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塩屋駅から須磨アルプスへ



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平成17年10月30日(日)  メンバー 私だけ

JR塩屋駅〜旗振山〜鉢伏山〜鉄拐山〜高倉台〜栂尾山〜横尾山〜須磨アルプス〜東山〜板宿八幡神社〜山陽電車板宿駅

2万5千分の1地形図「須磨」を参照すること


塩屋駅から迷路のような道を登山口へ行く

ガソリン代が高くなったし、せっかく持っているJRの定期券を有効活用するため、一度も足を踏み込んでいない六甲山に登ってみることにした。全山縦走コースを意識したわけではないが、先ず手始めに一番西の塩屋から須磨アルプスに登ってみる。

登山前日になって新たに地形図3枚と、山と渓谷社刊の「登山・ハイキング案内 六甲山」を買い求め一夜漬けでルートを研究したが、いつの間にか2万5千分の1の地形図のデザインが変わっていて驚いてしまった。今までなら隣り合う地形図には重複する部分がなかったが、あたらしいデザインでは1.5kmほど重複していてる。そのため今回のコースなら「須磨」だけで足りてしまう。国土地理院もサービス精神が向上したようだ。

7:39
JR塩屋駅に到着。改札を出ると「歩くまち ぐるっと塩屋」という案内地図があり、塩屋からスタートしていた時の全山縦走コースでの鉢伏山への道が描かれている。しかし今回はウェブで探した街中歩きの少ない「西向地蔵尊」からのルートをとることにする。

JR塩屋駅の北側に隣接する山陽塩屋駅の下をくぐり北側に出る。線路北側の車は通れそうも無い狭い道を東へと進み、突き当りを左に。数歩進んだら直ぐ右に入る。

塩屋の狭い狭い道を行く

7:47
道なりに緩い上り坂を行くと、正面に7段ほどの両側に鉄パイプの手摺が付いた階段が現われる。その階段を登ると左手に「西向地蔵尊」がある。ここまで来れたら登山口はもう直ぐだが、事前知識がなかったら必ず迷いそうな道だ。

西向地蔵尊

西向地蔵の謂れ伝説について

塩屋の浦で明治から大正に掛けて「やんだら」と云う地引網があり、その網にかヽり上ってきた地蔵尊である。それ以来地蔵尊は塩屋村字垣の内九百七拾弐番地参の東の山裾に西向きに安置し、以来西向地蔵尊と云う名で親しまれてきました。また一願地蔵とも云われ、一心に願えば真心が届くと云われています。最初は屋根を地蔵尊の頭の上まで造りましたが、三度も火災にあい、頭上の屋根は焼け落ちたので、修験者に拝んで頂くと、我は竜神の化身なりよって頭上の屋根は不要との御告げがあり、それ以来地蔵尊の頭上の屋根はして居りません。それまでが西向地蔵尊の謂れ伝説であります。
敷地は兵庫の南條氏の寄付によるものであり、大阪の中村知法なる尼僧が地蔵尊横南側に庵を建てヽこれを祀り、尼僧の没後は塩屋村安養寺住職宇野義夫がこれを引継いだ当時、西村熊、中村はな、秋馬とら等がお世話し現代は西村しな、青木てる、石村光江等がお世話をしている。

昭和六拾弐年六月吉日

地蔵尊の前を通り、さらに道なりに登っていくと二手に分かれた階段がある。右側を登ると「警告」板が立っていて、その先には真ん中に鉄パイプの手摺がある階段がある。おそらくこの階段から上が通行禁止なのだろうが、ここを通らない限り登山口にはたどり着けない。

警告

  1. この土地は、宗教法人世界救世教の所有地です。
    土地の無断使用、進入、通行を厳に禁じます。
  2. この土地の無断使用、進入通行による事故があっても当教団は一切責任は負いません

以上の通り、警告いたします。
平成七年十一月十六日

7:52
進入禁止の階段を登ると地道が始まり、実質的な旗振山への登山口となる。進入禁止「警告」板があるためか、ここまでに登山口への案内は皆無だった。

旗振山への非公然登山口

少し迷って旗振山へ

非公然登山口からは緩やかな、毎朝誰かが掃き清めているのではないかと思うほど、落葉一枚落ちてない良く歩かれた登山道が続く。播州の山々の登山口からの激登りと比べると、これが登山道かと思うほうど緩やかな道で、高度がさっぱり上らず、いつになったら頂上に着くのか心配になるほどだ。道の両側は海岸沿いの山々によくある、常緑広葉樹の林で日差しが林床まで届かず下草は生えていない。

