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摩耶山の行者尾根、いやババ谷西尾根だ



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平成19年12月24日(日)  メンバー 私だけ

青谷橋バス停〜青田道〜行者茶屋跡〜行者尾根〜摩耶山掬星台星の駅

2万5千分の1地形図「神戸首部」を参照すること。


摩耶山へ登る私の知らないルートがないかなあとウェブを彷徨っていると、オーパスさんがたかが六甲・・・されど六甲!の『三人寄れば・・・』忘年ハイク&宴会で行者尾根なる聞きなれないルートを下っている。さらに調べていくと地形図に記載されている老婆谷の西側の尾根のことで、結構楽しそうなルートだと分かってきた。

なお、今回からウェブ公開用サーバーを移転して容量が増えたので、写真のサイズを大きくし画質も向上させてしまったが、もしダイヤルアップで見ている人がいたら大変だろうな。


青谷道で行者茶屋跡へ

7:58
JR三宮駅前から乗車した神戸市営2系統阪急六甲行きのバスは、定刻通りに青谷橋バス停に到着。後乗り・前降り・料金は後払いの200円均一区間。

青谷橋バス停で下車

8:13
山では迷わないが、なぜか町歩きで迷ってしまう。青谷川を上流に辿ればよいのだが、こっちの道のほうが近道かなと、どんどん深みにはまり東へ逸れていく。でも、なんとかかんとか無事に青谷道の登山口となる摩耶橋に到着。ここに来るだけで暑くなってしまい上着を脱いで登山の準備をして、摩耶橋たもとのお不動さんに挨拶する。

摩耶橋近くのお不動さん

8:20
お不動さん前の細い道が青谷道の入口だ。「ゴミ収集車が通れないのでこれより先車は進入禁止 神戸市環境局」と、これはハイカーには関係ないが神戸市環境局が交通制限をする権限を持っているのかは疑問だ。

登山者にお願い この付近の住宅地は静かに歩いて帰りましょう! 神戸つくばね会」、「摩耶山青谷道 登山口」とここが登山口で、飲料水の自販機はここから上には摩耶山掬星台へ着くまで存在しない。

青谷道の登り口

しばらくは、いや延々とコンクリ舗装の道が行者茶屋跡まで続く。下の写真の道は幅員は狭いが立派な車道で、ゴミ収集車は通るし「歩行者多し 最徐行」の交通標識さえ設けられている。

しかし、幅員はどう見ても2mには足らず、どんなゴミ収集車が通るのか一度見てみたいものだと思い、調べてみたら2tパッカー車で車幅が1.845mで何とか通ることが出来そうだ。

青谷の渓谷沿いの道を行く

8:38
滝行場を過ぎて「亀ノ滝砂防ダム」(高さ12.0m、長さ42.5m、昭和14年10月完成)、「亀の滝上流堰堤」などでぶつ切りにされてしまった青谷川の流れを深い谷底に見ながら、毎日登山なのか手ぶらな人たちと時々挨拶を交わしながら進むと、茶畑がある。茶園「静香園」で神戸市に残る唯一の茶畑で、お茶を頂ける「静香亭」もある。

茶園「静香園」

8:43
続いてすぐに、まだ営業していない「あけぼの茶屋」、嬌声が聞こえてくる「青谷みどり会 卓球場」、神戸つくばね登山会のタイムカードが200枚もある「つくば祢寮」や、低い屋根をかけられて身を縮めている石仏などで賑やかな一角を通る。

カレーライスはあるのか「あけぼの茶屋」

道脇に年代物の警告板が下がっている。戦前の物のような感じもするが、風雨にさらされて60年以上持つわけはなく、意外と新しいのかも知れない。

山林愛護

山林愛護

一、山林内デ濫リニ焚火ヲシテハナラヌ
一、燐寸煙草等ヲ火ノツイタ儘棄テテハナラヌ
一、許可ヲ得ズシテ火入ヲシテハナラヌ
一、濫リニ草木ヲ伐採シタリ土石ヲ採取シテハナラヌ

右ノ行為ニ違背シタル者ハ罰金拘留科料に處セラル

兵庫縣

あけぼの茶屋集落を過ぎると、周囲を見ている分には山奥の渓谷沿いを歩いているような気になる。でも、コンクリ舗装は中央部だけに狭くなるが、電柱の列は途切れずに山登りをしている感じには到底ならない。

 
簡易舗装の道が続く

8:55
「北畑ダム」(高さ11m、長さ32m、昭和17年7月完成)を過ぎてすぐ、道端に赤旗が列をなして立てられている。「南無不動明王」と染め抜かれたもので、滝行場の「大龍院」が近い。

この青谷の砂防ダムはWWU以前に造られたものが多く、616人の命を奪った昭和13年の阪神大水害を契機に造られたのだと思うが、それ以前の青谷の様子はどうだったのだろうか。

