから登るのを諦めていただろう。

市町界の切り開き
ビニール紐の目印つき

切り開きは124mピークを過ぎても続いている。雑木やササが地面の近くで斜めに切られているので、倒れこんだらグサッと突き刺さりそうで考えただけでも怖いが幸いにも実現はしなかった。山雑誌の投稿では細い切り株が手のひらを突き抜けた経験談があり、私も以前に切り株ですねに傷を付けたことがある。

10:36
124mピークの南側の切り通しの北側に、高さが2m以上もある大きな石碑が立っている。正面の文字は剥がれてしまい読めないが、横に「文政三康辰年三月吉祥日」と彫られている。今から183年前ものになるが、大きなものを持ち上げたものだ。

切り通しに下りると東西に広めの道が下りている。反対側の竹の斜面を登るとゴルフ場の中に出てしまい、そそくさと東側の籔に隠れるように入る。地形図ではゴルフ場はもう少し南からのはずだが拡張したのだろうか。


いよいよ籔漕ぎか

籔に入ったが、市町界の切り開き作業はここまでで出終わっていて、ひどい笹薮の斜面となっている。笹薮とゴルフ場の境界を水平移動してみても登れそうなところはない。どうしようか悩んだが、思い切って笹薮に飛び込み無理やり南に30mほど登ると、密集していた笹薮が途切れまばらな雑木の尾根になった。

明白な切り開きはあるし、「西播磨開発」のプラ杭と背の高い白いプラ杭が続いている。龍野クラシックゴルフ倶楽部の敷地境界杭なのだろう。ということは少なくともゴルフ場の南端までは切り開きがありそうだ。

広い切り開きが続く
展望はない

落ち葉が積もる雑木の尾根、少し籔っぽい切り開き、下草の生えた明るい踏み跡などがつながり比較的歩きやすい。右手の木々の隙間からはゴルフ場が見え隠れする。

11:45
220mピークに着いた。雑木に囲まれ展望は無いが南に260mほどのピーク二つが釣り尾根で結ばれているのが見える。ここから南向きの斜面を下るのだが雑木やシダが密集していてどこが切り開きか踏み跡か分らない。考えていても始まらないので籔に突入する。

ひどい籔を身をよじりながら適当に進むと低木の籔に入り、右手に尾根が見える。あの尾根に戻れば何とかなるかなと思い、尾根目がけ登り返す。

11:52
雑木とシダの尾根には明確な踏み跡があった。北にも続いているところをみると220mピークでもう少し観察すれば、この踏み跡が見つかったのではないかと後悔。

シダの中には踏み跡が
明確な踏み跡がある

260mほどのピークへの切り開きは一直線に雑木林の斜面に延びている。登山道なら九十九に登るところだが、市町界の切り開きは情け容赦なくまっしぐらにピークを目指している。


山城跡か

12:08
休み休み登り、やっとのことで260mほどのピークに到着。この山域での最高標高地点となるこのピークは、何故か非常に平坦な雑木林になっている。おまけに東側に段差がありその下も平坦になっていて、間違いなく人の手が入っている地形だ。これは山城跡に特徴的な地形だが、ここにも山城があったのだろうか。

山城跡のような平坦なピーク
おそらく山城跡だろう

平成16年1月14日追記
読者の方々からこの山塊には「笠松城」(別名:西脇城・丸山城)があったというお便りを頂きました。その笠松城があった位置はこの260mほどのピークと違うような気がします。
私はこの260mほどのピークには笠松城の物見砦があったのではないかと妄想を膨らませています。

260mほどのピークから南西方向の尾根に下りていくと、尾根には道があった。切り開きでも踏み跡でもなく見間違いのない「道」だ。

尾根「道」を行く
何のための道なんだろう

12:34
224mピーク手前の、尾根の上にある送電線鉄塔「西播線22」に着いた。ここまでが「道」だった謎が解けた。送電線巡視路だったのだ。展望はなく、送電線の碍子から出ている放電のチリチリ音が気になるが、ここで昼食をとることにする。

