五助山 !熟練者向きコースです
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平成19年2月3日(土) メンバー 私だけ
エクセル東〜住吉道〜五助尾根〜六甲ガーデンテラス〜六甲ケーブル
2万5千分の1地形図「西宮」「宝塚」を参照すること。
五助尾根、五助山
住吉川右岸道に「!左の道は熟練者向きコースです。迷いやすく、危険です。」という標柱がある。どこへの道かは書かれていないが、明確な小路が西側の林の中へ続いている。
私は、それを西滝ケ谷・水晶滝へのものとばかり思っていたが、五助尾根を五助山を経て六甲ガーデンテラスすぐ東の六甲全山縦走路へ突き上げる道だということを教えてもらった。調べてみるとウェブにも色々な情報があり、旧来の登り口すぐのナイフリッジを通るルート、その先で合流する安全ルートが数種類あるようだ。地形図を見るとそれ以外は比較的単純な尾根なので迷うことはなさそうだ。
ハイカーの友、住吉台くるくるバス
JR住吉駅南側を通る国道2号線、神戸市バスJR住吉駅前バス停の西側に「住吉台くるくるバス」のバス停がある。駅北の六甲山麓の渦森台へは、このバス停を通る市バスの路線があるが、隣の住吉台へは公共交通機関がなく高齢者にとっては外出もままならない町になっていた。
平成16年2月21日から3月31日まで実証実験を行い、わずか10ヵ月後の平成17年1月23日に本運行を開始した「住吉台くるくるバス」は地元住民の足として定着しているが、住吉道から六甲最高峰などへ登るハイカーの足としても非常に便利なものだ。
JR住吉駅前からの運行ダイヤは、始発の7:01から終発の21:16まで、曜日に関係なく15分おき(ただし12時台と13時台は運転手の休憩のためか16分と46分がなく30分おき)と物凄く便利だ。なお運賃は200円で先払い、前乗り前降り(後部扉は車いす用リフト付き)で座席数は14席の可愛らしいバスだ。ただ車体の色がシンプルすぎるのをもっと派手な色にしたほうがよいかなと思う。
8:13
東灘区役所前で先客二人が下車して、乗客は私一人だけになった「くるくるバス」は住吉台の中を、市バスの大きな車体では通れないような細い急な道を登り、乗車時間12分で標高260mほどの終点のエクセル東バス停に到着。
下の写真、本当は道路の向かい側で下車したのだが、バスはすぐにUターンし乗車位置に移動してしまう。そして、その後に撮ったもので、半分ほど演出が加味されている。
8:17
くるくるバスが最後に左折して入った道を引き返し、山側へ行くとすぐに地道の住吉道が始まる(古来からの住吉道が、この昭和40年代から開発された住吉台を通っているわけはなく、東側の住吉川沿いを通っている)。
今回の山行記録の目的はこの「くるくるバス」の便利さを伝えることが第一のそして唯一のもので、これから登る五助尾根の情報はウェブにも沢山あるので、おまけのようなものだ。
住吉道から五助尾根登り口のナイフリッジ
8:29
犬の散歩の人と時どき行き交う住吉道を進むと、石切道と打越山への十字路分岐点まで着いた。まだ遠くに見える稜線は少し白くて、雪が残っているようだ。
8:35
昭和32年に完成した「五助堰堤(高さ30m、長さ78m)」下に着いた。ダムを越して流れる水量は少なく、五助尾根取り付きへの小川の渡渉も問題なさそうだ。
階段道を登り五助ダムを越すと、河原の流れを木橋で渡る。白くなっているのは残り雪ではなく霜のようだ。
8:43
木道を渡り1分も行くと、行き先がなく用を成さない木橋が放置され、支柱の頭に黄黒色のテープが巻かれている。幅3mほどの流の向こうを見ると石に緑の蛍光色スプレーのマーキングで矢印が描かれている。
この木橋こそが、かつての五助尾根取り付きへ渡るもので、取り付きの痩せ尾根が崩壊し廃道となったため、取り外され放置されているものだ。
今日は浅い流れだが、それでも飛石は水面下に沈んでいるものもあり慎重に渡る。雨の後なども渡渉は困難ではないと思うが、冬場は裸足で渡るのはさぞ冷たいことだろう。
小川対岸の石に付けられた緑の蛍光色スプレーのマーキングは、この後も要所要所に付けられていて役に立つことは立ったが、石や木にこんなマーキングを付けた人の気心が知れない。山に登ることが大好きで、人の役に立つことをしたくてたまらない人なのだろうが、そのため目の前にある山さえも見えないほど視野が狭くなっているのだろう。小学生でも分かる「とるのは写真だけ。残すのは思い出だけ」という言葉を理解して欲しいものだ。
