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高御位山ダイレクト



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平成17年3月26日(土)  メンバー 私だけ

高御位山 たかみくらやま 299.8m

2万5千分の1地形図「加古川」を参照すること。


ダイレクトシリーズ第二弾

桶居山ダイレクトに続く、高御位山ダイレクト。実は南側の阿弥陀町長尾からのハイキングコースを登っただけで目新しいことは何もない。

これまでは鹿島神社のチタン大鳥居がある広い無料駐車場に車を置いて、百間岩から稜線を辿り高御位山頂上へ。そこから南の長尾などへ下山し駐車場へ戻るパターンが多かった。しかし最近できた長尾の阿弥陀新池駐車場(半分はゲートボール場)はハイカーも自由に使うことができ、そこを出発点にして高御位山に登る人が増えそうだ。

長尾の阿弥陀新池駐車場

阿弥陀新池 高砂市阿弥陀町

阿弥陀新池は高砂市阿弥陀町の地名から親しみを込めて名づけられ、地元の住民の大切な水源となっています。
池の中にある公園は、上から見ると丸くまるでてんとう虫の形にも似ています。この池が所在する高砂市は播磨臨海工業地帯にありながら、池付近は自然に恵まれています。
北側には岩山や丘陵が連なっており市民のハイキングコースになっています。

事業主体:兵庫県三木土地改良事務所
ため池管理者:高砂市阿弥陀頭部水利組合



麓から頂上が見える山はいいな

高砂市の国道2号線を走っていると北に高御位山が見えてきて、北に延びる送電線の下を鹿島神社へと続く道がある。その道を北に直進すると公園墓地のロータリーに入ってしまうので、その手前を東へ曲がる(ここを西に行けば鹿島神社)。稲株だけの田を右に見ながら少し走ると、丸い駐車場がある阿弥陀新池が右手に現れる。

9:45
今日は妻その1に送ってもらい阿弥陀新池駐車場に到着。高御位山頂上が北に見える。

阿弥陀新池から高御位山を見る

駐車場を出て道を渡ると「長尾登山口 高御位山まで40分」の道標がある。北へ車道を進むと民家脇の電柱の高い位置に「鹿島−長尾ハイキングコース」の表示が付けられている。駐車場から何も考えずに北へ進めば自然と登山口へ行くことが出来る。

9:51
「登山道、環境保全のためオートバイ等の乗入れを禁止します」の表示がある登山口に着いた。オートバイ等の「等」は何を表しているのだろうか。自転車もだめなのだろうか。

高御位山長尾登山口


結構きついぞ

この道で何度も下山したことがあるが、登るのは初めてで、下るのと登るのがこんなに違うとは思ってもいなかった。岩場の道は段差が一定していなく 自分のペースで登ることが出来ない。大きな段差を登るたびに「よっこらしょ、どっこいしょ」とつい声が出てしまう。

温度計を見るとなんと19度もある。同日同時刻の姫路市面白山(姫路特別地域気象観測所のある山)は11.6度で、この日当たりのよい南向き岩場はそれよりも7度ほども高くなっている。真夏はもっときついぞ。

送電線鉄塔までの登り

写真を撮っているうちに、三人組と単独の数人に追い越され、数人とすれちがった。さすがに「ふるさと兵庫50山」に選ばれた山だけありたくさんのハイカーで賑わっている。

10:15
送電線鉄塔「姫路火力東線 三六」に着いた。登ってきた道以外に、地形図に記載されている西の鳥居マークへ下る破線道と、東側の屋根に「断食」と書かれている「DOH断食センター」へと下る道もある。

送電線鉄塔から頂上まで岩場の道が続く。頂上が常に見えるので、あっという間に登れそうだがこれがなかなか、写真を撮ったり景色を眺めたりとさっぱり足が進まない。展望がよい山の大きな欠点だが、よその人は私を追い越しぐんぐんと登ってしまう。なにをそんなに急いで登るのだろうか。

高御位山頂上はもうすぐだ

10:29
コースが二つに分かれている。頂上西側のマイクロウェーブ反射板めがけ岩場を直登する「急登」コースと、比較的登りやすく頂上付近で志方の成井登山口と合流する「巻道」コースだ。何も考えずに「急登」コースに足を踏み入れたが、本当に急で岩も表面が滑らかで登りにくい。まだ歩いてないことを理由にして「巻道」コースにするんだったと後悔。

(「巻道」コースの情報は「ようこそまゆたんの部屋へ」よりのものです。)

「急登」コースの岩場を登る

10:48
マイクロウェーブ反射板(関西電力株式会社 高御位山反射板)に着いた。ここまで登れば頂上に着いたも同然だ。反射板施設の注意書きと電波法第108条の2は下記の通り。

立入禁止

この反射板は電気の供給に必要なマイクロウェーブ用重要通信施設です。
立入ったり、投石して傷をつけると電波法108条の2によって罰せられますので御注意下さい。

関西電力株式会社

昭和25年5月2日 法律131号 電波法

第8章 罰則
第108条の2
電気通信業務又は放送の業務の用に供する無線局の無線設備又は人命若しくは財産の保護、治安の維持、気象業務、電気事業に係る電気の供給の業務若しくは鉄道事業に係る列車の運行の業務の用に供する無線設備を損壊し、又はこれに物品を接触し、その他その無線設備の機能に障害を与えて無線通信を妨害した者は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。

