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笠形山横断、滝滝コース



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平成16年8月14日(土)  メンバー 私だけ

笠形山 かさがたやま 939.4m

2万5千分の1地形図「粟賀町」を参照すること。


20回目の笠形山、今回の目的は

横山晴朗著、神戸新聞総合出版センター刊「はりま歴史の山ハイキング」(以後、案内書とする)に「”播磨富士”笠形山」と題し、公共交通機関を利用しを西の神崎町から登り、東の八千代町に下るコースが紹介されている。

バスの時刻表を調べてみると、案内書とは少し運行形態が変わっているが、どうやら実現可能のようだ。妻に車を取り上げられてしまったし、猛烈な暑さも一休みしているし、この機会に実行してみることにする。


姫路始発の粟賀行き神姫バス

案内書では姫路駅から「グリーンエコー笠形」直行(季節運行)の神姫バスがあることになっているが、利用者が少なかったのか今年の時刻表から消えている。そこで神崎町粟賀営業所で神姫グリーンバスに乗り継ぎ「グリーンエコー笠形前」バス停まで行くことにした。

6:50
姫路駅前から粟賀営業所(神崎町)行きの始発バスに乗る。乗客は私を入れて3人。次の粟賀行きのバスは土曜・休日だと2時間後の8時50分発となる。

WEBの情報によれば、このバスで終点の粟賀まで行くと4分の待ち合わせで、神姫グリーンバス(神姫バスの子会社)の作畑新田行きが8時5分に出るはずだ。但し神姫グリーンバスの時刻表はWEBに公開されていなく少し心配だ。

乗客は多いときでも私を入れて3人、少ない時は私だけ。道は意外と空いていて市川沿いを順調に走っていく。

8:01
居眠りをしているとバスはいつの間にか終点近くで、時刻表通りの時間に粟賀営業所に到着。終点まで乗っていたのは私だけだった。

運賃は姫路駅からだと1,030円となるが。神姫バスのエコ定期制度を使ったので、わずか100円を払ったのみ。


作畑新田行き神姫グリーンバス

粟賀営業所には8時5分発の作畑新田行きの神姫グリーンバスが待機している。名前の通りに緑色に塗られたバスを期待していたが、極普通の神姫色なので詰まらない。

何故か定刻の8時5分を過ぎても運転手はバスに乗車しない。乗客は私しかいないし途中からも、ます乗ってこないだろうしのんびりとしたものだ。

ここに粟賀営業所バス時刻表を掲載するが、写真から起こしたもので間違いがあるかもしれないし、変わるかもしれない。利用する人は神姫グリーンバス粟賀営業所(0790−32−1021)に必ず問い合わせすること。

また土曜日に姫路駅前8時50分発の粟賀営業所行きバスに乗ると、連絡するバスがなく粟賀営業所から歩き始めなければならない。歩く距離は3.2Km程増えるだけで、1時間半後の作畑新田行きのバスを待つよりも早いだろう。日曜日なら10時30分発の作畑新田行きがあるので30分待ってバスで行く方が楽だろう。どちらにしても下山後の西脇市駅行きの最終バスに間に合わすのは不可能ではないが、山行中あまりのんびりしていられないと思う。

粟賀バス停 神姫バス 神姫グリーンバス 平日時刻表 ※病:神崎総合病院経由、 ※土:土曜日運休、 ※休:休校日運休
※期1:5/1〜9/30運行(但し土曜日、休校日運休)
 姫路作畑新田大畑止上小田新野駅川上生野
5   50   
6   20※休 1028
7    12 38※病
80005   13※休55栃原行
900※病  15   
1050※病      
1150※病、※土30 00※病、寺前止  40※病、栃原行
12      40※病、栃原行
1350※病23 05※病 10※病17気楽苑行
14       
1550※病 10※休53  00
16 20   0520
1750※土40    40栃原行
18 40※期1 03  40※期1
粟賀バス停 神姫バス 神姫グリーンバス 日祝日時刻表 ※病:神崎総合病院経由、 ※期2:4/1〜11/30運行
 姫路作畑新田上小田新野駅川上生野
5      
6      
7      
8000515   
900   40 
105030 ※期2    
11     40 ※病・栃原行
12      
13502310  10 気楽苑行
14      
1550 53 55 
16      
17 40 33 40 栃原行
18      

