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娘その1と登る明神山



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平成16年11月 7日(日)  メンバ- 私と娘その1

明神山 みょうじんさん 667.9m

2万5千分の1地形図「前之庄」を参照すること。


計画はCコースで登って、AからAuコースで下山

名勝 明神山 (岩屋池近くにある解説板より)

播磨の名山明神山(標高668m)については、宝暦十年(1760年)に書かれた「播磨鑑(はりまかがみ)」に『明神が嶽は播州の高山で、その姿が大変美しいので旅人は馬上よりかえり見、海ゆく人は船上より眺め尽くしました。昔、この山の頂上には嶽大明神がまつられていたので、明神が嶽と呼ばれています。しかし、山頂のお社は参拝するのに道も険しく不便なので中世に麓の神種(このくさ)というところに移しまつられました。』と記されています。
塩田温泉郷、前之庄辺りからの明神山のたたずまいは、山々を従えて王者の風格を備えています。

夢前町

娘その1が何を思ったのか山に一緒に登りたいという。広峰山を訳もわからずにウロウロするつもりだったが、計画を替えて夢前町の明神山に登ることにする。

明神山の南、「夢さき夢のさと農業公園」からは、A〜Eコース、Auコースに大明神コース、それから−Aコースと合計8ル-トがある(−Aコースは農業公園から西へ峠を抜け馬谷からの莇野コースで登るルート)。

登りは展望のよい尾根を行くCコース、下りはAコースからAuコース。このうちAuコースは今回始めて歩くルートなので楽しみだ。


展望のCコースへ

9:42
夢前町神種の集落を抜け「夢さき夢のさと農業公園」の詰めれば観光バスが40台は入りそうな広い駐車場に到着。登山口近くに無料の広い駐車上があるのは有りがたい。

駐車場を出て岩谷川に架かる橋を渡り、川沿いの道を北に進む。正面にこれから登る明神山頂上が見える。下山に使う予定の尾根の手前に送電線鉄塔が立っていて、環境に調和させるためか緑色に塗られている。

明神山への道

9:48
AコースとB・Cコースの分岐から1分も行くと、岩屋池の東側の尾根を行くCコースの登山口がある。公設の明確な道標があり、おまけに「明神山愛好会」による案内板があり、「山頂まで2.5Km/2時間」となっている。

明神山Cコース登山口

登山口からいきなり階段道となる。「夢さきぬくもりの森」の散策道にもなっているので非常に良く整備されていて、これが明神山頂上まで続いていれば楽なのだが、残念ながらしばらく登ると普通の山道となってしまう。

「夢さきぬくもりの森」散策道

道端の木に「明神山愛好会」による表示板が付けられている。以前登ったときはなく最近取り付けられたもののようで、ペンキで白く塗った板に、厚紙をビニールパウチしたものを、カラー針金で木に縛り付けている。書いてある内容には文句の付けようもないが、自然の中にこのようなものを取り付ける人の気が知れない。

今日の行程の中で同じもの6枚に出会ったが、明神山全山にはどれほどの枚数を取り付けたのだろうか。山を美しくすることには同意するが、この表示板を付ける行為と表示内容の間に著しい落差を感じるのは私だけではないだろう。

「明神山愛好会」による表示板

9:59
公設道標の案内に従い散策道を登って行くと、眼前に風化した岩の急斜面が現れた。誤って散策道から登山道に入るのを防ぐかのように、わざと登り難い斜面にしてあるように見える。ここを越えれば、歩きやすい展望の尾根道となる。

いきなりの登りにくい斜面


岩、岩、岩

10:01
最初の斜面を登ると「屏風岩」が右手にある。道側が平らにそそり立っている大岩だ。明神山にはこの他にも特徴のある大岩、岩場が沢山ありその一つ一つに名前が書かれた木札が下がっている。

「屏風岩」

10:09
屏風岩から雑木の尾根道を一旦下り登り返すと、左右二つに割れその間の溝を登っていく「大雌岩」がある。明神山頂上まで登らなくても、散策の足をここまで延ばし大雌岩の上からの展望を楽しむのもよいと思う。

「大雌岩」

10:15
次ぎは「観音岩」。どうしたらこの岩が観音様に見えるのか分らないが、正面に明神山がきれいに見える。

「観音岩」

Cコースは展望のよい岩尾根、歩くのが楽しい雑木の尾根と変化に富んでいる。ただこの長めの尾根が緩やかな分だけ、頂上が近づく後半部分になると急激に傾斜が増してくるのが困ったところだ。