犬を連れた人や、手ぶらで散歩する人とぼちぼちと出会う。

こんな道や

こんな道が続く

8:15
右手に落葉が程よく撒き散らされた両側にササが茂る、歩くだけで楽しそうな分岐道がある。正面に続く幾分下り気味の薄暗い本線から離れ、間違いなくよそへ行く道だと頭の中では分かっていたが、吸い込まれるように分岐道に入ってしまった。

入ってはいけない道へ

1分も入ると、海が見える展望地がある。直ぐ下に別荘なのだろうか、完成間近の家が建っている。登山道からはその家へ行く道はなく、別の車も通れるような道が上ってきているのだろう。道端にはツワブキの黄色い花が咲いている。

窓を開けたら海が広がる
こんな家に住みたいものだ

道端のツワブキの花

8:22
単独女性ハイカーと出会い、このまま行くと麓まで下ってしまうことを教えてもらい、分岐点まで引き返す。ほんの7分ほどの寄り道だったが、麓まで下り、登山口を確かめても良かったかなと思う。

緩やかな登り下りも丸太の階段になっている。過剰な整備かとも思うが、歩く人が多くこれぐらいしないと、道が荒れてしまうのだろう。

緩やかでも階段になっている

8:30
塩屋駅から別のルートで登ってくる「六甲全山縦走路」に出会う。縦走路側は丸太の代わりにコンクリートで縁取った階段道になっている。初めて現われた道標は腕木式で「←塩屋駅 旗振山→ (六甲山縦走路)」となっていて、来た道方向は矢印型のブリキ板を紅白に塗り「塩屋駅」と書かれている。

六甲全山縦走路と合流する

縦走路と合流すると一気に人通りが増え、ハイキングスタイルの人が前か後に常に見えるようになった。なぜか皆さんセカセカと早足で歩いていて、もう直ぐ開催される六甲全山縦走の練習をしているのだろうか。歩くのは遅いし、手間暇のかかる写真も撮らなければならない私は、追い抜かれることはあっても、追い越すことは最後まで一度もなかった。

8:38
合流地点から少しで、黄色の鉄杭が何本も打たれた先に、コンクリートの構造物が現われた。須磨浦山上遊園に着いたようだ。

須磨浦山上遊園に着いた

山上の斜面に作られて公園には、ふんすいランド、回転展望台、サイクルモノレール、ミニカーランドなどがあり、一年中24時間出入り自由で入場料は無料だ。まあ登山道が真ん中を通っているので有料にすることも出来ないだろう。

ふんすいランドからは明石海峡大橋が間近かに見え、なかなかの景勝地だ。暑くなってきたので上着を脱ぎ、しばし休憩する。

ふんすいランドから明石海峡大橋を望む

麓の須磨浦公園から観光用のロープウェイ、カーレーター、リフトを乗り継ぐと須磨浦山上遊園まで登れるが、時間が早く動いていない。営業は10時からのようで、六甲全山縦走大会のとき、いきなりのエスケープで使うとすると4時間以上は待たなければならなず、歩いて下りた方がいいだろう。

観光用の乗り物以外に、荷揚げ用のリフトやモノレールも上ってきている。どちらも一度でいいから乗ってみたいが叶うことはないだろう。

荷揚げ用のリフト
乗ってみたいな

観光用リフト脇のモノレール

8:56
簡素な社の旗振毘沙門天に寄り道をする。
旗振毘沙門天

旗振毘沙門天 由緒

当毘沙門天は信貴山朝護孫子より勧進されたものである。当霊地は摂津と播磨の国境にあたり、国境の毘沙門天は特に霊験あらたかと伝えられている。
古伝では数々の軌跡が伝えられており福徳開運の天王として、商売繁栄に又聖徳太子自ら毘沙門天を祀り勝利に導かれた事から学問成就の願かけとして篤く信仰されている。
毘沙門天が寅年、寅の日、寅の刻に突如出現した伝承により寅の日を祀り日とし、特に正月寅の日を大祀り日とする。