作畑新田行きのバスは定刻を少し過ぎてから発車。

8:15
バスは10分もかからずに「グリーンエコー笠形前」バス停に着いた。結局、乗客は私一人だけだった。

バス料金は粟賀営業所から220円だが、これもエコ定期制度で100円になる。千ケ峰への登山口がある終点の作畑新田までだと料金は700円を越える。

バス停近くには、リスさんマークの「神崎いこいの村 グリーンエコー笠形」と「笠形千ケ峰県立自然公園 笠形山(播磨富士)登山口」の案内板があり、バス通りから越知川に架かる笠形橋を渡って南に進むとグリーンエコー笠形だ。

ここで「グリーンエコー笠形前」バス停の時刻表を掲載する。これも写真から起こしたもので、実際に利用する時は神姫グリーンバスに問い合わせすること。

神姫グリーンバス
グリーンエコー笠形前 粟賀行 時刻表
※病:神埼総合病院経由、 ※休:休校日運休
※期1:5/1〜9/30運行(但し休校日運休)
※期2:4/1〜11/30運行
 平日土曜日日祝日
705 ※病、※休  29 ※病29 ※病 
8   
908 ※病08 ※病08 ※病
10   
11  48 ※期2
123333 
13   
14262626
1549 ※休  
16   
172317 
18434343
神姫グリーンバス
グリーンエコー笠形前 作畑新田行 時刻表
※休:休校日運休
※期1:5/1〜9/30運行(但し休校日運休)
※期2:4/1〜11/30運行
 平日土曜日日祝日
7   
8121212
9   
10  37 ※期間2
113737 
12   
13303030
14   
1517 大畑止、※休  
162727 
17474747
1847 ※期1  

グリーンエコー笠形奥の登山口へ

笠形橋を渡ると「神崎町巡回バス 大空」の笠形橋手前バス停があるが、時刻表によると平日の7時31分に粟賀営業所行きが1本あるだけで笠形山登山には役に立ちそうもない。

8:25
百日紅の咲く緩やかな舗装道路を登って行くと、グリーンエコー笠形の入口ゲートに着く。「開村時間Am8:00〜Pm10:00」とある。その先には

お 願 い

施設ご利用のお客さまは管理棟で受付をお願いします。
なお、火災予防のため指定場所以外での火気私用は出来ませんので御了承ください。

神崎いこいの村 グリーンエコー笠形支配人


入村券(環境整備料)
1名様200円
管理事務所受付でお求め下さい

とある。昔にバーベキューをした時は払った記憶があるが、笠形山に登るため車を停めさせてもらった時は払ったことがない。今日は徒歩で通過するだけなので払わなくてもいいかと思うが、次回からはちゃんと払おうと思う。

グリーンエコー笠形はこいのぼりが有名で、谷に何本も渡したワイヤーロープに、ものすごい数のこいのぼりが皐月の空を泳ぐ様は壮観で、次のような案内もある。

グリーンエコーの大空にあなたのご家庭のこいのぼりを泳がせてみませんか

グリーンエコー笠形では、毎年4月初めから5月末まで、「こいのぼりの大空遊泳」を行っています。
「こいのぼり日本一」をめざして、鯉のぼり(吹流し、名旗等)を集めています。ご家庭、ご親戚に使われないで眠っているこいのぼりがございましたら、どうぞご寄贈下さいますようお願いします。(送料着払)

(送り先)神崎いこいの村グリーンエコー笠形
兵庫県神崎郡神崎町根宇野1019−13

8:34
総合案内所横の広い駐車場には、夏休みの連休の一夜をコテージやキャビンで過ごした人達の車がたくさん止まっている。

登山口のあるキャンプ場まで林の中を行く地道もあるようだが、総合案内所から案内板に従い舗装道路を登っていく。

8:53
グリーンエコー笠形前バス停から40分近くかけ、ようやく笠形山登山口のあるオウネン平(バンガロー・コテージ・キャンプサイトやテニスコートのあるサン・スポーツランド神崎)に到着。ここでも大勢の人達が真夏の一夜を過ごし、けだるそうにしている。


