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夢前町の鞍掛山(山城跡付き)



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平成16年2月1日(日)  メンバー 私だけ

鞍掛山 くらかけやま 311.8m

2万5千分の1地形図「姫路北部」を参照すること。


後期赤松時代の山城跡

兵庫県飾磨郡夢前町にある置塩山から夢前川を挟んで南西方向に311.8mの三角点がある山がある。山名は「鞍掛山」といい、後期赤松時代に置塩城の出城として山城が築かれたのではなかろうかという噂がひそかにささやかれているかもしれない山だ。ただ山城跡があるのは間違いない。

南側の夢前町清水谷からアンテナ点検用と思われる尾根上の破線道を登り、そこから先には切り開きがあることを期待し頂上まで登る。下山は登った経路を下ろうという計画だ。

WEBで調べてみたが山行記録を見出すことは出来なかった。しかし名前が付けられた城跡があるのだから、踏み跡ぐらいあるだろう。


破線道の入口はどこだ

10:13
今回も妻の運転する車で送ってもらい、夢前町清水谷北のマックスバリューから歩き始める。今日は夢前川の川原の草刈日のようで、至るところから枯れ草を焼く煙が立ち昇っている。

西の清水峠を越して菅生澗に抜ける道に入り300mほどのところから破線道が始まるはずだが見つからない。「夢前町清水谷斎場」の案内がある道を右に入って行くと4階建ての団地があり、その先に「夢前食料品企業組合 LPガス容器置場 火気厳禁・立入禁止」看板のかかる倉庫のような建物がある。その向かい側に山へ入る踏み跡がある。

10:33
地面に直接置かれたカーブミラーの右手から山へ入ると、浅い谷沿いに踏み跡が続き次第にはっきりしたものになっていく。

ここが鞍掛山登山口か
案内はない

下山後に登山口のありかを再度探してみた。店先に自動販売機が4台ほど並べられた、営業しているかどうかよく分からない「シキシマパン」の看板のかかる食料品店の右に、低い岩場がある。そこをよじ登ると尾根へ登る道があるのを見つけた。

私の登ったLPガス容器置場前からでも尾根への踏み跡は明確なので、どちらから登ってもいいだろう。

登り始めて7分ほどで尾根に着いた。小さな焚き火の跡があり、北の尾根へは幅の広い道が延びている。南側は北側に比べたら通る人が少ないのか少し荒れている。ここからアンテナ施設まではこのいい道が続くだろう。

幅2mの尾根道
この道は予想できた

尾根は葉を落とした雑木林で、周囲の景色が木々の隙間から見える。しかし夢前川の川原で焼く枯草の煙が尾根まで漂ってくるし、気温が高く霞が薄くかかっていて遠望は利かない。

地形図上では緩やかな尾根なのだが、登り一辺倒ではなく下りもあるため、意外と手強い登りも一部混じり飽きさせない。

10:59
尾根を歩き始め20分弱でテレビ共聴用アンテナ設備に着いた。「NHk」の表示があるが中継所名は付けられていない。受信用のアンテナのみで再送信はせずに、有線で下に送っているようだ。


快適な尾根道が続く

11:07
暑くなってきたので服を一枚脱ぎアンテナ設備で少し休憩後出発する。アンテナ設備から先は踏み跡になるかと思っていたが、意外にも切り開きの幅が2mから1.5m程になっただけで快適な尾根道が続いている。

アンテナの先も快適な道が続く
道があるのは意外だ

11:32
鞍掛山の頂上南側の削平地に着いた。きれいに下草や低木が伐られ北側を除き展望が広がっている。どうやら夢前町はこの鞍掛山を整備し売り出そうとしているように見える。

頂上南の削平地
書写山がよく見える


頂上の北の削平地は籔っぽい

11:36
鞍掛山の頂上に着いた。置塩山が見えるかと期待していたが、平たい頂上は一部だけ木が伐られているだけで、雑木が茂り展望はない。三角点標石は中心をかなり外し東側にシダに隠れるようになっているのを見つけた。