8:48
渡渉し対岸の斜面を登ると踏み跡があり、「土砂崩壊防備保安林」の看板が立ち、手書きで「←五助谷 ↑五助山 五助ダム→」と書き加えられている。その案内に従って看板右横から入ると淡い踏み跡があり、その先には噂のナイフリッジが待ち構えていた。
通過に15分ほど要したが、それは自分撮りのため何度も行き来したためで、ヒョイヒョイと渡れば30秒もかからないだろう。
あの地震で崩壊した直後はもっと鋭かっただろうが、その後に通り過ぎたハイカーのためか鈍くなっていて、ひらがなで「ないふりっじ」と表現したほうが適切ではないかと思う。ほんとに危なかったら自分撮りなど出来るわけもなく(リモコン撮影のため、移動に時間がかかってもよいので撮れたが、10秒のセルフタイマーでは無理だろう)危険性は全く感じなかった。ただ、残雪が凍結していたり強風が吹いていたりするときは遠慮したいところだ。
ないふりっじの最初は、緑色マーキング岩を左に避けて雪の残る地面に下りるのがちょっと怖いが、慎重に下りたらなんてことはない。ただ私は高所恐怖症の気が全くといってないが、ある人は足がすくむかもしれない。
続いて中間地点にある乗り越えられない見るからに不安定そうな岩は、左側の20cmほどの足場を使って渡るが、ここもちょっと怖い。
最後は土の急斜面で、写真にも写っている木の、むき出しになった根っこにつかまりながら登れば、なんてことはない。というわけでこのないふりっじの通過は特にどうといったことはなく誠に残念だった。ただ、これを読んで真に受けて落ちても、責任は一切とれない。
ササがいっぱい五助山
9:10
ないふりっじの先の左側が崩壊したがナイフリッジになり損ねたところを過ぎると、右側に人工的な植栽したことがまだ丸分かりの、多分崩壊跡地なのだろうが、そこからの踏み跡が合流する。おそらく住吉川右岸道にある「!左の道は熟練者向きのコースです。迷いやすく、危険です。」の標柱からのものではないかと思う。
五助尾根の前半戦はササが茂った道を行くが、あくまでも道なので歩行速度は遅くはならない。このような場所を行くことをヤブ漕ぎと呼ぶ人もいるだろうが、本当のヤブ漕ぎとはこんなものではなく、分速が10mを下回るのをヤブと、そして分速1m以下の「なんでどうして、私はこんなところでもがいているんだろう。早く家に帰りたいな。」と絶望的な状況を激ヤブと呼びたい。
また前半戦はそれなりに眺めがよく、周囲の状況がよく分かりどこを歩いているのかと不安感をもつこともない。道端にはヤブツバキの花が咲き心を和ませるが、私は好き嫌いは少ない方だ思っているが、残念ながらツバキの花だけは嫌いなのだ。あとサルトリイバラの花も大嫌いだ。
9:50
ササの葉に積もっていた雪でパンツの膝から下が濡れてきてしまった。これ以上の被害を防ぐためカッパの下とスパッツを着用し、また登り始める。いくら天気がよくても雨着は山登りに欠かせないもので、かつて朝露に濡れた草原の中の道を行くときにも役立ったことがある。
下の写真、雑木林の中のササ原を歩いているように見えるが、ミヤコザサの下には明確な道が存在し、極普通に何の問題もなく歩く事ができる。
10:00
五助山頂上が近づいてくると下草はなくなるが、急な雑木林の道がしばらく続く。踏み跡は薄いが写真以上には明確で、下るときでも迷いようはないだろう。
10:16
さらに五助山頂上が間近になると緩やかになるが、ササの背丈が高くなり首筋から雪が入ったりして冷たかった。今思うにフードを被ればよかったのにと思うが、そのときは知恵が回らなかったようで、酸素が頭には回らずに筋肉ばかりにいっていたのかもしれない。
10:58
バス停から歩き始めて2時間40分、予想外に時間がかかったが五助山頂上に到着。小広場の頂上には636.6m四等三角点標石(点名:五介山)があり、東側の眺望が広がっている。
六甲の山としては珍しい登頂記念プレートが一枚だけ下がっていた。それには「五助山636.8m JH3JFF」とあるが、三角点の示す標高が最高地点ではないのは分かるが、20cmの差はどこから生じてしまったのだろうか。
後は六甲ガーデンテラスへ登るだけ?
