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大展望の夜鷹山、小展望の砥峰



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平成17年10月9日(日)  メンバー 私だけ

夜鷹山 よたかやま 1,056.0m
砥峰 とのみね 972.2m

2万5千分の1地形図「長谷」を参照すること


砥峰高原から歩き始める

8:27
長谷ダム・川上集落からの道で、姫路から1時間半弱で砥峰高原に着いた。コンビニで買ってきた焼きソバを食べ朝食とする。数台の車が来ているだけで、砥峰高原には人影も無くススキの穂だけが揺れている。

ススキの見頃はもう少し先か

砥峰高原案内図

兵庫県・大河内町

【お 願 い】

すすき原の保護と育成に取り組んでおります。
すすきには1年間の休養が必要です。
(私たちススキは踏まれるのが苦手です。)

この場所への入場をご遠慮ください。

川上部落とのみね高原管理組合
さとやまづくり推進協議会

ススキ草原の保全・回復のため
散策道・木道以外は立入禁止
山菜採りの立入もご遠慮ください
兵庫県・大川内町・川上部落

ススキは生きています
芽を踏まないでください
ススキを大切にしましょう
川上小学校児童会

たきび・たばこ注意
兵庫県

熊・いのしし生息域につき
注 意

道路が整備され、とのみね自然交流館ができたりで、砥峰高原はオーバーユース気味になってきたのだろう。以前ここに来たときは、こんなに沢山の注意看板は立っていなかった。ススキの芽生え時期の山菜採りが一番、二番目は写真撮影のため道から外れることだろう。ウェブで調べると今年の春から「散策道・木道以外は立入禁止」になっている。


夜鷹山へ

8:52
本日の一番目の目的地、夜鷹山目指して舗装林道「広域基幹林道 峰山線」を登っていく。砥峰高原から夜鷹山登山口・峰山高原へと道が続いているのは知っているが、車で走ったのでは見えないもが、歩いていくと見えてくる。しかしつまらない完全舗装の車道歩きなので、登山口まで車で行ったほうが賢明かもしれない。

それでも道端の日当たりのいい斜面には、小さな小さな花が咲いていて目を楽しませてくれる。

アキノキリンソウ

ヤマジノギク?

イヌタデ

アキチョウジ?

9:22
舗装林道が下りになると、道が二手に分かれている。左は「おおかわち高原ライン」で峰山高原4.4km・大田池4.6km、右は広域基幹林道の続きで加美山崎線方面坂ノ辻峠となっている。夜鷹山は左の「おおかわち高原ライン」だが、峰山高原ホテルリクラシア(旧レクセンター)までの観光道路が完成したようだ。

おおかわち高原ラインを歩く

路肩は造成されたばかりで、野草はまだ生えてなく、当然ながら花も咲いていない。しかし路面を見ると動物が横切った足跡がくっきりとついている。雪についた足跡はよく見るが、アスファルト舗装についたものは初めて見た。2種類の足跡があるがシカたイノシシか。

シカの足跡?

イノシシかな??


大展望の夜鷹山へ登る

9:33
砥峰高原から40分かけて、ようやく夜鷹山登山口に着いた。3年前に登ったときは砂利道の林道に車を止めて登り始めたが、今は広い舗装道路脇からいきなり山道で風情がなくなっているが、仕方ないか。近くに車1台が止められる路肩が広いところもあるが、道幅も広く道端に止めても問題はないだろう。以前と変わらず道標が2本立ている。

夜鷹山登山口

夜鷹山登山口 これより730m

夜鷹山展望台 0.8km 大河内町

登山口から頂上まで、ほとんどを植林の中を登っていく。特にこれといった特徴はないが、適度に整備された歩きやすい道だ。

緩い登り

それなりに急な階段道もある

急登を見上げると、日の光を受けてキラキラと輝く細い糸状のものが、登山道の上を何本も横切っている。

光る糸が見えるかな

クモの巣だろうと思い近づいて、細い細い糸を触ろうとしても感触が全くない。クモの糸には違いないと思うが、何のために張っているのだろう。

9:52
頂上が近づくとシカ網の開閉部を抜け、植林の縁を行く。峰山方向の展望が広がっている。数分でまたシカ網を抜け植林に戻るが、見上げると頂上の展望台が見えている。

植林からシカ網を抜け

もう一度シカ網を抜け植林に戻る

10:02
以前登ったときは、ガスで何も見えなかったが、頂上展望台の西側まで植林が迫っていたような記憶がある。しかし今は西側の木々が伐採されて、ほとんど禿山と化した頂上に展望台だけが残っている。天気も良いし大展望が楽しめそうだ。

もうすぐ夜鷹山の頂上だ

10:03
夜鷹山頂上に到着。四等三角点標石(点名:夜鷹山)と「10名以上危険」と表示された木製の展望台がある。早速、登ってみる。

夜鷹山頂上の展望台

大田池が眼下に見える

展望台に登ると西側の植林が伐採されたため、360度の大展望が広がっている。多少霞んではいるが、三室山・氷ノ山・千ケ峰まで見える。車道からまっしぐらに登れば20分ほどの展望台で、これだけの大展望が得られるとは驚きだ。ただし天気が悪いと太田池も見えないる。

