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千ケ峰、神崎町から登り加美町へ下る



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平成17年10月1日(土)  メンバー 私だけ

千ケ峰 せんがみね 1,005.4m

2万5千分の1地形図「生野」「丹波和田」を参照すること。


千ケ峰を山越えする

神崎町側から加美町側へ(または逆から)千ケ峰を越えようと思うと、単独者は公共交通機関の神姫バスを利用するしかない。かなり前に神崎町の多田坂登山口から千ケ峰頂上を経て市原峠の加美町側登山口まで往復したことがあるが、今回、麓から麓までの完全山越えを目指し計画を立ててみた。

神崎町側のバスの便は加美町側よりも幾分不便で、往路に利用することにした。神崎町側には3ケ所ほど登山口があるが、ダイレクトに頂上へ登る石風呂コースとし、至近のバス停は神姫グリーンバスの「作畑」だ。


6:50 姫路駅前 〜  8:01 粟 賀   1,030円
8:05 粟 賀  〜  8:36 作 畑     670円

姫路駅発6時50分の次の粟賀行きは2時間後の8時50分で、平日の粟賀での待ち時間が約1時間半、作畑に着くのは12時00分になってしまい具合が悪い。(ただし土日祝日は粟賀発10時30分〜作畑着11時01分があり、姫路発8時50分も利用可能)

復路のバス停は三谷登山口なら「門村」、市原登山口なら「丹治」バス停となる。終点手前の「西脇」で乗り換え「三宮」へ出るか、さらにもう一回「社」で乗り換え「姫路駅前」まで戻る方法もあるが、終点の「西脇市駅」から加古川線に乗るのが一番早いだろう。(丹治〜門村は1分で門村から乗ると料金は30円安くなる)


13:18 丹 治 〜 14:11 西脇市駅 14:49 〜 15:34 加古川駅 15:47 〜 15:58 姫路駅
15:18 丹 治 〜 16:11 西脇市駅 16:49 〜 17:35 加古川駅 17:50 〜 18:00 姫路駅
16:18 丹 治 〜 17:13 西脇市駅 18:39 〜 17:50 加古川駅 18:50 〜 19:00 姫路駅
                    丹治〜西脇市駅 930円  西脇市駅〜姫路駅 820円

13:18のバスだと行程に余裕はないが、15:18のだと2時間ぐらいどこかで時間調整しなくてはならない。とりあえず15:18のに乗ることにする。

姫路駅からの周回の運賃の合計は2,420円となるが、神姫バスの通勤定期券を持っていると土日祝日の運賃が1乗車につき100円になるというエコ定期券制度を利用し、さらに加古川・姫路間は通勤定期を利用するとわずか870円となる。


10月1日より時刻表が変わります

7:56
計画通り6時50分姫路駅発のバスに乗り、粟賀には定刻より幾分早く到着。

待合室に入り時刻表を見ると8時5分発の作畑新田行きが8時50分発に変わっている。張られている掲示を見ると「10月1日から土曜日の作畑新田行きの時刻表が一部変更になる」とある。「あれま、乗ろうと思ってたのが変更になっているのか。まあいいか。」と待合室のテレビをつけて完全に待機体制に入る。

しかしなぜか、すぐに作畑新田行きのバスが待合室前に乗り付け、あまつさえ運転手さんが待合室に入ってきて「お客さんどちらまで」と聞いてきた。「そのバスですけど」と返事をすると、「発車時刻を過ぎているから早く乗ってね」という。私が時刻表を指し示し「今日から50分発に変わっていますよ」というと、運転手さんは運行管理係に確かめ行き、時刻表が間違えていることが判明した。「05」を「50」と張り間違えていたのだ。

8:10
定刻より5分遅れで作畑新田行きのバスは発車。乗客は私だけで「お客さん、千ケ峰に登るの」などと声をかけてくる。話をしていて石風呂コース登山口にある「越知谷第二小学校」が廃校になり越知谷第一小学校と統合され越知谷小学校になったことを知る。途中で一人乗ってきたが、作畑の手前で下車してしまった。