展望の岩尾根や

雑木の尾根を行くCコース

10:29
「夢やかたへ1.39Km 明神山へ1.09Km」と数字が微妙に細かいのが特徴の公設道標の先は「くじら岩」だ。100人の内80人ぐらいは思いつきそうな名前で、これは誰が見ても納得できる命名だろう。

「くじら岩」

10:42
「合掌岩」と名前が付けられた岩があるが、どの辺りが合掌しているのかよく分からない。離れると合掌しているように見えるのかもしれない。この岩を越してしばらく行くと、ようやく傾斜が急になってくる。

「合掌岩」通過


後半は激登り

10:51
急斜面にトラロープが張られている。ここから頂上南東の510m程のピ-クまでは急な登りが続き、木々の間にトラロープが張巡らされている。

階段道よりもトラロープ張りの道の方が登っていて面白いが、少し張りすぎのような気もする。おそらくトラロープを張った人は登りやすく、下りやすくなることだけを思い、登山者のために良かれと思い張ったのだろう。実際、トラロープのため非常に登りやすくなっていて、けしてトラロープを張った人を責めるわけでは無いが、トラロープに縛られている沢山の木々のことを思うと心が痛む。

トラロープ

11:05
510mほどのピークには「地蔵岳 515m」の木板が下がっている。急な登りになってから周囲の木々のため視界が塞がれ、このピークも展望はない。

展望のない地蔵岳

地蔵岳から一下りし植林の鞍部を過ぎると、しばらくは比較的緩やかなトラロープが現れない雑木の斜面が続く。地蔵岳を登っている頃から、人の声が後ろから聞こえていたが、どうやらBコースを登る人の声が響いてきていたようだ。

11:27
「八丁坂」の木板が下がり、再びトラロープが現れた。ここからは明神山頂上までほとんど途切れることがなく張られている。

八丁坂はトラロープのダブル張り

11:32
八丁坂を登りきると「明神山愛好会」が「明神山・最大の難所 明神の鎖場」と呼ぶ岩場が現れるが、名前ほどのことはなくあっさりとクリア。

鎖は無いが「明神の鎖場」

11:38
駐車場を出発してからほぼ2時間かけ明神山頂上に到着。「明神山愛好会」の「ようこそ明神山へ 山頂です!お疲れさま」の表示板に迎えられる。しかし誰が見ても頂上にしか見えないここにはいらないものだ。

明神山頂上に到着

頂上には5人ほどの先客がいて、下り始めるまでに5人ほど登ってきた。霞のため遠望は利かないが、七種三山・雪彦山をはじめ笠形山・千ケ峰・段ケ峰・暁晴山・後山・日名倉山が霞の向うに薄っすらと見えている。

頂上に1本だけ残された木に、登頂記念プレートが5枚ほど下げられている。今年の4月に登ったときはもっと沢山あったが、台風で飛ばされたのか数が半減している。それでも下記の5番目の札が新たに付けられていた。

  1. 香住の海と山を探す会
  2. 明神山 668M Club MtMyojin
  3. 明神山 668m H15.8.31 波豆○○会
  4. 明神山 登頂記念 H15年6月23日 姫路市広畑 川本彦三 明神は天に突き出る岩の山 つち未智彦
  5. 登頂記念 明神山668 H.16.10.24(日)加古郡 長谷川博(文太郎を偲ぶ会)

下山のA・Bコースも激下り

12:35
AコースからAuコースの予定で下山を開始。頂上からAコースとBコースに分かれる地点までは、かなりの急傾斜が続きトラロープの連続だ。5年前に始めて明神山に登ったときはBコースでもルートに不明確な部分があり、A・Cコースはまだ整備途中だった。

この5年の間に、播州のマイナーな山にも次々と道が開かれ、里山歩きをする人たちが増加しているようだ。インターネットによる里山情報の共有が可能になってきたのも、歩く人が増えた原因の一つかもしれない。

頂上からA・B分岐へ下る

12:47
農業公園へ下るA・Bコースと、莇野・馬谷コースとの分岐地点まで下りる。頂上から下るのに12分かかっていて、同じ時間では到底登ることは出来ないだろう。案内板の12分のところに手書きで15分と書かれている。

莇野(あぞの)、馬谷(もうだに)、神種(このくさ)と難読な地名だが案内板に手書きで振り仮名が付けられている。

←莇野方面へ/明神山頂へ(約12分)→
←登山口へ(神種方面)

←神種・夢やかた方面 A・Bコース
↑莇野・馬谷方面

神種・莇野分岐地点

12:52
A・Bコース方向に下りて行くと、また莇野への分岐案内板が立っている。しかし、案内が指し示す莇野方向は明確な踏み跡も何もないただの雑木の斜面にしか見えない。変な道標だ。

