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明神山、大明神コース



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平成17年3月19日(土)  メンバー 私だけ

明神山 みょうじんさん 667.9m

2万5千分の1地形図「前之庄」、「寺前」を参照すること。


-A・Au・A・B・C・D・E・大明神コース

明神山の数ある登山道のうち、もっとも東側を登るのが「大明神コース」だ。ほかのコースはアルファベットで表されているが、なぜかこのコースだけはFコースではなく「大明神コース」という呼び名になっている。明神山登山道の中でも別格扱いされているように感じる。

登山口の「夢さきぬくもりの森」駐車場の案内図の横に掲示されている「明神山愛好会」による登山ガイドマップによると『※大明神コースは尾根歩きの素晴しいコースですが、ロング(6km)でハードな為、ベテランで健脚な人以外は歩かないでください。』となっている。

なお登山ガイドマップは雨に打たれ、日に焼かれだいぶ薄くなっている。見づらくなったガイドマップのために道迷・滑落等の遭難者が出たら、設置者は寝覚めが悪い事だろう。そのようなこと防ぐためには、全山に設置した案内マップ類を見回り、補修・更新を未来永劫続けなければならない。

また全山にトラロープを張った人たちも、ロープの経年劣化や外れなどにより事故が起きるかもしれないと思うと、おちおち昼寝もできないだろう。始めてしまったものには責任を持って継続しなければならない、と私は思う。


ルートハンティング不要

8:33
夢前町神種の集落の奥、「夢さきぬくもりの森」の駐車場に着いた。今日は公共交通機関ではなく自家用車で、先客の車が5台止まっている。

8:46
朝食代わりのコンビ二おにぎりを食べてから、出発。車で来た道を「神元神社」まで戻り、細長い境内を通り抜け、その奥にある嶽大明神の社の脇を行く。

9:06
嶽大明神から林道を2分も行くと、「明神山愛好会」の登山マップが道端に立っていて、そこが「大明神コース」の登山口となる。黄色テープが巻かれた木の間の緩やかな道が植林へ入っていく。登山口の印象は優しそうで、明神山頂上まで険しい?道が続いていること感じさせない。

大明神コース登山口

ここでの三脚をセットしての撮影時間は3分、頂上に着くまでに20回近くで、合計1時間ほどを自分撮りに費やしたことになる。休憩は全くしていないが時間がかかるはずだ。

緩やかな道が続いていたらいいなという望みは、ロープ(トラロープではない)が現れ打ち砕かれた。雨の後は滑りやすそうな雑木林の中の急坂道には古いロープが延ばされている。送電線巡視路を兼ねているこの登山道を、巡視員はこのロープを握りながら登るのだろうか。

木に巻かれた幅広のビニールテープには「大明神コース」と書かれ、タフロープのマーキングも続いている。途切れることなく続き、視界に常に一つ以上見えるマーキングのおかげで迷うことはないが、ルートハンティングの楽しみは全くなく、逆に現在位置の確認を怠り自分がどの辺を歩いているのか分からなくなりがちだ。

尾根までは急登が続く

9:26
「播磨線 八十」送電線鉄塔に着いた。晴れた空の下に、小明神を従えた明神山がよく見え、これから登るコースを見渡すことができる。まだまだ先は長そうだ。

最初の送電線鉄塔から

次の送電線鉄塔に向け「火の用心」の巡視路標識があり、幅広のよい道が続いている。

9:40
本日2本目の送電線鉄塔「播磨線 八一」に着いたが、ここまでの道は両側に木々が茂り展望はない。送電線巡視路はここで終わりかと思っていたが、さらに続いている。

9:48
明神山の名物になっているトラロープが、この大明神コースにも現れた。もうすぐこのコースもトラロープだらけになってしまうのだろうか。

こんな感じの道が続く


稜線歩き

9:58
幅広白ビニールテープに「明剣岳(325m)」と書かれたピークに着いたが、見通しは悪く、北東にバードヒルゴルフ場が木の幹越しに見えるだけだ。地形図を見ると325mピークは大明神コースから東に外れたところにあり「コースを外してしまった。戻らなくては。」と真剣に思った。しかし、ほんの1分ほど前、東に見えるピークが325mピークと認識しながら、ピーク南の送電線鉄塔と送電線の延びる先を見ていたことを思い出した。