さあ笠形山に登るぞ

9:02
バス支度から登山支度に身を整え、ようやく登山開始。

登山開始
大きな案内板がある

登山口はコテージ裏の表通りからは見えないところにあるが、案内板などがたくさんあるのですぐ分るだろう。

笠形山登山口
標高939m 所要時間山頂まで約2時間

登山者の皆さんへ

グリーンエコー笠形


愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
滝見台まで約30分
グリーンエコー笠形コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

9:11
植林の中の道を登って行くとすぐに「一合目」の標識が立っている。このコースは終始、植林・雑木林の中を行くので展望はよくない。

9:20
「二合目」通過。急斜面に比較的緩やかに付けられた道を登っていく。

9:25
滝見台への分岐に着いた。

(左)笠形山 (右)滝見台   神崎いこいの村


愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
水辺広場まで約30分
グリーンエコー笠形コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

前にも書いたが、この「笠形山千ケ峰グリーンエイト協会」の案内は、水辺広場がどこにあるか知らない人にとってはほとんど無意味で、むしろ笠形山頂上までの時間を記載した方がよいのではないかと思う。

9:27
東屋のある滝見台へ行くも落差65mの「扁妙の滝」の水量は少なく、残念だ。何回もこの滝見台に来ているが大雨の後以外は、流入面積が狭いのか水量はいつも少ない。

扁妙の滝はどこだ
播州の滝は流入面積の狭さからか、渇水期は迫力がない

扁妙の滝  凍り滝拝観記念
H15年1月31日 姫路広畑 川元彦三
喉仏 背筋も反らし 凍り滝   つち未智彦

滝見台の東屋にぶら下がっていたもの(材質:木、細いチェーン)だが、播州の山のそこかしこに同類が下がっているところを見ると自己顕示欲の高い(私よりも遥かに低いだろうが)人なのだろう。播州野歩記では山々に残されたゴミの数々をこれからも一般公開していく。

展望台の手前に分岐道があり「扁妙の滝」と標示されている。これを行くと滝の下に行けるのならば、登山口手前の「氷池キャンプ場」から「オウネン滝」・「扁妙の滝」と巡り滝見台へ登るのもよいかもしれない。

三合目手前
歩きやすい道が続く

9:47
急な登りはベンチが2台ある「三合目」で終わり、緩やかな登り下りが続く道となる。尾根までは登らずに植林と雑木林の混じる山腹を行くので楽な道だが、展望はなく少し薄暗く詰まらない。なぜ尾根に道を付けなかったのだろう。

狭いがよく歩かれた道が続く
さらに歩きやすい道が続

10:09
「頂上まで2.8Km」との案内もある「四合目」を通過。三合目からあまり登っていないので、この合数は標高というよりは所要時間も加味しているのかもしれない。

笠形山官行造林地

一、草木を愛しましょう
  林木は国の大事な資源です
一、林内ではたき火をやめましょう
一、煙草の火に注意しましょう
  山火事を起こすと規則により罰せられます。

兵庫森林管理署

10:18
扁妙の滝の源流に出会いその横を行く。川底は平らな一枚岩で出来ている。

「扁妙の滝」源流を行く
このわずかな水量が滝の水量なのだろうか

10:21
「五合目」、笠形の屋根のある「水辺広場」に着いた。写真を撮っていると、うるさいアブが付きまとい始めて、当分は同行アブ一匹の山行になりそうだ。のんびり歩いてきたからか、はたまた私の足が遅いためか、ここで夫婦のハイカーに追い越されてしまった。

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
アセビの森まで約20分
グリーンエコー笠形コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

10:23
水辺広場から丸太橋で流れを渡ると「頂上まで2.0Km」の案内がある。

10:28
緩やかな道は終わりを告げ、行く手に植林の急勾配地を登る丸太階段が現れた。階段を嫌う自然破壊者たちが付けた道が階段の脇に出来ている。階段道を外して登るのは、湿原の木道を外して歩くのと同罪だ。

階段道を登る
歩幅が合わなかろうが、段差が大きようが
階段を歩くのが本当の自然愛好者

10:34
急な丸太階段が終わると、その上は暗い植林の急斜面を登る根っこ道となる。足元の根に気をつけながら登って行くと、「六合目」標識が上に見えてきて、その横の木に何かが掲示されている。なんなんだろうなと登って行くと

