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三度目の三室山は晴れだった



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平成17年8月27日(土)  メンバー 私だけ

三室山 みむろやま 1358.0m

2万5千分の1地形図「西河内」を参照すること。


トリガタワ越え

過去二回、三室山に登ったが、二度とも雨に降られ、頂上は白い世界に囲まれ何も見えなかった。

兵庫県の天気予報は晴れ。しかし前の二回ともに姫路市は雨粒など一粒も降らない快晴のよい天気。どんなに天気予報がよくても、千種町北部の天気は油断禁物だ。

姫路市から千種町へは、a)新宮町から相坂峠・卯ノ山峠を越えて。b)山崎町から切窓峠・八重谷峠を越えて。c)波賀町まで北上し国道429号線でトリガタワを越える三つのルートを今までに利用している。今回は、c)のトリガタワ越えにする。道幅は狭く波賀町側は急な曲がりくねった登りが続き峠道らしい道だが、もうじきトンネルが開通したら峠越えをする人などいなくなるだろう。

6:02
姫路市内から出発し1時間と少々、波賀町と千種町の境のトリガタワに着いた。早朝でもあり峠を抜ける間に1台の車にも出会わなかった。

トリガタワ峠には、全国最高濃度のダイオキシンを発生させた焼却炉がある宍粟環境美化センターへの進入路と、トリガタワの名前の由来を記したモニュメントがある。

鶏冠のあるトリガタワのモニュメント

トリガタワの由来

その昔、千種町岩野辺と波賀町斉木との境界の峠に観音様をお祀りしたお堂があり、両町から村人が参っておりましたが、ある日、双方の村人がお互いに自分の村にこの観音様を持ち帰りお祀りしたいといいだし、この峠で話し合ったがどちらも譲らず夕方になっても決着がつかないので古老の提案で、明日の朝一番、鶏の声を合図に村を出て早くここに来たほうが連れて帰ることで話し合いがつき、夕闇の中、それぞれ村に帰っていきました。岩野辺の人々が山をおり高橋の所まで帰ったとき、急にあたりが夜明けのように明るくなり大石の上で黄金の鶏が目前に現れ大きく羽撃き、「コケコーロー」と天に向かって鳴いたので村人は大変不思議なことが起こったと驚き、これは、観音様が岩野辺に来たいというお告げに違いないと、早速引き返して観音様を大切に持ち帰りお祀りしたそうです。
これが現在、岩野辺福海寺の本尊だと言われており、その頃からこの峠を「トリガタワ」と呼ぶようになったそうです。

6:30
兵庫県立三室高原青少年活動センターの駐車場に到着。気温は20℃もなくひんやりしている。高原はもう秋だ。コンビニで買ってきたパンを食べ朝食にする。


最初は林道歩き

6:56
駐車場の傍らに「三室山登山口」と大きな看板が上がる東屋がある。中にはオーブントースターを再利用した登山届け入れがある。

お願い

三室山へ登られる方は必ず「登山届け」に必要事項を記入してから登ってください。
また、下山後も“下山が完了した”旨の記入をお願いします。

兵庫県教育委員会
千種町教育委員会
山崎警察署

青少年活動センター駐車場を出発

オーブントースター型の登山届け入れ

車はもう少し奥まで入れるが、今までの苦い経験により無理をすると、ろくなことがないのを学んでいるので、ここからの出発とする。

狭い林道は舗装され両側に白線まで引かれた立派な道になっている。しかし2分も行く舗装は途切れて地道になるが、坂道はコンクリートの簡易舗装がなされていて、普通車でも楽に入っていけそうだ。

*ポイントE(なぞなぞ)*

キツネとネズミがあいさつするとあらわれる生物は、なにかな。

三室高原野外活動センター

7:08
道端に「なぞなぞ」が掲示されている。以前の「E 山からの新鮮な水を一口飲んで温度をあててみよう」の木板の上に張られているもので、読み終えるまでには答えが解ってしまった。

7:14
車が入れる限界点にある駐車スペース(5、6台は止められそう)には京都ナンバーの三菱パジェロジュニア(車名を調べるため三菱自動車のサイトを見て、今売られているのはパジェロイオと名前が変わっていることを初めて知った)が止められている。どうやら先行者がいそうな雰囲気だ。

林道はさらに続く

急カーブの自動車進入限界点から先も林道が続く。急なところは水の流れにえぐられ歩きにくく、両側を植林に囲まれ変化のない緩やかな道を黙々と登る。


植林の中の登山道

7:32
駐車場から36分かけて、ようやく実質的な三室山登山口に到着。フェンスが倒れ壊れかけているように見える水道施設の横から登山道が始まっている。

70分と100分では半時間も違う

林道奥の三室山登山

山頂まで70分」の案内があるが、後から「100分かかる、下り70分」と書き加えられている。私の場合は1回目は90分、2回目は94分、はたして今回はどれくらいで登れるだろうか。