ビニールテープの標高325mは、東側の325m標高点のあるピークのものと勘違いしているのではないかと思う。明剣岳は地形図の等高線から見て310mと少しだろう。

明剣岳のビニールテープ

10:02
明剣岳から本格的に明神山へと続く稜線に乗り、アップダウンはあるが比較的緩やかな道が続く。北へ2分も行くと送電線巡視路は右後ろになった325mピーク方向に分岐し離れていく。普通は送電線巡視路でなくなると、途端に荒れた狭い道になるのが普通だが、ここでは送電線巡視路が荒れた狭い道になって離れていく。

10:25
西側が植林、東側が雑木林の道を進み270m+の鞍部に着いた。西側にも東側にも踏み跡らしきものがかすかに見える。

10:31
342.6m三角点ピークへの緩やかな登りを、下を向いて歩いていたら横から出ている枝に頭をゴーンとぶつけてしまった。ここを通る100人中33人ぐらいはぶつけるのではないかと思うぐらい、よい具合に張り出した太い枝だ。

10:35
展望のない道ばかりで、「どこが尾根歩きの素晴しいコースだ」とぶつくさと文句を垂れながら歩いていたが、ようやく西側が開け明神山の雄姿が見え始めた。道は狭くなり、足元にはコシダ?が煩くなってきた。

ようやく展望の尾根になってきた

10:50
342.6m三角点ピークから東に下る尾根が、面白い造形の岩場になっている。溶岩の上に流れた溶岩が、自分の重さで切れてしまったのだろうか。あの段差を登ることができる人はいるのだろうか。明神山は火山だったのだろうか。頭の中が??になる。

段差がついた岩場

大明神コースも三角点ピーク直下は、AコースやCコースにもあるような岩場を登る。

三角点ピーク南側の岩場


ようやく半分か

10:57
342.6m三角点ピークに到着。四等三角点標石(点名:西山)と「明神山愛好会」のガイドマップがあり、山名を「三角点山」としている。周囲の木々のため展望はよくない。駐車場を出発してからすでに2時間が経過し、明神山頂上までの道半ば。1時までに明神山頂上まで着けるだろうか。意外と時間がかかりそうだ。

「三角点山」?頂上

三角点山から北も相変わらす比較的緩やかなアップダウンを繰り返すが、展望のない雑木林の中の道、岩の間の狭い隙間を通り抜けたり(危うく挟まれそうになった)、近づいてきた明神山が眼前に広がる岩場と変化があって楽しめる。この辺りが大明神コースの一番面白いところだ。

近づいてきた明神山頂上

11:32
かなり急な5m以上の岩壁が尾根に立ちふさがり、その手前に道を遮るように張られたトラロープには白ビニールテープで「登るな!」の表示。松の木が(枯れてるように見える)岩崖に寄り添うように生えていて手掛かり足掛かりにすれば登れそうだが、素直に西側の巻き道を行くことにする。

巻き道には随所にトラロープが張られ、土の急斜面をよじ登り尾根に復帰するのだが、ここが大明神コース最大の難所だ。雨上がりにぬかるんでいたら、雪が積もっていたら通過は困難になるだろう。

11:40
トラロープにすがり、ようやく尾根に出るとそこにも「ガケ!下山不能」の表示が付いたトラロープが張られ岩崖へ行けないようにしている。

11:44
木に巻いた幅広白ビニールテープに「大明神コース やぶこぎゾーン これより約1km 注意!」の表示あり。どんなヤブが待ち受けているかとワクワクしながら進むも、さっぱりヤブは現れない。しいて言えば、これまで私が「歩きやすい広い切り開き」と表現してきたものに近い。ひょとすると世間一般でいうヤブと、私のヤブはかなり違うものかもしれない。

この辺から展望はなくなり、それなりに急な道が続くようになる。

やぶこぎゾーン?が始まる

11:59
派手派手に幅広の赤テープと黄色テープが巻かれた小ピークを通過。足元には黄色い「三の二」と書かれたプラ杭あり。

12:08
風通しがよさそうな小鞍部の植林が小規模だがまとまって倒れている。昨年秋の台風によるものと思われるが、ここ以外に障害になるような風倒木はなかった。なおマーキングに頼りきって歩いているので、ここがどこかと聞かれても「小明神手前の大明神コースのどこらか」としか答えることしかできない。我ながら困ったものだ。

台風による風倒木

12:23
急な登りになると踏み跡はかなり不明確になるが、マーキングは潤沢にありコースをはずしようがない。登り切ると白ビニールテープの上に黄色ビニールテープを巻いた「大明神コース この先急坂注意」とこれも結構派手な注意書きがある。

12:25
あの大柿赤布が木に巻かれている。この先にも現れるが彼はどこから登ってきたのだろうか。

12:26
白ビニールテープに「大明神コース 次・左へ 注意」の表示あり。登る人のためか、下る人のためかよく分からない表示だが、おそらく下る人のため用と思う。マーキングを辿るだけで、この付近で右に曲がったのか、左に曲がったのか全く記憶にない。


頂上まで30分?