足元に注意して下さい

なんのこっちゃ。

急な根っこ道の「六合目」
気温は25度ほどだが、ズボンまで汗で濡れてきた

10:44
ようやく急斜面も終わり、所々の湿地や小谷に木橋が架かる緩やかに登り下する道になる。ほとんどが植林の中で薄暗い中を行く。

ここは湿地に架かる木橋
いつの間にかアブもいなくなっていた

10:57
植林の中、薄暗い小谷に架かる木橋を渡り「七合目」通過。

11:02
「水辺広場」から20分のはずが、何故か40分もかかり「アセビの森」に着いた。ここにはベンチが並んでいるが、薄暗くベンチはコケで緑色になっていて休憩には適していない。

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
尾根まで約15分
グリーンエコー笠形コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

11:12
「八合目」も薄暗い小谷に架かる木橋を渡った先にある。

ヤマジノホトトギス
花はこの一輪だけだった

11:19
道端に「ヤマジノホトトギス」が一輪だけ咲いている先に「山頂まで1.0Km」の標識が立っている。もうすぐ南からの笠形神社コースと合流する尾根で、ハイカーが多い時期なら話し声が聞こえてくるところだ。

11:21
笠形神社コースの通る尾根道に着いた。案内標識が四本立っている。

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
山頂まで約25分
グリーンエコー笠形コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

(北)笠形山頂上 (南)笠の丸展望台 (北)神崎町

錆びた矢印型鉄板(文字は読めない)

(西)神崎町 (北)山頂 (南)市川町

笠形神社コースと合流
ここを通るのは何回目だろうか

11:24
笠形山頂上への広い尾根道の脇に「九合目」標識があるが、笠形神社コースから登ってきた人にとっては、前触れもなくいきなり現れた標識で不思議擬に思う人も多いだろう。

11:40
頂上目前で下山する二人とすれ違い、12人ほどのハイカーがいる笠形山頂上に到着。気温は25度ほど。千ケ峰はかろうじて見えるが、周囲は霞んでいて眺望は悪い。

頂上東屋の南側に杭を打ち土留めを作っているグループがいる。そういえば、ずーっと前に登った時は東屋の前は狭いが平地だったような記憶もある。太い丸太・杭を搬上するのが一番大変だろう。また北側のベンチ脇にあった山名板も更新されていて非常にスッキリしたものになっている。

笠形山頂上、土留め工事作業班
私には出来ない

更新された笠形山頂上の山名板
前のも味がありよかったが

下山後の八千代町大屋からのバスは15時50分発(その前は13時30分、後は16時56分の最終バス)で、時間的に十分余裕があるので笠形山頂上でのんびりと時間調整する。


八千代町大屋へ下山

12:58
笠形山頂上滞在も1時間を越し、案内書では大屋のバス停まで2時間ほどかかるようなので、ベンチに根をはやした重い腰を上げ

八千代町大屋下山口

の案内がかかる道へ下りて行く。登った時いた人達は皆下山してしまい、登ってきた方に下りて行かない私を不思議がる人はいない。

13:05
笠形山頂上から東へ下っていくと、登山道に岩が板状に積み重なっている。溶岩が固まった板状節理だとすると、笠形山は大昔は噴煙を上げる火山だったのだろうか。

天邪鬼の挽岩

大昔、笠形山にアマンヂャクがいた。
笠形山から中町の妙見山に、橋を架けるため橋脚を立て橋板にすべく岩を板状に切り、いよいよ架橋にとりかかる段取りとなったとき東の空が明けかけた。
アマンヂャクは、夜だけの生物で太陽が昇ると駄目になるので残念ながらこの大架橋工事は橋脚を立て、橋板を切って準備OKというところで夜が明けてしまったというのである。

アマンヂャクが立てた立岩
妙見山との間に吊橋を架けようとしたのだろうか

13:12
立岩横の鎖の下がる岩場を下りて行くと(鎖場を迂回するルートもある)「龍の背」と名付けられた岩が並ぶ尾根がある。岩は小さなもので下から見ると龍の背に見えないこともないが、上から見ると岩が点在しているだけの何の変哲もないところで、新しい解説板が立っている。

