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旗振山からおらが茶屋へ



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平成19年1月8日(月)  メンバー 私だけ

山電須磨浦公園駅〜鉢伏山〜旗振山〜おらが茶屋〜須磨寺

2万5千分の1地形図「須磨」を参照すること


よし初登りは六甲全山縦走だ

9:55
山陽電車須磨浦公園駅に降り立った私は、ここから宝塚までの長い辛い行程を思うと身震いを禁じえなかった。「えっ、こんな時間に出発かよ」と思う人もいるだろうが大丈夫、今日は全山縦走を百分割した最初の一だけを歩く計画なので、これでも早いくらいだ。

六甲全山縦走をウェブを調べると、登山口は須磨浦公園駅西側にかかる陸橋から始まることが分かった。便利な世の中だ。

敦盛橋を渡る

車も通れる陸橋はその名を「敦盛橋」という。わずか16歳で熊谷直実に一の谷の戦いで討たれ、「平家物語」にも登場する平敦盛から名づけられたのは、私が言うまでもない。橋を渡ると「←展望台 ↑鉢伏山頂」と刻まれた石の道標があり、階段道の入口には「ちかみち」と刻まれている。

鉢伏山は「舗装」階段を登るとは聞いていたが、いきなり始まるとは。もうこの第一歩で六甲全山縦走に興味をもつことは止めにしようと心に決めた。階段登りなんて登山じゃない、野歩きじゃない。

六甲全山縦走の第一歩
いや二歩目かな

縦走路は須磨浦公園端の児童公園の中を登っていく。でもなんか変だ、普通なら愛らしい動物の遊具が子供たちを出迎えてくれるのだが、ここのははっきり言って変だ。下の写真の足を折り曲げ、首と頭を真っ直ぐに伸ばしうつろな目をしたキリン、こんなの見たことがない。このキリン以外もみな変だ。今日は重要な目的があるので通り過ぎてしまったが、今度来ることがあったら詳細に調査しなくてはならない。

須磨浦公園のキリンさん


まずは鉢伏山を目指そう

さて、本題にも戻ることにする。舗装階段道は緩やかになったり、普通の角度の階段になったりするが、けして急階段にはならない。ただただ物凄く詰まらない。振り返ると須磨の海が見えたりするが、山登りをしている気分には全くならない。

階段道にも一人前に分岐点がある。「↑公園内周遊路 ↓須磨浦公園駅 →鉢伏山頂、六甲全山縦走路」と案内柱にあり、迷うことなく右の階段道に入る。

道標は完璧

何もこんなにまでも舗装階段道にしなくても、せめて六甲名物の擬木階段道でもよいと思うのだが。そうか、この辺りはまだ暗いときにヘッドランプの明かりに頼り登っていくので、神戸市がハイカーのためを思って整備してくれたんだ。

どこまで続く舗装階段道

10:25
近所に住む人たちなのか、手ぶらの人と時どきすれ違ったり、追い越されながら登っていくと、東屋と石のベンチ・テーブルのある展望台に着いた。残念ながら今日の大気の透明度は期待していたよりも低く、近くの淡路島、明石海峡大橋も霞んでいる。

展望台より淡路島方向を見る

10:28
展望台から階段を一登りでロープウェイの鉢伏山上駅だ。ここから全長91m、勾配25度のカーレーターなる、ベルトコンベアにイスを載せたような不思議な乗り物が運行されている。実は20年ほど前に、ロープウェイで登ってきてこのカーレーターに乗ったことがある。そのときに「うわ、何だこれ」と驚いているので、今日は驚かずにすんだ。

海釣り公園とロープウェイ

ロープウェイから下りた観光客がカーレーターに乗るようで、ゴトゴトとコンベアが動き始めた。その横の相変わらずの階段道を登っていく。

10:37
ほぼ鉢伏山頂上の須磨浦回転展望閣に着いた。屋上は無料・回転展望閣は100円だが、眺望は期待できないので入らなかったが、今思えば話の種に入っとけばよかったかな。そういえば姫路の手柄山の回転展望台も入ったことがないな。まだ営業しているのかな。

回転展望閣

回転展望閣北の、ジャングルジムと滑り台が合体した遊具のある公園に「鉢伏山 260m」の表示があり、この辺りが頂上なのだろう。登頂記念プレーがないかと周囲をざっと見渡したが見当たらなかった。もう少しよく探したら1枚ぐらいはあるかもしれないが、ここにプレートを吊るすのはかなり恥ずかしいだろうな。

