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有馬三山 薬膳カレー



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平成19年3月10日(土)  メンバー 私だけ

有馬〜有馬三山(落葉山・灰形山・湯槽谷山)〜有馬

2万5千分の1地形図「有馬」を参照すること。


有馬温泉へは定番の神姫バスで

有馬温泉のチックタックなる茶房の薬膳カレーを食したく、出かけてきた。ただカレーを食べるだけでは面白くなかろうと、楽しそうな「瑞宝寺谷西尾根」を何とかして絡ませようと努力したが時間的な制約のためかなわず、有馬三山を登った後にチックタックへと足を運ぶこととした。

9:48
JR三ノ宮駅の南側、神戸ミント下から乗車した神姫バスは定刻より幾分遅れて有馬温泉に到着。山登りの開始時刻としては常識外れに遅いが、これは交通費節約のためだ。

私の住む姫路市からJR・神戸高速・神戸電鉄を利用すると往復で3,220円もかかってしまうが、JRの定期を持っているので安くは済む。それでも往復で1,320円もかかり有馬温泉は気軽に行けるところではない。

けれども神姫バスの通勤定期も持っているため、環境定期券制度というべらぼうな割引率の恩恵を受けることができ三宮から有馬温泉までのバスが往復200円になる。こうして姫路から有馬温泉往復の交通費がタバコ1箱(私は吸わないが)よりも安くなり気軽には行けるが、始発が遅く有馬温泉に着くのが遅くなってしまうのだけが欠点だ。

カラーリングは古臭そうな神姫バスだが
バス自体は新しい

三ノ宮−有馬線を共同運航している阪急バスに比べると物凄く田舎っぽい色使いだが、意外にも新しい車体でICカード(ピタパもイコカも神姫バス専用のニコパも、おまけにフェリカ対応の携帯電話でも運賃が払える)が使えるという最新テクノロジオーを搭載したすばらしいバスだ。

ついでに私とは関係がないが、阪急バスの通勤定期を持っていると阪急便だけは環境定期制度が利用できて、本人だけではなく同伴の家族までも100円になる(神姫バスは同伴家族は680円が300円)という太っ腹だ。でも、その上を行くものもあり神戸市敬老乗車証を持っていれば阪急便だろうが神姫便であろうが無料になってしまう。

なお、神戸市内から有馬温泉まで神戸市敬老乗車証を利用できる公共交通機関は、このバスルートだけなので高齢者の比率が非常に高いのが特徴で、今日もほぼ満席の乗客の内8割以上はお年寄りだ。


まず手始めに落葉山

9:56
有馬三山への登山口は、バス乗り場がある太閤通のどん詰まりの右側にある階段で、「妙見宮参詣道」の石柱や、五つの赤い提灯に「寺見妙城山」がよい目印になると思う。ん、寺見妙城山てなんだと、いま写真を見直して思ったがなんなんだろう。私は落葉山に登ったつもりだったが、寺見妙城山に登ったのだろうか。

魚屋道や紅葉谷道へと向かうのかハイカーの姿が目立つ太閤通だが、有馬三山へ向かう人はいない。

太閤通どん詰まり右側の
ここが有馬三山への登山口だ

九十九な緩やかな石段を登っていくと、西国三十三ケ所霊場のエッセンスを凝縮した石仏が道端にポツポツと祀られている。落葉山の妙見寺に登るだけで、西国三十三ケ所を巡礼したのと同じご利益が得られる凄いところだ。

見難いが一番札所「那智山青岸渡寺」だ

10:13
階段道は車も通れる道に合流し、妙見寺へと登る石段の下に着いた。ここには2台分ほどの駐車スペースも用意されているが、ハイカー用ではなく参詣者のためのものだ。

妙見寺 日蓮宗

鎌倉時代、元真言宗金杖山金剛寺を法ケ宗(現日蓮宗)に改宗されました。本尊の福徳開運北辰妙見大菩薩尊像は後小松天皇の勅願にて、三代将軍足利義満公が棒持。有馬の鎮護にと祀られ、明治39年愛宕山の麓より落葉山の山頂に移したお寺です。

有馬町自治協議会

妙見寺への石段

西国三十三ケ所石仏を巡礼しつつ石段を一歩一歩登っていく。山登りの雰囲気は全くないが、このような登りは嫌いではない。将来リタイヤしたら、西国三十三ケ所を歩いて巡りたいな、いや四国八十八ケ所霊場かなと夢想しているが、信仰心皆無な私なので本来の意味の巡礼は一生できないが、形だけでも真似をしてみたいものだ。

