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天狗岩南尾根・番匠屋畑尾根・湯槽谷



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平成18年2月11日(土)  メンバー 私だけ

渦森台〜天狗岩南尾根〜六甲オリエンタルホテル〜極楽茶屋跡〜番匠屋畑尾根〜湯槽谷〜有馬温泉

2万5千分の1地形図「西宮」・「神戸首部」・「有馬」・「宝塚」を参照すること


標高300mの渦森台から

8:09
JR住吉駅前から乗車した神戸市営バス38系統渦森台行きバスは、急坂を駆け登り渦森台バス停に到着。天狗岩南尾根の本ルートは、渦森橋バス停で下車して寒天橋から始まるようだが、登山口は高いにこしたことはない。渦森台の標高はすでに300mほどもあり、今日の行程の最高標高900mまでは600mほど登ればよいだけだ。

終点の渦森台から転回地へと
走り去る38系統神戸市営バス

8:25
極普通の住宅団地の中を、明方に雨が降ったのか濡れた道を送電線鉄塔を目印に、渦森台公園から渦森展望台公園と登って行き、公園の東端に登山口を見つけた。しかしそこは「寒天山道」の登山口だった。ちょっとがっかりしたが、寒天山道も登ってみたいルートだったので登山口を見つけたことで少しうれしくなった。このまま登ってしまいたい誘惑に駆られたが、初志貫徹、天狗岩南尾根の登山口を探すことにした。

8:29
寒天山道の登山口になる本住吉神社奥宮から住宅地を少し下ると、今度は目的の天狗岩南尾根の登山口を見つけた。バス停から歩き始めて15分で登山口を見つけてしまうなんてなんて運が良いのだ。天気はあまり良くないが、いい一日になりそうだ。

渦森台の天狗岩南尾根への登山口

フェンスが閉まり車は入れないが、人は自由に出入りできる。案内図と道標も立っているが、近所の人はだいぶ迷惑をこうむっているのが注意看板から読み取れる。

(上の写真の手前側)渦森台を経て住吉山手方面
(左の道)寒天山道
(フェンスの先)西山谷(熟練者向) 途中分岐点あり天狗岩南尾根

千丈谷利用の皆様へ

水汲み、飯盒すいさんなどで千丈谷をご利用される皆様は、次のことをお守り下さい。

  1. 車ではなく歩いてきてください
  2. 騒いだり、ごみを捨てるなどしないでください。
  3. 朝8時から夕方6時までの時間内でお願いします。

渦森台3、4丁目自治会
東灘区役所
建設省六甲砂防工事事務所

ほんの少し歩くと「千丈谷砂防ダム」(高さ16m、標高302m、昭和21年完成)がありダムの下流側に下りていく道がある。

(砂防ダムの下流に下りる道)寒天橋を経て住吉山手方面
(手前)渦森台を経て住吉山手方面
(奥)西山谷(熟練者向) 途中分岐点あり天狗岩南尾根


天狗岩南尾根を登る

さらに少し進むと、緩やかな流れの右岸を行く道につながっている。溜まった土砂を取り除いた跡なのだろうか、人の手による地形で変な感じだ。また注意看板が複数立っていのを見ると、まもるべき決まりを守らない人が多いのだろう。

この辺が千丈谷かな

注 意 !

この砂防ダムの堆砂敷(すながたまるところ)は陥没(あながあいています)しています。危険ですから近づかないでください。

国土交通省 六甲砂防工事事務所

清流住吉川の自然環境を守りましょう

ここ千丈谷は清流住吉川の源流の一つです。ホタルやカジカガエルも生息しているこのすばらしい自然を保全するため、みんなで次のことがらを守りましょう。

住吉川清流の会
東灘区役所
(社)瀬戸内海環境保全協会
神戸市環境局
国土交通省六甲砂防工事事務所

キャンパー、ハイカーのみなさんへ(お願い)

