山行記録にもどるホームにもどる



ハチノス谷東尾根(長峰山)



スポンサード リンク




平成20年9月28日(日)  メンバー 私だけ

五毛バス停〜長峰霊園〜ハチノス谷東尾根〜長峰山〜掬星台星の駅

山行概念図(2万5千分の1地形図:神戸首部)
青点線がハチノス谷東尾根

杣谷(カスケードバレイ)以西には摩耶山へと登る沢山のルートが存在するのに、東側には伯母野山から長峰山・杣谷峠ルート、それから山羊戸渡尾根から同じく杣谷峠ルートしかなく不思議だった。

それが「摩耶山さん歩」さんの「長峰ハチノス谷東尾根…天狗塚…そま谷峠…アイスロード」より、堰堤工事の索道がクロスするために、ハチノス谷東尾根の通行が長いこと制限されていたこと、その堰堤工事がようやく終わり登ることが出来るようになったことを知った。

地形図から、ハチノス谷東尾根の西側の一本、そして東側の四本の尾根に送電線鉄塔が存在するように見え、当然それらの尾根には送電線巡視路があるだろうし、それらを結ぶ等高線沿いの水平道も存在してしかるべきだろう。まるで青谷の東側尾根の再来のような、新たな私の遊び場が出現したようだ。

で、ようやく気候がよくなってきたのでとりあえずハチノス谷東尾根を登ってみた。結果は非常に良い尾根であった。


登山口は墓地の奥の奥

そんなわけで今回のハチノス谷東尾根山行は、摩耶山さん歩の記録におんぶにだっこ、手取り足取り、老いては子に従え、権威盲従、判断停止、あれちょっと変になってきたな。うーん、今回の山行記録には何も目新しいことはないことを、ここに宣言しておく。

9:15
いつもの阪急三宮駅東側から乗車した神戸市バス2系統阪急六甲行きを「五毛」バス停で下車。

阪急六甲よりの「護国神社前」バス停で降りると、杣谷や山寺尾根の登山口となる長峰堰堤までに、全長約550mの「長峰坂」という登山道顔負けの急勾配の坂道を楽しめる。それが、「五毛」バス停からだと坂道には違いないが、長峰坂に比べたら緩やかな登りで楽だ。

五毛バス停から阪急六甲へと走り去る神戸市バス

長峰堰堤下で長峰橋を渡り長峰霊園へ入る。霊園内の時計回り一方通行車路を逆に回り北東端を目指して進むが、ハチノス谷東尾根登山口に至るには墓苑内を通らせてもらう以外にない。

9:47
墓苑内で50mほどの標高を稼ぎ、振り返ると墓石の先には曇り空だが見通しがよく、雄大な風景が広がっている。和歌山から淡路島、その間の紀淡海峡には友ケ島も見える。

バス停から30分、少し迷ったが
長峰霊園の北東端に到達


送電線鉄塔4本まで

9:53
真新しい墓石の裏に数段のコンクリ階段がある。「ハチノス谷東尾根登山口」の案内板やテープマーキングがあってもよさそうだが、何の表示もない。

尾根にも数えるほどのマーキングしかなく、分岐点にも「火の用心」の関西電力送電線巡視路標識があるだけで、雲ひとつない真っ青な秋空のようにすっきりとした尾根だ。でもその内に一部の不心得者のために、マーキングだらけになるに違いない。

長峰霊園北東端のハチノス谷東尾根登山口

9:56
コンクリ階段の先は古い古い丸太階段となる。少し登るとT字路に突き当たる。左右ともによく整備された道で、案内もなく判断に迷うところだが、ありがたき先達の御言葉は「左」。右への道は堰堤工事関係か、送電線巡視路のものだろうか。

9:59
尾根の始まりは、木々と下草が織り成す微妙なハーモニーが心地良い。平成18年2月から平成20年3月の2年間の通行制限の間も、おそらく関西電力による下草刈りが続けられてきたに違いない。