もうすぐ大龍院だ

9:05
大龍寺の赤鳥居二つを過ぎて、まだ新しい「北畑第二砂防ダム」(高さ19m、長さ52m、平成元年完成)を越して、今日の山行の実質的な登山口となる行者茶屋跡に到着。すでにバスを下車してから1時間がたち、市街地のすぐ背後にある山なにに、なぜか登山口が遠いと言われている六甲山の例に漏れない。

どの辺りに行者茶屋があったのかは知らないが、今は形だけになっている自動販売機が一台あるだけだ。ここは旧摩耶道が畑の間から合流してきて、摩耶史跡公園(旧天上寺跡)へ登る道があるだけだと思っていたが、「摩耶山行者堂」の裏から道が始まっているとは知らなかった。

摩耶山行者堂の裏から私の知らない道が


ようやく行者尾根へ

9:09
前置きが長かったが今日の本題、摩耶山の「行者尾根」の開幕だ。どこの誰がつけたのか知らないが、摩耶山行者堂前の屋根の支柱、上写真の私の右側に白色テープが二つ巻かれマーキングが施されていて、石段を上がりお堂の裏側に回りこむと、あら不思議、道が延びている。

事前にたくさんの行者尾根の情報は仕入れていても、「登山道は神社の裏から始まる」のは播州地方のことだけかと思っていたが、ここ六甲山でも通用するとは驚いてしまった。

9:11
行者堂の裏を行くとすぐに橋が架かっている。渡っているときは半分腐ったような橋に思えたが、写真を見ると鉄骨桁が渡されている。

橋を渡る

橋を渡り10mほども進むと、道の右側の木の幹に黄色と黒のテープが巻かれ、足元の石には「天狗道」と書かれている。でも、落ち葉が積もり老婆谷・行者尾根への道を完璧に隠していて、マーキングがなければ取り付きは絶対に分からないと思う。本当にここから入るのだろうかと疑心暗鬼の心持だった。

老婆谷・行者尾根の取り付き

落ち葉の積もる道に少し入るとなぜか明確に道形が浮かび上がり、九十九に尾根を目指しゆったりと登っていく。

九十九に尾根へ登る道

9:21
落ち葉道は尾根の小鞍部を乗り越え延びていて、そのまま進むと老婆谷へと誘い込まれてしまう。ここにはマーキングもあるし、行者尾根へ登ろうと思っている人なら「おっ、ここか」と感じるだろう。

いよいよ行者尾根を登り始める

藪っぽい人跡未踏風な尾根を想像していたのだが、明確な道が付けられている。播州地方の一般的な登山道と同等かそれ以上に快適な尾根道だ。ちょっとがっかりした。

枝分かれがなく迷いようのない尾根なのでテープのマーキングは皆無だが、なぜか赤ペンキを岩に塗り、ルートが示されている。これにもちょっとがっかりした。

行者尾根の登り始め

冬枯れのためか、それなりに外界が見渡せて気持ちよく登れる。また小岩場が時折現れて、尾根登りをさらに楽しく演出してくれる。今まで登った六甲山の数々のルートの中では一、二位を競うものだ。ただし、快適な気候と快適な天候の影響が大きかったかもしれない。

プチ岩場を登る

9:38
行者尾根の最大の難所、いやチャームポイントの岩場だ。踏み幅は狭いが三点確保など必要なく普通に通過できるが、足元の切れ落ちた岩場の高度感は結構なものがあった。

スリリングな岩場

反対側からは木々が邪魔をして高度感がある写真を撮れなかったが、視界を遮るものがない大展望地でポートアイランドから神戸空港が望める。写真の後ろに見えているのは学校林道が通る尾根だ。

スリリングな岩場 その2

楽しい尾根登りはさらに続き、なぜこのルートがガイドブックなどで紹介されていないのかが不思議だ。別段危険なところはないし、道も明確で迷いようもないし、不思議だ。

楽しい尾根登り

10:00
平坦な尾根に岩が点在し、その先には行者尾根と天狗道が交わる620mほどのピークを望むことが出来る。スリリングな岩場を過ぎた頃から背後に話し声が聞こえてきていたが、写真を撮ろうと準備をしていたら、とうとう追いつかれてしまった。

今日は私の山行記録を見て摩耶東谷を登ろうと計画していたが、谷の水量が多そうなのでこの行者尾根に変更したそうで、6人パーティのリーダーには私が私であることがばれてしまった。

ここまでの雰囲気からか「摩耶アルプス」とも呼ばれている行者尾根だが、どっかの町の「銀座通り商店街」みたいで、この尾根の呼び名は「行者尾根」の方が好ましいと思う。。

行者尾根で出会ったのは
このパーティだけ

天狗道が近づいてくると尾根は一気に急になり、木々に遮られて展望は得られなくなる。マーキングはないが道は明確で行き止まりの迷い道はない。緩急の変化に富んだ険しさが登る楽しみを倍増させてくれて、楽しかった行者尾根のフィナーレを飾るにふさわしい。