西国三十三ケ所巡りの石段

10:24
妙見寺近くまで登ると有馬の町並みがよく見える展望所があった。この後の有馬三山は眺望抜群とは言えず、ここが一番の展望地で天気もよく有馬温泉の全容が手に取るようだ。

本日最高の展望地

10:29
最後の急な石段を登ると「妙見宮本殿」が立っている。暑くなってきたので上着を脱ぎ、靴紐を締めなおしていると団体様ご一行が到着した。15人ほどの男女中高年のグループで、この後、湯槽谷山まで抜かれたり抜いたりして行くことになる。

妙見宮本殿

10:39
団体様に追い越してもらい、妙見宮の先、ルートから右に外れている533.0m四等三角点標石(点名:落葉山)に寄り道する。六甲山としては珍しく登頂記念プレートが5枚も下がっていた。でも標高が508.5m、533m、522.5mとバラバラなのが面白く、地形図の「落葉山」の山名表示がこの三角点のある妙見寺ピークとは別のところを指しているのが原因だろう。そうすると国土地理院推奨の落葉山の頂上はどこになるのだろうか。

  1. 落葉山 508.5m
  2. 落葉山 KOBE YH HIKING CLUB
  3. YSK 落葉山 533m 2004.3.14
  4. 落葉山 山岳同人アルプ
  5. 落葉山 522.5m 2006.7.8 平六会
点名「落葉山」三角点


二番目は灰形山

10:43
落葉山の南側斜面を下り始める地点からは、これから登る灰形山と湯槽谷山がよく見える。緩やかな山並みが続き、そんなに険しそうではないが地形図を見るとあと350mほども登らなくてはならず、等高線も結構こんでいる。

落葉山から灰形山、湯槽谷山を見る

10:45
小型重機で開かれた九十九な広い道を下っていくと、鞍部の手前に「高丸山尾根を経て有野団地(4.2km)」への分岐があり、「有馬グランドホテル 落葉山トレキングコース 展望台・有馬グランドホテルへ→」の案内板もその方向を指し示している。

有馬グランドホテルに宿を取り、ホテル推奨のハイキングコースを歩き、ホテルに帰ったら温泉につかり豪華な食事と美味しいお酒、そんなゴージャスなハイキングを一生のうちに一度でもいいからしたいものだ。

10:48
鞍部着。鞍部からは明るい雑木林の中を行く小道が有馬温泉へと下っている。一山登ったし凄く気持ちのよさそうな道なので、次の灰形山には登らずに下ってしまおうかと一瞬思ったが、何とか踏みとどまり灰形山への登りに着手する。

落葉山と灰形山の鞍部

このルートの核心部、一番面白いのはこの辺かな。痩せ尾根と言えば痩せ尾根で両側が切れ落ち高度感はあるが、十分な道幅はあり大雨の強風時には歩きたない程度だ。そういえば風に向かって歩けないほどの暴風雨の氷ノ山に登ったことがあるが、6年前とはいえ若かったものだ。今は天気予報が晴れじゃないと家を出なくなっている自分が、恥ずかしい。

有馬三山の核心部を行く

11:03
灰形山頂上が近づくと狭かった尾根は広くなり、針葉樹主体の林の中に階段道が始まる。

針葉樹林よりも常緑広葉樹林
常緑広葉樹林よりも落葉広葉樹林が好きだ

さらに頂上が近づくと、あの山寺尾根の急登と並べてみたくなるような急な階段道になる。あそこが頂上かと必死に登っていくとさにあらず、実は灰形山は双耳峰で手前の偽頂上だ。でも本当の頂上へは緩い下りと登りが残っているだけだ。

短いがきつい階段道を登る

11:13
団体様が楽しそうに集合写真を撮っている灰形山頂上に着いた。ここには神戸市の三等多角点があるが国土地理院の三角点はない。ここに下がっている登頂記念プレートは落葉山にもあった「神戸ユースホステルハイキングクラブ」のみだ。

全周の眺望はない灰形山頂上だが、次に登る湯槽谷山だけはよく見える。

灰形山から湯槽谷山を望む


手応え足応えのある湯槽谷山

11:20
また先行した団体を追って有馬三山の主峰、湯槽谷山を目指し下り始める。灰形山の南側斜面は落葉樹主体の林で気分よく下っていけるが、鞍部からの湯槽谷山の北斜面はまた暗い針葉樹林が待ち受けているのだろうか。写真を撮りつつ下っていっても、団体に追いつきそうになる。

