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ほんのり雪景色、ロックガーデンから東おたふく山



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平成17年12月17日(土)  メンバー 私だけ

JR芦屋駅〜高座の滝〜芦屋ロックガーデン〜雨ケ森〜東おたふく山〜阪急バス東おたふく山登山口

2万5千分の1地形図「西宮」「宝塚」を参照すること


JR芦屋駅から高座の滝

8:48
JR芦屋駅から西へ歩き始める。芦屋ロックガーデンの入口「高座の滝」へは阪急芦屋川駅の方が近いが、私の住む姫路からならJR芦屋駅は新快速も止まるし、阪急電車に乗り換える時間を考えると時間的にはさほど変わらないと思う。

駅周辺の道は、天気予報通りに夜明けごろ雨が降ったようで、わずかに濡れている。途中のコンビニで食べ物・飲み物を仕入れ、西へ進み芦屋川を渡る。向きを北に変え、芦屋川右岸を阪急芦屋川駅のホーム下をくぐり抜け、「高座の滝」「ロックガーデン」などの道標に従い、山芦屋の住宅地の中を緩く登る。高座の滝までは狭くはなるが舗装路が続いている。

滝近くの高座川左岸の道を行く

9:34
高座の滝に着いた。滝周辺には駐車場はなく「ここは、車両回転場所につき駐停車禁止 芦屋警察署 芦屋市役所」「緊急車両の待避所につき駐停車禁止 芦屋市役所 芦屋警察署」の表示のある場所に何台も車が止められている。茶屋が2軒あり「滝の茶屋」と「大谷茶屋」で、高座川と崖に挟まれた狭い敷地に建てられていて、両店とも飲み物がメインで名物料理はなさそうだ。2軒の茶屋の間に東側の鷹尾山・荒地山へ登る道もある。

大谷茶屋前の路地を行く

一番奥には護摩堂があり、高座の滝はその横だ。大勢の人が焚き火に当たりながら休憩しているが、高座の滝を見物している様子はない。

高座の滝

高座の滝

この滝は、高さ約10mの夫婦滝であって、昔は修験者の道場として著名であった。滝の300m上流にある中ノ滝付近の斜面から鎌倉時代初期のものと推定される土師質灯明皿や瓦器の包含層のあることが報告にある。このように祭祀性の異物の出土や立地条件から、霊場であったと思われる。
滝の傍らには、護摩堂があり、また、ロックガーデンの名を顕揚した藤木九三翁の浮彫像がある。

芦屋市・芦屋市観光協会

藤木九三氏のレリーフ

藤木九三氏(1887−1970年)は、日本を代表する登山家であり、優れた指導者でした。山岳詩人として多くの著書を残され、ロックガーデンの名付け親と言われています。このレリーフは、我が国登山会に寄与された功績を称え、その人柄を慕う関西の岳人達により1963年5月12日に設置されました。
毎年9月末の日曜日に山仲間が集い、故人を偲び登山の発展と安全を祈る藤木祭りが、開催されています。

日本山岳会関西支部
兵庫県山岳連盟
大阪府山岳連盟

瀬戸内海国立公園 ロックガーデン周辺案内図

ロックガーデン
日本近代登山発祥の地、緑におおわれた山の中に、突然砂を固めたような白い岩肌が現われ、その間に花崗岩の岩塊が突出するといった奇怪な風景がくりひろげられる。

見どころ
高座の滝 高さ10mの夫婦滝。小さいが滝は美しく周囲はこんもりと樹木におおわれ、静寂の中に滝の水音が冴える。滝のそばにはアルピニスト藤木九三氏のレリーフもある。ここはロックガーデンの登山口でもある。

登山者の皆様へ

  1. 落石、浮石には充分注意して下さい。
  2. 国立公園の中では自然保護のため、動物や植物の採取が禁じられています。
  3. 美しい自然の思い出と共に、あなたのゴミはあなた自身の手で持ち帰りましょう。
  4. 山火事をおこさないよう火の後始末は完全にしてください。
  5. 自然をとうとび自然を愛し、自然に親しみましょう。

環境庁・兵庫県

団体引率者へ

最近団体行動の途中行方不明事故が多発しております。引率者は注意をお願いします。

芦屋市・芦屋警察署

注意
ハイカーのみなさまへ!!

