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ラーメン山行、黒岩谷西尾根から六甲山最高峰



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平成20年1月19日(土)  メンバー 私だけ

東おたふく山登山口バス停〜土樋割峠〜黒岩谷西尾根〜六甲山最高峰〜魚屋道〜有馬温泉バス停

2万5千分の1地形図「宝塚」を参照したら少しは役に立つかもしれない。


今度はラーメンだ

黒岩谷西尾根の存在を知ったのは、つい最近リンクさせてもらった『春夏秋冬「六甲山」 あっちに感動 こっちにも感動』からだ。東お多福山の北側、土樋割峠の近くから六甲越の一軒茶屋へと続く尾根で、ガイドブックには道があることも尾根の名前も載っていない。いつも利用する「七曲り」の東側の尾根なのだが、七曲りの登山道からは見えない。

黒岩谷西尾根へは高座ノ滝か住吉台辺りから魚屋道や住吉道で行くのも一つの方法だろうが、最短ルートは芦有道路の東おたふく山登山口までバスで行って、舗装された蛇谷林道を土樋割峠まで登るというもので、『今日の山行の登山口=黒岩谷西尾根の登山口』となる。

8:09
数名の乗客を乗せた、JR芦屋駅南口から乗車した阪急バス81系統芦屋ハイランド行きは、定刻に私を東おたふく山登山口バス停に降ろし走り去っていった。後ろ乗り前下りで料金は後払い、この前乗ったときは磁気カードしか使えなかったのが、今はICカードも使えるようになっている。料金は阪神芦屋・JR芦屋・阪急芦屋川からなら320円。

東おたふく山登山口バス停には自販機がある

8:19
服を一枚脱いだり靴紐を締め直したり自分撮りをしたりして10分後に出発。なお、芦有道路は自動車専用道路なので、車道をここまで歩いて来ることはできない。

公衆電話もある東おたふく山登山口バス停

8:28
道標に従い蛇谷林道に入り、東お多福山への登り口を左に見ながら通過。土樋割峠手前で砂防堰堤工事を行っていて、大型車通過時のハイカー用の退避場所がところどころに設定されている。土曜日でも工事はやっているようで、3.5t積みダンプや13t吊りクレーン車とすれ違った。

行きがけの駄賃に東お多福山へ登ってもよいのだが、今日は黒岩谷西尾根に全精力を注ぎ込むことにした。

東お多福山の登山口前を通過

8:38
蛇谷第二堰堤の工事現場だ。新規に造るのではなく、既設の砂防ダムを改修している。この工事によりハイキング道が遮断されたり迂回を強いられることはなく、工期は今年の3月10日までとなっている。

蛇谷第二堰堤工事現場

8:51
土樋割峠。十字路になっていて南側を登ると東お多福山、北側を登ると蛇谷北山から石宝殿だ。別にどうでもよいことだが、ここまでの写真を見ると私は道路の左端を通る癖があるようだ。

土樋割峠を通過


黒岩谷西尾根前半は面白い

8:55
土樋割峠から西へちょっこと下るとそこが黒岩谷で、林道は南へと向きを変え、谷上流の北側には大きな砂防堰堤が見える。林道を曲がらずに沢へと直進すると、沢の対岸にイノシシの絵が描かれた表示板があり、そこを渡渉し黒岩谷西尾根に取り付く。

ここを渡り黒岩谷西尾根へ

8:56
イノシシの絵が描かれた表示板には手書きで「↑黒岩谷西尾根から最高峰へ」と書かれている。林道側の公設標柱(119番通報プレートひ62-1)には「↓本庄堰堤・六甲山最高峰・住吉 →土樋割峠を経て奥池」と表示しているだけで、当然のことながら黒岩谷西尾根のことは何も触れていない。

これが黒岩谷西尾根の目印だ

8:59
砂防ダム方向へ誘導するかの様なマーキングもあるが、そんなのは無視して尾根へと真っ直ぐに登るミヤコザサの間の踏み跡を登っていく。多くのハイカーが通るのか自然とステップが刻まれた踏み跡があり、尾根には歩きやすい道があることを期待させる。

尾根へ至る踏み跡を登る

9:06
尾根に着くと眺めは結構よいのだが、道らしき道はない。人が通れる幅の切り開きはあるのだが、両側から枝が張り出して屈まなければ進めない。「うゎ、何なんだ。黒岩谷西尾根はこんなんか。」と思うも、この尾根を登った記録があるのだからどうにかなるのかなと、進む。

