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北から登るぞ桶居山、そして鹿嶋神社へ



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平成20年1月6日(日)  メンバー 私だけ

夕陽丘バス停〜桶居山の北の尾根〜桶居山〜百間岩〜鹿嶋神社〜霊園前バス停

2万5千分の1地形図「加古川」を参照するとよいかもしれない。


三回目かな、北から桶居山へ登るのは

さて、石楠花谷の山行記録をアップしたが明日はどこへ登ろう。天気もよさそうだし、谷歩きが続いたし、そうだ桶居山に登ろう。

桶居山といっても知らない人の方が多いだろうが、ふるさと兵庫50山の高御位山から峰続き?の姫路市の山だ。標高は247.6mとけして高くはないが、播磨アルプスと呼ばれる高御位山よりもさらにアルプスぽい雰囲気が渦巻く、姫路市を代表する名峰だと私は思う。

9:23
姫路駅前から乗車した夕陽ケ丘行きの神姫バスは定刻よりも幾分早く、終点の夕陽ケ丘バス停に到着。降り立ったのは私だけで、姫路駅前からの数人の乗客は市川を越える頃には誰もいなかった。なお料金は姫路駅前から300円と、33分もの乗車時間にしてはお値打ち価格だ。

終点の夕陽ケ丘バス停は住宅街の中にあり、バスは私を降ろしてすぐに方向転換地へと走り去っていく。

住宅地の中の夕陽ケ丘バス停

桶居山へ登るコースはたくさんあるが、私の一番大好きな北尾根を登ることにした。バスを降りた飾東町夕陽ケ丘の北東、飾東町唐端新から始まる尾根を、桶居山頂上を目指しまっしぐらに登るという最短距離のルートだが、登山道はない。迷いようはないが、桶居山に登るルートの中では薦められないルートだ。

9:36
尾根の突端へ行くと「唐端新自治会住居案内板」があり、その地図によると明確に桶居山頂上を目指す道が描かれている。ここから尾根へ無理やり登ってもOKだろうが、案内図にある道を行くことにする。

ここが尾根の突端だ

9:40
「通り抜けの車は進入しないで下さい。」の警告板のある集落の中へ入る細い道を行き、最初に左に入る路地へと曲がる。いや曲がった先は路地ではなく、畦道と呼ぶ方が正しそうだ。

ここを左に畦道へ

9:43
畦道をそのまま行くと住宅にぶつかるので、左へ尾根方向へと向かうと溝に板が渡してある。板には霜が降りて滑るので溝に下りて渡る。

ここから尾根へと取り付く

9:47
2回も来ているのだが、どこから尾根へ登るのかすっかり忘れてしまった。赤い木の実がマーキングの様に見えてそこから藪に突入したが、本当は竹藪の中に踏み跡があることを帰ってから思い出した。

赤いのはマーキングではなく、木の実だ

9:58
なんで、正月早々いきなり藪と格闘しなければならないのか、足場は悪いし藪はきつい。仕方なく左へ左へとそれて行くと、尾根へと斜めに続く露岩が現れた。

本当は背後の竹林へ入るべきだった


桶居山北尾根を登る

10:02
10分ほどの藪との格闘に勝利した私は無事に目的の尾根に立つことができた。こんなことなら尾根の突端から無理からに登っておいた方がましだった。

この尾根を含め、桶居山の樹木はは2000年8月13日から14日の山火事により焼き尽くされてしまった。尾根にはそのときの焼けた木々がまだ残り、ようやくススキとイバラそして少数の低木が定着しただけだ。

山々の眺めをながら、藪との格闘を癒すため少々休憩する。でもパンツにちょこっとかぎ裂きができたことに気づき、少し落ち込む。

桶居山とこれから登る尾根が眼前に広がる

10:11
尾根には背丈以上の木々はほとんどなく眺めは抜群で、桶居山頂上を常に見ながらの山登りとなる。播州にはたくさんの山があるが、この桶居山の雰囲気は格別で、森林限界を突き抜けた高山を登っているかのように感じる。

正面が桶居山、左側はその前衛峰

10:27
標高140mほどの、桶居山の前衛峰のように見える微小ピークへの緩やかな登りが終わるころ、コバノミツバツツジの戻り花が数輪咲いていた。花びらはいじけているが、サルトリイバラの赤い実とともに目を楽しませてくれた。

