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摩耶東谷からケーブル虹の駅へ



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平成19年1月14日(日)  メンバー 私だけ

杣谷〜摩耶東谷〜掬星台〜山寺尾根

2万5千分の1地形図「神戸首部」を参照すること


廃墟フリークお断り

廃墟フリークに、この山行記録を見つけられないように「ルテホ光観耶摩」のことを、本文中では「マヤカ」と表記する。こうしとけば検索から来る人も少ないだろう。なぜこんな検索除けをしなければならないかというと、この摩耶東谷からケーブル虹の駅への山行記録が、同時にマヤカへの詳細な安全?な接近方法を紹介してしまうことになるからだ。

ご存知だろうが、虹の駅のすぐ近くにあるマヤカの廃墟は立入禁止になっていて、ケーブル駅の駅員は不審な人物が見つけると警察に通報するという。検挙されたら、おそらく軽犯罪法第一条一「人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者」に該当し拘留又は科料に処されるおそれがあるので、善良なるハイカーは廃墟の中に入ってはならない。

なお、播州野歩記は完全リンクフリーを宣言しているが、このページだけはリンクを禁止する。では、本題に入る。


杣谷へ

今回は摩耶山さん歩に教えていただいたルートで杣谷へ接近する。三宮駅前から阪急六甲行きの神戸市営バスに乗るところまでは同じだが、下車するのはいつもの護国神社前の一つ手前の「五毛」バス停だ。

9:29
五毛バス停を下りたなら、そのまま東にバス道を下ると山側の道に山麓リボンの道の「↑杣谷」なる石の道標が立っている。県営篠原北町団地の横を登る道で、杣谷まで迷うことなく真っ直ぐに道なりに進むだけでよい。

五毛バス停で下車

護国神社の西から登る激急な「長峰坂」に比べたら、赤子の手をひねる(やったことありません)ような緩やかな坂道が続き、同じような距離を歩き同じところに行くのに、なんでこんなにも違うんだといまだに不思議だ。

それでも坂道を登っていくと暑くなり、途中の灘丸山公園の東屋で一枚脱いでしまった。

9:52
杣谷の入口長峰堰堤に着いた。今日も水汲み場で沢山のポリタンクに水を入れている人がいる。「水質基準に適合しなかった項目:大腸菌群」という神戸市灘保健所の飲用不適のお墨付き表示もあり、いくら湧き水・覆水流といえども少なからぬ人々・動物が活動する六甲の湧き水など飲むなど、生水にからきし弱い私には信じられない。(筆者注:大腸菌群が検出されたということは糞便による汚染が考えられる。)

杣谷の入口「長峰堰堤」


摩耶東谷はどこから入るんだ

9:58
長峰堰堤、杣谷堰堤を過ぎると広い河原に出る。右岸に人家?があり、近くに道標の表柱が立ち山寺尾根への道が分かれている。摩耶東谷へ行くのも山寺尾根への道に入るが、摩耶東谷の名は出てこない。

杣谷堰堤上で山寺尾根へ入る

10:01
すぐに左手に低い石垣が現われる。なお、左上の10:01の時刻表示は、自分撮りをしながらの実時間なので山寺尾根への道に入ってから3分も経っているが、本当は30秒かもしれない。

すぐにこんな石垣が

石垣を左に入ると「妙見宮」石碑が立っている狭い平地だ。思うに摩耶東谷にあるという滝行場までの通行の安全を、そしてよき滝行にならんことを祈る場所で、石垣と共に世間との結界をつくっているのだろう。

妙見宮の石碑

事前知識がないときにここに入ったことがあるが、袋小路で行き止まりだと感じた。しかしそうではない。これも摩耶山さん歩さんに教えてもらったのだが、平地奥の石垣を登ると新しい世界が開ける。

石碑の奥のここを登ると

眼前には思いもよらなかったよい道が延びているのだ。実は妙見宮平地の手前にもこの道に入る路地があるのだが、その踏み跡の先にこの道があるとはとても想像できない。まるでこの道の存在をわざと隠しているかのように思えて仕方がない。

あら不思議 こんな道がある


滝行場まで摩耶東谷を行く

10:06
昭和51年完成の「深谷砂防ダム」(高さ17m、長さ66m)が左側の谷にあるが、道が高い位置に通されているため巻くことはない。小ぶりの実をまだ沢山つけたカキの木が1本、砂防ダムのそばにある。その先には夏みかん?を一つだけつけた木がある。

