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広峰神社から氷室山・暮坂峠へ



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平成16年10月10日(日)  メンバー 私だけ

弥高山 やたかやま 339.7m
氷室山 ひむろやま 371.8m

2万5千分の1地形図「姫路北部」を参照すること。


播磨空港予定地を歩く

播磨空港完成予想図
ひょうごの空港政策
(県土整備部県土企画局空港政策)より無断引用

姫路市北部の丘陵地、姫路市と夢前町・香寺町にまたがる播磨空港は、339.7m四等三角点(点名:弥高山)付近から371.8m三等三角点(点名:狼谷)付近まで、2Kmの滑走路を造るため稜線を削り谷を埋めるという大土木工事が計画されていた。

播磨空港建設計画は2002年に凍結されたようだが、景気が良くなれば復活するかもしれない。そうなる前に歩いておこう。

数年前に広峰神社から弥高山・氷室山を経由して暮坂峠に抜けようと挑戦したことがある。しかし氷室山から暮坂峠へのルートが分らず西側の氷室池に下りてしまった。

昨年の9月に「姫路市大回り」シリーズで歩いている時、偶然に(迷った結果見つけたわけではない)氷室山から暮坂峠へのルートの一部を見つけ、広峰神社から暮坂峠まで歩き通せる可能性が見えてきた。


出発地点は広峰神社

8:24
麓から登山道を登ってもいいのだが、入れる所まで自動車でという私の山行スタイルを守るため、広峰神社山上駐車場まで妻その1に送ってもらう。決して楽をしたいためではない。

広峰神社駐車場の大鳥居
自動車は鳥居の右側を通るようだ

8:32
1車線幅の狭い舗装道路を歩き(なんと車は広峰神社拝殿前まで乗り入れることが出来る)広峰神社に到着。広峰の書き方は廣峯・広嶺・広峰と種々使い分けられているが、私の山行記にそこまで期待する人もいないだろうし「広峰」で統一する。

広峰神社
案内板などの解説は前回の山行記録を見ること

8:36
広峰神社の北側から近畿自然歩道を西に歩き始める。「内海家屋敷跡」に神社補修工事の現場事務所が建てられていて、その前に道標がある。

(東)随願寺 1.9Km
(西)吉備神社・荒神社 0.2Km
(西氷室池/書写バス停 6.2Km
(南)広峯神社 0.2Km

近畿自然歩道

広峰神社まで0.2Kmが本当なら、目の前に建っている神社は何なんだろうか。はたまた近畿自然歩道の道標の最小単位は0.2Kmに決まっているのだろうか。

8:43
神社西側の山中に残る「御師屋敷跡」の玄関先の瓦が崩れ落ち道に散乱している。この前の台風のためだろう。

朽ち果てていく御師屋敷跡
少しずつ崩れていくのだろう

9:00
地形図で破線道が分岐している地点に着いた。道標が3本あるが、「北に進むとそうめん滝」は理解に苦しむ。

ここからそうめん滝に行きたかったら来た道を広峰神社に引き返し、さらに近畿自然歩道を東に随願寺を抜け「有明の峰」から谷沿いを下るのが最短で極普通のルートだと思う。この道標を建てた人ならば、ここから北に進み適当なところから踏み跡も何もない谷筋を下りそうめん滝キャンプ場に出て、そして「そうめん滝」まで行けるだろう。

しかし普通のハイカーがこの道標を真に受け北に進み、谷に迷い込むのではないかと思うと昼も寝てられない。ゆっくり昼寝をさせてもらうためにも3番目の道標は設置者により撤去して欲しい。

(西)氷室池 2.3Km
(東)吉備神社・荒神社 0.5Km
(東)広峯神社 0.9Km

近畿自然歩道

(西)氷室池から山富へ
(北)空港予定地から奥須加院へ

(北)そうめん滝

近畿自然歩道から別れ北へ進む
今はなき空港予定地目指し北へ進む


奥須加院への道を行く

9:02
分岐からひと登りすると、草が繁っているが左手に入る道がある。そこを入っていくと直径20mほどの空地が広がっているだけだが、ここには播磨空港建設のため気象情報を収集する観測塔が建てられていた。植生までは復元されていないが、最後の清掃作業に使われたのか塵取りを1個だけ残し跡形もなく消え去っている。さすが官の行い、最後までキッチリとした仕事をしている。

空港反対派が山中に建てた看板や、木に吊るしていた空港反対・自然愛護の木札がどうなっているか楽しみだ。

気象観測塔の跡地
見上げると空が丸く切り取られている

9:10
北に進む道に戻り少し行くと、左手の木に「←氷室池」の表示が2枚付けられている。西へ谷筋を下れば氷室池まで行けるのだろうが、踏み跡はないし最近人が通った雰囲気もない。見下ろしてもマーキングはなさそうだし本当に行けるのだろうか、機会があれば行ってみよう。