清流住吉川の自然環境を保全するため、みんなで次のことがらを守りましょう。

住吉川清流の会
(社)瀬戸内海環境保全協会
神戸市環境局・東灘区役所
国土交通省六甲砂防工事事務所

8:39
環状列石のミニュチュア版のような、カマドと座るための石が二重円を描くバーベキュー用の石組みが残る千丈谷の奥には、もう一つの砂防ダムがある。「千丈谷第ニ堰堤」(昭和50年完成)で行く手の谷を塞いでいる。登山道はこのダムの下流を飛石伝いに渡り、左岸側の斜面を尾根目指して登っていく。(西山谷ルートは堰堤の上流側に下りて遡上するようだ)

堰堤の下流側を左岸へと渡る

何の蕾なのだろう

…このページを公開した次の日(2月17日)に追記。…
♪〜WELCAME〜♪のカメ巫女さま、山であそぼっの島田さまより、『ミツマタ』の花の蕾であることを教えてもらいました。黄色く咲いたミツマタの花は見たことがありますが、蕾がこのようなものであることは知りませんでした。この場をかりまして御両名様に御礼申し上げます。

流を渡ると、蕾を付けた低木が群生している。はたしてどんな花が咲くのだろう。流を渡ってからの登りが急で、「さすが天狗岩南尾根は凄い、こんな登りがずっと続くのだろうか」と少し心配になってきた。

いきなりの急登

しかし急登はすぐに終わり、その後は緩やかな尾根道が天狗岩まで続く。暑くなってきたので、フリースを脱ぐ。

急登の後は緩い登り

8:57
天狗岩南尾根に乗ったようで、道標が立ち尾根の上下方向に道が付いている。

(登り)天狗岩南尾根
(下り)天狗岩南尾根・住吉山手方面
(手書きで)キャンプ場を経て渦森台バス停

9:00
送電線鉄塔「新神戸線 五四」の横を行く。標高は420m程で、あと350mほど登れば天狗岩に着く。

送電線鉄塔の脇を行く

道が二方向に分かれていて、どっちに進めば迷ったが、緩い方を登ってみると結局一緒になり「←ゆるい道・きつい道→」の表示がある。下の分岐点にも付けてもらった方がいらぬ心配をせずにすんだのに。

登山道は、少し急なところは丸太や石の階段道になっていて歩きやすく、葉を落とした今の時期は見通しがよく、暑い時期は茂った枝葉が日陰をつくり出すことだろう。途中、写真を撮っているうちに一人のハイカーに追い越されただけで、その人以外には誰にも会わなかった。

ミヤコザサが茂る雑木の尾根

緩い道が続く

少し急なところは階段が

水平道もある

雪が少し残っている

誰の足跡なのだろう

天狗岩南尾根などというおどろおどろしい名前のわりには、ほとんどは緩やかでスキップしながらでも登れそうだ。5kg減量のダイエットの効果が出たのかもしれないが、これまでに登った六甲の登山道の中では一番楽かも知れない。

9:55
左手に、ほぼ同じ高さに赤い屋根の建物が見えてきて、もうすぐ稜線かなと進んだら、そこが天狗岩だった。北側近くに休止中のロープウェイ表六甲線の索道が横切っている。東側の天狗岩駅には茶色と赤色に塗られた搬機もそのまま残っている。

天狗岩から北西を見る

搬機が見える東の天狗岩駅

10:07
天狗岩のすぐ北側にはロープウェイのトラス型支柱が立っている。緑に塗られた思いのほか低い支柱に登れば、さぞや見事な展望だろうが「危険 関係者以外立入禁止 あぶない、てっとうにのぼってはいけません。 六甲有馬ロープウェイ」という表示もあるし、諦める。

登山道は支柱の
真下を通っている

楽しい?六甲の稜線歩きと「みよし観音」

10:10
中継所のアンテナ鉄塔が近くに立つ、舗装道路に出てしまった。麓の雨はここでは雪だったのか新雪が道路に薄っすらと積もっている。ここにも動物の小さな足跡が付いている。さっきのは爪が尖っていたが、今度のはまるまっちい可愛らしい足跡だ。

