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摩耶山、天狗道を登り山寺尾根を下る



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平成18年11月3日(金)メンバー 私だけ

新神戸駅〜市ケ原〜天狗道〜摩耶山〜山寺尾根〜長峰堰堤〜護国神社

2万5千分の1地形図「神戸主部」を参照すること


天狗道の登山口は遠いぞ

9:02
新神戸駅から北へ摩耶山天狗道への登山口を目指し歩き始める。新幹線高架駅の真下を流れる布引川に沿って舗装歩道、階段を登っていく。下の写真の左側の道は布引の滝(雌滝)へと続くが、今日は滝見が目的ではないので右側の階段を登る。

布引の滝(雄滝)への階段

9:16
布引の滝(雄滝)に着いたが、最近の少雨でバルブを絞り込んでいるためチョロチョロの滝だ。布引貯水池との間で水を循環させる仕組みを構築し、豪快な落水をいつも楽しめるようにならないかと、ここに来るたびに思う。遠路はるばる訪ねてきて落水のない滝を見るよりは、1分百円(採算的には1分千円ぐらいかな)の有料望遠鏡みたいな仕組みにしても面白いと思うのだが。

落水がない布引の滝(雄滝)

9:33
霞んでいて展望がない「みはらし展望台」から、神戸市水道局の敷地内に入り少し行くと布引川に変な橋が架かっている。以前は形だけの吊橋の「猿のかけ橋」だったのが、今は欄干やワイヤーにツタや木の皮を巻かれていて「猿のかずら橋」に変身している。

猿のかずら橋

六甲山地区 国立公園編入50週年記念
『猿のかずら橋』を制作しました

森林を育てる作業を保育といい、保育が行き届かないと樹木の生育環境が悪化して樹木が枯れたり、病虫害が発生する危険にさらされます。
また林の縁を覆うツル植物は森林環境を保護する役割も果しますが、繁茂しすぎると樹木の成長を妨げます。
そこで「六甲楽学会」ではこれらの茂りすぎたツル類を取り除いて樹木の健全な成長を図るとともに、取り除いたサルナシのツルを使って六甲山の瀬戸内海国定公園編入50周年記念に金属製の「猿のかけ橋:を「粗谷のかずら橋」に似せて装飾して、森の成長を妨げるツルを「森の恵み」として活用しようと力をあわせて取り組みました。
装飾作業は「祖谷のかずら橋」の経験者で兵庫県在住の藤澤梅市さんのご指導を受け、完成式には三好市西祖谷からもご参加いただきました。ここに記し感謝いたします。

平成18年5月3日 六甲楽学会

「六甲楽学会」は六甲山について話し合い、行動する市民運動です。月1回程度開催しています。活動への参加を希望される方は下記へご連絡ください。
六甲楽学会事務局:神戸市建設局公園砂防部森林整備事務所 TEL.371-5937

9:47
明治33年に完成した神戸市民の水がめ、布引貯水池に着いた。ダム(正式には五本松堰堤という)は高さ33.33メートル、長さは110.3メートルあり、貯水量は神戸市役所1号館を升にして約3杯分の60万立方メートル、貯水池の周囲は約2キロメートル、満水時の面積は51300平方メートルあるというようなことは、解説放送をよく聴くと分かる。

布引貯水池

10:03
布引貯水池の湖岸道を行き水道局の敷地を抜けると茶屋がある。この辺までは車でも入ることができるが駐車場所はない。タクシーを利用すれば歩く時間を1時間は減らせるが、それは足腰が弱って山に登れなくなってからにしよう。

茶屋は3軒あり、南から「紅葉茶屋」・「あけぼの茶屋」・「櫻茶屋」の順に並んでいる。櫻茶屋前には公衆トイレがあり、手前の布引川を再度山へ渡る広い河原が市ケ原だ。

あけぼの茶屋
おしながき
 
手作り おにぎり弁当
(おかず三品付)
 400円
 
名物 どて焼100円
 
 お食事
きつねうどん500円
わかめうどん500円
カレーライス600円
洋風オムピラフ600円
 
 喫茶
田舎風ぜんざい500円
手作りあんみつ400円
コーヒー250円
紅茶(ミルク・レモン)250円
ゆずティー300円
各種アイスはプラス50円
オレンジジュース
(産地直送100%)
 250円
 