灰形山の南側は快適な雑木林だ

11:28
湯槽谷山との鞍部に着いた。ここにも有馬へ下る谷道があるが、ここまで来て湯槽谷山に登らずに有馬に戻るのも愛想ないが、予想通り鞍部からは針葉樹林が始まっている。現代人の心得の一つ花粉病(症状の出方は軽いものだが)を患う私は針葉樹は嫌いだ。

急登で渋滞する集団と一緒に自分撮りをしようとするが、三脚をセットし構図を決め、カメラの前に出てポーズをとり、リモコンのボタンを押すうちに離れていってしまう。何度もチャレンジしてどうにか一緒に撮れたのは下の写真だけだった。

集団に追いついてしまった

とうとう休憩する団体ハイカーを追い越してしまった。自分撮りをしていても後ろから声が聞こえてきて追い越されそうで、登るのが何時になく早くなり自分本来のペースを保てない。こんなことなら追い越さなければよかった。

急登が続く

11:49
灰形山と同じで、急登が終わっても頂上ではない。私の理想の山登りは、辛い急な登りの先には大展望の広がる頂上が待ち受けているというものだが、残念がら理想と現実の差は大きい。

でも写真を撮りたくなるような気持ちのよい尾根道で、この先の湯槽谷山頂上はさらに素晴しい景観がありそうな予感がしてくる。

湯槽谷山頂上への最後の登り

11:56
湯槽谷山頂上着。ご夫婦が昼食休憩中の頂上は残念ことに樹木に囲まれ眺望は全くない。南西へ下る道以外に東へ、おそらくロープウェイの支柱へと続く切り開きがあるだけだ。ここには登頂記念プレートは2枚下がっている。

  1. 湯槽谷山 801m 2006.7.8 平六会
  2. 波豆川山の会 801m 湯槽谷山 2007.1.27
    今西昭典 平岡紀一 伊原延博 西中衛 栗林重夫
湯槽谷山頂上でシェー

11:59
団体が追いついきて、頂上で昼食休憩を取るようようだ。私はこれ幸いと休憩をとることもなく湯槽谷を目指し下山を始めることにした。


下山は湯槽谷

湯槽谷山頂上から南西へ緩やかに尾根が下っている。前にも後にも誰もいないのは分かっているのだが、後から誰かが追いついてきそうでなぜかゆっくりと下ることが出来ない。

緩やかな明るい尾根を下る

12:04
「←茶園谷・逢ケ山(消そうとしたようで薄くなっている) ↓極楽茶屋跡 湯槽谷山・有馬→」という標柱が立っている。茶園谷方向へは更に緩やかな尾根道が延び、極楽茶屋(湯槽谷)方向へは急な道が南へまっしぐらに下っている。

ここから西へ高尾山・逢ケ山・仏谷・逢山峡と進むのが面白そうだが、いや行けば間違いなく面白いのは分かっているが、山行計画を変更するのは遭難の元だしお昼ご飯も準備してないしで、予定通り湯槽谷を下り有馬へ戻ることにする。

左に行けば高尾山

下の写真、私が邪魔で道がよく見えないがまっしぐらな急な下りで、標高差70mほどを一気に下る。

湯槽谷への降り口を目指し下る

12:12
2本の標柱を合わせたら「←湯槽谷・有馬ロープウェイ(手書き) ↓湯槽谷山・有馬 極楽茶屋跡↑ 横谷・逢山峡→(手書き)」になり、公設標柱としては分岐がない鞍部に着いた。東の湯槽谷へは荒れた道、横谷へはササが茂った細い道、南北方向は立派な階段道となっている。

ここは十字路になっていて
湯槽谷は左へ下る

湯槽谷の下り始めは急なトラロープが下がる斜面もあるが、すぐに緩やかになる。

いきなりのトラロープ場

足元に水がチョロチョロと流れ始め、一番歩きやすそうなところに付けられた踏み跡を辿っていく。大きな段差、いや小さな段差もない緩やかな谷がしばらく続き、湯槽谷の中でも面白いところだ。

