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伊勢山に新しい登山口ができました



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平成17年4月9日(土)  メンバー 私だけ

伊勢山 いせやま 353.0m

2万5千分の1地形図「姫路北部」「龍野」を参照すること。「前之庄」「安志」は今回のルート外だが、あった方がよいかもしれない。


登山口の「姫路打越木もれ日の森」

書写山の西を流れる菅生川沿いの道を、山陽自動車道との交差から北に700mほど進むと「姫路打越木もれ日の森」の案内がある信号機付き交差点がある。西へ入り道なりに進むと、緑台と名付けられた南北に長く延びる住宅団地に入る。

途中のため池辺りで道を間違えると、「太陽公園」という姫路市民でも知る人が少ないマイナーだが、入園者にもれなく大きなインパクトを与える有料(大人500円)公園がある。間違いついでに入ってみるのもいいかと思う。園内は広く隈なく巡ると3時間ほどかかるが、伊勢山登山をキャンセルした価値があるかもしれない。

迷わず無事に緑台住宅団地に着いたら、真ん中を流れる小川(三面コンクリート貼り)沿いの道を奥へ奥へと進む。終点は神姫バスの方転場となっている。「木もれ日の森」の駐車場(トイレあり)は方転場を通り抜けた先にあり、詰めれば5台ほど止められるスペースがある。当然ながら姫路駅前からここ緑台行きのバスも運行されていて、休日の昼間でも1時簡に2本ほどの便がある。

「姫路打越木もれ日の森」ヤマザクラ広場

姫路打越木もれ日の森案内図 面積56ヘクタール

この山は、尾根にはアカマツ、谷や斜面にはコナラやアベマキの落葉広葉樹がひろがっています。一部ではクマノミズキ、ケヤマハンノキもみられます。また春には可憐な花を咲かすヤマツツジやウンゼンツツジが各広場の周辺で多くみられます。散策路は広場を周遊し、いろいろな里山の環境を体験できるようになっています。途中、点在するノグルミの木立の中を沢が流れるノグルミ広場、最高峰から里山の全景や遠くは瀬戸内海を背景にした姫路の町が一望できる展望広場ほか2か所の休憩所があります。


たきび、たばこの吸殻やごみの投げ捨てに注意し、樹木を大切にしましょう。

【”ひょうご豊かな森づくり構想”に基づく里山林整備事業】
この地区は地域のみなさん方のご協力のもと、景観や多様な動植物を保全し、保健や森林学習の場に活用するため、県内の林地開発をした方の協力金により、森林の整備や歩道の開設などを行っています。

平成8年3月
兵庫県・姫路市・(社)兵庫森と緑の公社


緑台の東側尾根へ登る

9:42
「姫路打越木もれ日の森」に到着。今日は公共交通機関は使わずに自家用車でやってきたが、バスにすればよかったなと伊勢山西峰で悔やむことになる。駐車禁止の方転場に止められた車が3台あるがハイカーのものなのだろうか。奥の木もれ日の森の駐車場には1台も止まっていない。

9:46
装備を整え出発。伊勢山へは木もれ日の森から登るのがポピュラーだが、今日は緑台から東側の尾根に登り280.1m三角点ピークを経由して登ることにする。

しかし登山口が緑台住宅団地のどこかにあるのは知っているが、明確な場所は知らない。とりあえず、来た道を戻り、東へ橋を渡り山側の道を行くことにする。

9:55
団地内の山裾に沿い円弧を描く道の奥に、それらしきところを見つけた。木の階段は家庭菜園へ登るためのもので、登山口はU字溝を逆さに積んであるところだ。

緑台住宅団地内の登山口

U字溝を登ると幅広の道が尾根方向へ延び、青タフロープのマーキングも付けられている。道は地形図にも記載されている砂防ダムの南側を通り、途中で北へ分岐する道もあるがマーキングに従いまっすぐに尾根めがけ登っていく。