12:34
549mピークに着いた。「頂上まで30分頑張れ!」の表示と、黄色プラ杭「二」があり、北に小明神が木の間から見える。

549mピーク到着

12:42
549mピークと小明神との鞍部で、南東からEコースが合流してくるが、その手前に、明神山頂上から大明神コースへと迷い込まないように二重にバリケードが築かれている。一つ目は乗り越え、二つ目はEコース側に巻いて通過する。

バリケードの向こう側には、Eコース用の「下山→」「頂上へ→」のオフィシャル道標が木に釘で打ち付けられている。将来ここに来て上を見上げると、高くて手が届きそうもないところに付けられた道標を見ることが出来るかもしれない。

Eコースとの合流地点(バリケードあり)

12:55
明神山頂上北西の小明神に着いた。2004年12月18日に設置された「明神山愛好会」のガイドマップと、2002年8月20日に誰かが設置した「小明神 615m」の山名板が木にくくられ、丸太で作ったベンチが二つ置かれている。もう少しで明神山頂上だ。ここで男性単独ハイカーとすれちがったが、どのコースで下りたのだろうか。

小明神にて

13:13
小明神と明神山頂上との鞍部でDコースと合流し、「くさび岩」を横目で見ながら通り過ぎ、両側が切れ落ちた岩だらけの「恐竜の背」を通過し、頂上直下の「またぎ岩」に着いた。ここで写真を撮り、呼吸を整えてから頂上へ登ることにする。頂上からはにぎやかな話し声が聞こえ、たくさんの人がいるようだ。

両側が切れ落ちた「恐竜の背」を登り

「またぎ岩」をまたぐ

13:15
明神山頂上に到着。麓の駐車場を出発してから4時間半、計画よりも時間がかかってしまった。頂上には女性だけのグループが二組とあと5人ほどいてにぎやかだ。女性の二グループは神姫バスで夢前町役場まで来て、一方は小一時間かけて登山口まで歩き、もう一方は親切な人に車に乗せてもらい登山口まで送ってもらったようだ。それを聞いた、歩いてきた方はスカートの上げ方が足りなかったのかと反省していた。


明神山から北の展望 山ばかりだ

北に雪を被った氷ノ山、三室山、後山、奈義山が見えるが、南は霞み播磨灘は薄っすらとしか見えない。明神山頂上にあった登頂記念プレートは以下の通り。

  1. 明神山 668m Club Mt'Myojin
  2. 明神山 登頂記念 H15年6月23日 姫路市広畑 川元彦三
    明神は 天に突き出る岩の山  つち未智彦
  3. H16.10.24(日)加古郡 長谷川博(文太郎を偲ぶ会)
  4. 香住の海と山を探す会

プレート類は前回より増えていない。登頂記念プレートを付けると、自分の名前が「播州野歩記」で公開されることが少しは知れてきたのだろうか。なお、これからも『播州野歩記は自分の意思で付けた登頂記念プレート類の個人情報は保護しない』方針だ。

明神山頂上の現状

なんだかなあ、という感じがする明神山頂上風景だが、夢前町が率先しデザイン性あふれる山名板を設置しているのでしょうがないかなとも思う。


下山はBコース

13:44
ここまで登るのにいい加減疲れたので、下山は最短のBコースにする。このBコースを紹介したHPは、たくさん見受けられるので、ここからの下山記録は最短バージョンにする。Bコースは展望がなく、終始きつい登りのコースと言われている。

14:04
Aコースとの分岐点まで下る。

AコースとBコースとの分かれ目

植林の中を快調に下る

Bコース唯一の見所?「長滑ら」

14:38
丸太橋を渡り、荒れた林道に下山。

15:00
林道(ほぼ中間地点の「かんのん滝」入り口から舗装林道になり、そこまでは車で入れる)を歩き、駐車場に戻る。

はっきり言って大明神コースはつまらなかった。距離が長いのやアップダウンが続くのはなんとも思わないし、展望がコースの中間部分しかないのもかまわない。ただマーキングや注意書きや案内マップなどが多すぎて、自分の判断で歩くという楽しみが完全にスポイルされている。

このルートを歩くは一般コース?を歩くのに飽きてしまった私のような奇人だけだろう。自分で歩く楽しみを残しておいてほしかった。と言いつつ、こんな山行記録を公開する私も同罪のような気がする。



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