雰囲気のいい道が続く
どうしてこんなによい道が続くのか

なぜ、広峰の山中にこんなにいい道が(上の写真の地点は盛土して道を通している)あるのか、その訳はこの先に共同墓地があり、お墓へのお参りのためと、墓地まで重い墓石を運ぶ必要があるためにこの道が整備されたのだろうと思う。

9:18
道が二つに分かれている。両方とも同じぐらいよい道で、右に行けば奥須加院へと行けるのは知っているが、左行くとどこに行けるのだろうか。ここには道標が欲しいところだ。

9:21
右手の斜面に踏み跡があり「弥高山寺跡→」の表示がある。

9:27
弥高山寺跡はどこにあるのかと、斜面を登って行くとそれらしいところも表示もなく、草薮の中の踏み跡を掻き分けていくと339.7m三角点標石のある弥高山頂上に出てしまった。この頂上が弥高山寺跡なのだろうか。頂上には使われなくなった囲炉裏と雑木を組んで作られた小屋の残骸があるのみだ。

頂上から北西方向の道を下りると、雑木林の木に木札がくくり付けてあり、一部は地面に落ちてみすぼらしい姿を晒している。全てを回収しようと思ったが、これも表示者自らの手で外し拾い上げて撤去するのが道理だろう。「播磨空港いらへん!市民の会」は目標を達成し2002年に解散したようだが、広峰山中の後始末は官に完璧に負けている。もう一度、民の力を見せて欲しいものだ。

播磨空港はいらへん!市民の会
共有地

自然が○○○
再生は出来な○○
河○○

空港はイラナイ
里人は自然を愛す
N.K

広峯山は
市民の○○○

美しい自然
を残そう!
○○○○

自然を
壊すな

歴史のふるさと
を守ろう!

みんなの
里山を守ろう
カオルイサム

解散から2年 会員は誰も来なかったのだろうか
言う言葉がない

空港反対の木札に紛れるかのように、登頂記念プレートが1枚下がっている。これもいらない。

九十士・山歩会(加古川市)
山名:弥高山
2003年2月21日
森昌平・高橋寿・大西泰治・芝田格


よい道は北へ続く

9:35
関西電力送電線鉄塔「溝口線十八」から送電線巡視路のプラ階段を下ると、奥須加院への本線に復帰する。そこには「火の用心18」の標識があり「弥高山へ→」の木札も下がっている。地形図ではこの辺りから破線道が途切れているが、実際にはよい道がさらに北に延びている。

道の脇には姫路営林署(今は兵庫森林管理署になっている)の表示板がある。ほとんどの看板は組織名を変更済みだが、ここのは姫路営林署のままで貴重?な物だ。

  広峰山国有林

一、草木を愛しましょう
一、材木は国の大事な資源です
一、林内ではたき火を止めましょう
一、煙草の火に注意しましょう
山火事を起こすと規則により罰せられます

   姫路営林署

9:39
また左手に「氷室池←」の札が2枚下がっている。見た感じでは踏み跡などなくマーキングもなさそうだ。谷筋を下りていけば氷室池に出るのは分るが、ここから本当に氷室池に下りて行く人がいるのだろうか。

9:41
右手の木に空港反対派の木札が1枚だけポツンと付いている。紐も針金もなく、不自然に木に付いている。

本当に空港反対派が打ち付けたのだろうか

よく見てみると釘を打ち付けて木札を立木に止めている。まさか「自然を守ろう」と呼びかけている人が釘を立木に打ち付けるわけがない。きっと空港建設促進派の謀略行為に違いない。

9:48
送電線鉄塔「溝口線一九」についた。鉄塔の横でクヌギが台風の強風で倒されている。葉はまだ青々としているが、もうすぐ枯れてしまうだろう。

強風で倒されたクヌギ

送電線は東に道は西に離れ、広い尾根が狭くなり地形図では破線道がなくなってしまっているが、まだまだよい道が続いている。

10:11
307m標高点から北東に下りた鞍部に案内板が、これも立木に釘で打ちつけてある。自然を愛するものの行いではないのは明らかで、これも空港推進派の謀略行為に違いない。その案内板には

(北)奥須加・ADD岳
(南)広峰神社
(東)ソーメン
(西)トラロープ・氷室池

とあるが、この案内を信じる人はいないだろう。

10:25
背丈以上の笹の間の道を登り送電線鉄塔20への「火の用心」標識を過ぎ、姫路市・夢前町・香寺町の境界が交わる地点に着いた。道は姫路市と香寺町の境界沿いに東へ下っている。下りきった鞍部から北の奥須加院ノ池へと通じているのだろう。


氷室山へ踏み跡を辿る

北西方向の夢前町と香寺町の境界尾根には、踏み跡があり「暮坂峠←」の木札が下がっている。それから、立木に「アドケ岳」と鉈目が入れられている。なんという天をも恐れない罰当たりなことをするのだ。

こんなの見たことない
正気の沙汰ではないな
これも空港反対派・自然愛護派をおとしめる
空港推進派の謀略に違いない

氷室山頂上まで、水平な尾根には幅の広い道が、登り下りの尾根には明確な踏み跡が続いている。マーキングもほとんどなく、シダや草が踏み跡を隠しているところもあるが明確な踏み跡さえ辿って行けば、途中には分岐など一つもないので問題はない。