湯槽谷を下る

上の写真と同じところから
下を写す

12:32
ここまでに砂防ダムはなかったが、古そうな小さな石積みの堰堤が5基も連続し現われ、その間は谷の両側にも護岸が築かれ水路状になっている。

平らな石積み護岸の上を行く。

護岸地帯を抜けると自然な谷に戻り、水量も増えてきた。こんな谷がいつまでも続けば嬉しいのだが湯槽谷は短く、おまけに出合い近くは地形図にも載るような大きな砂防ダムが何基も待ち構えているのが残念だ。

楽しい楽しい谷歩きは
長くは続かない

12:47
谷を塞ぎ、行く手を阻む大きな砂防ダムが出現した。昭和55年完成「湯槽谷第四砂防ダム」(高さ20m、長さ63m)で、ここから谷の右岸を高捲いて連続する3基の砂防ダムをかわす。

行く手に大きな砂防ダムが

三番目の昭和49年完成「湯槽谷第三堰堤」(高さ15m、長さ56.6m)を越えると湯槽谷は終わってしまう。なんか尻切れトンボみたいな、余韻の残らない終わり方で味気ない。まあ六甲山の谷はどこでもこんなものだが。

三つの砂防ダムを越すと
湯槽谷はお終い

13:00
砂防ダムを高捲く道から下りると、紅葉谷道と出合い林道の終点だ。一般車は有馬ロープウェイ駅から始まるこの林道には入れないが、治山工事の車は入っていて今日も近くの谷で削岩機を使う音が響いてくる。

紅葉谷道と出合う林道の終点

林道をテクテクと有馬温泉へ戻る


茶房「チックタック」の薬膳カレー

13:27
六甲ケーブル「有馬温泉駅」前通過。「チックタック」は「金の湯」の近くだったような、もっと場所を確認しておくんだった。狭い有馬の街、すぐに見つかるだろうとあっちにウロウロこっちもウロウロ。でも見つからない。

13:59
結局、困ったときの太閤通の「有馬温泉観光総合案内所」で、場所を聞き案内図をもらい無事にチックタックに到着。場所は金の湯の裏手の階段道を登った先で、御所泉源の向かいにあるチックタックは急な坂道の途中にある二階建ての古い民家を改造したもので、写真のように1階の半分ほどは地面の中に埋まっている。御土産物などが並ぶ通りとは違い、人通りも少なく静かなところだ。

茶房 チックタック

なぜかピンボールマシンがある店内は、よくある観光地の喫茶店・軽食堂とは違いシックな落ち着いた雰囲気で気に入った。厳選されたメニューには有馬温泉らしさが出したものもあり、値段は観光地としての有馬温泉の中にあっては安く感じる。

注文したのは「有馬薬膳カレーと八穀ごはん」、そしてエビスビールの黒で、薬膳カレーは時間が少しかかるという。

すぐに出てきたビールを飲みきる頃になり、ようやく薬膳カレーのお出ましだ。

八穀ごはんになぜか厚揚げがのり、サンザシ・クコの実・高麗人参などが入った薬膳カレーは見た目は何とかカレーライスだが、味は別物でインド人が食べたら「これ、カレーでない」と100%の確率で言うだろう。でも、とても美味しくヘルシーさ溢れるものだ。

有馬薬膳カレーと八穀ごはん
  チックタックの喫茶メニュー
珈琲    400円
紅茶(ミルクorレモン)    400円
ミルク紅茶    500円
ミルク    500円
ミックスジュース    500円
有馬てっぽう水    300円
六甲の水900ml    300円
エビスビール(黒or白)    500円
  
本日のケーキ    320円〜
ソフトクリーム(バニラ)    300円
  
本日のパン、いろいろ    130円〜
トースト(バター、ジャムを添えて)    250円
  
有馬山椒ラスク    160円
  
  チックタックの食事メニュー
ビーフカレー(サラダ付)    950円
ハヤシライス(サラダ付)    950円
チキンライス(サラダ付)    950円
  
ナポリタン(サラダ付)    950円
サンドイッチ(スープ付)    950円
自家製ソースと自然たまごの 
オムライス(サラダ付)    1050円
  
有馬薬膳カレーと八穀ごはん 
(サラダ付)    1200円
  
温泉たまご    100円
  
こだわりカツサンド    1300円
こだわりカツサンド(ビールセット)    1600円

帰りのバスまであと1時間あったが、ぶらぶらと散策したり、金の湯の「足湯」につかったり、お土産に炭酸煎餅抹茶サンドを買ったりしているうちに15時45分の発車時刻が迫ってきた。



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