恒例の登頂記念プレート類の紹介だが、ここにはわずか三つしかない。これだけの大展望が楽しめる山なのに登る人は少ないようだ。

  1. 香住の海と山を探す会 夜鷹山 2004 5/25(プラスチックプレート)
  2. 夜鷹山登頂 2002年10月20日 揖保川山遊会 菅原毅・三千代他17名(木板)
  3. 2003.10.25 揖保川町 安達(ビニールテープ)

10:40
展望台からの眺めを堪能し下山開始。南北方向にも踏み跡らしきものがあるが、率直に登ってきた道を引き返す。

10:57
17分で下山完了し登山口に下り立つ。地形図に山名が載っていて、三角点もある標高1,000mを越す山で展望も抜群で、交通の便は最良とくれば、登山者がどんどん押し寄せること間違いなしだと思うが、なぜか今日は誰にも会わなかった。


砥峰高原散策

次の目的地「砥峰」の間に砥峰高原のススキ草原がある。今日の目的には入っていないが、せっかくここまで来たことだし、のぞいて見ることにするする。

11:17
広域基幹林道の途中にも「散策道以外 立入禁止」の立て札のある砥峰高原のススキ草原への入口がある。入口付近こそ草が刈られているが、奥に入るとススキが茂りどこが散策道があるのか分からないが、展望台がまじかに見え、散策道を歩く人の声も聞こえてくる。

11:19
ススキの中に踏み跡があり辿っていくと、散策道に出ることができた。はたしてあの入口からは入ってよかったのか疑問に思えてきた。

砥峰高原の散策道を行く

展望台はすぐ近くにあるのだが、さすがに散策道と名乗るだけあり非常に緩やかに付けられていて、右に行ったり左に行ったりでなかなか展望台にたどり着けない。町を歩くような格好をした人から、トレッキングシューズを履き熊除けの鈴を鳴らしながら歩く人まで、老若男女沢山の人が行き来している。

散策路の脇にかわいらしい花が咲いているが、ほとんどの人はススキを見るばかりで目に入らないようだ。私は逆に下ばかり見て歩いていてススキを見なかったような気もする。

リンドウ

ウメバチソウ

センブリ

?

11:40
展望台に着いたが、団体や家族やカップルで沢山の人出だ。次に登る砥峰がよく見え、登ろうと思っているルートを確かめる。

展望台から(左端が砥峰)

「兵庫“大河内高原”公園都市」
砥峰のススキ草原

ここ砥峰高原のススキ草原は、毎年春“山焼き”を行うことにより純粋なススキの草原として存続しています。
ススキ草原は、定期的な維持管理を行わないと、草原に進入した木がだんだんと大きくなって、森林へと変わってしまいます。“山焼き”を行うことにより進入したきは燃えてしまいます。ススキの根だけが残ってススキだけの草原を維持する事ができます。このようにして、「砥峰高原のススキ草原」は、昔から地元の人々の手によって守られてきました。

兵庫県

ススキ草原の西縁を巡る散策道で自然交流館へ下って行くが、狭い道ですれ違うのも大変だ。途中から「馬が逃げないように作られた土塁」の向こう側の尾根の切り開きを下る。土塁のためススキ草原は見えないが広い切り開きで楽に下れる。

すれ違うのも大変な狭い散策道を下る

12:27
とのみね自然交流館に着いた。わざわざ展望台まで登らなくても、ススキ草原はここから見るのが一番きれいだと思う。交流館にはきれいなトイレと飲み物だけの喫茶があり、高原の写真やビデオを見ることができる。

とのみね自然交流館

交流館前から見たススキ草原


砥峰に登る

12:34
自然交流館前の道路を西に進み、交流館の北側を通る道へ入ると、送電線が砥峰頂上から南西の尾根を横切り、その下が送電線巡視路になっている。登山口近くにある茶色に塗られた鋼管柱の送電線鉄塔は「草木南小田第一線 五六」だ。この鉄塔を見て、以前はススキ草原を横切っていた送電線が無くなり、道路沿いに迂回していることにようやく気がついた。

砥峰の登山口

巡視路入口には何も標識がないが、ここから尾根の鉄塔まで登り、その後は尾根の植生界を登れば頂上まで登れるだろう。

送電線巡視路に付き物のプラ階段も現れ、斜面途中の「五五」鉄塔を過ぎるとヘビがじっとしている。あまりに動かないし見た目が変なので、ヘビの抜け殻と分かった。頭から尾の先まで破れも無く完全な抜け殻で長さは1m以上はある。色がないので種類は分からないが、きれいに脱皮するものだ。人間も1年に1回脱皮すれば常に若々しい肌を保てるのにと思うが、肌がウロコなのは少しいやだなと思う。

ヘビの抜け殻の頭部

12:50
尾根に立つ「五四」鉄塔から頂上へは、観察どうり予想どうりに植生界(西側:植林、東側:雑木林)に切り開きがある。

砥峰頂上まで続く切り開き

切り開きというよりは、明確な道でテープのマーキングも付けられている。尾根の中央には高さ50cmから1mほどの土の壁が続き、道はその西側を登っていく。土壁は自然の地形ではなく、これもススキ草原の解説にあった「馬が逃げないように作られた土塁」なのだろう。ということは砥峰山の南斜面も昔は草原だった時期があるのだろうか。

