山行記録にもどるホームにもどる



宝殿橋から最高峰、そして紅葉谷道・七曲滝



スポンサード リンク




平成20年2月2日(土)  メンバー 私だけ

宝殿橋バス停〜石宝殿〜六甲山最高峰〜紅葉谷道〜七曲滝〜有馬温泉バス停

2万5千分の1地形図「宝塚」が参照になるかもしれないが多くを期待しないように。


でもただ一つ違っていたのは「私は軟弱ハイカー」だったのです

8:28
芦有道路宝殿ゲート内、標高710mほどの宝殿橋バス停で下車。最高峰までの標高差がわずか60mの六甲有馬ロープウェイには負けるが、ここからは最高峰へはあと車道を220m登るだけだ。

ここでバスを降りたのは私だけで、料金は阪神芦屋・JR芦屋・阪急芦屋川いずれからでも520円。軟弱ハイカーにとっては極楽から下ろされた蜘蛛の糸のようなありがたい存在だ。

バスは宝殿ゲート前から引き返していく

8:32
まずはゲートを通り芦有道路から出る。

何かの都合で、エスケープしようとここに来る人がいるかもしれないが、宝殿橋バス停は料金所を入った西側にあることを覚えておけば慌てなくてもすむかも知れない。

料金所を通り一般道路に出る

道路には融雪剤が撒かれ車が通る部分には雪はない。路肩に残る雪を避けて車道よりを歩いているが、カーブが多く見通しの効かない道が続くので飛ばす車もなく、時折追い越されても怖くはない。

車道はこんな感じで、車は普通に走れる

8:51
石宝殿のある白山神社東の赤鳥居だ。車道を行っても詰まらないし、展望のよい白山神社に寄り道をしていく。

白山神社の東側参道入口

動物の足跡だけしかないヴァージンスノーをサクサクと、いや降雪後に表面が再凍結したのかザクザクと歩く。どんな雪だろうと、足跡がない雪道を歩くのは爽快で楽しい。でもそれは今日の行程では白山神社までだった。

ヴァージンスノーを行く

9:05
白山神社境内からは西側の大阪平野が一望の下に見渡せて、すごい眺めで、夜景もきっと綺麗なことだろう。神戸市で一千万ドルの夜景なので、ここならさしづめ一億、いや十億ドルの夜景だ。

暑くなってきたので1枚脱ぎ、いずれアイゼンを着ける事になるだろうから今はスパッツだけ装着する。

白山神社からの眺めを独り占め

9:20
白山神社から全山縦走路を辿ることなく車道を歩き、あの震災で通れなくなった道路を復旧させるために平成9年3月に完成した「鉢巻山トンネル」に着いた。でもこのトンネルの上の山は後鉢巻山なので「後鉢巻山トンネル」と名づけた方が正確だろうが、とりあえずはトンネル内には歩道があるので安心して歩ける。

鉢巻山トンネル

9:28
魚屋道と車道が交わる六甲越だ。なぜか迷彩服を着た自衛隊員が3人いるだけで静かだ。

六甲越、左奥は一軒茶屋

9:38
誰もいない六甲山最高峰。ギャラリーのいないシェーは面白くない。写真でも分かるように、気象条件が整わなかったのか霧氷のむの字もない。気温が高すぎて風がなさすぎた。

六甲山最高峰でシェー

9:56
軽アイゼンを装着して一軒茶屋方向へと出発。久しぶりの軽アイゼンで、どっちが前か後ろか、ベルトはどうやって締めるのか思い出すのにしばらくかかった。

縦走路にはそれなりの雪があり、アイゼンをザクッザクッとさせながら車道へと下りていく。

最高峰からの下り

最初は車道を行ったが、アイゼンを着けたままではアスファルトとアイゼンが擦れる音が、まるでガラスを擦るような、黒板に爪を立てるようないやらしい音がして、また土踏まず部分でしかも点でしか接地しないので歩きにくいたらありゃしない。

方針を変更し雪の縦走路を行くことにする。当然登り下りがあるが車道を行くよりも十倍ほどは面白く、なんか冬山を歩いているような錯覚に陥る。

雪の六甲全山縦走路だ

10:41
極楽茶屋跡まで来た。ここから紅葉谷道に入り、凍結していれば儲けものの七曲滝を見物して、有馬温泉へと下山する予定だ。

極楽茶屋跡から紅葉谷へ

紅葉谷道方向から出てきたハイカーが、自分撮りをする私を、まるで不審者を見るように見つめているのを無視しながら三脚をセットして撮っていると声を掛けられた。「神戸背山の道」のジュンさんだった。

HP作成のために己の姿を晒しまくりで、その上に自分撮りをしているのを見られてしまい分かってしまった。よしこうなったらジュンさんの姿も晒してやる。でも写真を撮ることに気づきのが遅れて、これでは小さすぎてよく分からないな。でも車道を歩くことなく、律儀にガードレール外側の雪の中を歩くジュンさんの姿に、私の持ち合わせていない真面目な性格がにじみ出ている。

「神戸背山の道」ジュンさんの後姿


紅葉谷道

10:44
車道から離れるとすぐに、紅葉谷道と番匠屋畑尾根の分岐点だ。足跡を見ると紅葉谷道と番匠屋畑尾根の通行量は100倍以上の差があるように見え、雪遊びを満喫したいなら後者だろうが、ツララの集合体が見られる前者も捨てがたい。

