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トゥエンティクロス、ちょっと増水



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平成22年7月31日(土)  メンバー おひとりさま

JR新神戸駅〜市ケ原〜ツゥエンティクロス〜森林植物園



4ヶ月ぶりの山歩きは、いつもの新神戸駅から

久しぶりに山歩きをしようと思い立ったが、猛暑続きの今日この頃、いきなり私にとって本格的な山登りをして熱中症で………なむなむ。そして気がついたら、誰でも一度しか登れない、そして引き返すことのできない高みにいるなんてのは願い下げなので、いつでも水と戯れることができる、六甲山のトゥエンティクロスを歩くことにした。

8:41
歩き始めは、いつもの新幹線新神戸駅のガード下。JR・阪神・阪急三宮駅から歩いてもこれるが、市バスまたは市営地下鉄を使うと200円。低山ハイキングには辛い時期なので、ハイカーの姿は少ない。

いつもの新幹線新神戸駅ガード下から歩き始める

8:46
布引川に架かる砂子橋を渡る。布引川は、この下流で新幹線ガード下をくぐり生田川と名を変える。このコースは何度も何度も歩き、そのたびに山行記録を公開し続けていて、知らず知らずのうちに同じような文章になっていくかと思う。

砂子(いさご)橋

8:47
砂子橋の先で、水平道で雌滝経由で行くか、石段道で雄滝を一気に目指すかの選択に迫られるが、自称六甲山ベテラン登山者の私はきつく辛い石段道を選ぶ。

いきなり辛い石段登りだ

見え隠れする雌滝、そして鼓滝からはいつにない轟音が響き、今日の布引渓谷の水量の豊富さを予感させる。

8:56
その予感どおり、布引の滝雄滝は凄いことになっていた。いつもの岩肌に布を引いたような優雅な滝姿とは程遠い、轟音を伴った荒々しい落水は岩肌から跳ね返りいつもとは違う。おまけに水煙がひどく、滝正面にカメラをセットできないくらいだ。

大迫力の布引の滝
でも、ちょっと水量が多すぎるな

9:05
布引の滝から一登りでみはらし展望台に到着。今日のコースの中で唯一の展望地となるが、霞んでいて大阪湾もどこかにあるのか定かではない。まあ、今の時期はこんなもんだろう。

みはらし展望台

9:09
この橋は「猿のかづら橋」という。出来たときから形だけの吊橋で、名前は「猿のかけ橋」と付けられれていた。それが平成18年に雑多なものを巻きつけられ「猿のかづら橋」にされてしまった。シンプルイズベストを行動の第一規範としている私には、形だけの吊橋というわけの分からない橋に、わけの分からない飾り付けをするという、その動機が理解できない。

この橋を渡ると城山へ登れるというが、布引渓谷の涼しげな流れを見るばかりで、まだ向こう岸まで行ったことすらない。いつの日にか、ここから城山へと登りたいものだ。

猿のかづら橋

9:15
この暑さの中を行くと、布引渓谷の流れに身を浸したくなるが、残念ながらそれはフェンスに遮られ叶わない。なんたって、この流れは下流の雌滝の滝壷で取水され、奥平野浄水場から神戸市民の生活用水として供給される原水なので、汚すことはできない。

フェンスがなくて水辺に寄れたらいいのにな

9:18
布引貯水池が満水となったときだけ、その越流水が滝を形づくることがある。まあ人工のものなので滝とも呼べないものだが「五本松かくれ滝」と名付けられている。

そのかくれ滝だが、今日はえらい爆音を立てて盛大に落ちている。布引の滝もひどい滝姿だったが、これもちょっと水量が多すぎてかくれ滝の風情がないな。

大盤振る舞いの五本松かくれ滝

9:20
布引五本松ダム、布引ダムとも呼ばれる布引五本松堰堤は、まだライト兄弟による有人動力飛行がなされる前の明治23年(1900年)に水道専用ダムとして竣工した、日本最古の重力式コンクリートダムである。