鞍掛山頂上
そのうち展望台でもできそうだ

頂上はそれなりに人が歩き回っているのか下草は少ない。しかし、北側の何段かになっている削平地は腰ほどのシダが茂りその中に狭い踏み跡が続いている。

北側の削平地を行く
シダの下には何があるのだろう

11:48
何段かの削平地の終わりは地面が露出した直径5mほどの空き地になっている。北と西方向に薄い踏み跡が下りているが、どちらを選んでも籔漕ぎが待っているのは間違いないだろう。下山は来た道を引き返すことにする。しかしなぜここだけ裸地になっているのだろう。

最北端の裸地
昔はここで相撲でもしていたのだろうか

鞍掛山城跡探検を終えて、眺めのいい頂上南側の削平地まで戻りマックスバリューで買ってきた弁当を食べる。昼食後、削平地の周りを巡ると、西側に最近開かれたような道がある。鞍掛山西側の240m程のピークにテレビ共聴用アンテナが見えるのでそこへ行っているのかもしれない。

登ってきた道を下るのもなんだし、西に下ってみることにする。車で来ていると必ず出発地点に戻らなければならないが、今日はバスで帰るつもりなのでどこに下りようとかまわないのが強みだ。


下山は西へ

12:45
鞍掛山頂上南側の削平地から下山開始。

西への下山道
緩やかに付けられている

道は斜面を切り取って作られていて、緩やかに九十九に下りていく。途中に、西の鞍部へ脇目も振らずまっしぐらに下る恐ろしいほど急な切り開きと交差するところがあるが、近道をしようとは思わない。

12:56
鞍部付近は広い切り開きとなっていて、南に下る狭い踏み跡もあったが西のピークに登ることにする。

12:59
240m程のピーク西端にテレビ共聴用アンテナがあり、振り返ると鞍掛山頂上が見える。道はさらに西に続いていて、地形図の実線道のどこかに出るのだろう。

アンテナからさらに西へ
このアンテナは人が持上げたのかな

広い道を下る
不思議な山だ

13:16
アンテナから比較的急な道を8分ほど下ると240mほどのピークの南側を巻くと思われる分岐道がある。分岐には入らず直進し、更に2分下ると道が左右に二本に分かれている。

赤プラ杭が連続して打ってある右側の道は、植林の中の恐ろしいほど急な切り開きへ繋がっている。下るのも怖そうな激坂(こんな急な切り開きは初めて見た)は見るだけで引き返し、左側の九十九に下るそれは緩やかな道を行く。

13:25
目的は分らないが落ち葉が積もった道に沿って赤テープが張り巡らしてある。山道が南に向きを変えると、林道が横を通っていてそれに出ることができた。地形図の実線道は普通車でも通行できるような状態の良い林道だ。

下って来た山道は再び林道から離れ更に南に続いている。林道から山道の入口には木に赤スプレーで縦に線が引かれ、その上に赤ヒモが巻かれている。林道には車を1台は置けるスペースがある。

山道から林道に出る
この中に山道があるのは
車で通っただけでは分らないだろう

13:48
砂利が入れられた林道を下り清水峠越えの車道に出た。林道入口のゲートは開いているが次のような表示がある。

関係者以外車両の通行を禁止します。

(社)兵庫県森と緑の公社

残念ながら、この林道は一般の車が入ってはいけないようだ。

清水峠のお地蔵さんを見るために東に車道を登り、駐車場が車で一杯の「ウェルサンピア姫路ゆめさき」(天然温泉入浴のみなら700円)を横目で見ながら出発地点の清水谷に戻る。

清水峠のお地蔵さん
車からは見にくい

今日登った鞍掛山は情報が少ない山だが、藪を漕ぐこともなく気持ちの良い雑木の尾根道を歩き登ることができた。周回コースまで用意されていて、夢前町が山頂付近を更に整備して大々的に売り出す日も近いのではないかと思う。

有名になる前に、ゆっくり歩いて1周3時間ほどの快適なハイキングコースを今のうちに楽しまれてはいかがでしょうか。



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