深谷砂防ダム

10:14
砂防ダムを過ぎると谷は浅くなり、1本目の木橋で右岸へと渡る。一部に石段の階段もある道は明確でマーキングもあり、谷は分かれることもなく迷いようがない。

右岸へ木橋を渡る

天気はまずまずだが、谷を行くので薄暗い。どんなところでも一人で歩くのに慣れてしまい、なにも感じないが、もしかしたらいやな雰囲気だと感じる人もいることだろう。ちなみに下の写真は「F8.0、SS1/8、ISO400」で撮っていて実際は物凄く薄暗い。

こんなところを行く

10:23
また砂防ダム(昭和60年完成「深谷第二砂防ダム」高さ18m、長さ52m)が現われた。ダムの手前には小滝がかかり、その下を二つ目の木橋で左岸へと渡る。砂防ダムがなければ、おそらく小滝が連続していたのだろうが、いまは石段の巻き道を谷から離れまた近づいて登っていく。

砂防ダム下に小滝が
また木橋を渡り左岸へ

巻き道を登りきり砂防ダムの上に着くと、道は消失し金属階段が設けられている。砂防ダムの完成が21年前だから、この金属階段も設けられてから同じ年が経っていると思われるし、それぐらいに見えるが、まだまだしっかりしている。

石段を登り堰堤の上に着くと
金属階段が

10:34
砂防ダムの上部は土が堆積した平坦地に木々がまばらに生えた、自然の地形にはありえないが六甲ではありふれた風景が広がっている。その疎林の中の小路を進み再び谷が狭まってくると滝行場に出る。三本目の木橋で右岸に渡ると小屋があり、その右手には滝行場だったろう三段の不動滝がある。水量は少なく岩に沿って流れ落ちる滝だ。

滝行小屋の前で三番目の木橋を渡り
右岸へ

滝行場の小屋脇には不思議なものが据えつけられている。動力ポンプのポンプ部分だけが放置されているのだ。普通ならモーターを動力源にするタイプだが、この山奥に発電機も持ち込んでいたのだろうか。このポンプの用途は、水量の少ないこの滝の落水量を人工的に増やすためだったろうが、この重い鉄の塊のポンプを持ち込んでまでもしたい滝行の魅力とはどういうものなのだろうか。

小屋の横にはなぜかポンプが

摩耶東谷は不動滝の上にあるもう一つの小屋の奥へと続いているが、今日の目的はヤカンの脇を抜けてケーブル虹の駅へ行くことだ。軟弱な私には、このまま摩耶東谷をロープウェイ星の駅まで詰めることなどできないし、したくもないので、ここで摩耶東谷から離れることにする。

三段の不動滝の上にも
小屋がある


ヤカンへの道

10:42
ここまでの谷筋から真っ直ぐに、上の小屋に行く分岐を見送り(少しは滝周辺を偵察すればよかったが、あまり長居をしたくなかった)谷の左岸を登っていくとすぐに小さめの名前が分からない砂防ダムがある。

摩耶東谷から離れ
真っ直ぐに谷を進むと砂防ダムが

砂防ダムの上で浅い谷は右手へと続いているが、「告 この付近でのたき火炊飯山火事の恐れがありますので禁止します。 建設省六甲砂防工事事務所長 神戸市灘区消防署長」なる警告板が立ち、それには手書きで「←ホテル 行き止まり→」と書き込まれている。指し示す左へは薄っすらと踏み跡があるように見え赤テープのマーキングも付けられている。

砂防ダムの上流で
この警告板を左に

谷から離れ登っていくと、林の中で踏み跡は拡散している。マーキングはどこかにないかと目を凝らすと、右手の急な支尾根に赤テープが小さく巻かれているのを見つけた。私でも分かったのだから、誰が来ても無問題だが、ここだけは分かりにくかった。

迷い道に惑わされずに
右側の支尾根を登る

登るに従って明確なよく歩かれた道となり、かつてはハイキング道だったことが分かる。周囲の見通しは悪いが掬星台が間近に見えるポイントがあった。

明確な道になった

11:06
地形図に記載されている、杣谷堰堤から336m標高点を通って登って来る破線道と合流するとすぐにヤカンの廃墟に出くわした。善良なるハイカーの私は、かつての出入り口にバリケードが築かれ立ち入り禁止の警告板はあるが、入ろうと思えばどこからでも入れそうな廃墟に潜入することなど思いもよらない。ただ廃墟脇を通り抜けるのみだ。

行く手に廃屋が
谷側を巻いていく

ガラスはほとんど割れているが、意外なほどに破壊の跡、落書きの跡が見受けられないヤカンの谷側を進む。なお、この方向から近づき、そして立ち去ればケーブル虹の駅からは死角になり、駅員に見咎められ警察に通報されることなく安全?に事を行えるだろうが、善良なハイカーは警告を無視して廃墟に入ってはいけない。