12:49
昼食を終え出発する。

12:52
224mピークに着いた。送電線巡視路の標識があり、西方向を指している。当然、巡視路も西のゴルフ場に下っている。ゴルフ場に下りるわけにも行かないので、市町界尾根に方向を合わせ籔に突入すると、踏み跡が現れ南への尾根に続いている。

尾根の途中にこの山域では数少ない展望場所がある。北東に最高標高地点が見える。そのピークは東のピークとで双耳峰となっているが、東側の頂上も山城跡のような削平地があるのだろうか。行ってみればよかったと後悔。

一番高いピーク(山城跡かも)
だれか再確認してくれないかな

13:15
右下でゴルフを楽しんでいる人たちを見ながら、247.9m三角点の北、220mほどのピークに着いた。雑木の葉が落ちているため、木々の隙間から南の三角点ピークが見える。

南西のピークを目指し進むが、北面の登りになると明確な切り開き踏み跡はなくなる。それでも尾根は明確で中央付近には人が通れる幅の空間があり、籔漕ぎ状態には至らない。ピーク付近や南面には明らかな踏み跡が続いている。

籔漕ぎをしているわけではない
当然迷っているわけでもない


三角点は藪の中

13:41
踏み跡をたどり、三角点ピークの西に着いた。上面に「十五」横に「中」と刻まれた石杭があり、明確な踏み跡が南方向に、不明確なものが西の三角点方向に続いている。せっかくだから三角点に行くことにする。

13:46
平らなピーク(ここは自然な地形だ)の籔っぽい踏み跡を西に行くと、籔の中に三等三角点標石(点名:入野山)があり脇には今は使われていない共同受信用のテレビのアンテナが建っている。

籔のなかの三角点
展望はない

13:53
市町界まで戻り、南に続く踏み跡に入る。時々踏み跡が不明確になり外してしまうが運がよかったのか復帰することができた。

14:10
丸く平たい直径5mほどの大岩が踏み跡の脇にあり、岩の上からは西方向がよく見え現時地点を確認することが出来た。しばし休憩する。

14:37
踏み跡をたどると今日の行程の中で始めて現れた植林の尾根となり、山陽自動車道のトンネル上の小山に到着。

小山からプラ杭が南西に続いていて、方向が変だな思いながらたどる。山陽自動車道のトンネルの上に打たれた杭だと気づき、東に方向を修正し竹林の中を通り東の雑木の尾根に無事復帰する。


旧槻坂峠の切り通し

14:52
鞍部に着くと尾根が途切れ、幅が広く深い溝が現れた。槻坂の旧道の上に出たのだが、切り通しのほぼ垂直な岩崖が行く手を阻む。

姫路市側に数十メートル進むと旧道に下りることができた。旧道の峠の切り通しは全長約40m、高さは約7m、道の幅は5mほどで、非常に大規模な土木工事が行われている。昭和30年に県道のトンネルが開通しているが、それまではこの道が使われていたのだろう。

旧槻坂の切り通し
すごい規模だ

龍野市側、姫路市側とも取り付け道路は笹が茂っているが2車線幅ほどの緩やかな道が付けられている。龍野市側は北に曲がり県道トンネルの入口上を横切り、その先は県道の北側沿いを進むが途中で途切れている。県道工事の際に削られたのだろう。旧道にはトンネル手前の北側斜面から登ることができる。

姫路市側は県道の南側沿いに進むが、きつい笹薮に阻まれ調査を中止した。姫路市配水池入口のフェンスの西の斜面から笹だらけの旧道に登ることができる。

姫路市側の槻坂隧道入口
大型車は対向できない

16:02
槻坂から30分ほど県道を東に歩きJR姫新線太市の駅に到着し本日の山行は終了。

石仏や地蔵堂、山城跡(と思われる)、旧槻坂の切り通しなど見所が多く面白い山歩きを楽しむことができた。



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