光ケーブルの世の中になり、このマイクロウェーブ反射板も実用に供されているか甚だ疑問があるが、勝手に進入し登ると怒られるようだ。反射板を囲むフェンスに古い鳥瞰図が取付けてあるが、黒文字がきれいさっぱり消えていて何も分からない。また兵庫登山会の山登り標語板も縛り付けられているが、どちらも電波法に違反しているような気がする。

小さな愛情ー!
楽しい山旅はー!
明るい挨拶からー!
兵庫登山会

反射板の近くには「平成6年7月 高砂市制40周年記念」の方位盤、「天乃御柱天檀」と彫られた円柱の建つ高御位神社の礼拝施設がある。道標もあるが木製の白ペンキの文字も薄れ周囲の木々に同化するように立っている。道標ならもう少し目立たなければいけないと思うが、これぐらいがいいのかもしれない。

本当にもうすぐ頂上だ


高御位山頂上

10:56
高御位山頂上に到着。歩き始めた駐車場近くの道標には40分とあったが、実際にかかった時間は70分。まあこんなもんだろう。

頂上の岩場からは南側の展望が広がっているが、今日は遠望が利かない。岩場から一段低い北側に西からバイオトイレ(杉チップ使用)、高御位神社、飛翔の碑が並んでいる。

東端の「飛翔の碑」

高御位神社に新しい解説板があり、内容は次の通り。

高御位山古代祭祀遺跡のご案内

高御位山は、古代より山岳崇拝の聖地として、播磨一円の厚い信仰を集め、山上の巨岩は神霊の宿る場として、長い歴史の流れの中で、人々は、報恩反始の心もて、その山容を、仰ぎつつ、今日に至っている。

 高御位大神御降臨之座址
神社南側の岩場は、今から約1200年前の大同2年3月21日に、大国主命が国造りのためにこの岩場に降りてこられたと云う言い伝えがある。

 古代祭祀遺跡址
前方の岩場一帯は、仏教が日本に伝ってきた以前の弥生時代から古墳時代にかけての古代人が神をお祭りするための「祭り事」を行った跡であろうと云われている。

 祓禊《みそぎ》跡
この扇形のくぼみは、古代人が、神にお参りする前に身を清めるための水を溜めるため、岩をくりぬいて作った穴であろうと云われている。

 盃状穴《はいじょうけつ》址<br> この盃のような形をした小さな穴は、古代人が石のようなもので岩肌をこすりながら神に祈りを捧げたときに出来た穴であろうと云われている。

 御水《みもひ》址
この米粒のような形にくりぬいて作った穴は、古代人がお供えする水を溜めるために岩をくりぬいて作った穴であろうと云われている。

平成16年12月20日
高御位神社運営委員長 長谷川輝義
高御位神社運営委員会 事務所
加古川市志方町成井543番地
文責 事務長 村上 弘

解説に相当する場所には新しく木製の案内板が設置されている。これを読んで、高御位神社は高砂市ではなく加古川市にあるんだと気がついた。なお三等三角点標石(点名:高御位)は神社の左後ろに頭を少しだけ出している。

目に付いた登頂記念プレートは以下の通り。さすがに「ふるさと兵庫50山」、たくさん下がっていた。

  1. 高御位山 標高304m この自然の美を満喫した自分 この人生に、祝福の乾杯を… 兵庫登山会
  2. 高御位山 ▲304.2M 2005.2.14 大阪 山歩き四季の会
  3. 高御位山登頂 H16.5.1
  4. 高御位山 304m 登頂ありがとう 姫路広畑 川元彦三 百度石 母の祈りの 初桜  土未智彦
  5. 自然を大切に 高御位山304M 四季ハイク東大阪楽歩会
  6. やまびこ 山行記念
  7. 高御位山 2002.5.2 ほたるの会
  8. 2004年2月11日 高御位山 相生市緑友会 H.S.R
  9. さつき山の会 平成 年 月 日 門真市
  10. MTBトザン ロールアウト 大柿 '97.6.29
  11. 高御位山 02'3.23 TWVC 西田
  12. 高御位山 304m 2005.2.27 波豆??の会
  13. 登頂記念 平成15年12月7日 兵庫県加古郡播磨町 長谷川 博
  14. 高御位山 304m H.16.10.3(日) 長谷川博(加古郡)(文太郎を偲ぶ会)
  15. 高御位山 2005.1.1 F&F山楽会 下村 久保田

下山は

11:10
下山後は公共交通機関(バスか徒歩)を使うつもりなので、どこでもよいのだが、今までに歩いたことのないコースにすることにする。

成井からは登り下りしたことがあるし、小高御位山から中塚山へは昔に下ったことがあるし、長尾へは何度も下りたことがあるし、という訳で西へ稜線を辿り百間岩から鹿島神社へ下ることに決定。