8:35
作畑までの道は狭いが。運転手さんの巧みな運転で定刻より少し早く到着。3月に閉校した越知谷第二小学校の校舎の時計は3時49分で止まり、窓には「ありがとう越知谷第二小学校」「さようなら越知谷第二小学校」「いつまでもみんなの心の中に」と張られている。

閉校した越知谷第二小学校

粟賀発の作畑新田行きのバス時刻表(午前中のみ)
平 日  8時05分  11時29分
土曜日  8時05分  10時30分
日祝日  8時05分  10時30分(12月1日から3月31日運休)

今日から土曜日の11時29分発のが10時30分発に変更になっているようだ。

神姫グリーンバスの時刻表は神姫バス時刻・運賃検索「のぞみNavi」には掲載されていなく、変更される可能性もあるので神姫グリーンバス粟賀営業所(0790)32-1021に必ず問い合わせること。


石風呂コース登山口へ

8:39
越知谷第二小学校の反対側、越知川にかかる石風呂橋のたもとに、大きいのと小さいのと2枚の案内板が立っている。

笠形千ケ峰県立自然公園
千ケ峰登山道

−−−→

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
千ケ峰登山道
山道まで約30分
石風呂コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

越知川の石風呂橋を渡る

石風呂橋を渡り、数軒の民家を過ぎて越知川にそそぐ支流の橋を渡ると地道の「林道石風呂線」になる。

9:49
獣よけの扉を開け閉めして林道を進む頃から道端に白い小さな花が目立つようになる。アケボノソウというリンドウ科のセンブリの仲間の花だ。小さな花だがよく見ると複雑な模様があり、緑色の部分には蜜腺があるという。

アケボノソウの脇にさらに小さな小さな花をつけたマツカゼソウが咲いている。実はどちらの花も名前を知らず、帰ってから植物図鑑を開いたり、ウェブで調べようやく花の名前が分かった。

アケボノソウ

マツカゼソウ

林道は普通車でも十分に走れそうだが、わだちの間にもススキが茂っているところもある。しかし、穂が擦り切れているところを見ると、それなりの数の車が入っているようだ。

林道石風呂線を行く

ススキが茂ったこんなところも

9:22
途中の怪しい山道や植林の中へと登る鉄階段もあるが、全て無視して本道を進むと車が数台は止められそうな広場があり、ここから先は細い作業道が続いている。この付近にはイタドリやベニイタドリの花が咲いている。人間でも食べることが出来るくらいだから、虫にも大人気のようで葉っぱは虫食いの跡だらけだ。

イタドリ

ベニイタドリ

千ケ峰登山道

神崎町・神崎町観光協会

この広場からはコンクリート簡易舗装の急な狭い作業道(石風呂作業路)になる。四駆なら登れそうだが、残念ながら、すぐ先で落石により道の幅が狭くなっていて通行出来ない。ただし四駆の軽トラなら登山口に横付け出来るかもしれない。

林道から狭い作業道に変わる

9:36
作業道を10分も行くと右カーブの外側に案内が二つ立ち、そこが石風呂コースの登山口となる。バスを降りてから、ここまでに1時間かかっているが、脇目も振らずに歩くことのみに専念すれば30分ぐらいかも知れない。

←登山口
越知体育委員会 H13.10.21(裏側)

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
千ケ峰登山道
沢の橋まで約5分
石風呂コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

石風呂コース登山口

かなり前に、ここから登ろうとしたときは明確な案内がなく、作業道の終点まで行ってしまったことがある。その時は、終点で登山道を探すもあるわけがなく、諦めて帰る途中でこの登山口をどうにか見つけることが出来た。


千ケ峰頂上へ

植林の中の沢沿いの道には草が生い茂り、登山道を覆い隠そうとしている。私はここを通るのが数度目なので気にならないが、初めてここから登る人なら大丈夫だろうかと心配になりそうな雰囲気だ。