鉢伏山登頂成功


この調子で次は旗振山だ

10:48
鉢伏山から北へ少し下り登り返したら、10分もかからずにマイクロウェーブ中継鉄塔が2本立つ旗振山だ。稜線に近づくと一気に風が強くなり、ビュービューと音を立てている。カメラを載せた三脚がいつ倒れるのではないかと気が気でない。「がんばるんだぞ」と声をかけてから写真を撮る。

あともう少しで旗振山頂上だ
がんばれ

ここはかつての「摂津の国」と「播磨の国」の国境で今は須磨区と垂水区の区境で、今は電波しか中継していないが、かつては大阪堂島の米相場を人力で西へ伝える中継所になっていた。

ようこそ旗振山・旗振茶屋へ

ここ旗振山(標高253m)は、17世紀末江戸時代中期元禄時代から電信が普及される大正初期まで畳1畳大の大きな旗を振って大阪堂島の米相場(値段)を加古川・岡山に伝達していた中継場所であることから「旗振山」と呼ばれています。
旗振茶屋は六甲山の最西端にあり山電JR塩屋駅と山電須磨浦公園からの道が交わる茶屋として知れれ毎日登山著名所があります。創業は昭和6年(1931年)3月その後阪神淡路大震災で倒壊し平成9年(1997年)5月再建しました。

茶屋の中で大勢の人々が午前中から寛いでいるようだ。私の本日の目的地はもう少し先なので素通りするが、いつか仲間入りしたいものだ。

右足は播磨、左足は摂津?


鉄拐山はパスしておらが山へ

旗振り山から鉄拐山・おらが山への道は山道らしいような、そうじゃないような、あまりにも多くのハイカーに踏みしめられてしまいデコボコの全くない、不思議な様相を呈する道が続いている。住宅地が意外なほど近くに見ることができるが、それは無視して周りの雑木林だけを見ながら行くと行けばまあまの雰囲気かな。

時どきハイカーとすれ違うが
なぜか犬を連れた人が多かった

途中、鉄拐山への急な階段道の分岐があるが、ほぼ水平な巻き道を行く。初めての人は地形図にも鉄拐山の名前が大きく載っているので迷わず行くだろうが、自称「六甲山のエクスパート」の私は展望皆無なのを経験済みでどうしても登る気になれなかった。

鉄拐山の巻き道を行く

11:16
鉄拐山頂上を通ってきた道と合流し少し行くと、周りの木々の様子が変わる。「ウバメガシ」ばかりの林だ。

ウバメガシ ブナ科

九州、四国、本州伊豆半島までの海岸のごく近くだけ自生する常緑広葉樹で、もし、内陸部でこの木がみつかると、昔はその付近まで海岸が入り込んでいた証しとなります。
この木でやいた木炭は、備長炭といい、とても硬く、立ち消えせず、最高級の木炭になります。材は堅く、木槌として利用され、樹相がよいので庭園樹としてひろく全国に植えられています。
別名、バベ、イマメガシ、ワカメガシとも呼ばれ、市内では布引、鉢伏山、鉄拐山、横尾山、高取山なでに多く自生しています。

ウバメガシの中を行く

11:20
ウバメガシの純林を抜けると、いよいよ「おらが山」へ下る緩やかな階段が始まる。

山は登るものだと思っている人がほとんどだろうが、古来より「山」という言葉は頂ばかりを指すものでなく、人が利用するより低き場所も指していた(野歩記説)。

おらが山への下り階段

11:24
公園風に整備されたおらが山の、全山縦走路の脇に2階建てのおらが茶屋が建っている。1階は自販機とトイレ、2階は茶屋、屋上は展望台になっている。ここが本日の最終目的地だ。

おらが茶屋


独特カレーを食べ下山へ

極普通の喫茶店風内装でテーブルが七台ほど並ぶ「おらが茶屋」。先客は旗振山を過ぎたところで、私を追い越していった女性が二人、コーヒーを飲みながらここから先のコースを地図を見ながら楽しそうに話している。

店主はお年を召した上品そうなおばあさん。「独特カレー」とビールを注文する。

高台にそびえたつ「おらが茶屋」は店内でも風切音がビュービューと凄まじいが、普段はBGMもなくハイカーの会話だけの静かな喫茶店、いや茶屋なのだろう。手の込んだ独特カレーは作るのにも時間がかかり、しばらく外を見ながら過ごす。タコを持ってきたお父さんとお子さん、風が強すぎて上げるに上げられず残念そう。

カレー炒飯を丸く中央を窪ませてよそい、真ん中に生卵、周囲にカレーをかけた独特カレー、意表を突く辛さで驚いたが美味しかった。ルーの塊が残っていたことや、そのほか細かいこと数点は店主の高齢によるご愛嬌かと目をつぶれれば、店の雰囲気もよく美味しく満足できるものだ。

おらが茶屋の独特カレー

食後にコーヒー(本当に濃いコーヒーだ)をたのみ、優雅な時を過ごす。さてこれからだが、高倉台に下り横尾山・須磨アルプスを目指すつもりはまったくなく、引き返して鉄拐山近くにあった標柱「旧妙見堂を経て一の谷町」に従い一の谷町に下りたいと思う。

《メニュー》
 
モーニングセット AM6:00〜AM11:00
A.トースト+コーヒーor紅茶 380
B.トースト+サラダ+ゆで玉子+
コーヒーor紅茶
 450
 
朝おいしい空気!
そんなとき
濃いコーヒーを……!
 
