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明神山、E・Dコースは”いぃでぇ”



平成16年 5月 5日(水)  メンバー 私だけ

明神山 みょうじんさん 667.9m

2万5千分の1地形図「前之庄」「寺前」を参照すること。


間違えました、”いぃ”のはEコースだけです

6日前、2年ぶりに夢前町の明神山に登ったが、そのとき神種(このくさ)からDコースとEコースの登山道が新設されたことを知った。GW最終日、週間予報に反しよい天気になったが行く当てもなく、今年2回目の明神山にEコースで登りDコースで下りることにした。

両コースとも暗いスギ植林地の中を、沢沿いに行く。展望は皆無だし、ヒルもいそうだし、おまけにDコースは一部マーキングだけで道がないところもあり、あまりお勧めできるコースではなかった。

ただ、Dコース途中には「釜谷の滝」という、見る価値のある(前日の雨でもあまり水量はなかったが)滝に巡り合えた。


Eコースで登る

帰ってからWEBを調べたところ兵庫の山々 山頂の岩石に平成15年11月の山行記録「神元神社から小明神を経て明神山へ」で紹介されていることを知った。その山行記録では「小明神コース(Dコース)」となっているが、今はそのコースはEコースと表示されていた。

9:37
夢前町神種(このくさ)集落を抜け「夢さきぬくもりの森」の駐車場に着いた。キャンプサイトでは昨日の雨で濡れたテントの撤収作業中のグループもいる。今日も広い駐車場はがら空き状態だ。

9:42
登山を開始する。いきなり先着していた4人グループからAコースの登山口への行き方を聞かれた。団体登山の下見に来たそうだ。

神元神社の西にあるオートキャンプ場入口に、「明神山登山口 D・Eコース」の道標がある。スギの丸太を斜めに輪切りにし、文字部分を彫り込み白く塗ったもので、道標を立てる人にお手本にしてもらいたいような立派なものだ。

道標はこうあるべきだ
見事な道標

9:49
誰もいないオートキャンプ場の奥から、沢を横切る小堰の上を行き、神元神社からの林道に出た。

林道には「明神山愛好会」の案内板があるが、今日は見なかったことにする。しかし、その先には周囲の雰囲気に溶け込んだ『道標のお手本』も立っていて、その違いが一層際立っている。

車も通れる林道は南北に長い「明神池」の横を過ぎ、その北にある小池の奥まで続いている。途中で下山中と思われる人とすれ違ったが、ずいぶんと早い時間に登り始めたのだろう。

10:06
小池奥の、谷が北と北西に分かれるところに車が止まっている。ここから左へ丸太橋を渡り「Dコース」が始まっていて、「Eコース」はさらに奥に進む。飼い鳥に野鳥の鳴き声を聞かせていたおっちゃんがいて、さっきの人は「Dコース」から出てきたことを教えてくれた。

無駄のない的確な道標が立っている
Dコースの登山口を過ぎる

少し心が揺らいだが、計画通りにEコースに向うことにしてさらに北に進む。スギの植林地の中を沢沿いに、轍はないが車が走れそうな道が続いていて、ところどころの木に赤ペンキでマーキングが施されている。

10:19
沢が分かれる標高200mほどの地点に着いた。両方の沢に砂防ダムがあり、広い道はここで終点となる。少し中途半端な位置に「Eコース登山口」の道標があるが、赤ペンキのマーキングが左側の砂防ダムに付けられていて、そこから細い道が始まっている。

天気も良くなってきた
ようやくEコースの登山口に着いた


暗い植林の中を登る

その上にある、もう一つの砂防ダムを過ぎ、道は暗いスギ植林の中へと続いている。この道は登山道として開かれたものではなく、昔からの作業道を手入れしたものと思う。

所々の道脇のスギの木に赤ペンキのマーキングがあるが、道は明確で進路を誤る心配は全くない。ただ沢のそばを行くので「ヒル」がいるのではないかと少し心配だ。

暗いぞ、一人だと怖いぞ
スギ植林地の中を行く

10:44
沢から離れ、右手の斜面を登っていく。このEコースの特徴なのだが急な斜面には九十九に道が付けてあり、尾根めがけ緩やかに登っていく。

10:46
ここから尾根を登るのかと思っていたが、道は尾根を乗り越え反対側の中腹を行くようだ。標高290mほどの地点か、道の右下は絶壁となっている。この道にあの大柿赤布が下がっている。当然なことだろうがこのルートが開かれる前にMTBをお供に登ったのだろう。