須磨浦山上遊園



旗振山と鉢伏山

9:00
旗振毘沙門天から一登りで「旗振山」の頂上だ。ここが昔の播磨の国と攝津の国の国境で、東の須磨の海岸がきれいに見えている。四等三角点標石(点名はなぜか鉢伏山)は保護石ならぬ保護コンクリートで四周を取り囲まれている。

地面に埋まっている旗振山の三角点標石

旗振山から須磨の海岸が見える

頂上にある旗振茶屋や、無線中継所は後で記述することにして、南側近くの鉢伏山へ行ってみる。

鉢伏山へ下りかけると、茶色に塗られた木柱型の道標が立っていて、突端には黄色の金属板が取り付けられている。ここのは「ち1-15-8」と書かれている、救急車印の神戸市の119番通報プレートだ。六甲山の神戸市部分に800枚ほど取り付けられていて、緊急時の位置特定には絶大な威力を発揮するだろう。

119番通報プレート

9:07
旗振山から一旦下り少し登り返すと「須磨浦展望閣」に着いた。しかし、横にある「須磨浦カーレーター」共々シャッターが閉まりまだ営業をしていない。鉢伏山の頂上はどこかと探すと、手前の公園の一番高そうなところに「鉢伏山260m」の標柱が立っている。頂上からの展望はないが、須磨浦展望閣に登ればさぞかし絶景が待ち受けているのだろう。

鉢伏山頂上からは須磨浦展望閣が
邪魔をして展望はない

9:19
鉢伏山から旗振山に引き返す。旗振茶屋の横に旗振山の由来が表示されている。

旗振山山頂に建つ旗振茶屋

旗振山 標高252.8m

こヽ旗振山は、その名の通り昔、“旗振通信”をしていた場所である。江戸時代から大正初期電信が普及されるまで、こヽで畳一畳くらいの旗を振り、大阪堂島の米相場を(米の値段)を加古川、岡山に伝達していた中継点であった事から『旗振山』の名が残っている。

創業昭和六年三月 旗振茶屋

旗振茶屋の前には、旗振山登山会著名所(ヒヨコ登山会旗振支部)の小屋がある。毎日毎日同じ山に登り続ける人が大勢居るようだが、どうやったら続けられるのか私には分からない。という私も毎日毎日同じ職場に通い、同じ仕事を飽きもせずに続けているので、私にも出来るかもしれない。

旗振茶屋のメニューは下記のようなものだが、いきなり酒類から始まるのが凄いと思う。暑い時期に汗をかきながら登ってきて、冷たいビールを飲んだら天国まで登るような心持になるだろうが、私は山登り・ハイキングをスポーツと思っているので、山歩きの途中ではアルコールを口にしたことはない。しかし「義経おでん」と「源平うどん」とはどのようなものかだろうか、非常に興味がある。

おしながき
 
ビール(中ビン500ml) 550円
缶ビール(並350ml)360円
清酒(一合200ml)400円
カンチューハイ(レモン250ml)300円
ウーロン茶(190ml)160円
缶コーヒー(250ml)160円
オレンジジュース(250ml)160円
サイダー(250ml)160円
クリームソーダ(250ml)160円
義経おでん(一皿)650円
源平うどん(一杯)500円
ホットコーヒー(一杯)350円
あま酒12月〜3月まで(一杯)350円
かっぱえびせん(一袋)150円
ポテトチップス(一袋)150円
都こんぶ(一個)130円
ゆで玉子(一個)80円
あたりめ(一袋)230円
ピーナッツ(一袋)230円
だし巻(一皿)250円
湯豆腐(一皿)250円

旗振山の頂上には現代の旗振通信(マイクロウェーブ)の中継所がある。旗振茶屋の横は「本州四国連絡橋公団 鉢伏無線中継所」(平成17年10月1日から「本州四国連絡高速道路株式会社」に変わっている)のものだ。登山道から少し離れたものは、表札がなくどこに所属しているのか分からない。帰ってからウェブで調べたところ「神戸市消防局 鉢伏中継所」と分かった。もう一つ、高い鉄塔は立っていないが「気象庁 鉢伏山 無線雨量ロボット中継所」もある、ただ、周りには草木が茂り運用はしていないように見える。

