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御津山脈から天下台山へ



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平成16年6月13日(日)  メンバー私だけ

雄鷹台山 おすたかだいやま 310.6m
無名ピーク むめいぴーく 328m
天下台山 てんがだいやま 321.4m

2万5千分の1地形図「網干」、「相生」を参照すること。


御津山脈と天下台山

掲示板に寄せられた「播州の極楽トンボ」さんの投稿や、とんび岩通信によると天下台山と御津山脈が登山道で結ばれたという。

御津山脈の最高峰「雄鷹台山」から天下台山南の「馬場坂の峠」まで、相生市と揖保川町の町界沿いに切り開かれ、そこはダイセル化学工業播磨工場の有刺鉄線柵沿いで展望はないらしい。

結ばれたルートの途中に天下台山や雄鷹台山よりも高い標高328mの無名ピークがあるのが面白い。


海抜0mから

8:25
妻に送ってもらい御津町の大浦に着いた。登るなら海からと海岸に出てみると、真っ青な空の下にこれまた真っ青なおだやかな海が広がっている。海岸前には広場があり海水浴シーズンの駐車料金は300円となっている。

山電網干から大浦までは神姫バスが走っているのだが、日曜日は始発が遅く大浦には昼前にしか着けず、タクシーを使うか送ってもらうかしない。ただし逆の天下台山から大浦の行程なら、最終17時7分(日曜日)大浦発のバスがあるので公共交通機関のみを使うことも可能だ。

大浦海岸からの出発
海には登れないので、山に登ることにする

天下台山へ行くにはまず御津山脈の最高峰「雄鷹台山」に登らなくてはならない。大浦海岸からは東回りの「鳩が峰」からのコースと、西回りに「大浦西登山口」から中腹の大師堂経由のコースがある。どちらのコースも今までに通しで歩いたことはないが、登山道を歩く割合が多い大浦西登山口から登ることにする。

8:33
海沿いの急カーブのコーナリングを楽しむ車が多く歩行者にとっては少々怖い、国道250線を西へ行くと、山側の草むらの中に「御津山脈縦走路 大浦西登山口」、「大浦登山口 はりま御津ライオンズクラブ」の案内が立っている。登山口付近は草が茂り本当にここが登山口なのだろうか状態。

大浦西登山口を入ったところ
車の通行量が多く車道には三脚が立てられなかった

登山道には赤布やテープの目印が随所にあり、道も明確で歩くのには問題がない。ただ草むらの中に蛇が寝ていたら知らずに踏んでしまいそうな怖さがある。

登り始めから支尾根に乗るまでの道は中央がえぐれ、昨日までの雨のせいでそこが小川になっていて少々歩きにくくなっている。

8:53
支尾根に乗ると雑木林の中に下草もない歩きやすい道が続いている。この支尾根は「地形図 網干」の左下角から「地形図 相生」の右下角の236m標高点へと続くもので、東を見ると鳩が峰へと登る山の中の屋津坂が見える。

御津山脈へ登る支尾根
この道が続けば言うことはないのだが

9:09
道は次第に尾根の中心を外し西側を登っていく。家島などが見え景色はいいのだが、足元に茂った草が昨日までの雨で濡れていて、膝の上までびしょ濡れになってしまった。スパッツをつけレインウエアの下をはけばよいのだが、めんどくさいしそのうち乾くだろうと濡れるのにまかせることにする。

背後には家島が
景色はよいが、足元の草が伸び放題

9:23
道は尾根からさらに西に外れ、「室津山大師堂」に着いた。大浦からの道はあまり手入れされてなく、人が最近通った形跡もなかった。ここ大師堂までお参りに来る人はいるのだろうか。のんびりと写真を撮りながら登ったので登山口から50分かかっているが、普通に登ればもっと早いだろう。

山中の大師堂
この南側の道も草ぼうぼう

9:32
大師堂から3分ほどで、東西に伸びる御津山脈の稜線に着いた。「地形図 相生」の「荒戸」の「荒」の文字の真北辺りの町界尾根で、雄鷹台山頂上からかなり西に離れた地点だ。周囲の木々のため展望は無いし、日当りがよいため草がだいぶ茂っている。