眺めはよいのだが、道ありません

9:09
この先どうなることやらと、木の枝を掻き分けくぐり岩にも邪魔されつつ20mほども進むと、東側の一段低いところに道があるではないか。そこまで下る踏み跡もあり、みんなが迷いこむ踏み跡を辿らさせられていたのだ。

ちゃんとした道がありました

9:14
明確な道だが、六甲山の一般ルートにはない荒々しさをもつこの黒岩谷西尾根、歩き始めたばかりだが『オラ、なんだかワクワクしてきたぞ!』。でも下の写真のところを登り切ると、稜線の道のガードレールや電柱が結構近くに見えたりもするが『そんなの関係ねぇ!』。

荒々しい黒岩谷西尾根の道

9:24
まるで『岩から生まれた岩太郎』になった気分だ。ぱかっと割れた岩の間を通り抜けるしかルートがなく、規模は小さいが面白い。

『岩太郎岩』と名付けよう

9:26
黒岩谷西尾根は、やせ尾根だ。一歩踏み外せば東側の黒岩谷の谷底まで一気に転げ落ちそうなところもある。道幅もハイカーが行き違えないほど狭いところもあり、集団同士がこの尾根で出会ったら大変なことになりそうだ。

といっても、特段の技術を要するわけではなく極普通に歩くことが出来る。また枝尾根はなく下りでも迷いようがないとは思う。

一歩踏み外したら黒岩谷へ真っ逆さま

9:30
六甲山最高峰へと続く、これだけの楽しいルートなのにあまり世に知られていない(私だけが知らなかった可能性が大きいが)のが不思議だ。道の具合、落ち葉の積もり具合からすると一週間前に登った摩耶山への山寺尾根よりも通行量が多そうな気がするが、今日は誰にも会わなかった。

基本的には快適な道が続く

9:38
「ワォ、岩登りだ」と喜んで挑んだが、傾きが足りない、長さもぜんぜん足りない。でも面白い。

もしかしたらここが
黒岩谷東尾根の核心部だったり

9:42
黒岩谷西尾根の安全だが物足りない核心部を抜けると、そこは普通の尾根道だった。ただし展望のよい極楽尾根道だ。背後には東お多福山から奥池の町並み、そして大阪湾から紀州の山々までと豪華な風景が広がっている。この黒岩谷西尾根は別名、地獄尾根とも呼ぶらしいが私にとっては極楽尾根だ。

眺望も抜群、黒岩谷西尾根

9:50
ちょっと急になり、ガラガラの道となる。そしてザラザラの道となり、この辺を下るのは滑りそうで怖い。

ガラガラがザラザラの道に

9:52
ザラザラの道はどんどん急になり、最後はロープまで現れる始末。ロープ場の右側はほとんど垂直のザレ場で急な滑り台のようだ。

ヨッコイショ


黒岩谷西尾根後半は展望尾根だ

9:57
もう黒岩谷西尾根のメインイベントは全て終了。ここから上はもう面白い出し物はないが、道はまだまだ続く。ただ尾根道の脇にある、ある草が気になり花の時期になったらもう一度訪れなくてはならないなと、覚えておこう。

快適な道が続く

9:59
背丈は低いがミヤコザサが茂り道に被さっている。今日の笹は濡れても、雪が付いているわけでもないので大丈夫だが、状況によっては朝露や雪でパンツの裾から太もも辺りまでがビショビショになることがあるので注意が必要だ。スパッツだけで大丈夫だろうなと安易な気持で突き進み、後悔したことが何度もある。

ミヤコザサが少しだけうるさい

10:05
ガイドブックには載ってなく、通る人が多いとは思われない黒岩谷西尾根の、それもなんでもない斜面が丸太階段道になっている。階段道は嫌いな方ではなく、むしろ好物なのでルンルンで登っていくと、足元にワイヤーが張り巡らされて地面を固定しようとしている。

なんで階段道が現れたのか

10:08
尾根の西側、東谷と呼ぶ側が何らかの理由ですっぱりと抜け落ち、さらなる崩壊を防ごうと砂防工事が行われた跡で、丸太階段もその時の作業通路として造られたものだ。絶対にこの尾根を通るハイカーのことを思いやって造られたものではない。