コバノミツバツツジの戻り花

10:29
前衛峰を越すと、尾根はまっしぐらに桶居山頂上を目指している。最後の最後は急登になるが、それまでは緩やかに登っていく。登る人もまれな尾根で、歩きたいところを行けばよいので、踏み跡はない。

迷いようのない尾根だ

10:35
山火事跡の荒涼とした風景が、そして尾根がつづく。3年前にこの尾根を最初に登ったときは、まだきな臭さが残っていたが、今はもうない。

土が黒いのも山火事のせいだ

10:40
ごく一部に山火事から免れた木々が残り、その中には明白な道跡が確認できた。かつてのこの尾根も桶居山も緑豊だったのだが、何時になったら回復するのだろうか。

焼けずに残った木々が少し

10:50
登り始めてからすでに1時間、ようやく頂上近くの岩がちの急斜面へとたどり着いた。振り返ると登ってきた尾根が一望の下に見渡せる。

山火事跡は住宅地近くまで

11:02
頂上直下は四輪駆動でなくては登れない。結構斜面は安定しているのだが、砂礫が浮き登りづらく枯れ草までつかんでよじ登る。

頂上直下

11:04
誰もいない桶居山頂上に到着。頂上でくつろぐハイカーが、思いもよらぬ方向から現れた私を見て驚くのを期待して登ってきたのだが、誰もいなくて残念。写真を撮りつつ登り下りしつつ、登ってきたので1時間以上かかってしまったが、普通に登れば30分ぐらいかもしれない。

桶居山頂上に着いた

登頂記念プレートはないかと捜すも、一枚もない。人工物は三角点標石しかなく、まことにすっきりとしていて、どこかのパラダイス化した頂上とは大違いの好ましい雰囲気だ。この桶居山が大好きな人が、時々登ってきてはプレートを持ち帰っているのだろう。その人の美学・感性と、なんでもかんでも山に持ち込み、山をゴミだらけにするどこぞの山好きの人たちとの違いはどのへんから生じるのだろうか。

食事前に恒例のシェーを行う。

桶居山でシェー


下山は鹿嶋神社へ

11:39
西側から4人パーティが登ってくるのが見え、にぎやかになる前に頂上を退散する。下山はクレー射撃場がある谷をぐるっと回り、百間岩から鹿嶋神社境内へと下る。

桶居山の東稜は風化が進んだ岩場だ。登るときはなんてことはないが、かなり急で下るのは少々腰が引けてしまう。岩場の幅は広くて好きなところを下っていけばよいのだが、角のない踏ん張りの効かない丸いのばかりで、最善のルートの見極めができない。

桶居山東稜を慎重に下る

11:58
東稜を下り終えて、三脚を立て自分撮りをしていると、前方からやってきた女性4人パーティのお一方に声を掛けられた。「ホームページ作ってませんか。わたしカメ巫女です」と。播州野歩記からリンクさせてもらっている「〜WELCAME〜」のカメ巫女さんで、グループ登山の下見にやってきたそうだ。

カメ巫女さんと別れてすぐに、今度はご夫婦ハイカーの奥様から「松本さんですか」と。私の痛めた膝の具合まで心配して下さっていて、感謝感激。私のサイトを見て六甲山へも登りたいという。

播州野歩記を始めて文章を書くのは大好きになったが、いまだに口下手で初対面の方とはまともに話すことができない。たぶん、私は声を掛けられて困ったような顔をしていたと思うが、内心はものすごく嬉しかったのだ。

嬉しさが顔ににじみ出ている、かな

12:05
鹿嶋神社へ下山するまでには、ピークをいくつも越えていかなければならない。桶居山を東から見ると北側斜面は45度ぐらいに見えてとても登れそうに見えない。その登れそうのない北側と同じくらいの南側は登ることが出来るのだろうか。一度挑戦してみたいものだ。

桶居山東側ピークより

12:09
この桶居山もそうだが、東の高御位山も夏場は歩かない方が健康によいと思う。なんたって日差しを遮るものがない道がほとんどで、照り返しもきつい。熱中症どころか、まるでフライパンで炒められる爆裂種のトウモロコシのように弾けてポップコーンになりかねない恐ろしい世界が待ち受けている。まあそれも低山の魅力の一つだと達観できるようになれば、楽しむこともできるかもしれない。