沢沿いを草を掻き分け進む

掻き分けるのは「ミカエリソウ」

この「ミカエリソウ」も帰ってから名前を知ったが、「群生する花穂が美しく、思わず見返ることから命名されたと言われています」(植物園へようこそ!の解説文より)というのは信じがたい。確かに咲いている花の部分だけを見ればきれいかもしれないが、葉っぱは虫に食われ穴だらけだし、足元にウジャウジャ生えていて歩くのに邪魔だし、好きになれそうもない。

9:45
渡渉地点に着いたが、流れはか細く何も問題はない。前後に案内板が立っている。

千ケ峰登山道

神崎町・神崎町観光協会

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
千ケ峰登山道
尾根まで約15分
石風呂コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

前者の神崎町・神崎町観光協会の案内板の「赤い矢印」は、これから先の登山道の勾配を示しているようで、ここのは水平だが、急登の手前では矢印がグッと上を向いている。

後者のグリーンエイト協会のは、次に案内板がある「場所の呼び名」とそこまでの時間が分かるが、肝心の案内板自身が立っている「場所の呼び名」は分からず、下ってきたらさっぱりな案内板だ。ちなみにここは一つ手間の案内にあった「沢の橋」なのだろう。

9:50
沢を右岸へと渡り、まるで引き返すかのように下流側に水平に進む。沢よりもだいぶ高い位置で支流を渡り、支流の右岸を登るとようやく尾根へと登り始める。すると今は無き越知谷第二小学校の案内板がある。

▲あと75分 オチ二小 '97 ※※※

縞々のシマヘビが登山道を横切って行くと、尾根への道はきつくなってくる。植林は間伐されているため暗くはないが、もう少し緩く道を付けられなかったのだろうか。息が上がってくる。

もうすぐ尾根だ

10:00
案内板通りの15分で尾根に着いた。ここまで全く風が無かったのが、気持ちよい風が尾根を吹きぬけている。気温は19度ほど。案内板が3枚立っている。

神崎町作畑へ

千ケ峰登山道

神崎町・神崎町観光協会

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
千ケ峰登山道
こけの道まで約20分
石風呂コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

緩やかな植林の尾根には、小規模な倒木地帯が1カ所だけあり、タフロープが迂回路に張られている。しかしその迂回路にも倒木があったりもする。間伐して風の通りが良くなったための倒木のような感じがする。

たまに1本だけの倒木があり、1本だけでも面倒なのに、こんな倒木が100本も200本もあって絡み合っていたら大変だろうなと思いながら乗り越える。

どっこいしょと倒木を乗り越える

10:25
「こけの道」に着いたようだ。「転け」やすい道かと思っていたが、植物のコケのことで名前の通りに周囲にはコケ(スギゴケかな)が所々にきれいに生えている。

「こけの道」を行く

愛してネ笠形山守ってネ千ケ峰
千ケ峰登山道
山頂まで約20分
石風呂コース

笠形山千ケ峰グリーンエイト協会
市川町・加美町・神崎町・八千代町

コケの道の先にはマツカゼソウが少し咲いていて、写真を撮るも光量が少なすぎてどうにもならない。「写真は難しいな」と思いながら行くと足元を長いものが這っていく。ヘビの赤ちゃんかと後ずさりしてよく見ると、太くて凄く長い全長30cmはありそうなミミズだ。これも帰ってから調べてみると「シーボルトミミズ」と呼ばれるものらしい。珍しいものなのだろうか、私はこんな大きなミミズを見るのは生まれて初めてだ。

シーボルトミミズを見たい人は上の写真をクリック

10:54
千ケ峰から南へ飯盛山・高坂峠・入相山・笠形山と続く縦走路の始まりに出た。あと1分も登れば千ケ峰の頂上だ。しかし頂上は雲の中に入っているようで、周囲は真っ白だ。

作畑・石風呂コース

作畑へ90分 オチ二小 ※※※

作畑への下山道入口は案内もあり明確だが、少し入ると平坦な開けた草地があり、踏み跡が拡散していて道がどこへ下っているのか分かりがたい。マーキングも無く、初めてここから下るのは結構難しいかと思う。