頂上から北は、10分ほどはササも背丈が低く緩やかな雑木林の中を行く快適な道だ。ただ残雪が増えてきてスパッツの底紐を始点に雪が団子状に着いてしまい、そのまま行くと高下駄を履いているような感じになっていしまうのが煩わしい。
10:44
頂上を越えて道も快適になってきて、地形図を見てもそれほど険しいところはないようでモチベーションもだいぶ低下したが、快適な道は長続きせずササの背丈は高くなるは急な道になるはで、幾分面白くなってきた。
10:56
ウェブ上で有名な迷いポイントだ。地形図で700m標高線が三つ輪を描いているが、その南西側のような気がするが定かではない。
下の写真の左手から登ってきて、三脚を立てている手前側が高みになっているのだが、ルートは右手へ二本の倒木を越えて急降下している。ここにも緑蛍光色のマーキングが岩や木々にスプレーされていて、分かっている人が見たら一目瞭然だが、知らずに来たら緑マーキングが交錯し余計に惑わされかねない表示になっている。
なおここの手前、640m等高線が大きく輪を描くピークも真南に、五助谷へと下るだろう踏み跡があり、下るときは要注意だ。
この後は標高差のあまりないピークを数個を越えるが、ササが深く頭から雪まみれになるし、ピークの北側は岩場になっていたりで益々面白くなってくる。
面白かったのこのあたりまでで、770mほどの丸いピーク手前で男性単独ハイカーに出会ってしまった。ここまでは動物の足跡しかない雪道を登ってきたが、ここから先はべたべたと足跡の付いた道を逆に辿るだけで、面白みが半減とはいわないが三分の一は減ってしまった。それはすれ違った彼も同じ思いだったろう。
11:34
六甲ガーデンテラス周辺に立つアンテナ群が間近に見え、音楽も聞こえてくるポイントに着いた。もう一登りだ。
11:44
もう楽勝かなと思っていたら、最後の難関、三点確保の急登だ。ここまででいい加減濡れてきた手袋が絞れば水が滴るようになってしまった。しかし用心深い私は替えの手袋を二組も持ってきているし、風は弱く気温も高くなってきたのでそのまま着けていても冷たさは感じない。けして、手の感覚がなくなっているわけではない。
11:58
「東の天狗岩」かなと思う岩に着いたが、この後に左右を登れるが三脚を立てづらく写真を撮らなかった大岩のどちらかが「東の天狗岩」なのだろう。
12:07
全山縦走路至近の、早春ならツツジが咲き誇るだろう笹藪の中の急登はステップが切ってあり凄く登りやすい。もう近くから賑やかな話声が聞こえてくる。
12:09
五助尾根に取り付いてから3時間半、ようやく稜線に辿り着いた。そこにも「!右への道は熟練者向きのコースです。迷いやすく危険です。」の標柱が立ち、日当たりのよい道端ではハイカー達が賑やかに談笑しつつお昼御飯を食べている。すぐそこから始まる五助尾根とはまるで別世界の和やかな稜線の道だ。
六甲ガーデンテラスでカレーライス、下山は六甲ケーブル
すぐ西側の六甲ガーデンテラスの日当たりのよいウッドデッキへ移動し、スパッツを外しカッパの下を脱ぎ、ようやく私も周りのハイカーと違和感のない姿になれた。で、早速シェーを執り行う。
やることは全て済ませたので、次なるは六甲山のカレー全制覇の第五皿目を六甲フードテラスで頂いた。650円のカレーライスはお腹が空いていたためかもしれないが、意外なほど美味しく感じ、400円の生ビールも美味しく頂いた。
FOOD TERRACE 六甲フードテラス 定番メニュー
うどん・そば
きつねうどん・そば 500円
カレーうどん・そば 600円
肉うどん・そば 650円
六甲おろしうどん・そば 650円
山菜と大根おろしが入った人気メニューです。
カツカレーうどん・そば 800円ラーメン
醤油ラーメン 600円
和風ラーメン 600円
山菜と海苔をのせました。
醤油バターラーメン 650円
ピリ辛淡々麺 750円
チャーシュー麺 800円定食
おでん定食 650円
からあげ定食 750円
とんかつ定食 750円ライス
ライス 150円
おにぎり 300円
カレーライス 650円
カツカレーライス 850円サイドメニュー
フライドポテト 300円
フランクフルト 300円
手作りからあげ 450円
こだわり風味おでん 500円
屋台気分のあったかメニュー
牛すじ、だいこん、こんにゃく、ちくわ、
たまごの5品です。ソフトドリンク
コーヒー(ホット・アイス) 300円
カフェオレ(ホット・アイス) 400円
アイスティー 300円
ホット・アイスミルク 300円
オレンジジュース 250円アルコールドリンク
生ビール 400円
琥珀の時間(樽生限定ビール) 400円
お酒(日本酒) 350円
甘酒 200円
下山ルートは全く考えていなかったので、六甲ケーブル駅まで徒歩で移動し、そのままケーブルに乗り下山した。これで熟練者向けルートも難なく制覇したので、私も熟練者なのだろうか。ウェブの山情報を調べるのは熟練者だと自認しているが、山歩きの熟練者とはいまだに思えない。
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