13:07
頂上が近づくと道は西へ外れていくが、おそらく次の送電線鉄塔へと向かっているのだろう。尾根に戻ると切り開きはしっかりとあり、頂上手前の平坦な尾根に倒木がまとまって10本ほどあり、一苦労して乗り越える。

13:13
平坦な尾根をしばらく進むと測量用ポールが立つ砥峰の頂上に着いた。頂上には三等三角点標石(点名:川上)と大きな山名板「砥峰山頂972m」がある。ウェブで調べた限りでは展望は悪そうだったが、実際は周辺の植林が伐られ、全開とはいえないがそれなりの展望が広がっている。予想もしていなかった山名板の存在といい、この展望といい誰かが砥峰で何かをしてそうな雰囲気だ。

砥峰の頂上から北西を見る

登頂記念プレートは無いと思っていたが1枚だけ下がっている。

  1. 砥峰山972m 登頂ありがとう H16.10.25 姫路広畑 H.Kawamoto
    花芒 砥峰太鼓の 峰包む つち未智彦

13:19
登ってきた道を下山しようと思っていたが、変なものが木から下がり、同じものが下の方にも見える。何かのマーキングに違いないが、土塁も頂上で90度向きを変えそのマーキングと同じ南東方向へ下っている。

変なマーキング

「透明な苗ポットに赤く色を付けた変なマーキング」に導かれ下っていくと、雑木林の中の土塁の上に道が付けられている。普通なら道は削られて低くなっていくのが普通だが、ここでは道の部分だけが周囲より1m近く高くなっていて不思議な奇想天外な風景だ。

土塁上の道を下る

土塁上の道はすぐに終わり、赤テープ・赤苗ポット・青細棒(園芸の支えに使うようなもの)・赤プラ杭と一風変わったマーキングに案内されて下ると(土塁自体はさらに真っ直ぐに下っていた)植林の中のプラ階段の道に出た。その道は頂上の南側を巻くように付けられているため、登ってきた場合は、プラ階段の終わりに右手に色々なマーキングがあるので、それに従い道から離れれば、土塁の道へと行けるだろう。

プラ階段を下る

13:34
プラ階段の先の尾根を下っていくと、唐突に案内板が現れた。向こう側に回りこんでみると「遊歩道 自然を大切に」と表示されている。

案内板

登っていくときにはかなり分かりにくい部分もあるし、この道が「遊歩道」とはとても思えないが、やぶ漕ぎをするわけでもないし、とりあえず道には間違いないだろう。案内板からは尾根を右にから離れ下っていく。すでにどの辺にいるのかさっぱり分からないが、車の音が小さく聞こえてきたし、もうすぐ下界に出られそうだ。

次の遊歩道の案内板は尾根から下りたところにあり、トラロープのマーキングや苗ポットのマーキングもある。

13:41
雑木林の一角を5m四方ほど網で囲んでいる。シカの食害の調査でもしているのだろうか。網の外には一草たりとも下草がないが、網の中には少しだけ生えている。へえ、下草が全くないのはシカが食べてしまったからなのだ。

シカの食害調査地?

ここから下は広々とした雑木林で、地面に真っ直ぐに張ってあるタフロープを頼りに下っていくが、踏み跡は拡散しルートが分かりにくい。

マーキングを付けることを肯定するわけではないが、このルートを整備している人にお願いしたいのは、マーキングは1種類だけにして、間隔もマーキングから次のマーキングが見通せるようにつけてほしい。いまのまま遊歩道の案内を掲げていると、ススキ草原を見に来た観光客が紛れ込んで、必ず道に迷うだろう。早急に対処をお願いしたい。

13:46
遊歩道の出口は、自然交流館東の十字路の北東側にあったが、そこから道も明確な踏み跡も続いていなく、これなら誰も入り込まないなと一安心した。

遊歩道の入口

砥峰高原・大田池・暁晴山
展望地点への遊歩道800m
砥峰山頂
自然を大切に

案内板の横に標柱が立っていて、遊歩道を作った人たちの名が書かれている。

ふるさと青年協力隊
砥峰遊歩道を作っちゃいました
平成16年8月吉日
辻野亜沙子 田中香織 尾家利生夫 江藤ゆかり 北條智之
黒田裕香 奥野麻衣 青山真也 寺内禄子 稲葉あすか
松井聡子 田中裕基 岸良悟 大磯 真吾 芦田敬司
久田真紀 島本 柳瀬亜衣子 兼田樹奈 朝井洋 《順不同》

とのみね自然交流館に行き、階段状の展望テラスに座り込んで、すすき草原を眺めながらコンビニおにぎりとパンの遅めの昼食をとり、帰途に着く。

帰りは「おおかわち高原ルート」から峰山高原へ、坂の辻峠から西に下り国道29号線で1時間40分かけて姫路へと帰る。



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