明確な踏み跡が氷室山へ続く
けして道なき道を歩いているわけではない

11:25
氷室山頂上から西の360m+ピークを通り西へ延びる踏み跡に突き当たった。その東西方向の踏み跡のほうが南からの踏み跡よりも数倍明確で、おまけに目印もないので氷室山頂上から下り広峰神社方向へ左に入るのが難しい。目印に西方向の踏み跡に枯れ枝を集め置いておく。

そこから東へ20歩ほど登れば、三角点標石を中心に3mほどが開けた氷室山頂上に出る。まずまずの展望地だが、食事をするために座ると周囲の木々に遮られ展望はなくなる。もう数年すると木々が伸び展望のないピークになるだろうが、それも良いのではないかと思う。展望のため木々を切るのは賛成できない。

氷室山頂上
もう数年は展望のピークだろう

頂上には山名板(「スイモン」とはなんなんだろう。掲示者の名前ではなさそうだが)が1枚あるだけで、登頂記念プレート類は1枚もない。頂上にはコケがきれいに生えそろい最近は訪問者が全くいなかったようだ。

氷室山頂上の山名板
スイモン??


暮坂峠へも踏み跡が

12:24
暑くも寒くもなく、風もなく陽射しも弱く食後、ボーットしていたら気が付いたら1時間も経ってしまった。重い腰を上げ暮坂峠に下ることにする。

注意して周囲を探ると、三角点標石から北東方向の木に白テープがあるのに気が付くかもしれない。そのテープの右横から踏み跡が始まっているのだが、頂上からは急傾斜地のため踏み跡を見ることが出来ない。

そこから入ると町界に沿って、非常に明確な踏み跡が下っている。マーキングも杭もあり踏み跡を辿ればいいのだが、何ケ所か分りにくいところもあった。同じような感じの明確な踏み跡が続いているので、踏み跡が怪しくなったら明確な踏み跡まで戻り、慎重に周囲を探ると必ず見つけることが出来る。

明確な踏み跡を辿る
写真では分りにくいが籔漕ぎではなく
明白な踏み跡がある

12:56
氷室山北東の250m+程の鞍部一歩手前に、10を越す数の色々なマーキングが周囲の木々に集中的に付けられているポイントがあり、南東方向の奥須加院ノ池へと向うのか極薄い踏み跡がある。町界の明確な踏み跡はさらに北東に続いている。

13:00
鞍部から北東に登ると、暮坂峠から奥須加院ノ池方向に延びる尾根に乗る。踏み跡は左右に両方向にあり左側が暮坂峠に向うが、右側がどこに通じているかも興味があるところだ。

逆に暮坂峠から尾根を歩いてくるとこの分岐は分りにくい。しかい、ビニール紐のマーキングが踏み跡の両側に付いているのでどうにかなるだろう。

暮坂峠への尾根の踏み跡を行く
どの雑木林の中の踏み跡の写真も
同じに見えるのは私だけだろうか

13:33
尾根の踏み跡を辿っていくと次のように書かれた木札が地面に落ちている。

△371.8経由
広嶺山

この木札の先の尾根には踏み跡がなく、踏み跡は忠実に町界をなぞるように北に下って行く。どこでも歩けそうな斜面のため踏み跡は拡散し薄くなるが、マーキングも所々に付いている。

雑木の斜面を暮坂峠へ下る

13:43
峠が近づき車の走る音が聞こえてくると、西側の夢前町は植林となる。そして植林と雑木林の境を下るとドンピシャで暮坂峠なのだが、4mほどの土崖があり下りられない。香寺町側に少し移動するも状況は変わらない。

前に暮坂峠に来た時のことを思い出してみると、道路際には高いコンクリートの擁壁があったような記憶があり、地形図を見ると香寺町側は擁壁が続いているように見える。そこで、夢前町側の植林の中を道沿いに移動することにする。道は見えているのにいつになったら下りられるのだろうか。

13:56
植林の中にコケで緑色になった砂防ダムが見えてきた。砂防ダムの下には赤布(かの有名な大柿赤布だった)も見え、土崖・コンクリート擁壁もなく無事に車道まで下りることが出来た。

峠からわずかだけ夢前町側

暮坂峠北側のお地蔵さんの祠前でしばらく休み、西側の夢前町宮置へ下ることにする。

数回の死体遺棄事件で有名になった峠で、道の谷側はフェンスが張り巡らされている。そのフェンス越しに植林の中に何かないかと覗き込みながら下りて行くと、前方からバイクの音がしてきた。轟音を響かせて峠を攻めるバイクはなんと白バイだった。普段のパトロールでは見せることがないだろう白バイ隊員の生き生きとした表情が忘れられない。

14:52
夢前川を渡り県道の「宮置バス停」に到着。次の姫路駅前行きは20分ほどで来るようだ。



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