このコースは阪神大震災により、地盤が緩んでいます。今後雨等により落石の恐れがありますので、通行には充分な注意をお願いいたします。

芦屋市



ロックガーデンから風吹岩

9:44
高座の滝を後にして、ロックガーデンから風吹岩へ登ることにする。高座の滝のすぐ下の小橋を渡ると、いきなりの急な岩場だがモルタル固定の安全な階段道でヒョイヒョイと登っていく。

ロックガーデンへの登り始め

9:52
西の地蔵谷、東の高座谷へ行く道があるが、私は中央稜を行く。高座谷の堰堤上流の広場では、テントを張ってこれからロックガーデンへ登ろうとしている人たちがいる。前夜から泊まっていたなら時間が遅すぎるので、今朝張ったテントに下山後に泊まるつもりなのだろう。この広場はイノシシがよく出没するところと聞いていたので楽しみにしていたのだが、1頭もいない。古くなって赤文字が消えてしまった「芦屋野生イノシシ村」と新しそうな「芦屋市」の看板がある。

お願い

この付近に野生のイノシシが出て来ます。以前よりイノシシ研究グループが餌付していますので大変人に慣れていますが危険防止のため次の事項を必ず守って下さい。

  1. 小さな子供さんはイノシシに近づけないこと。
  2. イノシシを触ったり直接手で餌をやらないこと。必ず遠くから投げて下さい。
  3. 特に臭いに敏感ですので食物を持って近づかないこと。
  4. イノシシが近づいたら手を大きく振って追い払って下さい。
  5. を見ると突掛って来ますので非常に危険です。

芦屋市野生イノシシ村

危  険

この付近は、イノシシが出没します。エサを与えないようにしましょう。

兵庫県・芦屋市

階段道が終わり、ここからが中央稜の核心部分で、花崗岩が風化した斜面を登っていく。、足場はしっかりしていて三点支持の必要もない一般コースなので、危険なところはないが、うっかり足を踏み外せば大怪我は避けられないだろう。

中央稜コースの核心部分

お子様でも登れます

三脚を立てて、写真を撮る余裕もあるし特に怖いところもない。西側の地蔵谷からのコースで登ると、ガイドブックに載っている本当のロックガーデンの岩場に行くことができるようで、一度行ってみたいものだが、いつの日になることやら。岩場を登りながら振り返ると、高座川の谷の先に芦屋の町や大阪湾が見え、風もなく日差しも快く、看板にあるように日向ぼっこをしてすごし、このまま帰ろうかなと一瞬思ってしまった。

ロックガーデン

「ただひとりとかげ極めこむ日もありて物音絶えし岩場なりしか」と富田枠花の詩のとおり、花崗岩が風雨の浸食によって、つくりだされ特異な景観地、大正13年(1924年)ごろからロック・クライミング・クラブの人々によって、登山練習がはじめられた近代登山の発祥地である。

環境庁・兵庫県

もう少しだけ岩場がある

10:16
関西電力の茶色に塗られたアングル製2回線懸垂鉄塔が立っている。仁川連絡線のはずだが、どこにも名板が見当たらない。関西電力の送電線鉄塔で名板が付いていないは、これまで1基も見たことがなく奇妙だ。鉄塔の目立たないところに、隠すかのように「風吹岩15分 高座の滝15分 BS神戸78」の案内が付けられている。また、この鉄塔の下から、道端にわずかに溶け残った雪が見られはじめた。

六甲山と緑の復元

六甲山はかつては有名な禿山でした。この石積ははげたところに緑を復元するための砂防工事用のものといわれています。このように人々の努力によって六甲の山に砂の流失を防ぐ礎がつくられてきました。自然を守るためには先ず何をするべきかと自分たちにでできるのは何かを考え、山の植物や土砂を取らないことから実行しましょう。

環境庁・兵庫県

中央稜コースでは通らない
ロックガーデンの核心部が見える

10:28
茶色に塗られた鋼管製2回線耐張送電線鉄塔「新神戸線 四五」の下を通る。この鉄塔の送電線が風吹岩にある鉄塔につながっている。

新神戸線四五の真下を行く

二番目の鉄塔を過ぎると、展望のよいところや、背丈よりも深い溝状になった道を行きそれなりに面白い。しかし、ガイドブックのピラーロックなどの写真を見て、そこへ誰でも行けるんだと信じ込まされていた(私を含めて)人々の落胆と嘆きの声が聞こえてきそうだ。いつの間にか芦屋市から神戸市東灘区に入っているが、神戸市にある芦屋ロックガーデンを、神戸市民も芦屋ロックガーデンと呼んでいるのだろうか。

展望もよいし

こんな面白い道もある

10:41
雪が少しづつ増えてきて、風吹岩に到着。いつもいる風吹猫は、どこか暖かいところで日向ぼっこをしているのか、はたまたお昼御飯にはまだ早いのでロックガーデンで遊んでいるのか、姿を見ることはできなかった。