「龍の背」を下る
完璧に名前負けしている

龍の背

笠形山から千ケ峰へと続く縦走路にあり、尾根道に岩が並んでいる様子から「龍の背」と呼ばれます。

13:16
3m四方ほどの尾根の一角を有刺鉄線柵で囲み「立入禁止 県立笠形山自然公園センター」と掲示されている。柵の中には普通に見える木が1本生えているだけで、いったい何を保護しているのだろうか。

13:19
高坂峠から千ケ峰への縦走路と八千代町大屋への下山道の分岐点に着いた。県立笠形山自然公園センターの立てた標識も増え、迷いようのない分岐になっている。

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
山頂まで約20分
竜ケ滝コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

笠形山山頂0.4Km 県立笠形山自然公園センター2.6Km

笠形山千ケ峰県立自然公園
笠形山千ケ峰縦走コース案内図
笠形山20分 高坂峠3時間

八千代町 大屋方面下山

「県立笠形山自然公園センター」の標識
少し立派過ぎて、笠形山には似合わないと思う

分岐点までは比較的緩い下りだったが、ここから激下りが始まる。雑木の斜面に小刻みに付けられた九十九折れの道は段差が大きく下るのも大変だ。数年前に登り下りした時はそれほど急に感じなかったが、暑さのせいだろうか、はたまた加齢のせいだろうか、いや体重増加のせいだろう。

13:26
「山頂まで約30分」の表示があり、ようやく激下り終了。山頂からここまで下るのに28分かかっている私には、頂上まで30分で登ることなど絶対出来ない。

13:39
薄暗い植林地の中を、足元の悪いガレ場を横切り水平移動していくと標識がある。

笠形山山頂1.0Km 県立笠形山自然公園センター2.0Km

ここの標識では「けもの道」が分岐してるように標示しているが、その方向を見上げるとガレた斜面があるだけで、この標識に惑わされて登っていく「けもの」は人間だけだろう。

13:42
水平道から谷沿いの道への曲がり角には、「天邪鬼の力水」がある。塩ビパイプから流れ出す水は冷たくておいしそうだ。飲んでもなんら問題はないと思うが、胃腸が繊細な私は怖くて飲めない。

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
尾根まで約30分
竜ケ滝コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

天邪鬼の力水から谷沿いの道に入るとまたアブが付きまとい始めた。追い払っても追い払ってもしつこくまといつくアブは大嫌いだ。汗の香に誘われるのか、Tシャツの上から刺されてしまい、1週間を過ぎたのにまだ痒い。この次からはハエたたきを持っていこうかな。

笠形山官行造林地
水源かん養保安林

一、自然景観を大切にしましょう。
一、木にきずをつけたり枝を折ったりしないようにしましょう。
一、土石や植物の採取はやめましょう。
一、たき火は危険ですからやめましょう。
一、たばこのすいがらは必ず消しましょう。

神戸営林署

現在は兵庫森林管理署と組織名が変わり、どんな山奥の錆び付いて文字が読めないような看板にも「兵庫森林管理署」のシールを貼りに回っている。しかしここのは見落とされてしまったのか「神戸営林署」のままになっている。この看板のところで家族(お年寄りの方もいた)とすれ違ったが、無事に笠形山頂上まで行けたのだろうか、それとも天邪鬼の力水まで行こうとしていたのだろうか。

13:55
アブにまといつかれながら谷道を下っていくと、舗装道路に出た。笠形山の東側を南北に貫く大幹線林道だ。近くに車が1台止まっていて、さっきの家族のだろうか。ここまで車を入れれば笠形山頂上へは、ほかのどのコースよりも近いだろう。

ここには私の好きな標識や解説板がたくさん立っている。

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
天邪鬼の力水まで約15分
竜ケ滝コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

笠形山登山道
あまのじゃく・名水コース

(右)竜ケ滝展望台 250m

ゴミは捨てずに持ち帰りましょう
自然と善意の町
八千代町

たき火たばこに注意
兵庫県

笠形山の生きもの

沢筋を通って龍の背から山頂に至るこのルートは、さまざまな種類の樹木が生い茂り生きものの宝庫となっています。笠形山の上部はブナ帯、山頂直下はなだらかなクマザサの草原となっていて、変化に富んだ自然を楽しむことが出来ます。