ここには2種類の道標があり、茶色の公設ぽい方は東西南北の順に

雄鷹台山方面  柏登山口方面  大浦西登山口  相生野瀬方面

となっていて、私設ぽい白い方は

御津山脈縦走路雄鷹台へ  西方向は無し  大師堂→大浦西登山口へ  相生野瀬へ

となっている。公設は雄鷹台山となっているが私設は雄鷹台と山の字が入っていない。山の字の有り無しに何か意味があるのだろうか。


雄鷹台山へ

雄鷹台山への道は、所々から大浦・室津や家島が見えるが、ほとんどは雑木林の中を行くため展望はよくない。

しかし、道は比較的良く整備されていて、目印もたくさんあり最後の雄鷹台山への登り以外は緩やかな登り下りが続き、雑木を避けるように曲がりくねった道を歩くのが楽しい。

こんな所はほんの少し
足もとには明確な道がある

10:13
御津山脈の稜線を歩くこと40分ほどで、御津山脈の最高峰の雄鷹台山310.6mに着いた。ここは周囲を雑木に囲まれ展望はないし、頂上近くは平坦なためピークに登ったという感覚も湧かない。

雄鷹台山頂上
まったくもってピークらしくないピークだ

頂上にある案内地図
いらないと思う

このピークには3種類の道標があり、公設と私設のは

公設: 御津山脈最高峰 雄鷹台山 310.6m

私設: 雄鷹台山頂上 310.6m  御津山脈縦走路

となっている。

新しいアルミ板製の道標と、ビニールで包まれた案内地図があり

←天下台山へ

天下台山周辺ハイキングコース地図
御津山脈縦走路へのルート(南尾根コース)を開通しました。

と書かれている。

天下台山へのルートが開かれたことを知らないハイカーがここに来て、案内地図を見ていきなり天下台山に行こうなどと思うわけがない。天下台山に抜けようと思う人ならWEBなどでルートを調べてから登ってくるから、ここに案内地図をぶら下げる必要はないだろう。

最近はどの山でも案内地図を掲示するのが流行っているようだが、いずれゴミとなるものを増やす必要はない。


馬場坂の峠へ

10:21
雄鷹台山から馬場坂の峠までの約1.5kmが新たに開かれた道で、雄鷹台山頂上の「ダイセル化学工業株式会社播磨工場」の縦看板と三角点標石の左手から有刺鉄線柵に沿って幅1mほどの道が付けられている。

有刺鉄線柵沿いの道を行く
周りを雑木に囲まれ展望は皆無

切り開かれた道は、左右から枝葉が出ているところもなく、倒木もなく、歩きやすい道となっている。ただ、右側に続く有刺鉄線柵は設置されてからだいぶたつものと思われるが、棘の先はまだまだ鋭く工場敷地に入ることを拒んでいる。

所々にある境界石・ダイセルの縦看板と有刺鉄線柵の位置関係から判断すると、有刺鉄線柵は工場側に1mほどセットバックしている。ということは今回切り開かれた道のほとんどはダイセル化学工業の敷地内にあることになり、多少問題があるように思う。

10:46
道の70%以上は有刺鉄線沿いに開かれいる。町界に沿ってグングン下っていき180m+の鞍部に着いた。途中、枝の隙間から北の山がチラと見えただけで展望は皆無だった。

鞍部には「ダイセル化学工業株式会社播磨工場」の縦看板が有刺鉄線柵の左側に立っている。ダイセルは地形的特異点に縦看板を立てているようで、敷地境界線全部で何本立てているのだろうか。

鞍部から北側の328mのピークへの登りもほとんどが有刺鉄線柵沿いだが、結構眺めがよく東側の近藤池や下ってきた南側の雄鷹台山を見ることができる。まあ何も見えないよりはましだろう。

東側にダイセルの工場が見える
ここは日当りのよい南向き斜面で
通る人が途絶えたらシダが瞬く間に茂るだろう

11:11
328mピーク南の290m+ピークに着いた。ピーク西側の露岩へ踏み跡が延び、その上に立つと家島・小豆島が見え、四国も霞んではいるがしっかりと見える。

11:24
328mピークには「ダイセル化学工業株式会社播磨工場」の縦看板が立ち、有刺鉄線柵がピークを東西に分けている。このピークは残念ながら展望はない。

展望なき328mピーク
白いのは「ダイセル化学工業株式会社播磨工場」の縦看板

11:31
328mピークから北に下ると梢の隙間から正面に電波反射板を載せた天下台山が見えてきた。送電線と交わる付近までは傾斜が急で木々の背も低いため、周囲が見渡すことができる。

ようやく天下台山が見ええきた
登山口から既に3時間、なんて奥が深い山なのだ

11:38
関西電力送電線巡視路と交差する地点に着いた。西方向には「水子地蔵へ」の案内が下がり、明確な道が延びている。東側の有刺鉄線柵はそこだけ途切れ、巡視路がダイセルの敷地内に延びているが