善良なハイカーたる私は
けして廃墟に入らない

立入禁止の表示がそこかしこに

丸窓が印象的だ

11:15
ヤカンからケーブル虹の駅の間は、広い石段道でつながっている。石段道を登りきり駅舎に入るには柵を乗り越えなくてはならない。その柵の開閉部には下の写真の警告板が付けられ、南京錠がかかっている。物理的にはここまで私が登ってきたのだから通れないことはないはずだが、駅舎側からヤカンへ行こうとする者にとっては、駅員の眼差しと共に、それなりの抑止力となるだろう。

この登山道は通れません

なお、1月末まではケーブル・ロープウェイは年次点検のため休業中だが、日曜日の今日でも駅は無人ではなく数人の職員がいた。柵を越えてヤカンへ行くのを見られたら、間違いなく警察に通報されると思う。

ケーブル駅から見る

正面からヤカンへ行こうと思ったら、今日はシャッターが下りている窓口の前を通らねばならず、必ず駅員の鋭い視線を感じることだろう。このあたりの仕組みが廃墟フリーク以外を近づけず、いまだにヤカンが荒らされずにきれいなまま残っている理由だろう。

年次点検中のケーブル駅


旧天上寺跡から掬星台マヤテラスへ

本日の最大の目的地、ロープウェイ星の駅の二階にあるレストラン・マヤテラスを目指し掬星台へと向かう。休業中とあって誰もいない広い道を登っていくと、天上寺跡へと登る上野道に出る。

ロープウェイ駅

老夫婦のハイカーと抜きつ抜かれつで登っていくが、写真撮影をするたびに離れていってしまった。

天上寺跡へ登る上野道

天上寺の山門

11:39
青谷道と合流し旧山門を過ぎると、あまり登りたくない長い石段が始まる。旧天上寺で残っている建物はこの山門だけだが、長い石段といいかなりの規模のお寺だったのだろう。

長い石段の初めは緩いが

中盤以降は急になる

11:53
天上寺跡に着くと老夫婦は休憩を切り上げて登り始めるところで、もう追いつく事はなかった。旧天上寺が焼失する昭和51年末までは、付近は一大観光地としてたくさんの参詣客・行楽客で賑わっていたのだろが、今訪れるのは少数のハイカーのみだ。

天上寺跡からの眺め

12:08
天上寺跡からは荒れた石段道を登っていくと、ほんの少しの雪が残った摩耶山上に出た。昨年の今頃はがちがちに凍り付いていて軽アイゼンを着けたほどだが、良いのか悪いのか分からないが今年の冬は本当に暖かい。

残り雪が現われ稜線に到着
掬星台はもうすぐだ

摩耶東谷への道を教えてもらった摩耶山さん歩さんに敬意を表し、掬星台の展望所でシェーを執り行う。慣れてきてしまったのか、周囲に10人ほどのハイカーがいるのに平気でできるようになっている自分に驚いた。空気は清み眺望は良かったが、町並みに影を落とす雲は風が弱いためか去ろうとはせず、幾分暗い眺めに終始した。

掬星台でシェー

前回のおらが茶屋の独特カレーから始まった、『六甲のカレーを全て制覇する』という新たなる企ての第二弾はマヤテラスのKOBE摩耶カリーだ。虹の駅二階の、このレストランには南向きに一千万ドルの夜景を眺めながら、カップルが豪華なディナーを楽しみながら愛を語らうカウンター席がある。

なぜか客が誰もいない店内で一人淋しくカウンター席で景色を眺めながらカレーを食べたが、かなり空しいものがあった。食べたのは900円の「KOBE摩耶カリー 豚たん デミグラスソースなんたらかんたら」というもので極めて美味しかった。豚たんは舌の上でとろけるように柔らかく、デミグラスソース風味のカレーは濃厚な味で満足できるものだった。ただ上品過ぎて独特カレーのようなパンチ力がなかったのが残念だ。

メニューを記録するのを忘れてしまったが、900円の高いカレー以外にも700円のカレーや「うどんセット」などの軽食ばかりで値段もそれほどではなく、昼間はハイカー向けのメニュー設定になっている。2月1日からは3,500円でランチタイムコースを始めるようなので、昼間の雰囲気が変わってしまわないかと少し心配だ。

マヤテラスのKOBE摩耶カリー 900円

お客さんは私だけ

ランチタイム コース料理開始のお知らせ

以前よりお客様から
ご要望の多く頂いておりました
ランチタイムでのコース料理を
2月1日よりスタートいたします!

