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笛石ならぬ猫石のある「笛石山」



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平成17年8月6日(日)  メンバー 私だけ

笛石山 ふえいしやま 894.6m

2万5千分の1地形図「西河内」を参照すること。


登山道が出来たんだ

三室山などに登るために千種川沿いの道を北へ走る時、千種の町を過ぎると西側に形の整った山が現れる。笛石山(千種富士)だ。

登山道がなく登るのが困難な山だったが、2年前に登山道が整備され、つぐ丸のひとりごと日記で今年の4月に登った記録を見つけた。以前から登ってみたい山だったので、猛暑を避けるため早起きして登ってきた。

千種川の笛石橋近くから見た笛石山
彫刻は空充秋の「馬鹿話ばかのわ」


松の木公園から登る

6:00
姫路から1時間半ほどかけ、宍粟市千種町の「松の木公園」に到着。ここから始まる「板馬見渓谷」沿いの林道を数キロ入ると「後山」への登山口もあるし、「平成大馬鹿門」へ行くことも出来る。

松の木公園にはトイレもあり、行者霊水は35リットル100円となっている。

行者霊水

この霊水は行者修験西の大峯山ともいわれている後山(通称 板馬見山)渓谷、約500mの奥地で花崗岩をボーリングし、地下26mから湧出するまろやかな自然水であらたかな霊水であります。

板馬見山自然水源開発協議会

ご愛飲の皆さん

この行者霊水は後山行場約500mの奥地で地下26mのボーリングにより、自噴させている自然水です。皆さんにご利用して頂く為食品衛生法の定めに基き日本油料検定協会の水質検査を受けておりますが安全のため早めにお飲み下さい。
なおこの施設管理のために管理料金を頂戴しておりますがご了承の程ご協力下さい。
出水量は1回約35リットルの設定をいたしております。
今後も引続いてご愛飲の程お願い申し上げます。

8月21日(日)に三室山などの登山を考えている人は、9時半を過ぎるとここから北に入れなくなる。要注意。

車両通行止
のお知らせ
ちくさ高原マラソン全国大会開催のため
21 (日)
9:30〜13:00
松の木公園〜ちくさ高原間
宍粟市千種町・ちくさ高原マラソン全国大会実行委員会

6:28
コンビニで買ってきた弁当を食べてから、登山開始。弁当の量が多いのに全部食べてしまい、お腹がもたれつつ出発。

松の木公園を出発
鳥居横の彫刻は空充秋の「大馬鹿之和」

6:35
簡易舗装された林道に入ると「迎え行者」像・千種発電所の導水鉄管・不動明王を祀る堂・西大峯教霊山千種行者護詰所の小屋と並び、「鉈取りの淵」の手前に大きな「笛石山登山口」案内板がかかる、黄色い欄干の橋が渓流にかかっている。

渓流にかかる橋が笛石山への登山口


暗い谷道を登る

橋を渡った先きは植林の斜面で、幅1mほどの道が続いている。それなりに整備された登山道で、少し急なところは丸太の階段があり歩きやすい。

6:42
登山道は谷沿いの道になり、流れにかかる丸太橋を渡る。水量は少なく滑りやすい丸太橋をこわごわ渡るより、下りて渡った方が簡単だ。

早朝で、曇っているせいもあるが薄暗く、ヒルがいそうな谷道だ。モンベル姫路店で仕入れた「ヤマビルファイター」を登山靴にスプレーしたのが効いたのか、はたまたヒルがいなかったのか、被害に会うことはなかった。

丸太橋を渡り(実際はもう少し明るい)

渓流沿いを登る

谷道は風が全く通らず、気温は25度ほどとそれなりに蒸し暑いが、登山を断念するほどではない。

6:47
2本目の丸太橋を右岸へと渡る。植林が一部間伐されて明るいところもあるが、ほとんど手入れはされてなく木々は細い。

少しだけ空が広がっているところがあった

6:59
「笛石山↑」の案内が脇の木から下がり、登山道は谷から離れていく。ようやく暗い谷から尾根に登るのかと喜んでいると、もう一度谷に近寄ってから、ようやく尾根に登り始めた。

少しでも急なところは丸太階段が、それ以外は斜めに登ったり、九十九に登ったりで、緩やかに登山道が付けられている。

テープ類のマーキングは皆無(植林の手入れ用に付けられたピンクテープはある)だが、整備された登山道には利用者は少ないものの明確な踏み跡が続いている。もしも道を見失ったら、道と分かるところまで引き返して周囲を探せば、目的の登山道を必ず見つけることが出来るだろう。但し積雪期にこの道を辿るのは、私には不可能だろう。

植林の斜面を尾根へと登る

7:19
登山口から45分、太いマツの木が残る尾根に出た。マツ以外の木々はひょろひょろの植林ばかりで、広い尾根でもあり周囲は全く見えない。登山道に頼りきりで進行方向・現在位置の確認をおろそかにしているが、とりあえず高い方に登っているので間違いはないだろう。

マツが残る植林の尾根道

7:30
登山道は尾根を乗り越え、雑木林の斜面を行く。このへんは北側は植林で、南側には雑木林が残っているようだ。全部がこんな道なら楽しく歩けるのだが、如何せん笛石山は植林が多すぎる。