最後の100mはこんな感じ

急な岩場もある

10:26
摩耶山南西の620mほどのピークで天狗道に飛び出した。天狗道南側の細めの木には黄・青・赤と黄・白・赤・白の派手なマーキングが付けられている。

下の写真、顔色が青ざめているのが分かるだろうか。天狗道への最後の段差の下にティッシュが落ちているのを見て「うわっ、大丈夫かな」と声がでると同時に、左足に落ち葉越しに「ベチャ」と嫌な感触が。風もなく暖かかった行者尾根から、一転して寒風の吹き荒れる天狗道に出たこともあるが、みるみる顔が青ざめていくのが自分でも分かった。

なんと、行者尾根を登ってきたとものとばかりと思っていたが、いきなり最後は「ババ谷西尾根」に変わってしまったのだ。

天狗道には出たのだが

10:50
靴底にへばりついた物をどうにかこうにか処理をして、そして天狗道を登り摩耶山のアンテナ鉄塔群に着いた。もう今日はシェーを執り行う元気もない。

摩耶山に到着

11:20
穂高湖からシェール道を回り、トエンティクロスで新神戸へ下りようと計画していたが、止めた。強風のため運行を一旦休止するロープウェイの最終便に乗ることに決定。


特別付録、摩耶ビューライン夢散歩の案内放送

長らくお待たせいたしました。本日はようこそ摩耶ビューライン夢散歩ロープウェイおりひめ・ひこぼしにご乗車いただきまことに有り難うございます。このロープウェイの長さは856m。虹の駅まで約5分のご乗車でございます。
このゴンドラには、乗務員が乗車しておりません。係員へ緊急連絡をされる場合や、係員から無線で呼びかけがありました場合は、入口ドア横の非常連絡装置の赤ボタンを押しながらお話下さい。また非常時は係員の指示に従って行動していただきますようご協力をお願いいたします。
それではしばらくの間、空中散歩をお楽しみ下さい。
天気のよい日には大阪湾の向こうには遠く紀州の山々までが見渡せます。前方に見えます人工島は六甲アイランド、右側がポートアイランド、その海上に平成18年2月に開港しました神戸空港がございます。
この摩耶山は六甲山とともに瀬戸内海国立公園の表玄関として皆様に親しまれており、またここからの眺めは夜になりますと日本三大夜景のひとつにもあげられ、神戸はもちろんのこと広く大阪湾まで見渡せる日本最高の一千万ドルの夜景として有名です。
まもなくケーブル駅接続駅、虹の駅に到着いたします。お忘れもののないようにご用意願います。ゴンドラ到着の際少々揺れることがございます。お下りの際はお足元にご注意くださいませ。本日のご乗車まことに有り難うございました。

−乗務員−
ご乗車有り難うございます。出発の際、多少揺れることがございますのでご注意下さい。

−自動放送−

長らくお待たせいたしました。本日はようこそ摩耶ビューラインゆめ散歩ケーブル線にご乗車頂きまことに有り難うございます。このケーブル線の長さは965m。時速12キロ、およそ5分で麓の摩耶ケーブル駅に到着いたします。
ただいま下っておりますこの急勾配は29度です。わが国のケーブルの中でも屈指の急勾配となっています。ロープの太さは36ミリメートル、定員50人の十倍の重さでも切れないだけの強さを持っています。万一の場合にもブレーキが自動的に働いてレールを堅くつかみ急停車するようになっており、安全性の高いケーブルカーでございます。
まもなく登ってくるケーブルカーと行き違います。ここが丁度中間点です。車輪の構造により、グリーン色のにじあじさい号はいつも西側を、えんじ色のゆめあじさい号は東側を通るようになっています。
さて皆様摩耶山でのご散策はいかがでございましたでしょうか。六甲山牧場をはじめいろんな施設や景色をご覧頂いたことと存じます。ご気づきの通り摩耶山全体は自然に恵まれ四季を通じて楽しみいただけるところです。ぜひ、またのお越しをお待ち申し上げます。
まもなく摩耶ケーブル駅に到着いたします。車内にお忘れ物のないようにご用意願います。また向かって左側よりお降りいただけますが、扉は内側へ開きますので、扉付近の方は一歩下がってお待ち下さい。降りられましたらホーム階段お足元にご注意くださいますようお願い申し上げます。
本日ご乗車まことに有り難うございました。

−乗務員−
それではまもなく摩耶ケーブル駅に到着いたします。到着の際多少揺れることがございますのでご注意下さい。扉は係員がお開け致します。進行方向向かいまして左側の扉が内側に開きます。
駅前より出ております神戸市バス18系統阪急六甲経由JR六甲道駅行きの次のバスは…時…分、三宮駅行きの発車時刻は…時…時となっています。こちらより徒歩6分ほど坂を下りましたところから、神戸市バス2系統三宮行き阪急六甲行きがございますのでご利用下さい。
本日は摩耶ケーブルカーをご利用下さいまして有り難うございました車にお忘れ物のないようにお願いいたします。




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