←莇野方面へ/登山口へ(神種方面)→
明神山頂へ→


尾根道のAコース・Auコース

12:58
AコースとBコースに分かれるポイントに着いた。Bコースはトラロープが張られた左の暗い植林の谷へ下っている。頂上からここまでは雑木に遮られ眺望はなかったが、Bコースを下りて行くと「長滑ら」という長いなめ滝がある以外には見所もなく、最後まで暗い植林の中を下りて行く。

Aコースは分岐から右手へ、Cコースほどの展望は期待できないが、それでも比較的展望のよい明るい尾根を農業公園へ下っていく。時間はBコースの方がかからないが、Aコースの方がお勧めだ。

A・Bコース分岐地点

雑木の尾根を行くAコース

13:09
「夢展望岩」と名付けられた地点からは「夢さき夢のさと農業公園」、「夢さきぬくもりの森」「夢やかた」「夢前町」がよく見える。夢のような展望ではなく、名前に夢が付くのが沢山見えるので「夢展望岩」なのだろうか。

夢展望岩より

13:23
下ったり登ったりで、さっぱりと高度が下がらない。いつになったら下界に下りられるのか心配になってきたら「西の丸 425m」に着いた。振り返ると雑木の間から明神山の頂上が見えている。

13:29
Auコースの分岐地点に着いた。木に幅広の白色テープがぐるぐる巻きにされ「←Auコース(下山)三ツ岩へ」とマジックで書かれていて、南側の急な斜面にトラロープが張られている。

Auコースに入ると最初はトラロープの続く急な下りで、その先は岩場や雑木の緩やかな尾根になる。

Auコースの上部

13:40
350mほどのピーク手前に、不思議な造形の大岩が並んでいる。上部が三つに分かれ北側のは滑らか、南側は割れ目だらけで今にも崩れそうな、きっとこれからの明神山の人気スポットになるとこと間違いない。

Auコースを開拓した人は、この「三ツ岩」を見て欲しいがため道を切り開いたのだと思う。

三ツ岩

13:44
三ツ岩の南となる350mの程のピークには「三ツ岩岳 360m」の表示がある。残念ながら展望はない。

三ツ岩岳から南西方向に進むと神種と馬谷の間の峠に下りられそうだが、Auコースは南東にトラロープの急坂を下り、送電線鉄塔の立つ緩やかな尾根へ続いている。このコースには普通の坂道はなく、激急坂か緩やかな道の二種類しかない。

三ツ岩岳から急坂を下る


迷いの送電線鉄塔七七

13:53
展望の岩場道を過ぎ、送電線鉄塔「播磨線七七」に着いた。

ここには下って来た道以外に、西側にある76送電線鉄塔に行く関西電力送電線巡視路と、麓からここへ登ってくる巡視路があり、最後の道が232m標高点のある尾根を下り麓へ続くAuコースとなる。

送電線鉄塔に登る娘その1

しかしながらここでミスコースをしてしまった。「火の用心76→」の標識を見つけ、方向がかなりおかしいなと感じながらも、雑木斜面の緩やかな落ち葉の積もった道を下っていく。

送電線巡視路を下る

人の通った気配がなくミスコースに気がついたが、どこに続いているのか興味がありそのまま下りて行くことにする。

枝打ち、間伐された植林の谷へと巡視路は続いている。落ち枝葉の下に時々プラ階段が見え巡視路が続いているのが分るが、間伐された木が横たわりなかなかと進みにくい。

ここも送電線巡視路だ

14:15
道に出た。林道と呼んでも間違いはなさそうな道だ。神種から西へ峠を越えて馬谷へと抜ける道だ。

火の用心←76
火の用心↑77

送電線巡視路標識と、峠道からの登り口左右の木には黄色テープが巻かれている。この林道は過去には車が通れただろうが、今は流れに架かる橋も落ち歩くのがやっとだ。

少し暗いが快適な道だ

14:29
農業公園からの遊歩道「夢小路」に出会った。遊歩道はここから北の林の中に登っていく。

自然学習の森休憩所 0.37Km↑
夢やかたコテージ村 0.35Km→

遊歩道→

銃猟禁止区域
兵庫県
GUN-HUNTING PROHIBITED AREA
HYOGO PREFECTURE

近くの木に黄色テープが巻かれ「←−Aコース」と書かれている。

14:42
遊歩道を東に進み駐車場南端に帰り着いた。そこには「ぬくもりの森 遊歩道入口(夢小路)」の案内図が立っている。

何故か登りよりも下りのほうが時間がかかってしまった。



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