快適なハチノス谷東尾根の始まり

10:00
地面に落ちている文字が薄れた案内板に「ハイキングコース←」と書かれている。本来の立ち位置は分からないが、西側のハチノス谷へ下りるような感じの明確な踏み跡方向を指していなかったのは間違いない。

10:03
このような快適な登山道が続くハチノス谷東尾根がハイキングコースとして復活するのは時間の問題だろう。でも登山口が墓地の中というのが唯一の弱点かな。

さらに快適な道が続く

10:05
何もないところなのだが、尾根両側の木々が伐られていて外界が良く見える。ここが索道とクロスしていたところなのだろうか。

10:07
ハチノス谷東尾根に立つ4本の送電線鉄塔の一番目は「南灘連絡線 四」で、西側の見通しがよく谷や尾根そして送電線鉄塔が沢山見える。「火の用心」関西電力送電線巡視路標識は少々不可解だが、登り側は「3南灘連絡」、下り側は「5南灘連絡」となっている。

一番目「南灘連絡線 四」は右横を行く

送電線鉄塔から10mほど進むと、東側へ下る分岐道がある。南灘連絡線3へは、分岐道を下り隣の尾根へと行くが、その先はどうなっているのか興味がある。

ハチノス谷東尾根に送電線鉄塔はまだ3本残っているので、ここはどう見ても左に間違いない。

 
  • 登り方向:六甲11、神戸東24、神戸港9
  • 下り方向:4南灘連絡
  • 分岐道:南灘連絡3
1本目送電線鉄塔の先の分岐は左へ

10:16
明るく爽やかな尾根道はさらに続く。振り返ると町並みが木立越しに見え、どこかの高校からは体育会系の叫び声が聞こえる。

展望バリバリの岩尾根も良いが、眺望はないがこういう明るく雑木の茂る尾根も大好きだ。

点数をつけるならほぼ100点満点

10:23
二番目の「神戸東線 二四」送電線鉄塔は高さがあり、そのため周囲の木々は伐られることなく、そのままで展望はない。ここの火の用心の表示は次のようになっているが、最後の灘17はどこ立っているんだ。

 
  • 登り方向:神戸港9、六甲11
  • 下り方向:長峰墓地、灘17
二番目「神戸東線 二四」は左下を行く

10:26
でも鉄塔敷地を登ると、枝葉越しだが少しだけ景色が見えることに気付き、今度は上から三脚をセットしてのセルフポートレート撮り。西を見るとケーブル・ロープウェイ虹の駅と摩耶観光ホテルの廃墟が、どうにか木のうらっぽをかわして見えているが、まだこちらの方が低い。

同じく二番目鉄塔を上から撮る

10:32
緩くはないがそれほどの急登でもなく、ちょうど良い登りやすさの道が続く。さすがお大尽さま関西電力の管理する送電線巡視路だ。

登山道よりも絶対に歩きやすい送電線巡視路を行く

10:35
「建設省六甲砂防砂防事務所 2G-1方位標」金属標、「建設省六甲砂防工事事務 2G-1 2級基準点」金属標が連続して埋設している。今は国土交通省と名前が変わり、日本国中津々浦々の金属標の「建設省」部分を修正するものとばかり思っていたが、そこまでの税金の無駄遣いはしないことにしたみたいだな。

10:37
三番目の送電線鉄塔は「神戸港線 九」で、ここからは西側の展望が良い。日当たり良好な、ここの巡視路標識は表示が消えうせ判読できない状態だ。

三番目の鉄塔は西が開けている

10:41
三番目から四番目の鉄塔へは、地形図を読むと最初は緩やかで近づくほど急になる。で、実際の地形も最初は緩やかというかほとんど水平尾根もあった。実際の尾根を歩く前に、地形図上で何度も何度も歩いているので「おっ、地形図と同じだ」と妙な感動を覚える。