堤体最上部に設けた洪水吐から豪快に放流するダムは見ごたえがあるが、この五本松堰堤の洪水吐は堤体とは別に設けられ、その先が五本松かくれ滝になっている。

布引五本松堰堤

9:24
417,000立方メートル(私の体を枡にして約540万杯分)の有効貯水量を持つ布引貯水池は、満々と水をたたえている。

布引貯水池も満水だ

9:38
貯水池の湖岸遊歩道を行き、神戸市水道局の敷地から出ると、そこは車を乗り入れることのできる道で、駐車場所はないので自家用車ではこれないが、タクシーで登ってくる登山客を見かけたことがある。

この界隈には3軒の茶屋があり、一番目の紅葉茶屋は普段どおり営業していたが、2軒目のあけぼの茶屋は閉まっていた。あけぼの茶屋が開いているのを見たのは、いつの日だっただろうか。

紅葉茶屋は営業中

昭和13年着工の市ケ原堰堤により布引渓谷が堰き止められ、その上流に広い河原が形成されている。いつもなら多くのハイカーで賑わう河原だが、今日は少なめだ。再度山ドライブウェイが諏訪山ビーナスブリッジ付近の土砂崩れで通り抜けできないことや、この連日の猛暑の影響もあるのだろうか。

9:45
櫻茶屋はいつものように開店していたが、メニューもいつものように乾き物と飲み物だけ。

櫻茶屋も店を開けている

9:49
「布引登山会憩いの家・ヒヨコ登山会」の記帳所向かいの石碑とお宮のある広場に、ここに住み着いてしまったのか雌猪が1頭、餌が欲しいのかブヒブヒいっている。野良猪というよりは地域猪という誠に変わった存在になってしまったのか。

いつものところにいつものように待っている猪



トゥエンティクロスはまだかいな

9:58
この布引の滝〜布引貯水池〜市ケ原コースの弱点は、登山口までが長いことだ。色々な見所があるので飽きずに歩けるが、もう新神戸駅から1時間以上歩いている。

で、ようやく山登りらしくなってきたが、この階段道は新市ケ原砂防堰堤を大きく巻く道で、古来からの道ではない。これから先にも、こんな堰堤を巻く道が何箇所もある。渓流を20回ぐらいも渡ることからトゥエンティクロスと名付けられたのだが、いまはそのほとんどが砂防堰堤により埋もれてしまい、本流を渡る箇所は4箇所しか残っていない。

平成元年に完成した高さ30mの新市ケ原砂防堰堤を巻く道は
まるで山登りが始まったかのように錯覚させられるが
よくある堰堤越えの道にしか過ぎない

10:03
摩耶山へと登る天狗道分岐を過ぎ、そして同じく摩耶山へと至る地蔵谷道分岐を過ぎたら、これまでこのコースを何度も歩いてきたが始めてみる警告板が立っている。

沢渡りの箇所があります。 増水時冠水のおそれあり!!」、そりゃ増水したら飛び石が水没するのは当たり前だろうが、せいぜい膝ぐらいまでだろうか。

今日の私の足ごしらえは、通気性に富むローカットシューズとソックスとタイツ。通気性がよい靴は水はけもよく、渓流をジャバジャバと歩いてもそのまま歩き続けられる便利なものだ。水勢によるだろうが膝ぐらいまでなら楽勝だ。

地蔵谷分岐を過ぎるとこんな警告板が

10:05
これまでに地蔵谷からの流れに気に止めたことなど一度もないが、きょうはしっかりとした流れで、飛び石に板を渡してる。

いつもなら流れがない地蔵谷を横切る

10:11
野外活動啓蒙雑誌から抜け出したような山ガールが3人、ここから登るのかなとガイドブックを見ながら、案内板を見ながら相談している黒岩尾根道分岐を過ぎると、しばらく布引渓谷の左岸沿いを進んでいく。流れのすぐ横を行くのはここだけで、トゥエンティクロスの中では貴重なシーンだ。

水量はいつもの倍ほどか
涼しげな風景で、事実涼しい
でもこの先は渡渉できるのだろうか

10:15
いよいよ第一番目のクロス地点にやって来た。飛び石はさほどの荒れもないが、一部は水面下となっているものもある。ゴアテックスを使用した防水性の高いハイカットシューズなら、靴の中まで濡らすこともない水量だが、私の靴は中まで水が入ってくるが冷たくて気持ちがよい。