左は本四高速、右は神戸市消防局


鉄拐山から高倉台へ

9:25
30分近く旗振山と鉢伏山の探索に費やしたのち、次の目的地の鉄拐山を目指す。さすがに六甲全山縦走路だけあり、階段さえなければ車も通れそうな林道幅の快適な道が続いている。

旗振山から鉄拐山へ続く全山縦走路

9:32
「旧妙見堂を経て一の谷町」の道標と案内図と解説文があり、縦走路から南へ道が分岐している地点に着いた。解説文だけでなく義経や弁慶が騎馬で駆け下るモニュメントでも林の中に置けば面白いだろうな。

須磨一ノ谷(坂落とし)

源義経の奇襲攻撃「一ノ谷・坂落とし」は須磨浦公園の北にそびえる鉢伏山と鉄拐山との間、眼下に海を見下ろす東側の急斜面で行われました。寿永三年二月七日早朝、鹿しか通らぬ急坂を、義経は弁慶をはじめとする七十余騎の騎馬軍団を率いて麓の一ノ谷城へと攻め降り、源平合戦は一方的な源氏軍の勝利で決着しました。ここから「安徳帝内裏跡」へ下る道が、その進軍路と謂われています。特に鵯越付近(長田区・兵庫区北方)との説もあります。(監修:須磨歴史倶楽部)

9:36
道が三つに分かれている。右側は下りで「旧妙見堂を経て一の谷町」、中央は階段道の登りで「高倉台を経て横尾山」「鉄拐山 六甲全山縦走路」、左側は水平道で「多井畑」となっている。通り過ぎる人は左の「多井畑」へ進むが、私は「鉄拐山 六甲全山縦走路」の階段道を登ることにする。

鉄拐山への階段道を登る

9:41
本日の三つ目の山「鉄拐山」の頂上に到着。周囲は木々に囲まれ展望は全くない。地元のおっちゃんが一人「生まれて初めて登ってきた」とバテバテになってのびていた。

展望皆無の鉄拐山頂上

頂上から道は二手に分かれていて、古い白塗りの道標には、右は「妙見堂・一の谷橋・潮見台町」、左は「高倉山(六甲全山縦走路)ここは鉄拐山頂234m」、ちなみに登ってきた道は「旗振山・鉢伏山(六甲全山縦走路)」となっている。このピークへの登り口にあった、皆が行く「多井畑」が気になり、登ってきた道をそのまま下ることにする。

9:51
「多井畑」への道を行くと「勢揃松」の標柱がある石段の急な道が右手から下ってきた。古そうな石板の道標もあるが、茶塗りの新しい道標によると、石段は鉄拐山頂上からの道で、全山縦走路はその頂上を通らずに北側を巻く道になっている。初めて登りに来た私にとっては、古い道標と新しいのが混在していて、頭の中が混乱してきた。

9:53
明確な分岐点に着いた。古い白塗り道標は、左「多井畑」、右「高倉山・横尾山」となっている。ここはためらわず右に進む。

9:55
道端に「ウバメガシ」の解説板が立っている。ブナ科のくせに紅葉も落葉もしないとは、根性のある木だ。

ウバメガシ ブナ科

九州、四国、本州伊豆半島までの海岸のごく近くだけ自生する常緑広葉樹で、もし、内陸部でこの木がみつかると、昔はその付近まで海岸が入り込んでいた証しとなります。
この木でやいた木炭は、備長炭といい、とても硬く、立ち消えせず、最高級の木炭になります。材は堅く、木槌として利用され、樹相がよいので庭園樹としてひろく全国に植えられています。
別名、バベ、イマメガシ、ワカメガシとも呼ばれ、市内では布引、鉢伏山、鉄拐山、横尾山、高取山なでに多く自生しています。

ウバメガシの道を進む

10:00
おらが山へ下る(山へ行くのに下るとはどう言うことだ)コンクリート舗装の階段道が始まり、高倉台の先の横尾山が見え始める。四等三角点標石(点名:立原谷)が途中にあったはずだが見落としてしまった。