ホットドリンクス
濃いブレンドコーヒー 350
スペシャルコーヒー 400
アメリカン 350
紅茶(ミルク) 350
カフェ・オーレ 380
ココア 400
アイスドリンクス
アイスコーヒー 450
アイスオーレ 450
アイスティー(ミルク) 450
ミックスジュース 450
ソーダ水 450
カルピス 450
アイスクリーム 230
かき氷
みぞれ・イチゴ・メロン・宇治)
 450
白玉入ぜんざい 600
 
頂上の新鮮な空気、
胸いっぱい吸って
ミックスジュースで
スッキリ……スッキリ……
 
軽食
トースト 200
ホットケーキ 400
カレーライス 690
独特カレー 750
 
★散歩のあとホットする一時…
あったかいうどんはいかが?
 
麺類
讃岐きつねうどん 560
讃岐月見うどん 600
讃岐カレーうどん 650
スープ
スープ 280
 
★おにぎりこそ
山登りのあとに最適!
 
その他
ライス 200
おでん盛合せ 500
おにぎり2コ
(漬け物付)
 380
ゆで玉子 80
サラダ 300
おつまみ 300
缶ビール(350mm) 400
ビール(中) 550
日本酒 400
 
営業日:日曜日・土曜日・祝日
営業時間:AM6:00〜PM3:00
 
毎度有り難うございました。
明石海峡大橋が見える
おらが茶屋


下山は「須磨浦道」

12:20
茶屋を出て屋上の展望台への階段を登る。し、しまった、若いカップルの邪魔をしてしまった。しばらく馬に出会わないように注意しなくては。

二人はすぐに下りて行ってしまった。強風が吹くのに眺望は悪く、カメラと三脚に「絶対に倒れるなよ」と脅しをかけてから自分撮りをしてみた。カメラに背を向ける一瞬が非常に怖かった。

明石海峡大橋が薄っすらと

12:34
鉄拐山近くまで引き返すと、一の谷町への下山道分岐がある。旗振山側にも一の谷町への下山道があったので、鉄拐山は周囲全周を巻き道に囲まれているようだ。

一の谷町へ下る

道は狭いが坂道はしっかりした丸太階段道になっている。沢山のハイカーが行き交う全山縦走路ならいざ知らず、こんな道には階段は要らないと思う。けれども私にとってマアマアの好ましい雰囲気の道で、あれだけ強かった北風も南側斜面に入るとぴたりと止んでしまった。

こんな道や

こんな感じの道が続く「須磨浦道」上部

消防車が数台、須磨料金所を第2神明へ入っていく。まだ通行規制はしてないようだが、本線上で事故でもあったのだろうか。この付近の道の両側の急斜面は崩壊防止のボルトが打たれワイヤーが張られている。

これで斜面の崩壊が止まるのかな

12:44
鉄拐山の他の巻き道が合流してきて、道が一気に太くなった。なんか歩いていても、詰まらなくなってきた。

道が太くなった

12:50
妙見堂跡なのか、真ん中に1本の木が生えた四角い空き地がある。表示はないが、ここが妙見堂跡なのだろうか。

妙見堂跡??

妙見堂跡??のすぐ下には「神戸・市民山の会 神戸ヒヨコ登山会 須磨百寿会 著名所」がある。南面がオープンで屋根の上に太陽電池を載せ、ハイカラな創意工夫が詰まった建物だ。

ただこの著名所から下の道はハイキング道と呼ぶことがためらわれる、神戸の街の散歩道をここまで延伸したような味気ない道で、本日の山行はこれにて終了とする。

毎日登山著名所

散歩道途中の展望所

13:07
須磨浦道の入口は須磨駅北西の山裾の分かりがたいところから始まっていた。「須磨一の谷グリーンハイツ」を目標に行けば、その脇から地形図にも記載されている破線道の散歩道が始まっている。

須磨浦道はここから始まる

まだ時間が早いので、源平ゆかりの真言宗の古刹、須磨寺まで足を延ばし、姫路へと帰途についた。

須磨寺 源平の庭



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