あけぼの茶屋

冷た〜い!生ビールはじめました
キリン一番搾り 澄みきったコク。

生ビール
グラスビール 100円 ハーフグラス 300円 中ジョッキ 550円

グラスビールよりハーフグラスの方が高いのが変だ。何回もこの茶屋の前を通ったが一度も入ったことはない。そういえば六甲山には沢山の茶屋があるが一度も入ったことがないことに気が付いてしまった。次からは茶屋巡りを楽しんでみようかと思うが、登る前にいきなりの生ビールでそのまま下山も面白いかな。

10:12
櫻茶屋の先の道脇の細長い広場に人だかりがしていて、猪がいるではないか。六甲山へ行くといつでも猪に会えると楽しみにしていたが、今まで一度も会ったことがなかった。猪に会えるまでは六甲山詣でを続けようと思っていたが、これでようやく私も六甲山を卒業か。

しかしながらウリ坊のころから人に馴れているようで、野性味が全く感じられないペットのような困った猪だ。今までに播州の山で猪に出会ったのは1回だけしかないが、そのときの猪は猟犬に追いかけられ必死に私に向かって逃げてきた。猪は私に気づくと方向を変え尾根を下り、猟犬は私を無視するかのようにすぐ脇を走り抜けって行った。そのときの迫力、緊張感はこの猪クンの一万倍は感じられた。

来年の干支、猪クン


1時間かけようやく登山口に、もうすぐ天狗道だ

10:18
たどり着いた。ここからは六甲山の名物、砂防ダムを巻くために布引川から離れ階段道を登っていく。ハバタン国体(のじぎく兵庫国体がより正しい呼び名のようだが、記憶にはあの黄色いハバタンしか残らないだろう)の山岳競技のルートとなったため非常によく整備されている。階段の丸太も新しくなりウッドチップが撒かれ、足に優しくなっている。これが摩耶山頂上まで続いているのだろうか。

ウッドチップが撒かれた登山道

10:26
布引谷沿いの道には、次々と分岐が現われる。最初は「天狗道」へ、次は「地蔵谷」そして「黒岩尾根」、「分水嶺越」、「森林植物園」……、今日は最初の「天狗道」へ右に入る。

天狗道の入口

ジグザグと続く階段道も整備状態は完璧で、登山道というよりは遊歩道だ。この道で山岳競技とは、ただタイムを競うあほらしいレースが繰り広げられたのだろうか。早く登るだけが山登りではあるまい。

このコースは六甲山の中でも人気があるようで、いつも前か後に人が歩いていて、この時間なのに下山してくる人もいる。20人ほどの団体が数波に分かれて下りてくるのに出会ったが、広い登山道も街中の雑踏のようだ。

階段道が続く

天狗道が緩やかになり、そして下りに変わる地点に布引ハーブ園への分岐がある。その分岐に入るとすぐに425.02m四等三角点標石(点名:山郡)があり、写真を撮っておく。天狗道では花のはの字も咲いていなかったが、この三角点近くの日当たりのよいところにはコウヤボウキの可憐というか硬そうな花がまとまって咲いていた。

天狗道に戻り、次に待ち構える稲妻坂の登りをさらに急にするためかのようにいったん下る。以前の急な荒れていた稲妻坂も見違えるように整備されていて、稲妻らしさが減少している。

稲妻坂

11:16
急な稲妻坂は「学校林道出合」で終わり数人のハイカーが休憩している。摩耶山頂上まで約2km、標高差はあと150mほどしかなく、登りだけならごく緩やかになるはずだが、登り下りが繰り返し下りも急だし登りも結構急な部分もある。

学校林道出合いから
緩い道もあるが

こんな急な岩登りもある

11:44
この天狗道に展望があれば鬼に金棒なのだが、残念ながら理想と現実とは一致しない。ただ登山道から離れると眺めのよいところもあるにはあるが、残念ながら今日は霞んでいて大阪湾さえも見えない。

方位盤のある展望所
なにも見えないな

11:56
地蔵谷ルートの道が合流してきて5分も行くと、同じような展望のない道に飽きてくるころ、整然とした石段の道が現われる。もうすぐ摩耶山の頂上だ。石段道のまま頂上に着くかと思いきや、緩やかな丸太の階段道に変わってからだ。