おらが山への下り道の先に横尾山が見える

10:05
展望東屋や茶屋などがある、おらが山に着いた。東屋の掲示板には「ヒヨコ会採点表」なるものが張り出されている。個人情報保護法の時代に堂々と本名を張り出すとはなかなかと根性のある団体だ。

おらが山植樹事業

全国47都道府県のローソン各店舗を通して、多くの方々からの寄付金から成り立っている、(社)国土緑化推進機構の「緑の募金」によりウバメガシやコナラやヤマザクラなどの苗木を購入しました。
ドングリネット神戸」「青少年育成委員会高倉台支部」や多くのボランティアの人々の協力により植樹活動を行いました。
こららの苗木がすくすくと成長し、緑豊かな「おらが山」になる事を期待しています。

平成14年3月24日 こうべ森の小学校

おらが山から明石海峡大橋を望む

おらが茶屋
《メニュー》
 
モーニングセット AM6:00〜AM11:00
A.トースト+コーヒーor紅茶 380
B.トースト+サラダ+ゆで玉子+
コーヒーor紅茶
 450
 
朝おいしい空気!
そんなとき
濃いコーヒーを……!
 
ホットドリンクス
濃いブレンドコーヒー 350
スペシャルコーヒー 400
アメリカン 350
紅茶(ミルク) 350
カフェ・オーレ 380
ココア 400
アイスドリンクス
アイスコーヒー 450
アイスオーレ 450
アイスティー(ミルク) 450
ミックスジュース 450
ソーダ水 450
カルピス 450
アイスクリーム 230
かき氷
みぞれ・イチゴ・メロン・宇治)
 450
白玉入ぜんざい 600
 
頂上の新鮮な空気、
胸いっぱい吸って
ミックスジュースで
スッキリ……スッキリ……
 
軽食
トースト 200
ホットケーキ 400
カレーライス 690
独特カレー 750
 
★散歩のあとホットする一時…
あったかいうどんはいかが?
 
麺類
讃岐きつねうどん 560
讃岐月見うどん 600
讃岐カレーうどん 650
スープ
スープ 280
 
★おにぎりこそ
山登りのあとに最適!
 
その他
ライス 200
おでん盛合せ 500
おにぎり2コ
(漬け物付)
 380
ゆで玉子 80
サラダ 300
おつまみ 300
缶ビール(350mm) 400
ビール(中) 550
日本酒 400
 
営業日:日曜日・土曜日・祝日
営業時間:AM6:00〜PM3:00
 
毎度有り難うございました。
明石海峡大橋が見える
おらが茶屋

おらが茶屋では酒類は出していないかのように見えたが、メニュー(外壁に張っているもの)の最後にしっかりとビール・日本酒も載っている。750円の独特カレーとはどのようなものだろうか、一度食べてみなくては。なお、茶屋の屋上は展望台になっているようだ。

10:15
高倉台への階段道の下り口に、今は無き「高倉山」の記念碑がある。碑文は目視でも読み取り難く、写真からでは解読に数時間はかかりそうで、写さなかったが残念なことをしてしまった。途中の三角点を見逃したこともあり、もう一度登らねばならないだろう。私が二度登っても山の名前が「再度山」に変わることはないだろう。

高倉山記念碑

高倉台へ下る長い長い階段道が始まる

高倉台へ下る階段の途中ぐらいに昔の高倉山の山頂が在ったようだ。六甲全山縦走を極めるためには、ここから土砂が運ばれて埋め立てられたポートアイランドで、消滅した登山道分の距離を歩かねばならないと私は思う。

はるか下に見える高倉台の団地まで、横向きにならないとすれ違えないような狭い、両側に手摺が付いたコンクリート階段が延々と下っている。下るのは楽だが、登るのは大変だ。しかし、団地の反対側に登り返しの長い階段が待ち構えていて、それを登らないわけにはいかない。

10:22
階段の終わりには「森林浴ハイキング」と題した解説板が立っている。本当に山を歩くのは体にいいのだろうか。今までの経験からヤブ山を歩くのは、間違いなく体に悪いと思う。イバラの棘でキズだらけになるし、何かでかぶれて半月ぐらい痒くなるし。六甲全山縦走も体には良く無いと思う。