最初は谷道で、渓流から少し離れた植林の中に、ほぼ真っ直ぐに道が付けられている。

最初は植林の谷道

山側には少し離れて太いパイプが平行して延びている。前回登ったときにはなかったと思うが、きれいな水源を求めて水道施設も山の上へと登ったのだろうか。

折れそうな丸太橋

7:41
昔はもっと太かったが、朽ちてやせ細り、乗ると折れそうな丸太橋で左岸へと渡ると、暫く渓流沿いの悪路を進む。前回・前々回の雨中登山の時は、道か川か分からないような登山道だったが、今日もよい天気にもかかわらず少しだけ水が流れている。

7:47
渓流沿いを登って行くと、登山道は流れを右岸へと渡る。この辺りが三室山登山道の中で唯一分かりにくいところだが、一段上の左手の白っぽい大きな岩に「赤矢印」が書かれているのを目印にすればよいだろう。

この岩の所で再び流れを渡る

大岩の脇に「山頂まで60分」の案内板があり、流れを渡ると渓流脇のガレ場を登れそうだが、左手に見える「ゆっくり登ろう 守ってネ愛してネ三室山 来た時よりも美しく」のプラスチック板の先で、引き返すように植林の斜面に道が付けられている。

谷を離れ尾根を目指すのかと思いきや、登山道は折り返して水音を聞きながら登っていく。

8:03
もう一つの「ひと休み ゆっくり登ろう 守ってネ愛してネ三室山 来た時よりも美しく」のプラ板から7分も歩くと、植林の細い木々がが伐られていて、麓を覗くことが出来る。この辺りからようやく水音が聞こえなくなり、谷から離れていく。

外の世界が始めて見えた

8:04
積雪期の登山に役に立つだろう赤ビニールテープが所々の木に巻かれているが、黄色ビニールテープにテプラの緑テープで「Jo Mei Hiking Club」と打たれたものが貼り付けられている。山頂に登頂記念プレートを残す自己顕示欲の高い人々はそれなりにいるが、マーキングに名前を残すという新たな手法を編み出したハイキングクラブがあるようだ。

こんなことまでして名を残さなくても

細い木に付けられたプラ板を見る、あと30分かな

8:10
また「ひと休み ゆっくり登ろう 守ってネ愛してネ三室山 来た時よりも美しく」のプラ板が木から下がり、「アト30分 16.9.11山田」と書き加えられ、さらにその分数を50とか40とかに書き換えてある。おまけに「三和会H16.10」とも書き加えられている。新たなゴミを増やさない心掛けはいいが、他人の褌で相撲をとるのは見苦しい。

実を言うと、私はここから80分かけて頂上まで(休憩・写真撮影の時間を含む)登ったので、私にとってはどの数字も正しくなかった。

植林の斜面を右に行ったり左に行ったりと、登山道は緩やかに登っていく。所々で外界を覗けるが全開の展望地はなく、私のとってはあまり面白い登山道ではない。

8:34
ブナの木が現れ、よい雰囲気になるかなと思うと植林に戻り「山頂まで30分」の案内板が現れるが、これにも「50分はかかる」と書き加えられている。

黙々と植林の中を登り続ける


ロックガーデン、熊岩、鎖場、ブナの木

8:46
ロックガーデンと呼ばれる大きな岩が集まっている場所まで来た。周囲の植林の中に巻き道があり楽に登れるが、ロックガーデンの大岩の間を登ることにする。こういう岩場が麓から頂上まで続いていたら楽しいだろうなと思いながら、写真を撮りながらでも数分で通り抜けてしまった。

ロックガーデン(その1)

ロックガーデン(その2)

8:55
ロックガーデンを抜けると幾分急になってくる。シャンシャンと前から鈴の音が聞こえてきて、先行していた登山者とすれ違う。これで三室山のここから上は私だけの世界になった。

9:03
「熊岩」と呼ばれる岩への急な直登ルートがあるが、単独登山者の私は危険を避けるために、ロープの下がる巻き道を登って熊岩へ行く。

巻き道から熊岩へ行く

ストーンと周りが切れ落ちた熊岩の上からは大展望が広がっている。三室山の最良の展望地の熊岩の上は平らで数人は座れる。しかし、足元から始まるあまりの展望のよさにお尻がむずむずして落ち着かず、10分ほどで休憩を切り上げる。

9:17
山頂まで10分!!」の案内板の先には、高さ2mほどの岩壁が待ち構えている。足の長さに不自由している私にとっては高い位置だが足掛かりもあり、鎖も下がっているので、よじ登るのは比較的簡単だ。(かなり急だがこの岩壁を巻く道もある)

鎖を掴んで、さあよじ登るぞ

鎖場の先は少し緩やかになり、ブナが混じる天然林になる。こんな感じが麓から頂上まで続いていたら、三室山はもっと楽しく、もっと沢山の人々が登る山になっていただろう。しかし残念ながら、ブナが残るのは頂上の近くの狭い範囲だけだ。