道路には新雪が薄っすらと積もっている

小さな足跡だ

六甲オリエンタルホテル(ツインルーム利用、1泊2食付1名様当たりサービス・税金込み16,000円より)前からは広い車道を10分と少し歩くことになる。

六甲オリエンタルホテル前

楽しい楽しい車道歩き

10:34
広い車道から「みよし観音」の狭い道に入る。入口には「←ケーブル六甲山上駅1.4km 凌雲台 0.3km→」の道標と「→大空のまもり みよし観音」の石柱が立っている。

狭い道に入ると、すぐに「みよし観音」の像がある。台座の上で右手を空に向けた「みよし観音」像の写真を撮るのが、本日の最大の目的だったりするが、ブロンズ像の作者が分からなかったのが残念だ。また、ここは「大月地獄谷」の終点になっている。

みよし観音

自らの命のかけがえに人につくすことほど崇高な行為はない。この行いの内にこそ人間の真の勇気と美しさと尊さがある。紅蓮の炎に消えた1人の若い娘が身をもって明かしたものはそれだった。

詞 石原慎太郎作

菩薩とは自己より前に慈心を以って先づ他人を救済せんとして行動する人を称し観音とは其の具現者である

みよし観音讃歌

  1. 明けゆく空よ 六甲の
    緑もふかき 山の上
    誠をこめた 少年の
    願いは人を 動かして
    ああ みよし観音 ここに立つ
    うら若きいのちのままに大空の
    華と散りにし人を忘れじ

  2. 六甲山の すそ遠く
    大阪空港 見おろして
    ホタルのてんし 愛の手を
    伸ばして高く 天をさす
    ああ みよし観音 世のまもり

  3. ただよう雲に 茜さし
    いま六甲は 暮れてゆく
    世界の空を 汚すなと
    いのちにかえて 示された
    ああ みよし観音 世の光

みよし観音奉祀15周年記念歌碑

題字 阿闇梨 葉上照澄
作詞 逵原ミレイ 松井重夫
献歌 吉永小百合
作曲 藤アキラ

昭和59年7月31日建立
宗教法人 大和精舎
みよし観音奉賛会

殉職スチュワーデスを讃える

ホタルの天使を偲んで 作詞森繁久弥

あな おごそかな み顔こそ
君 ありし日の 面ならん
蛍よ舞えよ そのもとに
六甲の峰 煙るとも

みよし観音建立30周年祈念 平成11年5月吉日

10:41
みよし観音から真っ直ぐに進むと「石切道」で、凌雲台へは左の階段道を登っていく。

10:45
凌雲台(六甲ガーデンテラス)が見えてきた。数百台の車が停められる駐車場はがらがらで、観光客の姿は見えず、時期外れとはいえひどく寂しい風景で寒々としている。レストランやスーベニアショップは営業しているのだろうか。その中を歩いているのは少数のハイカーだけだ。

六甲ガーデンテラス

観光客はいない

六甲ガーデンテラスの東端から極楽茶屋跡へ行くハイキング道が始まっている。アンテナ塔を過ぎて下り道になると、薄っすら積もった新雪の下には踏みしめられた硬い雪が隠されていて、気を付けないと滑りそうになる。前を行く中高年ハイカーの小団体を追い越すに追い越せず、のんびりと後を付いていく。私の後にもハイカーが続いていて、自分撮りをしづらい雰囲気で、ここでの写真はない。

兵庫県防災行政無線
六甲山中継所

兵庫県全域に及ぶ防災行政無線通信網の重要な拠点です
本施設は兵庫県庁を中心に県出先機関との間で河川の水位・雨量・音声・映像等の情報を常に集配信するための中継施設です。局舎内には通信機器を備え、地震・風水害の災害発生時においても、有線回線の途絶や輻輳に影響されません。他の地域との情報交換も図り、防災活動を支援する上で大きな役割を担います。


極楽茶屋跡から番匠屋畑尾根

11:06
車道を横切り極楽茶屋跡に着いた。自販機があるだけで、茶屋はもう営業していない。そこの自販機でペットボトルのお茶を買っていると、店のご主人に「いい写真が撮れましたか」と話しかけられた。三脚を持ち歩いているのを見て、私が写真好きと誤解したのかもしれない。話をしていると「六甲山に40年暮らして、今日初めて『フユワラビ』を見つけた」ことを嬉しそうに教えてくれた。どこに生えていたのかは聞かなかったが、真冬に花が咲くフユワラビを私も見てみたい。