森林浴ハイキングについて

T.森林浴とは

  1. 森林のすがすがしい香気と清浄な空気、さわやかな緑、小鳥のさえずりの中くつろいだり、心身を鍛えることが森林浴の目的です。
  2. 適度な歩行や体操により、心身をリフレッシュできる。この地形の変化を利用した森林浴歩行は、呼吸器や循環器系統のはたらきをよくするエアロビクス(有酸素)運動となる。
  3. 樹木の発するフィトンチッド(フィトンは植物、チッドは殺菌作用の意)という有機物質は殺菌力を持ち、空気を浄化し、人間に有益に働きます。
  4. フィトンチッドの一種であるテルペン類は「大気のビタミン」とも言われ、肉体疲労回復、集中力の増強に役立ちます。

U.森林浴の楽しみかた

  1. 森に入る前は少し運動して、体を慣らしておく。
  2. 歩行距離は2km、5km、10km程度が適当な距離。滞在時間は3時間以上が望ましく、ゆとりが必要。
  3. 歩行は自分のペースより、ややきつい程度が良い。
  4. 日光浴をとり入れ、明るい直射日光のあたる場所で軽く柔軟体操を行い、休憩をとる。(夏季は木もれ日程度が良い)
  5. 時にはベンチや切り株に腰をかけ、腹式呼吸を行い、瞑想にふけるのも良い。

神戸市

全山縦走路は「さつき橋」を渡り高倉台団地の中の遊歩道に続いている。「さくら橋」の先には大丸ピーコックがあり周辺には店が並び、蕎麦屋さんもある。ハイキングの格好をした大勢の人が団地の中を歩いているのは、ちょっと変わった風景だが地元の人は慣れっこになっていることだろう。

さつき橋を渡り高倉台団地に入り

大丸ピーコックの前を行く

10:33
「やまぶき橋」「つつじ橋」を渡り高倉台団地を抜け、横尾山の山裾にたどり着いた。ほぼ直線的に団地の中を抜ける遊歩道なので、まず迷うことはない。


横尾山から須磨アルプスへ

最後の「つつじ橋」を渡ると山裾を水平に左手へと道が付けられている。10m程下を片側3車線の道路が通っているが通行量は少ない。

10:38
水平道を数分進むと、ついに横尾山へと登るコンクリート階段道が出現した。あくまでも真っ直ぐに登る、天まで届くかと思われるほどの階段だ。鉄パイプの手摺は片側だけで、下りてくる人がいてもすれ違える幅はあるが、あまり広くはない。

横尾山への階段登山が始まる

途中に数ケ所踊り場状の休憩場所があり、ベンチも置いてある。手摺を握り喘ぎ喘ぎ、一歩一歩登っていくが終点はなかなか見えてこない。階段の脇には花もなく殺風景な階段をにらみながら登るしかない。

もう直ぐ階段も終わりだ

10:45
登り始めてから7分、短いようだが階段登りの7分は永かった。ようやく階段が終わり、ここは天国かと周りを見渡すと高倉台団地の向こうに旗振山のアンテナ塔が2本立っているのが見えている。上を見ると、さらに丸太の階段が続いているが、緩やかなもので登ってきたコンクリートの階段から比べると、水平いや下っているようにさえ見える。

体に優しい丸太の階段道

10:55
「須磨離宮公園・水野町」への分岐から一登りで「栂尾山」の頂上となる。色が薄れた案内地図と低めの木製展望台がある。展望台からは須磨の海から旗振山が良く見える。

栂尾山の頂上展望台から

せっかくここまで登ってきたのに栂尾山から先は急な下りになっている。まあ頂上の先が登りでは頂上にならないのでしかたがないが、それでも急な下りだ。

栂尾山からの急な下り

急下りの先は緩やかな尾根道となり、途中に「水野町」への分岐もある。全く花がなかったが、この辺から「コウヤボウキ」の花が所々で咲いている。ハイカーの皆さんは、せかせかと何をそんなに急ぐのか脇目も振らずに早足で進んでいく。写真に撮るとなかなか見事な花に見えるが、見た目は小さな花で地味なコウヤボウキに目をくれる人はいない。