左側、番匠屋畑尾根の通行量は少ないな

10:48
アイゼンが必要かどうかは微妙なところだが、雪の量は結構多くてアイゼンを着けていた方がお気楽に歩ける。ただお気楽過ぎて歩き方が雑になる。

でも軽アイゼンとはいえ重く、雪道を登るのは普通の二倍は疲れる。六甲山を歩くだけならもっと簡易な滑り止めの方が、歩き方も漫然となることなく、疲れも少ないはずだ。

雪がいっぱい紅葉谷道

10:56
六甲山全体で100本ほどしかない貴重なブナは、なぜか紅葉谷に多い。六甲山でもこの辺りが一番寒いのだろう。

紅葉谷のブナの木

11:01
まだ雪は沢山あるが、下るに従って少なくなること思うと、下るのが惜しくなってきてた。でも家では妻その1と娘その2が、有馬温泉の炭酸せんべいはまだかまだかと首を長く伸ばして待っているので、下りなくてはならない。

ザクザクと雪を踏みしめ有馬温泉へ

11:07
まだ路面には雪があるが、数分間歩いただけなのに周辺の雪が減ってきた。この辺までは出会うハイカーは少なかったが、お昼が近づいてきたせいか頻繁に行き違う。今日、六甲山を歩いているハイカーの半分以上はこの紅葉谷道を歩いているのではないかと思うほどだ。

ちょと雪が減ってきたかな

11:11
紅葉谷道で唯一谷底を、渓流脇を歩くところで普通は結構よい雰囲気なのだが、今の時期は周辺よりも雪量が少なく地面が露出していて見栄えが悪い。

紅葉谷道で唯一渓流脇を行くところ

11:18
いつの間にか雪は路面に残るのみで、周りは見当たらなくなってきた。雪量と七曲滝のツララ量に正の相関関係があるとしたら困ったことだが、雪が多いと水量が増えてツララが融ける、いやツララの原材料が増えて大きく育つかななどと、あらぬことを考えながら下ってもアイゼンと雪という相性のよい組み合わせのためスリップすることもない。

明らかに雪が減ってきたな

11:21
百間滝への分岐点だ。おそらく百間滝は余り凍結していないと判断し今回は寄らない。いやヘタレな私は、滝まで下りてまた登り返すのが嫌なだけなのが本音なのだ。

百間滝への分岐点は通過

11:32
今度は七曲滝への分岐点だ。この辺りの道は良く踏みしめられていて、アイゼン無しでは滑りそうな感じもするが、歩き方を注意すればどうと言うこともないかもしれない。

そんなことよりも分岐を滝へ入ったところで10人ほどのパーティが休憩している。わざわざ狭いところじゃなくて、広い分岐点で休憩すればよいものを、リーダーはいったい何を考えているんだ。山行中は常に平常心を保つようにしている私でもプンプンだ。

七曲滝への分岐点、狭くなる道には人影が

11:41
滝へのすれ違うのも大変な狭い道を進んでいくと、ロープや鎖がかかる難所が現れる。去年は路面も山肌もがちがちに凍りつき、ロープも氷の中というスリリングな、けれどもアイゼンがよく効き安全な難所だった。

でも今年は山肌がほんの少々凍結しているだけだが、路面はアイゼンに削られて難易度が逆に増している。ここで先ほどの、狭い道でなにを考え込んでいるのか分からないパーティが通り過ぎるのを5分ほど待ち、おもむろに自分撮りをする。

七曲滝への最大の難所?

谷に下りると水量が多い。これでは滝のツララも小さいだろうなと、今年も暖冬だからしょうがないかと思いつつ進む。

この先の左岸側に七曲滝がある

11:49
予想通りの水っぽい七曲の滝で、単なるツララの集合体で氷瀑とはとても言えない残念なものだった。

滝の霊気を少し分けてもらうためにシェーを執り行ったが、久しぶりに20人近くのギャラリーがいて楽しく行えた。

七曲の滝でシェー
(Powered by GIFアニメ工房

12:03
七曲滝から下の路面には雪がない。アイゼンを外すのも面倒くさくそのまま下りたが高下駄を履いているようで不安定で、特に岩の上は歩き難い。

雪がない道をアイゼンのまま下る

12:15
普通なら立入禁止の砂防ダムだが、この「白石ダム」(昭和36年完成、高さ21.5m、長さ72m)は堰堤の上が道となっている。ここまで来れば紅葉谷と湯槽谷との出合いは近く、有馬温泉まで残すのは林道歩きだけだ。

もうすぐ紅葉谷道は終わる

12:18
木橋を渡ると湯槽谷出合だ。もう林道には全く雪がなくアイゼンを着けていても邪魔になるだけなので外すことにする。今日ぐらいなら有馬温泉から七曲滝へはアイゼンも滑り止めも必要がないくらいだ。

湯槽谷出合、あとは林道を歩くだけ

12:28
林道から魚屋道へと登る炭屋道の入口に造られた東屋で昼食とする。今日も野歩記風おでん雑炊だが、三方に壁のある東屋は風が通らなく、何時になくガソリンストーブの火力が強くなべを焦がしてしまった。おまけに帰りのバスの時間を気にして急いで食べたら、口の中が熱い熱い。

湯気を立てる野歩記風おでん雑炊

有馬温泉で愛する家族へのお土産に炭酸せんべいアラカルトを買い込み、いつもの三宮行きのバスで帰途に着く。



スポンサード リンク



山行記録にもどるホームにもどる本ページのトップ