もうすぐ頂上だが、周りは真っ白


市原峠へ下山

何も見えない千ケ峰頂上

10:58
6人ほどの先客がいる千ケ峰の頂上に到着したが、見事なくらい何も見えない。バスの都合もあり、頂上でのんびりと1時間くらいは過ごすつもりだったが、これではどうにもならない。

11:02
帰りのバスまであと2時間20分、何とかなると判断し、頂上滞在4分で下山を決定。下山コースは市原峠の様子を見たいこともあり、市原コースとする。(三谷コースで下り門村まで出るよりは早いような気がする)

頂上近くでは何も見えない

雲から出たようで、風景が見え始めた

もうすぐ市原峠だ

市原峠に到着

脇目も振らずに市原峠に向け下山する。多分沢山の花々が咲いていたのだろうが目に入らない。写真など撮っていたらバスに間に合わなくなる。

11:38
市原峠に到着。加美町からの林道は舗装もされてきれいになっている。神崎町側の林道はまだ通行できないが、ほぼ完成しあとは舗装するだけの状態になっている。開通すれば加美町から市原峠越えで神崎町へ、さらに白口峠越えで生野町へ、もう一つ千町峠越えで宍粟市一宮町へと林道を乗り継いで行くことが出来るようになる。バイクのツーリングには面白いかも知れないが、自転車ではきついだろうな。

神崎町側ももうすぐ開通するだろう

出 没 中 !

平成17年5月15日、加美町内において熊が目撃されました。

☆ 目撃状況

  1. 5月15日 午前8時20分ごろ 加美町三谷の民家庭に体長2mくらいの熊
  2. 5月15日 午前10時30分ごろ 加美町轟の民家近くに体長1mくらいの小熊

☆ 注意点

  1. ひとりで山に入らない。
  2. 外出の際は、ラジオ・鈴等の音の出る物を携帯する・話をしながら歩く等に心がけ熊に人間の存在を知らせる。
  3. 熊の糞・足跡等を発見した場合は速やかにその場から離れる。

☆ 熊に遭遇したら・・・

  1. 熊に不用意に近づかない。熊の存在を感じた時はゆっくりその場から離れる。
  2. 目の前に熊が現れても、急に走って逃げず、ゆっくりと後ずさりをしながら、携帯品を一つづつ熊の目の前に置きながら逃げる。(熊の足は非常に速く、人間の足ではかないません。また急に走ると熊を刺激するおそれがあります。)
  3. 特に子連れの熊は気が立っていることが多いので、刺激しないよう落ち着いて行動する。

熊目撃の際は、速やかに
《※※※読み取れず※※※》
に通報してください。

(両駐在所はパトロール等で留守の場合があるので、迅速な対応がとれる110番を活用ください。)

☆ 連絡先 西脇警察署  加美町役場

ふーん、大きな声で歌いながら石風呂コースを登ってきたが、正しい行動だったんだ。「♪ある日 森の中 熊さんに出会った 花さく森の道 熊さんに出会った♪」

11:43
貴重な時間を峠で5分も浪費してしまった。急がねば、バスが来るまであと1時間40分。

完全舗装の「林道西の山線」を下る

11:57
「二本杉」のお地蔵さんの前を通過。前に来たときのことを思い出そうとするが、さっぱり記憶にない。お地蔵さんの前に舗装林道が通っていなかったのは間違いないのだが。

二本杉のお地蔵さん

12:30
バスの発車まで1時間を切り、本当に間に合うのだろうか心配になってきた。乗り遅れたら、次のバスまで2時間も待たなくてはならない。

地形図とコンパスを出しナビゲーションを開始する。進む方向と曲がる角度などから現在位置が分かってきた。もう少しで一番南側の左ヘアピンカーブだ。

12:36
予想通りにヘアピンカーブに着いたが、残す距離は3kmほどで、残り時間は42分。何とか間に合いそうだ。

13:06
登ったら面白そうな「夫婦岩」があったりもしたが、寄り道もせずに「丹治バス停」にたどり着いた。バスの発車まであと12分あるが、危ないところだった。

西脇市駅行きのバスに乗り、予定通り加古川線に乗ることにする。



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