東谷側が抜け落ちている
そして展望抜群

10:09
崩壊地跡を過ぎると緩やかになり、そして砂防工事に従事した人たちの通勤路でもあったので、笹原には広い道が延びている。ここでも振り返るとまずまずの眺望が得られ、すぐ西側を登る七曲りの展望の悪さとは対比的な、登るのも楽しいし展望も楽しめて「1粒で2度美味しいアーモンドグリコ」のように味わい深い尾根だ。

笹原に続く広めの切り開き

10:13
ドライブウェイの白いガードレールが浅い谷の向こうに見えてきた。もうすでに尾根の形を成さなくなった黒岩谷西尾根だが、終わりが近づいてきて寂しくなってくる。

でも、この尾根は一軒茶屋から始まっているというが、七曲りは何度となく通っているのにこの尾根の存在を感じることもなく、どこから始まっているかに興味がわいてきた。

稜線はもうすぐだ

10:15
ここまでにもほんの少しだけ雪があったが、浅い谷へ下る(ここも階段道になっている)道には、地面が白くなるほど残っている。去年の今頃に東側の蛇谷北山から最高峰へ登ったときは、まったく雪がなかったことに比べたらましだが、今年の六甲山も雪が少ないのだろうか。

雪が付いた階段道を下る

10:24
一軒茶屋から少し離れた展望台のようなところに出た。ゴミが少し落ちていてハイカーの休憩場所になっているのが分かる。展望台からほぼ真南へ下る黒岩谷西尾根への道の入口には案内は何もなく、崩壊防止の木板が立てられていて道らしさを隠蔽している。

一軒茶屋東の展望台に着いた

10:26
展望台で方向を90度左に変えて広い道を進むと、すぐに一軒茶屋脇の広場に出た。七曲りの下り口のすぐ横なのだが、当然ながらここにもなんの案内もない。土樋割峠の西側から登り始めて1時間半ほど経つが、極普通に登ってくれば1時間もかからないだろう。

一軒茶屋に到着


六甲山最高峰でラーメンを炊き、下山は魚屋道で有馬温泉

10:38
最高峰への坂道にも雪が少し残っていたが、凍結はしていなかった。黒岩谷西尾根を登ること以外に、今日のもう一つの目的は最高峰周辺の霧氷を見ることだった。でも、風はなく気温もプラスで霧氷のむの字もなかったのが残念だった。

時間が少し早かったのか、六甲山最高峰には数人のハイカーがいるだけだ。恒例となったシェーを執り行うが、あまり楽しくない。やはりシェーは大勢の人がいる中でやってこそ価値があるのだ。

誰もいない六甲山最高峰でシェー

11:03
お昼御飯はラーメンだ。「サッポロ一番しょうゆ味」にファミマの「ほっけほぐし御飯」をぶち込んだラーメン雑炊だ。天気はよく風もないぽかぽか陽気で、風に弱いガソリンストーブも快調な燃焼音で調理??をこなしてくれた。

出来上がりの見た目は悪く調理中の写真しか載せないが、味はまあまあだった。

ラーメン雑炊を調理中

11:40
下山開始。霧氷を愛でつつ極楽茶屋跡まで稜線を西に進み、そして紅葉谷道での有馬温泉への下山を予定していたが変更。魚屋道で下りることにした。さすがに北向きの魚屋道には残雪、いや名残雪があったが、凍結などしていなく普通に歩くことが出来た。

名残雪の魚屋道で有馬温泉へ

魚屋道では合計20人ほどのハイカーと行き違い、3人に追い越された。そのうちの高校生ほどの子を連れた父親、あらん限りの短絡路を使って的場山から下の九十九になる魚屋道を下っていく。「お前たちのようなアホンダラがいるから山が荒れるんじゃ。ボケが。」と心の中で思うだけで、黙々と忠実に魚屋道を辿り下っていく。

12:41
自分撮りを2回しかしなかったためか、最高峰から1時間という、私にとっては驚くほどの短時間で有馬温泉の舗装道路に降り立った。そして「金の湯」横の足湯で疲れを癒し、炭酸せんべいをお土産に買い、13時50分発の神姫バスで三の宮へと帰途に着く。ちなみに三の宮までのバスの運賃は680円。



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