極楽茶屋跡

11:12
極楽茶屋跡の先で「紅葉谷」へ下る道と、これから私が下りようと思っている「番匠屋畑尾根」への道に分かれている。全てのハイカーは紅葉谷へ氷瀑目当てに下りていくようだ。

左:番匠屋畑尾根、右:紅葉谷

地形図を見ると番匠屋畑尾根は緩やかそうに見えいるのだが、いきなりの急降下で、アイゼンを使うほどには雪は凍結していないが、用心のためザックにいつも括りつけているダブルストックを使うことした。

いきなりの急降下

前とは違う足跡

一部に植林もあるが、ほとんどは雑木の急な尾根で、期待していた展望の尾根ではなかった。数人が今日行き来した足跡が残っているが、誰にも会わない。

急な下りが続く

植林も少しある

ようやく緩くなった先の、ロープウェイの鉄塔支柱から752m三角点への登り返しが、これまたきつい階段道で、ここで単独の女性ハイカーとすれ違う。結局、番匠屋畑尾根で出会ったハイカーは彼女1人だった。

11:57
752.0m四等三角点(点名:湯槽谷山)通過。風の通り具合によるのか、ここには雪が全くなかった。

道端の752.0m四等三角点

湯槽谷峠から湯槽谷を下る

12:06
横谷・湯槽谷山・湯槽谷・番匠屋畑尾根の十文字分岐点に着いた。ここは湯槽谷峠と呼ぶらしい。公設の案内柱は南北方向しか示していないが、手書きで東西方向の横谷と湯槽谷が書き加えられている。

湯槽谷峠から湯槽谷へと下る

湯槽谷は通る人も稀なようで、雪上には今日歩いた足跡は付いていない。下り始めてすぐに、2連のトラロープがさがる足場の悪い急斜面に出るが、ほんとに急なのはここだけだった。

ロープにすがり急斜面を下る

マーキングも道らしい道もない谷底を下っていくが、ほぼ真っ直ぐな分岐らしい分岐もない谷を下っていくのでルートハンティングの必要はない。逆に登るのも簡単だろう。峠から10分も下ると低い砂防堰堤が六連ほど連続して現われる。その堰堤と堰堤の間は溝状になっている。

谷底を下っていくと

連続して堰堤が現われる

12:30
ロープウェイの索道の真下を通り抜ける。広くなった谷には今は流れはないが、雨が降ると踏み跡を消してしまうぐらいの流れになるのだろう。傾斜も緩く、適当に歩きやすいところを下っていく。

ガレた谷を下る

12:39
左に行く薄い踏み跡を無視して進むと、高い砂防ダム(湯槽谷第四砂防ダム、高さ20m、昭和55年完成)に行く手を遮られてしまった。

行く手を遮る湯槽谷第四砂防ダム

12:48
砂防ダムに立ち向かっても勝ち目はないので、左岸を高巻く踏み跡に入り第四、第三砂防ダムの脇を通り過ぎ、杉植林の中を下ると、林道終点の紅葉谷の入口に下り立った。ここに去年の暮れに来たときはだいぶ雪があったが、今日は全くなかった。

紅葉谷と湯槽谷の出合

六甲有馬ロープウェイ有馬駅近くの林道脇に、木でつくられた箱が埋められていて、「猪の足湯」と表示されている。1年と少し前に見つけられた温泉は残念ながら枯れてしまったようで、落葉が溜まっているだけだった。

林道脇の「猪の足湯」は枯れていた

温泉につかってのんびりして帰ればよいのだが、三宮駅行きの次の神姫バス(エコ定期券制度を使うと通常680円の運賃が100円になる)は13時45分発なので、「金の湯」(入浴料650円)の足湯(無料)につかる時間もないようだ。しかしお土産に炭酸煎餅(今回は奮発して抹茶クリーム炭酸煎餅にしてしまった)を買ってもバスの発車まで30分もあり、足湯につかるんだったと後悔。



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