コウヤボウキの花

11:17
標高312mの横尾山頂上に着いた。展望はあまり芳しくなく、二等三角点標石(点名:須磨)が保護石もなくひょっこりと立っている。

横尾山頂上から

11:36
須磨アルプスの西端に着いたようで、肌色っぽい花崗岩が風化した岩肌が現われた。「このコースは風化がはげしく危険ですから注意して歩いて下さい。」との表示もあるが、歩き難いところは階段があり、高度感のある部分も一部にあるが、普通の人が普通に歩いて行ける程度でどうということもない。

もう直ぐ須磨アルプスの核心部だ

須磨アルプス核心部の全景

11:39
階段を1本下りた先に、展望の良い一人だけは座れそうな平坦な岩場がある。須磨アルプスの核心部が眼下に見下ろせる特等席だ。少し早いがここでいつもの、コンビニおにぎりとサンドイッチの昼食にする。

12:05
昼食を終え、階段で核心部へと下る。階段の替わりに鎖でも下げればさらに面白くなること請け合いだが、子供もお犬様も通る道、これぐらい整備しないといけないのだろう。

須磨アルプス核心部を振り返る

次は「馬ノ背」だ、奥のピークは東山

両側が切れ落ちた「名勝 馬ノ背」を渡る。大雨の強風の日に来たらまた違った感想になるだろうが、十分な幅があり残念ながら恐怖感はない。

12:33
須磨アルプスから一登りで「東山」の頂上に着いた。ここまでの道筋にはコウヤボウキやアキノキリンソウが満開に咲き競っているが、立ち止まる人はいない。小さな花なので目に留まらないのだろう。

アキノキリンソウ

東山頂上の「東山昔話」の解説板とベンチのあるところでは展望がないが、北側の一段高いところからは須磨アルプスを望むことが出来る。頂上から北方向へ丸太階段の新しい道が造られているが「あぶないからはいってはいけません 養父市森林組合」の表示とトラロープが張られている。

東山から見た須磨アルプス

東山(253m)昔話

眼下に港の見える、景勝の東山はさしたる名山でも無いが山には山にまつわる昔話の尽きるものではない、そもそも東山とは明治初年の新名で昔々は横尾山に続いて居て今の様な別山ではなかったんじゃそうな、
其頃攝津の山々は天狗が支配し鷹取山天狗と横尾山天狗は縄張争いで仲が悪く、遂に綱引きをしてけりを着けようと二つの山の間に張り渡した綱を引き合ったが、酒を飲み過ぎた横尾山天狗が敗そうになり岩に足を掛けて踏張った弾みに山が千切れ片足を掛けた尽で今の場所に引寄せられて出来たのが東山になったそうな。
やがて両天狗ともに仲直りして行ったり来たりする内に年を取り過ぎ一本歯の下駄で山から山を一と飛びで渡るのは疲れるので途中の東山に腰を下し一服吸う様になり煙草の煙が立ち始めると下界が煙って見えなくなるので村人はいつとはなしに天狗山とか一服山と呼ぶ様になったそうな。やがて世は明治に移り或る晩村の衆がお寺に集まり、あの天狗山話は、嘘か誠か夜通し詮議し合ったが、何分天狗を見たと言う大昔の人が生きて居ないのでは埒が明かず一同困り果てた。
若い衆は「此の文明開化の世に天狗山なんて俺アの村の恥、肩身が狭い」と改名を迫り、親達も「今の時代に天狗山では嫁に来てがネエ」と嘆く始末、いや今更改名すれば「御先祖様に申訳無い俺ア腹を切らねば」と仏様に手を合わせて泣くやらてんやわんやの末、和尚さんが「皆の衆やこの山は横尾山の東に在るで是からは東山と呼ぼう仏様も喜ばっしゃるぜ」となだめすかし一同それが良かろうと手を打ったと言うのが改名異聞じゃそうな其の後で村人は帰ろうとする貧乏百姓の権助を無理に引き留め「のう権助や、天狗は今でも居るぜ、是からはあの山で煙草を吸うでねエど天狗がお前の顔に似とるで間違われるけん」とからかった、
人の良い権助は聞いたか聞かないのか、爽やかな目をして夜来の雨にすっかり浄められ折からほんのり淡い月影の浮かぶ美しい天狗山に向かって静かにつぶやいた「あの山には天狗様は必ず御座る村の衆の目には見えないだけじゃ」やがて月が落ち下界が真暗になれば峰々を伝う天狗達の高笑いも俺アの耳には聞こえて来るに違いねエ。