頂上近くのブナ林を行く(その1)

同じく(その2)

9:29
今も使われているのだろうか、芝生張りのパラグライダーの離陸場の脇を通る。麓が見下ろせるが、ここからパラグライダーで飛び立ったら、どこに着陸するのだろうか。道から離れた山中に下りてしまったら大変そうだな。

頂上近くのパラグライダー離陸場


全開の展望の三室山頂上、そして下山

9:32
最後は笹を掻き分けて三室山の頂上に到着。駐車場を出発してから2時間36分、ちょっと時間がかかりすぎたような気もするが、手間隙のかかる自分撮りを13回もしたことを考慮すると以外に早く着いたとも言える。

三室山頂上は登ってきた方角を除いて全周の展望がある。しかし、山だけしか見えない。どの方向を見ても同じような山ばかりでアクセントになるものがなく、「うわっ凄いな」という感動がない。

前二回の三室山登山は、悪天候で視界が閉ざされ真っ白な世界しか見ることが出来ず、その反動で期待が大きすぎたのもあるだろうが、少しがっかりした。

三室山頂上、景色は登ってみてのお楽しみ

三室山頂上の事物の紹介。

  1. 角が欠けた二等三角点標石(点名:三室山)
  2. 氷ノ山後山那岐山国定公園 三室山 1358m 1977 上郡町 松本隆雄《ステンレス厚板》
  3. 双鶴山歩会《木製、下部は欠損》
  4. 三室山登山 1358M H16.10.17 西脇東卆.山和会 岡田 酒井 長浜 林 広田 山上(春) 山上(英)《木製》
  5. 火の用心 H.O.K 2005《木製、赤塗り》
  6. 山求山楽 二人旅(堺)H.17.5.15《木製》
  7. 三室山 1,358m 登頂記念 加古川おしどり H.17.5.17《木製》
  8. 2004.6.5 三室山1358m 後藤浩治 真知子《ステンレス薄板》
  9. 自然を大切にしよう 三室山1.358m 神戸ヒヨコ登山会 松本《木製》
  10. 三室山 一三五八メートル 1997《木製、公設か》
  11. 2005.8.12 明登会.Y.T《上記の裏に書き込み》
  12. 三室山 H17.3.12 長谷川博《木製、黄塗り》
  13. ■砂ハイカーズクラ■ H.O. H13.3.3《一部解読不能、アルミ製?》
  14. 三室山1358 K&M '05-4-29 Akashi《木製》
  15. 三室山登頂記念 2005.5.15(日) Taku.k 単独 3回目《木製》
  16. 第九十六回ジュニアキャンプ H17.8.15 金岡賢三 青木大地 鈴木雄大 中尾一斗 原田道乃 松尾由佳 スタッフ 米井美佳 原田誠人 PD 藤井義信 隊長 上野道男 「生きる力を鍛えるキャンプ」《木製》
  17. 三室山 F&F山楽会《木製、茶塗り》
  18. 三室山1358m Y.O 2001.4.28《木製》

さすがに兵庫県第二位の高峰、沢山ある。材質もステンレスからアルミ、木材までとバラエティに富んでいる。

10:00
下山開始。積雪期には大通峠へ下ることも可能だが(私は雪の三室山に登ろうなど思わないので、実現しないが)、登山道が一本しかない三室山は登ってきた道を引き返すしかない。

下る途中で男性単独3人、男2人と女2人のグループと出会った。そのうち男性単独(外人)は最後の渡渉地点から道を外し、渓流脇のガレた急斜面を登って登山道に復帰したところで出会い、挨拶すると「えらいねぇ」と言いながら登っていった。

11:19
水道施設の脇から林道に出る。

林道途中の駐車可能場所には、朝のパジェロジュニアに変わり、トヨタランドクルーザーが止められている。

11:43
頂上から1時間43分かけて青少年活動センターの駐車場に帰り着いた。気温は終始20℃以下と涼しく、天気もよくて楽しい三室山登山を楽しむことができた。


千種高原ネイチャーランドへ

千種高原スキー場へと車を走らせ、レストハウスのラドン温泉につかり、お昼御飯を食べる。

千種高原温泉

そうめん定食

以前は狭くお世辞にもきれいな浴室ではなかったが、入浴料300円の高原温泉は最近改装されたようで、狭いのはそのままだが、とてもきれいな浴室になっている。穴場的な温泉なので入浴客は少なくゆっくりと過ごせ、登山後にはお薦めだ。

レストランはスキーシーズンには完全セルフサービス制になるのだろうが、今はテーブルまでウェイトレスのお姉さんがちゃんと運んでくれる。一人で車で来たのでビールを飲めないのが残念だが、900円のそうめん定食を美味しく頂いた。



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