石階段が現われると
摩耶山の頂上の近い


3時間で摩耶山頂上

12:02
中継用・放送用アンテナ塔が林立する摩耶山頂上にようやく到着。新神戸駅から歩き始めてジャスト3時間。ガイドブックの休憩なしのコースタイムは2時間40分なので、ごく平均的な早さなんだ。

摩耶山の頂上は人工物を含めたらどれかのアンテナ塔のてっぺんだろうが、果たしてどこが最高標高地点なのだろうか。三等三角点(点名:摩耶山)があるところではないのははっきりしている。誰もあまり気にしていないようだが、地形図の702m標高点なのだろうか。次に登ったら確かめてみよう。

摩耶山頂上はアンテナ塔銀座

今回は最高標高地点探しなどせずに掬星台へ直行する。三連休の初日、天気も良いので大勢のハイカー、観光客が来ている。ただ、ここ掬星台も霞んでいて展望はない。

コンビニのおにぎりセットを食し昼食とするが、藤棚の下のベンチは日当たりが悪く薄ら寒く、ようやくハイキングの季節が近づいてくるのが感じられた。暑がりの私は、最高気温が10度を切らなくては暑くて暑くてたまらない。

掬星台、やっぱり見えないな


下山は山寺尾根

12:42
下山は摩耶山の登山路の中で一番急な「山寺尾根」を選択。掬星台の東側展望所の脇に下山口があり、標柱も立っていて分かりやすい。以前この場所で自分撮り中に突風で三脚を倒し、コンデジの三脚取付部分を壊してしまった。プラスチック製のウィット1/4雌ネジの取替えだけなのになぜか修理に1万弱かかった因縁の場所で、今日は微風なのにビクビクしながらの自分撮りだった。

ここが山寺尾根の下り口

展望台の下から始まる山寺尾根は噂にたがわぬ猛烈な過激な超激急下りで始まる。摩耶山の数ある登山道の中で一部だけならここ以上の急坂があるかもしれないが、これだけ連続するのはない思う。この尾根は今まで登ったことがなく、一度でいいから喘ぎながら登ってみたいものだ。

いきなり激急な階段道

下り始めは丸太階段道で、これならいくら急でも楽勝だなと油断させるが、それはそこだけで下の方にはなく、道端の木々につかまりながらの下山となる。そのつかまりやすい木々の肌は磨かれたように光っている。

階段がなくても激急だ

山寺尾根と名づけられているがあまりに急すぎて、感じとしてはただの急斜面を下って行くような雰囲気で、展望はない。一部に緩いところもあるがほとんどは激坂だ。登りに使った天狗道には花が全く咲いてなかったが、この山寺尾根を半分ほど下ると道端に可憐な花が咲いていて、つい足が止まってしまう。花を撮っているとハイカーに追い越されてしまうが、なぜか花に気を止める人はいない。

緩いところもある山寺尾根

14:07
地形図にもある送電線を三本過ぎて急だった登山道が緩くなってくると杣谷に出る。高さ16m、長さ76mの昭和31年に完成した「杣谷堰堤」の上流だ。この谷沿いを杣谷峠へと登り、明石市の大蔵谷へと抜ける道が「徳川道」で、一度も本来の目的には利用されなかった。

杣谷に合流

14:14
杣谷を少し下ると「長峰堰堤」で、そこが杣谷の登山口だ。登山口にはホースで水が引かれた水場があるが、山の上でも人が生活している六甲山の水を飲むことなど、生水に敏感な私にはとてもできない。

下山口の長峰堰堤

長峰堰堤から杣谷川を渡り、学校や住宅地の中を下る長峰坂(これも信じられないほどの激急坂だ)を護国神社へと下る。阪急六甲駅が近いが、ちょうどやって来た三宮駅行きの神戸市バスに乗り帰途に着いた。


山寺尾根に咲いていた花々

センブリ、沢山咲いていた

イナカギク、ほんの数輪
ワッ、「摩耶山さん歩」さんと同じ花だ

アキノキリンソウ、ポツポツと

コウヤボウキ、ところどころ

ヤクシソウ、一ケ所にまとまって



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