浮き世の 方在しますや 山の辺に 月落ちぬれば 声も聞こゆらし

この歌も至って罪の無い権助と天狗にまつわるささやかな村の夜話じゃそうな、本当やろうか。



板宿へ下山

12:47
東山から全山縦走路を東へ進むと関西電力の「鷹取支線 六」の送電線鉄塔が立っている。環境に調和するよう茶色に塗られているが、目立たないようにするためなら下部は緑色の迷彩色、上部は明るい空色に塗り分けたらどうだろうか。

送電線鉄塔の近くに、なにやら意見を述べたいのかビニールに包まれた板が掲示されている。どんなに良いことを言いたくくても、私の目には汚らしいゴミにしか見えない。今の世の中は、誰でも世界中に自分の意見を簡単に言える良い時代になっている。わざわざ山の中にゴミを捨てに来るな。

山中にあった一番大きなゴミ

私達は物質的な繁栄のみ追及の余り気が付けば大気・水質・食物・生存環境まで汚染させる公害乱世とは神仏の目から見れば人生行路に落とし穴。迂闊に歩けば死を招く一寸先は闇の危機に一刻を争う浄化対策は「道に落ちた金は拾うけどゴミは捨て放題」では暮らしは豊かでも道義の貧困。万物の生命母態として汚染物質の浄化作用を果たす森林資源の保護育成に気配り不足や心ない山林荒らしも景観と浄化能力を妨げ、汚染の悪循環を招く罪悪。一方では豊富な食品・医薬・衛生知識・生活文化向上社会では環境悪化にそぐわぬ長寿人生に泣き笑い、飲め喰え楽して長寿をと無分別な迷信・医薬乱用は愚かの骨頂。
昔は山は百薬の長と敬い頭痛の如きは山に入れば忽ちう雲散。医薬無用。信仰が原点の山登り自然健康法の効用尊厳を見直せば、山界は六根清浄、迷い無き別世界。
時に世俗を離れ清浄な緑のトンネルを潜り幽玄な雲の流に身を委ね、雑念を払い瞑想と精神統一で超自然的人生観の確立も可能。真に生甲斐ある健康長寿に………以下300文字ほど風雨でかすれ読みとれず………

12:51
明確な道標が立っていて間違いようのない、全山縦走路から板宿への分岐点に着いた。一休みしていると、通り過ぎる人は残らず全山縦走路を東に進み、板宿へ下る人はいない。まだ時間も早いし高取山まで足を延ばすのだろう。

全山縦走路から板宿への分岐点

道端の陽だまりではノギクやイヌタデ、アキノキリンソウが咲き誇っている。見栄えはしないが、よく見ると皆それぞれ個性があり面白い。

ノコンギク?

イヌタデ

板宿へ下る道は全山縦走路よりは狭くなるが、快適な道が続いている。雰囲気的には全山縦走路よりも数倍は良いように私は思う。途中の送電線鉄塔(名板は草薮の奥の柱にあるため未確認)の周囲が開けていて、神戸の町が良く見え、夜ここまで登ってきたら3,000ドルの夜景ぐらいは見えるだろう。

快適な道が続く

途中の送電線鉄塔近くから

13:08
分岐点に着いた。どちらも板宿駅に行けるようだが、左は「禅昌寺」への道で、右は表示がないが「板宿八幡神社」へのようだ。右に行くことにする。

右か左かどっちに行こう

13:13
「十時会」の休憩所を通過。なぜか鉄棒があり、冬場に燃やすのだろうか薪がたくさん備蓄されている。

13:20
左側は有刺鉄線柵「学校用地内に付き立入禁じます。 所有者 須磨学院」、右側は送電線鉄塔「須磨千歳町線 三」で鉄塔の奥へも細い道が続いている。

13:32
「板宿八幡神社」の境内に下山。ここから山陽電車板宿駅までの道は狭く分かりにくい。神社の近くにまでたどり着けたら下の写真のような案内があり何とかなりそうだが、近くまで行けるかどうかが問題だ。

板宿八幡神社に下山

神社への案内



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