この写真じゃ分らないと思うが数十メートルも切れ落ちている
右下の絶壁が怖く、道の左端を行く

いつの間にか右下の絶壁はなくなり、谷底の沢沿いを歩いている。前日の雨にもかかわらず沢の水量は非常に少ない。

11:10
谷に大きな岩が目立つようになり、炭焼窯跡が現れた。これまでの私の少ない経験によれば、谷を詰めて炭焼窯跡が現れるまではそれなりによい道があるが、そこから道が忽然と消えてしまうことが多かった。

ここでもそうなるのかなと思ったが、最近開かれたような感じがする道が植林の浅い谷の中を、簡単な階段道、九十九に付けられた道となって尾根まで延びている。

緩やかに付けられている
植林の斜面に付けられた道

11:31
緩やかに付けられた道をジグザグと登るので、楽ではあるが時間をだいぶかけて尾根に到着。「小明神」とその北東にある549mピークの間に着いたようだ。

549mピーク方向は倒木で塞ぐようしていて、ここにも『道標のお手本』があり「頂上へ」と「下山」と標示している。しかしスギの木に付いているのだが様子がおかしい。よく見るとスギの木に釘で打ちつけているのだ。これまで褒めちぎってきたが、非常に残念ながらこれからは『悪い道標の見本』と呼ばなければならないようだ。

本当はもう少しは明るいかな
尾根に到着、明神山ももうすぐだ


小明神から明神山へ

常緑樹が多く暗い小明神への尾根には、歩きやすい伐り開きがある。大岩が現れ、その左を巻いていくと小明神も近い。

11:44
小明神に到着。「小明神 615m」の木板が下がり、丸太で作ったベンチが置いてある。以前は展望のないピークだっただろうが、今は一部の木が伐られ南東方向に窓が開いている。このピークもいづれ、明神山頂上と同じく全周展望バリバリになってしまうのだろうか。

明神山頂上よりも雰囲気がいいかも、明神山に登ったらここへも足を伸ばしてほしい
小明神頂上

11:53
小明神と明神山との鞍部に、南東に下る「Dコース」の分岐がある。上から見る限りは良さそうな道が下っている。

ここにも『悪い道標の見本』が「Eコース方面」・「下山」・「頂上へ」の3枚があり、それぞれ釘で生木に打ちつけている。周囲の木々にも赤ペンキでコース案内が書かれ分岐点を賑やかにしている。

11:57
このコース唯一にロープ場を登ると、左後に「くさび岩」があり、展望の良い岩の先が割れていて、そこにくさびの様に小岩がはまっている。先まで行くのがちょと怖い。

12:00
その先には「恐竜の背」と名付けられた白っぽい岩が積み重なっていて、その両側は切れ落ちている。ここを越えると頂上は近い。

なんという名前の恐竜が埋まっているのだろうか
明神山直下の「恐竜の背」

12:06
頂上直下の「またぎ岩」をまたぎ、明神山頂上に到着。駐車場から歩き始めて2時間20分ほどかかっている。

頂上には駐車場で別れた4人組が先着していて、その後にもポツポツと登ってくる人がいて、総勢10名ほどになった。昨日の雨で大気が清められたのか四国まで見えた。双眼鏡があれば瀬戸大橋も見えるのではないかと思われるほどの視程で、こんなのは初めてだ。

食事をしながら、どのコースで下山するのが一番いいかが話題になり、私はCコースを推したが、AUコースの方が上だという人がいた。初耳のAUコースはAコースの迂回路の意味でAコース途中から分岐するようだ。

これで明神山にはA・AU・B・C・D・E・莇野馬谷コースと都合7コースもあることになる。私はDコースで下山しようと思っていたが、AUコースも面白そうだし迷ったが、計画通りにDコースで下山することを決心する。