<アカゲラ・オオルリ・タニウツギ・タムシバ・モリアオガエル・カッコウ・モズ・ホオノキ・マンサク・ゲンジボタルの絵と解説文が記載されている。>

自然公園のルール

公告

ゴミの不法投棄は、法律の定めるところにより刑事罰が課せられるなど、厳しく罰せられます。
大屋部落では八千代町の指導のもとに、大屋地区住民全員が監視員となって、環境の保護に当っています。万一不法投棄を目撃された方は、車の番号などの特徴を、当部落区長まで通報下さるようお願いします。
通報者が住民であると否とを問わず、司直により不法投棄の摘発につながったときは、謝礼金をさしあげます。何卒ご協力の程お願い申し上げます。
通報者の秘密の厳守は固くお約束致します。

大屋部落

この山は、大屋部落の所有地です。
部落の申合わせにより、樹木・榊・しきび・岩石等の無断持ち出しを堅く禁止します。
違背者には相当額の罰金を申し受けます。

大屋区長 山林係

山頂まで約60分
登山道

林道を渡った先には

笠形山山頂1.1Km 県立笠形山自然公園センター1.9Km

舗装林道に出る
色々なのが立っていてにぎやかだ

14:04
林道を渡った先も谷筋に沿った道で、下りて行くと左手に「熊の段」の解説板がある。昔はこの辺にも熊がいたことだろが、穴にもぐりこまずに吹きさらしの外で冬眠する熊がいたのだろうか。

熊の段

冬期でもここは雪が降ってもすぐ消えて積もらず、湯気が昇り、熊もここで冬眠していたといわれる。

14:05
柵で四周を囲みクリンソウを保護している区域がある。クリンソウの花の時期は既に終わり葉っぱだけが茂っているが、かなりの株数に増えているので開花時期は見事だろう。

播州の山に登ると至るところで見かけるようになった「尾川省司」氏が掲示しているクリンソウの写真がある。しかし、プリンターで出力したものらしく退色し見るに耐えないゴミになっている。掲示した時はきれいだったんだろうが、写真の急速な劣化を予測する想像力がなかったのだろう。掲示したことの責任を自覚し早急に撤去して欲しい。

クリンソウ

Primula japonica(サクラソウ科)

開花の姿が仏塔の先についている「九輪」に似ていることからこの名前が着きました。日本でもっとも大きなサクラソウです。ここは兵庫県に残る貴重な自生地で、地元の有志が保護、育成に努めています。
クリンソウを守るため、抜き取ったり、自生地を踏み荒らし足りしないようお願いします。

〜かけがいのない自然を大切に〜

<色あせたクリンソウの写真>

2004年5月12日 撮影/尾川省司

クリンソウ

この花は塔の先につけた「九輪」のように輪状に紅色の小さな花をたくさんつけることから名のついた草花でさくら草の仲間です。
この地は自生のクリンソウがほとんどなくなってきたので地元のボランティアグループが試験的に育成している保護区です。
いつしかクリンソウの群生する町にするためも今大切な時期です。かわいがって鑑賞して下さい。

自然と善意の町八千代町観光協会

尾川省司氏のクリンソウ保護区域の写真
私のこのウェブサイトは
自分から見ようとしなければ見ることが出来ず
気に入らなければ無視すればいいだけだ
しかしこのゴミは見たくなくても
そこに行けばいやでも目に入ってきてしまう

14:08
クリンソウの次は「馬の足跡」で流れ際の岩にそれらしい穴が数個開いている。小さなポットホール(甌穴)のようだ。この辺もクリンソウの保護区域のようで渓流に沿ってロープが張ってあり、八千代町のクリンソウの解説板が立っている。

14:11
「竜が滝コース」の名前の由来の「龍が瀧」現れた。一枚岩の斜面を幅広く流れ落ちる優雅な滝なのだが、今日は水量が少なく一筋の流れしかない。ここでゆっくりしたいのだが、相変わらず小うるさいアブが飛び回っている。