下り始めこそ樹間の道を行くが、その後は展望のよい道が続き、時たまハイカーとすれちがい、時たま追い越される。

反射板奥が高御位山頂上

11:38
市ノ池公園への分岐点の手前に興味深い道標がある。高砂市が設置した「全山縦走ハイキングコース」の案内道標なのだが、西側を指して「鹿島山」と表示している。

高御位山から西へ延びる稜線上にたくさんのピークがあるが、「鹿島山」と呼ばれているピークは存在しないと主張している人がいる。しかし、ついに高砂市も「鹿島山」を公式山名として認知したかのようにみえる。

左上に「鹿島山」の文字がくっきりと

この道標を作った人は高砂市の人だろうから、「鹿島神社」のことを指して「鹿島山」(かしまさん)と表示しているの明白だが、遠方から来た人は「鹿島山」(かしまやま)という山がこの先にあるのだと誤解するだろう。

11:40
市ノ池公園への分岐点通過。道標は「鹿島神社まで65分、高御位山まで35分、市ノ池公園まで20分」となっている。この先も稜線上にはたくさんのピークが続いている

右が桶居山への分岐があるピーク、左は264.2m三角点ピーク

まだ遠くに見える桶居山分岐に入る数人のグループが見える。どこまで行くのだろうか。一度端から端まで通して歩いてみたいものだ。

稜線の登り下りは結構急で、岩石が風化し砂が浮いたようになっているところもあり、それを避けるためか道幅が少しづつ広くなってきているような気がする。

桶居山分岐への分岐があるピークへの急登

11:53
ほぼ一直線の岩場の急坂を登り、桶居山分岐点に着いた。小さな木札が2枚分岐道入り口の両側に付けられている。

12:00
264.2m三角点ピーク手前に「馬ノ背登山口」への分岐があり、南の尾根を下り鹿島神社の駐車場東側へ下りることが出来る。道標は「鹿島神社まで40分、高御位山まで50分、馬ノ背登山口まで30分」となっている。

馬ノ背分岐から高御位山を振り返る

ここには1枚の登頂記念プレートが下がっているが、山の名前が存在しないはずの「鹿島山」になっている。

  1. 鹿島山 登頂記念 大阪 山歩き四季の会 2005.2.14

12:05
三角点標石の手前に「鷹巣山 山頂 山を美しく! (ゴミは各自 持ち帰りましょう)」という文面が少し長い山名板が立ち、登頂記念プレートが3枚下がっている。

  1. 鷹ノ巣山 364m H.16.10.3(日)長谷川博(加古郡)(文太郎を偲ぶ会)
  2. 鷹ノ巣山 H13.5.20 TWVC 西田
  3. にこにこ山岳会 2002年12月23日 自然を大切に!

12:06
頭を赤く塗られ、角が大分欠けてきている264.2m四等三角点標石(点名:地徳)が道の真ん中にあり、写真を撮ろうとしていると、ちょうどその時すれちがったハイカーが三角点標石をわざと踏んづけて行った。思わずアッと声が出てしまったが、世の中には踏んでいけないものがたくさんあり、三角点標石もその内の一つだと信じていたので、受けたショックは大きかった。


長い下山が続く

三角点標石の西側からは「下って・登って・下って・登って・ほぼ水平道を行き・百間岩を下る・鹿島神社」と、これから歩かねばならない稜線を見渡すことが出来る。高御位山からの下山なのに、まだまだ登らなくてはならない。

あと何回登り返せばいいのだろう

12:33
マイクロウェーブ反射板(別所奥山反射板 近畿地方建設局)を通過。

12:36
送電線鉄塔(姫路火力東線 三二)を通過。

12:42
百間岩の上部で昼食をとることにする。コンビニおにぎりを食べていると、4人組の若者に追い越されてしまった。彼らは高御位山頂上から一緒に下山を開始したのだが、私が写真を撮っていると追い越して行き、しばらく行くと今度は休憩中の彼らを私が追い越してきた。

百間岩上部から(チタン鳥居は写真が小さすぎて見えない

13:02
食事を終えて下山を再開すると、百間岩が突然急になってきて、オーバーハング……。百間岩は来るたびに急になる不思議な岩だ。

突然オーバーハングになった百間岩
背景が不自然に見えるのは目の錯覚です

13:10
百間岩の登り口にある半円形展望台通過。その先はブランコやジャングルジムがある児童公園になっていたはずだが、いつのまにか遊具が撤去されている。

13:18
最後は六つほど続く赤い鳥居を通り、鹿島神社本殿左側に下山。以前は「鹿島自然公園入口 展望台・児童遊園・桜並木」の案内が鳥居の横にあったのだが、今はなくなり、蛙の石彫が登山口の番人をしている。

祢向栄福かえる(登山口の番人)

13:39
ひめじ別所経由の姫路駅前行きの神姫バスに乗り帰途に着く。乗客は私を入れて二人だけ。新し物が好きな私は、ひめじ別所で下車し、駅舎を見学後JRの電車に乗車する。



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