生駒の山々はさすがに見えなかった
明神山頂上


Dコースを下る、なんじゃこりゃ

13:31
展望も良く、気持ちのよい頂上で1時間半も過ごした後、だれ一人として登ってこなく下りもしない小明神へと下山を開始する。

13:39
小明神手前の鞍部のDコース分岐点から、右に下る。

道標は全て釘で立木に打ちつけている
鞍部のDコース分岐点

Dコースを下り始めると、道はすぐになくなってしまった。普通なら明神山頂上へ引き返しAUコースで下りたいところだが、朝このコースから下りてきた人を見たし、その人の足跡も残っている。

道がない、マーキングはどこだ
なんじゃこりゃ

傾斜も何とか下れそうだし、赤ペンキ印も続いているし、先行者もいるし、もっとひどいところを下りた経験も多々あるし、このまま下りていくことにする。

ガレた滑りやすい足元に注意しつつ、周囲に目を配りルート設定者の意図を読み取るように次の赤ペンキ印を探して下りていく。どうしてこんなところにルートを設定しなければならなかったのか、その意図が分らない。

足場が崩れやすいところもあり、このDコースを登りに使うのは面白くなさそうだ。下りでも普通のハイカーにはとてもじゃないが勧めることなど出来ない。

道はどこだ、どこに行けばいいんだ
なんじゃこりゃ、その2


道も現れ、見所も

14:10
それでも道なき道を下ること約30分、行く手にうっすらと道らしきものが現れ、炭焼窯跡も現れしっかりした道になった。これで明神山から出られそうだ。

ルンルンルン
ようやく道が現れた

沢に沿って下って行くが、道は突然右に曲がり沢から離れ、しばらく下からの沢音を聞きながら行く。このパターンは過去にも経験があり、この先に現れるものを期待し胸がワクワクしてきた。

14:28
予想にたがわず「釜谷の滝」と名付けられた滝が現れた。落差は15mほどか、昨日の雨にもかかわらず水量は少ないが、斜めに落ちる姿が美しい滝だ。

妻がこの写真を見て「あなたの性格と似てひねくれいるから”ひねくれ滝”だ」とのたまうが、そんなことはないと思う
釜谷の滝

これでこのDコースの存在意義が分った。開設者はこの「釜谷の滝」を通るルートを造りたかったのだ。まだ未完成だが。

14:38
釜谷の滝から5分ほど沢沿いに下ると、沢に丸太を組んだ小橋がかかっている。Dコースの開設時に架けられたようだ。ただ横木に乗ると滑り易く注意が必要だ。

1回落ちそうになった
丸太の小橋を渡る

この丸太橋は合計7橋あり、沢を右に左に渡り、暗い植林の中を下っていく。

14:48
最後の橋を渡ると、そこは林道奥のEコースとの分岐点だ。暗い植林の中からようやく明るいところに出ることができホットする。

これを撮ってるカメラは既に橋を渡っている、よって本当は最後の橋を二度渡るの方が正確か
最後の丸太橋を渡る

15:03
林道を15分ほど歩き、林道入口の「神元神社」に着いた。

文化財 神元神社 夢前町

祭神は高皇産霊神、神皇産霊神、須佐雄神。創建は雄略天皇(457〜480)の御代とも、天平時代(710〜783)ともいわれている。
古記に、中世明神山頂より移し祀ったとあるが、山道を隔てた一間社であるともいわれている。
本殿妻飾りは豕扠首(いのこざす)。向拝(こうばい)の向って右の手挾(てばさみ)には室町時代特有の図柄梶の葉に毛筆の彫刻がある。これは後の改築に当り再度使用したもので、同時代に現在同様規模の社殿の存在を物語る。境内には幹回り5.6m、町内一の大杉がある。

大杉は右奥だがどこだろう
神元神社

15:20
明神山頂上から1時間50分かけ、出発地点の駐車場まで戻る。

Eコースは登りにも下りにも使え、展望は皆無だが、暗いスギ植林の中を行くそれはそれは静かな、一人では淋しいくらいの山歩きを堪能できる。また明神山への登山道のなかでは一番緩やかな体にやさしいルートだ。

Dコースは登りに使うと迷いそうだし、下りでも普通のハイカーにとっては、きびしいものがある。それでも林道から15分ほどで「釜谷の滝」まで行けるので、滝見物の道として往復する分にはお勧めできる。



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