夏は歩きたくないな

12:16
遮るものがなく一目でルートを見極めることができるためか、このルートにはマーキングも案内も公設道標も何一つ存在していない。迷いようもないのに、数メートルおきにマーキングが付けられた山道が多い中では異彩を放つ存在だ。

低山とは思えない景色だ

12:39
楽しい山歩きができるが、ただ一つだけ問題がある。うるさいのだ。途切れることなくパッーン、パッーンとクレー射撃の散弾銃の銃声が谷間にこだまして、楽しい山歩きを阻害する。でも流れ弾などの実害はなく音がうるさいだけなので、山歩き中にいきなり鳴り響く猟銃の音よりはましだ。

かつては、桶居山を歩く人などほとんどいなかったが、今日は時々ハイカーと出会い15人ほどのパーティーともすれ違い桶居山の人気が上がったのを実感できる。でも、山火事による風景の劇的変化が主な要因だと思うと、良いような悪いような。

パッーン、パッーンと静かな山歩きはできない

12:45
クレー射撃場がある谷と稜線が交わる130mほどの鞍部、ここで道が分かれている。分岐点は結構あるのだが、ここだけは木々が茂り見通しが利かないためかマーキングが付けられていて、北側の県道へ抜けられるルートは枯れ木で塞いでいる。

ちなみに北の県道へ出るのは10分もかからないが、バス停へは西へ行っても東へも遠く、おまけに本数も1、2時間に1本と少ないのでエスケープはできるが、あまり得策ではない。

最低鞍部は三叉路だ

13:04
変な形の岩がある。オーバーハングの私には登りようもない岩だが、日本には人跡未踏の地など存在しないというのが常識なので、絶対に誰かが登っている。

奇岩

13:27
鹿嶋神社から高御位山への縦走路と合流。ここから鹿嶋神社へ下るが、まだ数個のピークを越えなければならない。鹿嶋神社から高御位山へピストン山行の元気な家族連れと一緒になりながら下っていく。

高御位山の縦走路に出る

14:18
鹿嶋神社への最後の下りは「百間岩」だ。45度ほどの急勾配で標高差50mほどもある大スラブだ。桶居山東稜のような風化した岩ではなく、靴底としっかりグリップするが下るのは結構怖い。

ここで写真を撮るといつも変な風に写るのだが、今日のは私の体が斜めになってしまった。シェー。

百間岩でシェー

14:35
下山地は鹿嶋神社の本殿前。もう1月6日なので参詣客は多くはないが、いつものガランとした鹿嶋神社とは雰囲気が違う。

鹿嶋神社の本殿前に下山

チタン製大鳥居のある駐車場へと参道を下っていくと、屋台がたくさん出ている。でも列をなして買い求めるのは名物のカシワ餅ばかりで、屋台のお兄ちゃんたちは暇そうにしている。私もカシワ餅をお土産に買い求めた。

広い駐車場は満車で、狭い道路も駐車場へ入ろうとする車でいっぱい。バス停まで行くと「交通渋滞のため、霊園前バス停から運行します」。仕方なく「バスも超満員なんだろうな、いやだな」と思いながら大渋滞の車列の脇を行く。

15:00
霊園前バス停で私を待っていた神姫バス姫路駅前行きは、なんと席がまだ空いていた。駐車場へ入る車の渋滞は国道までつながっていたが、バスには空席があり、その差に唖然とした。鹿嶋神社へ参拝する信心深い人の中で99%以上は自家用車を利用し、地球温暖化など環境問題などまったく考えない、自分の願い事だけを思う罰当たりばかりだとは、神様もそんな人たちに拝まれて迷惑なことだ。なお料金は姫路駅前までで530円。


今日はカメ巫女さんに出会ったが、「新緑館」の萌木さんが「鹿嶋神社バス停〜百間岩〜高御位山〜中塚山〜霊園前バス停」で惜しいニアミス、「正右衛門ノート」の萬屋さんが「成井〜高御位山〜北コース〜成井」と歩いていることが、アップが遅くなったせいで分かった。



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