もうすぐこの快適な道が終わることに気付いていない

10:45
送電線巡視路のプラ階段設置基準をはるかに超えた登りだ。でもかつてのハイキング道時代に造られた丸太階段の成れの果てが残っているためか、プラ階段化はされていない。

急になってきた

10:52
さらにきつくなってきた。手近な岩や木の根や幹につかまりながらの急登が続く。でも足元はしっかりしていて、ズルズル滑るようなことはない。

送電線巡視路最後の急登

10:57
急登からひょいと最後の送電線鉄塔「六甲線 一一」の立つ平地に躍り出た。さすがラスボス鉄塔だけあり、送電線を吊る碍子が長く送電電圧も高かそうな堂々としたものだ。標高はすでに西に見える虹の駅を越している。

ハチノス谷東尾根四番目にして
最後の送電線鉄塔から西を見る

四番目の鉄塔に登り着いて右を見ると石積みあり、そこが次の区間への入口になる。そして10mも行くと、東へ下る綺麗に整備された分岐道が存在する。長峰山へは直進で、なぜか枝葉が道にはみ出した手入れがされていない道だ。

 
  • 下り方向:神戸東24、灘17、長峰墓地、六甲線11、神港9
  • 登り方向:六甲線12、12,13,14,15をこえてマヤ山
  • 東へ下る道:六甲線10、神戸港8


ハチノス谷東尾根上部はすげー面白いぞ

11:04
路面状態はなんら問題ないのだが、枝葉の刈り払いがなされていないので、少しばかり鬱陶しい。でも手で枝を払うか頭を下げるかすればよいだけで、進むのが困難な藪状態までには戻っていない。元々はハイキング道だったので、マーキングが皆無でも進路が分からなくなるはずはなく、明確な道として続いている。

最後の送電線鉄塔から上の道は
ここ数年間手入れをしていないようだ

11:08
写真では「どこが道なの」という声が聞こえてきそうだが、実際歩いてみると明確な道型は存在し、少々急だがなんら問題はない。

これぐらいの雰囲気も大好きだ

11:11
常緑樹の緑が濃くて日が射し込まない林床では、低木は育ちにくいのか邪魔になるものは少なく、ただ落ち葉で道が隠されているだけだ。

歩いているところが道なのだが
そうは見えないな

11:13
ここだけ、日の光がよく射し込み、そのため草木が道を完全に覆い隠している。でも、ここも全く問題なく普通に歩ける。

道自体に木が生えてしまい、そして枝葉が複雑に絡み合い、おまけにトゲトゲのイバラが混じるようになったら人間は通れなくなるが、そのためにはまだ長い年月が必要だ。

これでも道は明確で
普通に通行できる

11:21
藪化よりも問題なのは急斜面に刻まれていただろうステップが消えてしまったことだ。注意深く足を置く位置、つかまる木々を選んで登れば少し滑るぐらいですむが、こんな所を下るのはいやだな。絶対に一回はスッテンコロリンする自信がある。

この辺から登り難くなってきた

11:22
上の写真を撮ってから、カメラを180度登り側に振ったのが下の写真。こんな手間隙かけたことばかりしていたら、いつになったら目的地に着けるのかと、私のことを心配してくれる人もいるかと思うが、さにあらず。もうこのペースに慣れたので、本日の昼食予定地の長峰山頂上の天狗塚には正午丁度には着くはず。

ここはズルズル斜面だな
でも道はばっちり明確?で誰でも歩ける

11:30
ズルズル斜面を抜けると、今度はササが行く手を塞ぐ。これぐらい変化があると、登るのが楽しくなってくる。背丈が高く六甲山名物のミヤコザサではないことは分かるが、なんという種類なのだろう。

葉っぱはへなへなで、クマザサじゃやないな

11:35
次に現われたるササは、膝丈までもない可愛らしいものだ。六甲山を登っていてササが現われると、もうすぐ頂上に着く予感がして嬉しくなってくるのは私だけだろうか。