龍が瀧
龍が二頭も名前の中に入っているが、それ程の滝ではないと思う

龍が瀧

笠形嵐に交り、とうとうと響く瀧音、美しい典型的な瀧である。両側の樹形を映じて美しい景観を呈している。
瀧の上の岩盤に馬の蹄跡が澤山と重箱のおいた跡がある。
これは昔坂上田村磨が馬に乗って笠形山を下られ、この瀧の上で休まれ、馬を繋いで、重箱を開いて食事をせられた跡が今にそのまま残ったとの傳説がある。

笠形山山頂1.4Km 龍が瀧

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
林道まで約10分
竜ケ滝コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

14:16
龍が瀧から渓流に架かる丸太橋を左岸へと渡り、下っていくと今度は「勝負瀧」が現れた。周囲は非常に暗くまともな写真が撮れなかった。

勝負瀧

落差は約8メートル。二つの谷が合流したところにあり、流れる水が二つに分かれて滝になっていることから勝負瀧と名付けられました。

14:22
笠形山頂上から1時間半弱で「竜が滝コース」の登山口に到着。舗装林道の終点のあまり広くない広場に車が6台ほど止まっていて、大勢の人が川遊びをしている。夏休みの土曜日ということもあるだろうが、いつの間にか観光地になってしまい驚いた。ここにも沢山の標識・解説板類が立っている。

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
笠形山登山道
竜が滝まで約10分
竜ケ滝コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

笠形山山頂1.8Km 県立笠形山自然公園センター1.2Km

山頂まで約90分 登山道

山火事注意
山歩き荷物にならぬ日の用心
兵庫県

公告

この笠形渓谷一帯は、県立自然公園のエリアです。自然保護の為、当エリア内に於いて、キャンプや焚き火、バーベキュー等及び、権利関係者以外の物の草木や岩石などの移動、搬出等の行為を固く禁じます。

兵庫県立自然公園
ネイチャーパークかさがた交流協会
大屋集落

水源かん養 保安林

警告

ゴミの不法投棄をしてはなりません。不法投棄は、法律の定めるところにより、刑事罰が科せられるなど厳しく罰せられます。
ことにこの一帯は県立自然公園のエリアにつき、兵庫県立自然公園条例の適用下にあり、規制は一段と強化されています。
大屋部落では、行政当局の指導のもとに、集落住民全員が監視員となって自然保護に当っています。
万一不法投棄を目撃された方は、車の番号その他特徴を、当集落又はネイチャーパークかさがた交流協会まで通報くださるようお願いします。
司直によって不法投棄の摘発につながったときは、通報下さった方に謝礼金を差し上げております。何卒ご協力の程をお願い申し上げます。
なお通報の秘密は厳守いたいます。

兵庫県立自然公園
ネイチャーパークかさがた交流協会
大屋集落

笠形山千ケ峰県立自然公園

笠形山千ケ峰県立自然公園は、昭和40年6月1日に自然公園に指定された兵庫県内11箇所ある県立自然公園の中で最も新しい自然公園です。当自然公園は、笠形山(939m)周辺から千ケ峰の4町にまたがる6150haの広大な区域を有しています。
県立笠形山自然公園センターは、当公園のビジターセンターなど自然公園の中心施設であり、笠形山登山道の入口に位置しています。笠形山は、その秀麗な姿から「播磨富士」と呼ばれ、山頂からの眺めも素晴らしく、当センターからの登山道沿いには大小の滝や様々な樹木や美しい景観を望むことができます。千ケ峰は東播磨地域の最高峰で、山頂からは但馬・丹波の山並みを望むことができます。

笠形山登山道と自然公園のみどころ

<立岩・龍の背・天邪鬼の力水・龍が滝の写真>

自然公園利用と登山の注意

<笠形山登山 〜イラストマップ〜>

笠形山登山道 竜が滝コース

愛してネ笠形山 守ってね千ケ峰

<笠形山・千ケ峰周辺の大きな詳細な地図>

<下記コースの登り下りのタイムチャート>

  千ケ峰登山道  水谷コース・石風呂コース
    市原・三谷・岩座神コース
  笠形山登山道  グリーンエコー笠形コース
    竜が滝コース
    仙人滝・笠形神社コース
  笠形山・千ケ峰  縦走コース