高尾山砂防ダム下流の一番目クロス
水面下に沈んだ飛び石もあるが靴底が濡れただけ

10:21
高尾山砂防堰堤の急な石段道を登りきると、そこは砂防工事用索道の中継基地だった。もう工事は何年も続けられていて、表示板には平成25年1月31日までとなっているが、果たしていつになったら終わるのだろうか。

長いこと「芋川」と読み間違えていた
「苧川」谷山腹(その3)工事現場への索道中継基地

10:23
索道直下の保護枠を抜けるときに自動音声の警報に驚いたが、またお知らせ板が立っている。こう何枚も警告・お知らせ板が立っているということは、おそらく増水した流れにドボンしドンブラコッコドンブラコッコと川流れを楽しんだ方が、神戸市か国土交通省近畿地方整備局六甲砂防事務所に自らの判断の誤りや川流れに至った行いを全く反省することもなく、怒鳴り込んだ結果なんだろう。

お知らせ 天候等の状況により、川が増水し、通行できなくなることがありますので、山側の道を迂回してください(下図参照)」

いつもいつもトゥエンティクロスばかりで、西側の「分水嶺越林道」は一度も通ったことがないので興味があるが、このちょっと増水したトゥエンティクロスの方が今日は面白そうだ。

「天候等の状況により、川が増水し、通行できなる………」
でも、今日の天気予報は晴れだから大丈夫

10:28
砂防工事索道中継所から下った先の二番目のクロスは、酷いことになっている。周辺の草木の泥の付き具合をみると、水位が私の背丈ほど上昇したようで、岸辺の案内板も泥をかぶっている。飛び石もぐだぐだで、中央部分に渡された木板も支柱が曲がり傾いている。

二番目クロス、この辺りは水位が2mぐらい上昇したようだ
支柱が下流側に傾いた木橋が流れの中に取り残されている

10:30
もう靴の中も濡れているし、飛び石脇をジャブジャブと渡渉したが、川底の砂と泥が靴の中まで入ってきたのは誤算だった。

後続のハイカーたちはヒョイヒョイと飛び石と木板を渡て行ったが、いまどきのゴアテックス登山靴を履いていると、いかに水に濡れずに渡るかに神経が集中してしまい、水の中をジャブジャブと歩きトゥエンティクロスの冷たい渓流と戯れることができない。

滑ってドボンの濡れ鼠は嫌だから
流れの中をジャブジャブと

10:33
三番目のクロスは、飛び石はほぼ健在だが、一部はすこし崩れて水面下に沈んでいる。でもその深さはせいぜい5センチほどで、渡渉するには何も問題はなかった。

三番目クロスの飛び石はしっかりしているが、水面下の石も
そうか、ウチワでバランスをとって飛ぶように渡ればいいんだ

10:38
四番目のクロスは、右岸側に何かの建物跡の石垣がのこるところで、ここは以前から木橋が架けられていて、すんなりと渡れてしまう。これで布引渓谷本流の渡渉はお終いで、トゥエンティクロスならぬフォークロスだ。

もう少々増水していたらさらに面白かっただろうが、面白さが危なさに変わる水位を見極めることが私には出来ただろうか。

右岸側に石垣のある四番目クロスは、しっかりした木橋が架かり大丈夫

10:43
昭和26年完成の二十渉堰堤も、主ダムからは一条の、副ダムからは簾状に盛大に水を落としている。人工物ではあるが、この涼しげな風景は悪くはない。ただこの堰堤の巻き道は急だし、上流側には土砂が堆積し渓流美が喪失している。

盛大に水を落とす二十渉堰堤

10:56
二十渉堰堤の上流部は土砂で埋まり、幅広の平坦地がしばらく続く。でもこの風景もよいかなと三脚を伸ばして自分撮りの準備をしていると、川上からMTBに乗った青年が二人が走り抜けていった。なお脇に避けた私とのすれ違いは、スピードを落とし元気に挨拶をするといった、なかなかの好青年たちだったが、急な山道を担いで登り、またその道を担いで下る苦行こそがMTBの真髄だと私は理解しているが、こんななだらかなトゥエンティクロスを下るなんてまだまだ修行が足りないな。