幅広の道が尾根近くまで延びている

団地が出来る前からの山仕事用の道なのだろう。軽自動車なら普通に走れそうなよい道で、細い踏み跡を予想していたので驚いた。

10:10
広かった道も尾根の手前で狭い道となり、ジグザグに少し登ると尾根に出た。

緑台東側の尾根に出た

尾根にも南北によい道が延びているが、伊勢山頂上から南下してきた人が、これ以上南へ入り込まないように木を積んでバリケードが築かれている。過去にここから南の231mピークまで行ったとき、ピークからはコシダが茂る中にうっすらとした踏み跡が南へ下っているのを確認してるが、どこへ下るのかは知らない。

この緑台への下山口にはたくさんのマーキングがあり、南側のアカマツに巻かれた黄色幅広ビニールテープには「緑台団地→」と書かれている。


展望の尾根は花盛り

歩きやすくそれなりに展望のよい尾根道のところどころに、ピンク色のコバノミツバツツジが華やかに、白いアセビが清楚に咲き誇って目を楽しませてくれる。

コバノミツバツツジ

アセビ

ヤマザクラやツバキも咲いているが、今日はミツバツツジのピンク色の派手さに完璧に負けている。

ヤマザクラ

ツバキ

10:30
緑台側がよく見える岩場に着いた。木もれ日の森駐車場が眼下に見え、ちょうど車が入ってきて5人ほどがヤマザクラ広場に入っていく。伊勢山に登るのだろうか。

展望の岩場その1

10:44
共同受信用テレビアンテナが立っているすぐ上が、280.1m四等三角点ピーク(点名:奥山)だ。周囲を木に囲まれ展望はないが、好ましい雰囲気のピークだ。

280.1m三角点ピーク

10:58
尾根は歩きやすいが、登り下りが明確で、つまり結構急な道が続く。一箇所だけ明確なY字分岐があり、西側へ尾根を外れるほうが幾分広い。この分岐にはなぜかマーキングが無いが、東側の道が尾根通しの道だ。

11:02
190m+鞍部南の地形図でも岩マークが付けられている岩場に着いた。東西とも眺望が広がり北には伊勢山も見える。

展望の岩場その2

展望の岩場を過ぎると、鞍部めがけ急降下が始まる。ジグザグに道が付けられているが砂の浮いた風化した岩場もあり気が抜けない。

11:10
190m+鞍部に着いた。ここで西の木もれ日の森から登ってくる道と合流する。案内板があり「ヤマザクラ広場へ 近道(約1km)→」とある。「近道」の意味がよく分からないが、私がここまで歩いてきた尾根の道が遠回り道とすれば近道には間違いないだろう。

木もれ日の森からの道が合流する190m+鞍部


マーキングが激減している尾根を登り伊勢山本峰へ

鞍部から北へは、両側を常緑樹に囲まれた展望の無い急な道が続く。右側にヌタ場現れる平坦地を過ぎると次の298mピークへと急登が続く。このルートを前回歩いたときはマーキングが非常に多かった記憶があるが、なぜか今日はあまり目に付かない。意識的にマーキングを取り除いているように感じられる。

11:46
メリハリの利いた登り下りをこなし、伊勢山本峰南側の尾根の肩に着いた。東側に地形図の「姫路北部」から「前之庄」の展望が広がっているが、「前之庄」を持ってこなかったので現在位置が今ひとつよく分からない。

11:53
伊勢山頂上に到着。三等三角点標石(点名:菅野)があり、周囲を植林に囲まれ展望は無い。来た道には黄色幅広ビニールテープに「東尾根まわり緑台へ←」、西へ下る道には同じくビニールテープに「←洞くつ10分 ←西尾根まわり緑台へ」と表示されている。

展望の無い伊勢山頂上

展望も何も無い地味なピークだが地形図に「伊勢山」と記載されているので登頂記念プレートがたくさん下がっている。よそ様が付けたプレートの裏や脇や隅や、マーキングのビニールテープにも登頂記念の文字が書き込まれている。

  1. 伊勢山 2003.1.18 神戸港山の会
  2. 平成16年2月14日 山遊会
  3. (上記プレートの裏に)好古学園 スマイルにこにこ会 2004年4月29日
  4. 火の用心 2004 H.O.K
  5. (上記プレートの脇に)12:30 ハレ 有難とう!! 16.11.24 和久 ユアサ
  6. (上記プレートの隅に)H16.11.6 TY
  7. (マーキングのビニールテープに)平日会 H16.2.?
  8. 伊勢山 353m H.16.12.12(日)長谷川 博(加古郡)
  9. 2005.2.12(土) 登頂記念 くもり Taku.K <単独> 2回目西尾根→沢へ
  10. (マーキングのビニールテープに)2003年1.12 揖保川町 安達