雑木林の斜面を行く登山道

7:39
「十二」と刻まれた石杭がある尾根に出た。先ほどの尾根は支尾根で、こんどのが笛石山頂上から東北東方向の508m標高点へと延びる主尾根だ。

ごく緩やかな尾根を少し登ると「十一」石杭の先は小鞍部となり、風の通り道のようで多くの木々が南側に倒されている。ここまでほとんど風がなかったが、気持ちのよい風が吹き抜けちょっと長めの休憩をとることにする。木々の隙間から南東方向に千種町がかいま見える。

風の通り道になっている尾根


一転して展望の尾根を登る

8:01
尾根南側の木々が何故かなくなり、展望が広がりだした。植林の中を頂上まで行くのかと、落ち込んでいた気持ちが回復し、少しだけ元気になってきた。遠望は利かないが、植松山の西側の標高千メートル越すが、三角点もなく名前も知らない山が大きく見える。

奥の山が植松山

うるさく付きまとう一匹のアブが現れ、展望を楽しめなくなってしまった。棒を振り回しても逃げようとしない。登山道からそま道へと逃げ回っているうちに、どうにか巻くことが出来た。

8:23
そま道から間伐された木々を乗り越えて尾根に復帰し少し登ると、道が分かれ案内板が二枚ある。「←猫石」、「←笛石(すぐそこ) 後山頂上→」。猫石または笛石が左手すぐにあることが分かるが、「←猫石」案内板は厚板を彫り込み、色を入れたなかなかの力作だ。

「←猫石」案内板

8:27
笛石山頂上近くの、それなりに急な南側斜面に「猫石」があった。周囲の雑木が切り払われ、高さ3mほどの岩が突き出している。

猫石

おそらく猫の姿形に似ているので付けられた名前だと思うが、上から見た限りではどこが耳でどこが尾っぽだか分からない。下から見たら一目瞭然なのかもしれないが、登り返すのがいやで下りなかった。今思えばなぜ下りなかったのかと後悔するのみだ。

猫石の上面は平らで登って、立つなり座るなり出来そうだが、「単独登山者は無用な危険は回避すべし」の信念に基づき見るだけにした。今思えばなぜ岩に登って笛を吹かなかったかと後悔するのみだ。

8:48
引き返して、幾分急な道を6分も登ると、登山口から2時間と13分で「笛石山」の頂上に到着した。三等三角点標石(点名:笛石)と「笛石山、山頂 標高894M」の大きな板が下がっている。ここが笛石山の頂上に間違いないのだが、「後山コース」の案内板がある北西に続く尾根の方が明らかに高い。しかしこの地点が、秀麗な千種富士の麓から見える頂上に間違いない。

笛石山頂上から北を見る

頂上からは全開の展望はないが、北には三室山などが見える。が、相変わらず遠望は効かない。恒例の頂上にあった登頂記念プレートを公開する。

  1. 笛石山 894.6m 千種富士 2001.4.14 登頂 H.I.Y
  2. ■■■■ 2001.4.14 日野、矢作、池上
  3. 千種中 ゴミひろい ■■■登山記念 2002.11.18 《15人分ほどの名前は省略》
  4. 笛石山 894.6M H.17.6.18(土) 長谷川博(文太郎を偲ぶ会)

3年前に麓の千種中学校の生徒たちがここまで登ってきているが、そのときには登山道があったのだろうか。なお■■部分は伏字ではなく、なぜか焦げていて判別できず。

登る途中にもあったが、頂上にもリョウブの白い花が地味に満開に咲いている。

リョウブの花


下山はピストン

9:05
笛石山に敬意を払い、後山などに行くことなく登ってきた道を引き返すことにする。というか、このまま登り続けたら早朝登山が普通の昼間登山になってしまうのもあるが。

9:07
2分ほど下ると、コケの生えた白っぽい大きな岩がある。そこから急な雑木の斜面を覗き込むと、赤テープのマーキングが付けられた木が近くに1本、だいぶ下に1本見える。踏み跡も何もない斜面だが、マーキングを辿れば下界に下りられるかもしれない。しかし、登山道は白い岩を反時計回りに半周程してから下っている。後山から笛石山へと下ってきたら、要注意のポイントだ。

9:18
展望の尾根から植林の尾根へ入る記念に写真を1枚撮る。

下りは13分で植林の尾根に入ってしまう

9:37
主尾根から支尾根へ移る雑木林で、水音が聞こえてきた。谷はまだまだなので、なんだろうなと思いよく聞いてみると雨音だった。枝葉に遮られて水滴は落ちてこないが、音からすると結構降っているようだ。後山に行かなくて正解だった。

9:53
谷まで下ると、カッパを着るほどに降り始めたが、もうすぐだし、着たら暑いしで、そのまま下ることにする。

10:13
登山口の渓谷にかかる橋まで下る。頂上から1時間8分。

松の木公園に戻り、濡れたシャツを着替え、エーガイアでお風呂に入り蕎麦でも食べようと車を出す。しかし残念ながらエーガイアの営業は12時から。千種高原温泉にするか、山崎町の生谷温泉にするか迷うも、戻るのはめんどくさいので生谷温泉へ向かうことにする。

生谷温泉で食べた名物の鴨酔

これにて播州野歩記、山行記録第200篇の終了。お粗末さまでした。



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