可愛らしいササもあるのだ

11:36
「何これ、でっかいヤクルトみたいだな」。ビニールとガムテープでぐるぐる巻きにされた怪しいものが登山道脇に設置されている。

帰宅後調べてみると、形が池田計器製作所の一体型自記雨量計(型名 SKI-10/30)に似ていることが分かった。いやそのものだ。

道端の「大きなヤクルト型」雨量計

11:39
このササは知ってるぞ。ミヤコザサだ。不思議なのは笹薮に一度踏み跡が付くと、誰も通ることがなくなってもその踏み跡が消えないことだ。密生していてとても通れないような笹薮でも、なぜかすんなり通れて、そういう所で足元に古い石杭があったりして驚いたことがある。

ミヤコザサの海、いや池を行く

11:42
今度のササは見通しが悪いぞ。直ぐ先も見えないぞ。でも足元には明確な道があり、すいすいだ。

こんなところはほんの数メートル

抜け出て振り返ってみると、登山道がササの中へ続いているようには見えず、踏み跡は右側の方へと拡散している。長峰山から下山にハチノス谷東尾根を使おうとしたハイカーがルートハンティングに苦労した跡だが、ここにもマーキングは全くない。このままが好ましいが、次に来たらベタベタになっていそうだ。

11:45
長峰墓地から登り始めて2時間弱(普通に登れば1時間と少々かな)、やっとこさっとこ伯母野山からの長峰山一般ルートに辿り着いた。そこには今年の3月10日までの工期で、砂防工事のため通行を制限するという自立式の工事案内板がある。ハチノス谷東尾根と西尾根のルートが良く分かる地図が付いていて、このまま残しておいてもいいかな……。いやこれも粗大ゴミだな。早く撤去しないとばちが当たるぞ。

一般ルートに出たぞ

お 願 い

1000m先工事中
上空を索道が通過します
通行をご遠慮ください
ご協力をお願いします
期間 平成18年2月22日〜平成20年3月10日
施工 家島建設株式会社 TEL 078-802-7069

日柳川堰堤工事 工事場所案内図

発注者 国土交通省 六甲砂防事務所



その後は

11:52
一般道に出てから、徒歩1分のハチノス谷西尾根の下山口取付を確認。初めてのルートは登りに使いたいので、今日は確認だけ。

11:52
そして直ぐの、誰もいない長峰山の頂上、天狗塚(687.8m)に到着。

全周遮るもののない絶好の展望地で、お昼ご飯には抜群のロケーション。狭い岩場なので、誰もいないうちにシェーを挙行する。

長峰山でシェー
私の左下に三角点標石が見えている

ほぼ全体が露出しまい話題になっていた四等三角点標石(点名:天狗塚)だが、大岩の間に土砂を入れて埋設し直してある。でも標石の四方を守るべき保護石が作法通りになっていないこと、埋設の仕方が雑であるなど不可解な点があり、本当に国土地理院の手によって改埋されたものか非常に疑わしい。

三角点の現状
もう少し引いて撮れば分かりやすかったな

12:24
昼食を終えて、掬星台目指して歩き始める。この間にやってきたハイカーは一人だけだった。

13:34
天狗塚から杣谷を挟んだ摩耶山掬星台は、思いのほか遠く時間もかかった。これだったら伯母野山へ下山した方が楽だったろう。

でも、掬星台では去年の12月に行者尾根で出会った囲炉裏村のKey氏に再会したし、「ねえ〜ちゃ〜ぱいろっと!」の大将氏にも出会えたしよしとしよう。

囲炉裏村は記念撮影中(六甲全山縦走大会練習会)

せっかく掬星台までやってきたので、下山は当然「まやビューライン」。



スポンサード リンク



山行記録にもどるホームにもどる本ページのトップ