「神坐の窟」と伊勢山西峰

12:07
急な坂道を下りきった伊勢山西峰との鞍部に、南の谷へ下る道がある。前回登ったときは踏み跡だったが、今は明確な道になっている。谷を詰めてくるのが一番緩やかで、かつ最短距離のルートだろうが展望皆無で面白くないと思うが、どんな道なのだろうか。

12:09
鞍部から少し登り返すと「神坐の窟」への分岐がある。三方向に「神坐の窟 ←この先すぐ! −自然を大切に−」「伊勢山→」「西まわり下山道 緑台山桜の広場へ←」の表示がある。この地点で「伊勢山」の名称を使うと「伊勢山本峰」か「伊勢山西峰」か区別がつかず困る人もいるかもしれない。

12:10
「神坐の窟」の方へ下ると、立派な木の額縁が岩にアンカーを打って取付けられている。

額入りの注意書き

注 意!
岩場に登る皆様へ

この岩場は、自然の状態を保つために柵をもうけておりません。
岩場の上では、岩がぬれているときは滑りやすく、また、強風のときはバランスを崩しやすいなど注意が必要です。
安全には十分心がけてください。

ここの岩場でロッククライミングが流行っているのだろうか。そんな話は聞いたことがないし、一般のハイカー向けの注意書きなのだろうか。この辺にとりたてて危険な岩場はないし。注意書きの設置者名もないし何なのだろう。なおトラロープが張られた急下りには「空木城跡 緑台登山Gr」の案内札がある。

狭い入口から入ると中は広く、巨岩が上から斜めに覆いかぶさっている。大きく開いた窓の正面が採掘場になっているので、外の写真を撮るなら斜めに限る。

「神坐の窟」の入口

「神坐の窟」の大きく開いた窓

神坐の窟の奥側の高いところに小さな石像が三体祀られていて、不動明王・弘法大師・役の行者だ。

不動明王

弘法大師

役の行者

12:25
「神坐の窟」の上になる伊勢山西峯に登ると、そこにも額入りの注意書きがあり、台付きの解説版もある。

伊勢山西峯の解説板

この岩場は神座の窟《しんざのいわや》があり、山のふもとから目立つだけでなく、めずらしい植物の生育場所としても特徴があります。
岩場には、イブキシモツケやイワヒバ、シノブなど、この森を特徴づける植物が生育しています。

岩場に登ったら、注意書きや解説版のなぞが解けた。西側の麓に東屋と大きな表示板が立ち、そこから道が空木城跡へ延びている。どうやら新しい登山口ができて道が整備され、解説板や注意書きが設けられたのだ。空木城跡から新しい道で西麓まで下りてみたいが、登り返すのもしんどいし、緑台まで歩いて戻るなど不可能な距離だし、バスで来てたらよかったなと後悔。

伊勢山西峯の岩場

注意書きが言っている危険な岩場とは上の写真の所なのだ。確かに足を踏み外せば新聞に載ることが出来るだろうが、別段危険性は感じられない段差はあるが平坦な岩場だ。

岩場でコンビニサンドウィッチとおにぎりのお昼ご飯を食べていると、南の方から声が聞こえる。近づいてくる気配もないし、北西の空木城跡にいる5人ほどの声が風に乗って岩場で反射したのが聞こええるのだろうか。空木城跡からは直接声が聞こえてくるような気もするし不思議だ。


下山は西尾根

13:07
お昼を食べて写真を撮って、下山は西側尾根を下ろうと岩場の上の道を行くと、南端で4人のグループが休憩中だった。声が聞こえるのに近づいてこないわけだ。ここにも台付き解説板がある。

シバ群落

この付近には、少ない面積ですが、シバ群落が分布しています。シバは、通常放っておくとススキなどの群落に遷移しますが、この辺りでは、シバが頑張って生きています。
なぜでしょう?
シバが群落として成立しているのは、山に来る人たちが適度に踏みつけることで他の植物が育たないからです。