ランチタイムコース \3,500

※通常通りの軽食もご用意しております。
(同グループでの軽食とコースの併用は出来ません。)

営業時間: コースご利用 11:30からL.O.14:00
        軽食ご利用 11:30からL.O.14:30

ご予約は1ヶ月前よりお電話にて受付します。


休業日のご案内

1月中は、ロープウェイ年次点検のため、
以下のとおり休業日を設けさせて頂きます。

 9(火)〜11(木)、15(月)〜18(木)
22(月)〜25(木)、29(月)〜31(水)

※ただし、木曜日はディナータイムのみ営業します。

レストランMAYA TERRACE・マヤテラス・
〒657-0105神戸市灘区摩耶山町2-2 星の駅2F / Tel078-805-0202

ディナーメニュー

Menu Aは、前菜・魚料理・肉料理・デザートをそれぞれ一品ずつお選び下さい。
Menu Bは、メイン・デザートをそれぞれ一品ずつお選び下さい。
各コース共にパン・食後のドリンクがついております。


Menu A  \6,000
 前菜
  阿寒湖産紅マスのマリネ 野菜のグレッグ添え
  スペイン産イベリコ豚と地鶏のパテ グリビッシュソース
  天使の海老と活ホタテ貝のスモーク なすのコンポート
  牛タンと季節野菜のグリュイエールチーズ焼き 香草風味
  鱈の白子とマッシュルームのバードブリック包み(+\800)
  フォアグラと薩摩芋のテリーヌ ボルトとシェリーのソース(+\800)
 魚料理
  北海道より直送 本日の鮮魚
  ヒラメのムニエル きのこのクリームソース
  活オマール海老のロースト サフランのソース(+\1,200)
 肉料理
  スペイン産うずら肉のグリエ タイム風味のソース
  牛ほほ肉の赤ワイン煮込み ジャガイモのグラタン添え
  ホロホロ鳥のコンフィ 粒マスタードソース
  仔羊背肉のロティ ケッパーとブールノワゼットソース
  仔鴨棟肉とフォアグラのクレビネット包み焼き(+\1,500)
  黒毛和牛ロース肉のグリエ トリュフソース(+\2,500)
 デザート
  かぼちゃとプリンとバニラのアイスクリーム
  マロンとムースとエルダーフラワーのアイスクリーム
  林檎とタルトタタンとくるみのアイスクリーム
  洋梨のコンポートとクルボアジェのシャーベット
  フォンダンショコラとブルーベリーのシャーベット
  自家製アイスクリームの盛り合わせ


Menu B  \4,000
 前菜
  本日のオードブル
 メイン料理
  北海道より直送 本日の鮮魚
  牛ほほ肉の赤ワイン煮込み
  スペイン産うずら肉のグリエ タイムのソース
 デザート
  上記の6品からお選び頂けます。


Menu de Shef  \8,000
 シェフ岡崎が多彩で新鮮な季節の食材を用い、
 渾身の力でメニューを組み立てます。
 驚きと感動の体験を是非!

テレビ送信鉄塔・中継鉄塔には負けるが、マヤテラスは掬星台よりも数メートルは高く一味違う眺望を楽しめる。別に店内に入らずとも、店前の展望台から同じ眺望を得ることができる。

マヤテラス前の展望台から


下山はいつもの山寺尾根で

13:01
ハイカーが一番少ない時期を狙ったのか、掬星台は改修工事の真っ最中で山寺尾根下山口側の展望所は閉鎖されている。どんな風に変わるのか楽しみだ。下山はアゴニー坂・杣谷ルートも考えたが目的は全て達成したし、下り慣れた最短距離の山寺尾根とする。

季節外れの掬星台は工事中
山寺尾根はここから下る

今の時期は花は咲いてなく目を楽しませてくれるものは少ないが、山寺尾根は登ることも下ることも、それ自体が私にとっては楽しいお気に入りのルートだ。下り始めこそ激急な丸太階段道や激急な九十九な道だが、300mほども下れば緩やかな道に変わる。

最初は急な丸太階段道

そしてただの急な道

中盤は緩やかな道や、急な岩がちの道、展望が良いところなど変化が多く楽しみながら下っていく。

水平道もある

ケーブル駅と同高度かな

急なところもある

14:06
掬星台からほぼ1時間、送電線鉄塔3本(神戸港線 一一、神戸東線 二十三、南灘連絡線 六)を過ぎると間もなく杣谷に出る。ここまでの山寺尾根では誰にも会わなかった。

杣谷に下りた

14:11
杣谷の登山口、長峰堰堤でデジカメをしまい三脚をザックに括り付けて荷物を整理していると、杣谷と山寺尾根からそれぞれ5人ほどのグループが下りてきて一気に賑やかになった。そして、次はどこのカレーを目指して六甲に登ろうかと考えながらバス停へと向かった。



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