これより下流部は魚族増殖保護のため禁猟区となっています。

この区域では差し網、投網を使用することはできません。


加古川漁業共同組合



県立笠形山自然公園センターを通り大屋バス停へ

林道終点を出る
沢山の人がいて驚いた

14:26
林道終点を出て、大屋バス停を目指し舗装林道を下る。

14:45
よく手入れされた舗装林道を下っていくと砂防ダムの脇に

ひょうご森林浴場50選
笠形山
昭和59年10月16日指定
兵庫県

の標示板がバラバラになり朽ち果てようとしている。その横には、真新しい林道終点にもあったゴミ投棄の警告・禁止事項の公告・クリンソウ保護区域の標示板が3枚並んでいる。

14:49
右手に大勢の人達が水遊びや野外活動にいそしんでいるキャンプ場が見えてきて、「ネイチャーパークかさがた 森の区域周辺案内図」・「自然公園のルール」・「公告・まむしや事故にご注意」が立っている。

公告・まむしや事故にご注意を!

この一帯は豊かな自然環境に包まれています。害虫や毒蛇(まむし)も自然界の中に多数生息しており、この公園内にも危険が潜んでいる可能性があります。
また、小川やキャンプサイト等は、水の深み。岩石や地面の起伏、木の切り株などが随所に散見され、対応を誤れば身体に危険が及ぶことも否定できません。道路や遊歩道といえども同じです。足元や周囲の状況に充分注意して下さい。ことにお子様の安全には万全を期して下さい。

万一、これ等を原因として被害や事故に遭われても、当集落及び当交流協会は一切責任を負いませんので、この旨公告します。

大屋集落区長
ネイチャーパークかさがた交流協会理事長

説明責任というか責任回避というか、これからの野外活動施設で流行りそうな表示だ。しかし県立自然公園なのに、どこにも兵庫県の名前が入っていないのが胡散臭い。

14:55
右手にコテージ村(ブライベンオオヤ)が見えてきて「ネイチャーパークかさがた(県立笠形山自然公園センター)」の喫茶レストランもある「のこぎり工房」に到着。数年前には何もなかった森が伐り払われ町が出現している。

ネイチャーパークかさがた
私の目から見れば
自然とはかけ離れたただの便利な町だ
こんなところでしか屋外生活を楽しむことが出来ないとは
残念なことだ

自動販売機で飲み物を買い、「のこぎり工房」前のベンチで休憩する。

15:05
まだバスの出発時刻には早いが大屋バス停へと歩き出す。

15:21
バス停手前のT字路に出た。ここを右に行くと笠形山の東を南北に貫く大幹線林道の南側入口へ行くことが出来る。左に行くとすぐに大屋バス停だ。ネイチャーパークへの案内と、少し古めな笠形山の案内図がある。

ネイチャーパークかさがた
県立笠形山自然公園センターまで
1.3Km

15:23
盆踊りの準備をしている「鹿子神社」横にある大屋バス停に到着。笠形山頂上から休憩時間を含め2時間25分かかった。案内にあるコースタイムでは笠形山頂上から竜が滝登山口までの下山は60分、登山口から大屋バス停まで約3Kmとなっている。

大屋発のJR加古川線西脇市駅行きの午後のバスは、平日でも土曜・休日でも<13:30><15:50><16:56>の3本しかない。


バス・JR加古川線を乗り継ぎ姫路駅に

15:50
西脇市駅行きのバスは狭い道を通るためか、乗客が少ないためか小さめな可愛らしいバスだ。乗客は私一人で大屋バス停を出発する。

西脇行きの神姫バス
三菱KC-MJ218F型、神姫バス非公式総合案内所調べ

16:26
3人ほどに乗客が増え、JR加古川線西脇市駅にバスは定刻に到着。料金は800円だが「エコ定期制度」でこれも100円しかかからない。

16:44
西脇市駅発、加古川駅行きのワンマン気動車キハ47に乗車し加古川駅に向う。気動車に乗るのは何年ぶりだろうか、天井で頭を振りながら回っている扇風機が旅愁をかきたてる。

17:40
加古川駅到着。17時49分発の姫路駅行きの新快速に乗り換える。

17:59
早朝6時50分に出発してから11時間9分、半日がかりの笠形山登山を終えようやく姫路駅に戻ることが出来た。交通費は普通ならば2,650円のところを、加古川線の570円(加古川・姫路間は定期券を使用)を足して合計880円、安上がりな山行だった。



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