風化した滑りやすい急な岩場を慎重に下りていくと、コシダが茂る明るい雑木林を下る急な道となる。

伊勢山西尾根を下る

13:29
展望はないが、コバノミツバツツジがところどころで咲いているのを愛でながら下ると、20分ほどで植林の谷底に着いた。スギに「西尾根コース」と「東沢コース」の表示がくくりつけられている。

「西尾根コース」と「東沢コース」の合流点

13:34
「姫路打越木もれ日の森」の道と合流し山道は遊歩道となる。「ヤマザクラ広場 0.6km→」の案内がある。

階段道は「展望広場」へと登る

若葉の季節がまじかな遊歩道を行く

13:38
東尾根の190m+鞍部へと登る道の分岐点を通過。「←東尾根より伊勢山」の案内板がある。

13:48
渓流沿いの遊歩道を歩き、駐車場のある「ヤマザクラ広場」へと戻る。

ヤマザクラ広場


新しい登山口「伊勢 岩屋の森」

伊勢山西峰から見えた西側の登山口が気になり、翌日の日曜日に行ってみた。

国道29号線を姫路から安富町方向に進み、ポプラのある下伊勢の信号機付きY字路を北に入り3kmほど進むと「日本警察犬協会公認 甲子園警察犬訓練所」の看板が両側に立つ地道が、伊勢山の方へ斜めに入って行く。警察犬訓練所を左に見ながら、がたがた道をゆっくりと進むと「平成16年度 里山林再生事業(社)兵庫みどり公社」の工事中看板が現れた。

車を下りて砂利道を歩いていくと地図付き解説板と東屋のある「伊勢 岩屋の森」が現れた。

「伊勢 岩屋の森」全景

日曜日なのにユンボで地ならし作業をしている人がいる。その人が仕事を止めて話しかけてきた。森林組合の組合長をされている方で、自分のユンボを持ち込みボランティアで作業をしているそうだ。登山道などは完成したが、この周辺に埋まっているワイヤーなどのガラクタを掘り起こしているそうだ。

緑台からの登山道は、山主の意向で登山道の整備が続けられなくなり、今まで整備を続けてきた篤志家もこちらの方に協力しているとのこと。

5月8日(日)にオープニングイベントを開くのでぜひ来てくれ」と頼まれてしまった。焼きそばを焼くそうで、行ってみようと思っている。

作業を続ける森林組合組合長

伊勢 岩屋の森

この森は、古くから家畜のエサとなる草や薪、山菜などの採取場所として利用される里山でした。また、子供たちがかけまわる遊び場としても、伊勢の人々に親しまれてきました。
しかし、生活のスタイルの変化や電気等の普及により、人々はこの森から離れていってしまいました。
そのため伊勢岩屋《いせいわや》の森では、人々が森と再び関わりを持てるきっかけとなるように散策路をつくり森の手入れにとりかかりました。
この森には、眺めの良い神坐の窟《しんざのいわや》や空木《うとろぎ》城跡、たくさんの生き物の住むコナラ林、風が気持ちよい尾根沿いの散策路など、森の楽しみがたくさんあります。
いろいろ楽しむことができるこの森は、私たちの宝でもあります。この森を訪れたことをきっかけとして、森づくりを始めてみませんか?思わぬ宝を見つけるためにも。

(姫路市林田町上伊勢字岩谷)


たきび、たばこの吸殻やごみの投げ捨てはやめましょう 木や草花は大切にしましょう。

【「新ひょうごの森づくり」に基づく里山林再生事業】
伊勢 岩屋の森では地域の皆さんのご協力のもと、森林整備や歩道の開設などを行いました。環境学習や健康増進など、訪れる皆さん各自のスタイルでこの森との関わり合いを深めていってください。

平成17年3月
兵庫県・姫路市・(社)兵庫森と緑の公社

伊勢 岩屋の森案内図

散策路(風起《かぜおこし》の道)と尾根沿いの道(縁《よすが》の道) とで三段階の周回路を形作っているようだ。

緑台ルートよりも短時間で登ることができ、これからの伊勢山の登山口はここが主流になるだろう。ただ休日のバスの便はきわめて悪く、国道29号線のバス停から3kmほど歩かねばならないのが欠点だ。



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