当社敷地につき
立入禁止
ダイセル化学工業(株)播磨工場

の警告板が下がる細いチェーンに行く手をはばまれ一般ハイカーは入ることができない。

禁断の送電線巡視路入口
相生線の送電線鉄塔が見える

11:52
北に下ると右側に続いていた有刺鉄線柵は、朽ちかけ傾いた「ダイセル化学工業株式会社播磨工場」の縦看板の先で東に曲がり離れていってしまう。1時間半近く横を歩いてきて有刺鉄線に愛情を感じ始めてきたところなので、この別離は少し淋しかった、わけはない。

11:53
馬場坂の峠に着いた。来た道には「御津山脈へ→」のアルミ製案内板が下がっている。

このT字路から気持ちだけ馬場坂の道を西に行くと、北へ丸太階段の天下台山へと続く道が始まり、「火の用心」の送電線巡視路標識がある。

その分岐点には馬場坂地蔵が祀られているが、その西側にトタン板で作られた不気味な小屋があり、周囲の雰囲気を暗く澱んだものにしている。何のために建てられた小屋なのだろうか。

馬場坂地蔵の横に建つ怪しい小屋
拝礼施設には見えない

馬場坂地蔵
大正時代の新しいもののようだ


天下台山へ

12:04
天下台山にいく丸太階段道を北に登ると、T字路に突き当たる。ここから東に行くと最近開かれた天下台山「東尾根コース」への道だ。赤白茶の賑やかな道標が立っていて、上から

(東向き) 火の用心 ダイセル播磨線7
(南向き) 火の用心 ダイセル播磨線8
(西向き) ダイセル播磨線6
(東向き) ←東尾根コース
(南向き) 地蔵さん→

の順になっている。ここで高校生ぐらいの子を連れた夫婦が天下台山から下りてきて東尾根コースに入っていたが、マニアックな家族もいたものだ。

東尾根コースへの分岐点
東尾根コースは当分行かないで残しておこう

12:08
岩屋谷公園からの公設遊歩道に出た。そこには次の道標と案内地図がある。

火の用心 ダイセル播磨線7
←東尾根コース

天下台山ハイキングコースマップ
東尾根コース(約3km)開通のご案内
(ビニール袋入りの天下台山の登山道地図)

とうとう登山口が11箇所(御津山脈の登山口も全て天下台山につながっているので総数はもっと多いと思う)になり、登山道が網の目のように張り巡らされた天下台山を迷わず歩くためには、全ての分岐点に案内地図が必要になってしまったようだ。

実際この後の行程で5枚の案内地図に出会った。しかし登山道が次から次へと開かれるので1年前に作られたものは既に時代遅れのものになっている。1年前のものをそのまま掲示している人は即刻更新することを希望する。

12:22
有刺鉄線柵沿いの道とは雲泥の差がある公設遊歩道を登り天下台山頂上に到着。大浦海岸から歩き始めて4時間かかっているが、写真を撮りながら(ここまでで130枚ほど、三脚をセットすること22回)のんびり歩いてきたので、普通の人ならもっと早いと思う。

天下台山から歩いてきたコースを見上げる
途中のピークの方が高いので
天下台山頂上に下山したとするのが正しいかも

頂上には10人ほどのハイカーがいたが、御津山脈から歩いて人はいないようだ。気温は28度ほどと高いが、台風が通り過ぎ大気がすんでいて、明石海峡大橋から四国まで見ることができる。

下山ルートを新しく開かれた東尾根ルートにするか他のルートにするか悩んだが、東尾根ルートは次に車で来るときのために残しておくことにした。色々考えて今後二度と歩くことがないだろう西へ下る「東部墓苑コース」の公設遊歩道に決定した。


東部墓苑へ下山

12:54
頂上北の電波反射板前手前の展望が全くないところに、屋根をかけた簡易休憩所が作られている。以前、真夏の酷暑の日に茹りながら登り、頂上のどこにも日陰がなく難儀したことがある。見栄えはあまり良く無く、なんでこんなものを作ったのか文句を言う人もいるだろうが、一度真夏に登ってみたら有難み理解できるだろう。しかし資材の搬上は大変な作業だったろう。

天下台山頂上の休憩所
これに救われる人もたくさんいるだろ

東部墓苑への遊歩道を、水戸大神・弘法大師を祀った祠などを巡りながらゆっくりと下っていく。谷沿いを下っていくので展望はないが、急なところはなく極歩きやすい道が続いている。

13:38
同時に下山を開始した夫婦には最後まで追いつくことはなく、天下台山頂上から45分ほどで下山。

ぶらぶらとJR相生駅目指し歩いていき、ふと道端のバス停の時刻表を見ると数分後にバスが来るようだ。駅も間近だか神姫バスの通勤定期を持っていて、土日祝日はエコ定期券制度で100円で乗れることを思い出しバスを待つことにする。

14:23
程なくやって来たバスに乗車し相生駅に着くと、姫路行きの列車に間に合った。



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