風吹岩到着

大岩の上にも登ってみたが、名前の通りに風通しがよく、あまりの寒さに(薄着のせいもあるが)すぐに下りる。結局ここでは7分ほど眺めを楽しんだだけだった。

風吹岩からロックガーデンを見る


雨ケ峠から東おたふく山

10:48
北へ雨ケ峠を目指し出発する。日陰になっている道には雪が残っているが、踏み固められているわけでも、凍結しているわけでもなく普通に歩ける。残り雪には靴跡がたくさんと、チャリンコのタイヤ跡が2台分ついている。

雪景色の魚屋道を行く

11:10
「打越山」、「横池」、「打越山・住吉谷・八幡谷・十文字山」、「荒地山」、「芦屋ゲート奥池」、「黒五谷・住吉川・岡本」などへ誘い込もうとする案内を全て無視し、「雨ケ森・六甲山最高峰」へと魚屋道を北上し、芦屋カンツリー倶楽部の南側猪除けゲートに着いた。ゲートの上には緑色に塗られたウグイス橋がかかっている。

この雪では
ゴルフをしている人はいないだろう

11:19
ゴルフ場北側猪除けゲートから2分も行くと「水場」がある。冬でも出るのかなと蛇口をひねると、勢いよく水が出た。見た目はきれいだが、はたして飲めるほどに浄化され塩素殺菌もしているのかは謎だ。

魚屋道の水場

ほんのり雪景色

日当たりのよい道には全く雪は残ってなく、十分の一ぐらいの日陰の道にどうにか溶けずに残っているぐらいで、雪道を歩くという雰囲気ではない。

11:32
特に急な登りもなく、風吹岩から40分程で雨ケ峠に着いた。カップヌードルを食べている女性が二人と、休憩中の男性が一人いるだけで、ちょっと淋しい雨ケ峠だ。

雨ケ峠から東おたふく山へ

11:35
雨ケ峠で魚屋道に別れを告げ、右手の東おたふく山への雪のない階段道を登っていく。

11:38
緩やかな階段道を登りきると、東おたふく山の大草原の始まりの笹原の草原が現われる。道の脇に四等三角点標石(点名:雨ケ森)があるが、これから登る東おたふく山の頂上には三角点はない。

大草原の始まり

冬色に染まった笹原の草原(思っていたよりもだいぶ狭かったが)が広がっているが、ここの笹は六甲に多いミヤコザサとは種類が違うように見えた。笹原の中の高みでは、風を避けるように木陰で休憩している二人連れが見えるが、風を遮るもののないハイキング道は、冷たい風が吹き抜けている。

東おたふく草原、西側

同、東側

どの山行記録を見ても写真は上右側の構図のがほとんどで、この範囲で草原の東半分をカバーしている。六甲には稀な草原だが期待していたよりは幾分狭く感じられた。

もうすぐ頂上だ

東おたふく山の頂上

11:57
最後まで緩い登りの稜線の東の端に、東おたふく山の頂上があり、公設の「東お多福山 標高697m」の案内柱が立っている。一家族と単独者、合計4人とここも少し淋しい。南側が開けていて(少し木が邪魔をしているが)今日はあまり遠望が利かないが、空気の澄んだ日には大展望が広がっていそうだ。


土樋割峠から林道で下山

12:22
コンビニおにぎり2個の昼食を食べて、下山開始。東へ下る山道よりは、北の土樋割峠から林道を下る方がより安全と判断し、計画を変更。山頂の案内柱は北へ下る道を「蛇谷北山→」「太陽と緑の道→」と表示をしている。ここから神戸市から芦屋市に戻る。

北側斜面の方が幾分雪が多いが、数人が歩いただけで、すでに地面が見えている。

山頂のすぐ近く

半分ぐらい下りたところ

12:35
写真撮影時間を除いたら10分もかからずに、土樋割峠に着いてしまった。ここまで麓から舗装林道が上ってきていて、短時間で東おたふく山に登れるためか、数台の車が止まっている。

雪の土樋割峠

奥池町に下る舗装林道の十分の一ほどには、まだ雪が残っている。しかし凍結していないので、今はノーマルタイヤでも登れるが、天候の急変でいきなり凍りついたら下るのは怖そうだ。

雪が残る舗装林道を下る

13:05
途中、東おたふく山へ東から登るルートの登山口を確認したりして、阪急バス「東おたふく山登山口」バス停に下山。わずか3分前にバスが出たところだが、1時間に2本もあるので、わずか31分待つだけで次が来る(毎時2分と36分で、最終バスは20時36分)。

ようやくバスが来た

8人がここから、途中の芦屋ゲートからもハイカーが数人乗り込み、ほぼ座席が埋まった阪急バスは、急な曲がりくねった道を芦屋の町へと下っていく



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