まだ見えない石段をドンドンドンと降りてきて
すれ違ったMTBが2台

新神戸駅から歩き始めたときの、今日のコース設定は「新神戸駅〜トゥエンティクロス〜森林植物園〜山田道〜谷上駅」だったのだが、こんな暑い日の午後を、日差しを遮るもののない山田道を歩く勇気が消えうせてしまった。もう森林植物園で終わりにしよう。

11:03
この川向こうが森林植物園東口だ。最初は水の流れのないところに架かる木橋を渡る。

森林植物園へと右岸へと渡る最後の五番目クロス
落ちないように慎重に

11:07
そして本流の飛び石を渡るのだが、激流にされされたのか飛び石は転々ばらばら。本来は平らな面を上に向けていたのだろうが傾き、あまつさえ水中に沈んでいるものさえある。

でも大丈夫。靴が濡れるのさえ気にしなければ、誰にでも渡渉できるレベルだ。

本流側の飛び石はぐだぐだだが、靴底が濡れる程度



神戸市立森林植物園

11:22
園内に到着。ここから入園する人はほとんど居ないと思うが、ちゃんと料金所には係員がいて、大人300円、小人150円。でも大丈夫、私は3園共通(森林植物園・須磨離宮公園・相楽園)の年間パスポート(四季トリコロールカード)を所持しているので見せるだけ。

神戸市立森林植物園に到着

11:25
標高400mの森林植物園は下界よりも気温は数度低く、長谷池で咲いているアサザとスイレンがさらに涼しさを演出している。

長谷池のアサザとスイレン

森林植物園には、私の趣味「六甲山カレーライス」を食べられる場所が、去年は二つあった。一つは長谷池近くの「森の売店」に「カレーライス500円」があったのだが、森林植物園公式HPを穴の開くほど見つめても「森の売店」に関する記述が見当たらない。今回は現地を訪れていないので、定かではないが、営業を止めてしまったのかもしれない。

11:45
もう一つは、かの有名な弓削牧場が運営する「森のカフェ ル・ピック」で、正門近くに店を開いている。注文したのは「ひよこ豆のスパイシーカレー700円」と「アサヒ樽生ビール500円」。ともに美味しく頂きました。

お昼ごはんは「森のカフェ ル・ピック」で
「ひよこ豆のスパイシーカレー」と「アサヒ樽生ビール」

11:58
そしてデザートは「弓削牧場特製ミルクソフトクリーム300円」。少し柔らかめでしたが、これもまた美味しく頂きました。

デザートは「ミルクソフトクリーム」

森のカフェ ル・ピック 森のおすすめメニュー

ランチタイム 午前10時〜午後3時30分
※状況により時間外も可能です。詳しくはレジにて…

ひよこ豆のスパイシーカレー700円
  カマンベールチーズ入りのまろやかなでスパイシーなカレー、
  ヘルシーなもち麦ごはんに自家製ピクルスを添えて。
自家製パンのヘルシーサンド650円
  自家製のやわらかバニーニと、野菜とハーブがたっぷりのプレート。
  弓削牧場の生チーズの特製ペーストで。オープンサンド風にどうぞ。
特製ミートソーススパゲッティ750円
  あっさり味のミートソースに粉チーズの代わりの
  ハーブ入り生チーズのペーストを添えました。
季節の手作りスープセット750円
  季節感たっぷりの手作りスープと自家製のパンのセット。
  スープの内容が季節により変わります。
  
きつねうどん・そば550円
カレーうどん・そば700円
  スタッフ考案!あっさりスパイシー!
季節のスープ(単品)600円
  
セットメニュー各200円
  上記のメニューにセットで
  もち麦ごはん、自家製バニーニ(パン)、弓削牧場のヨーグルト
ドリンクセット各200円
  コーヒー・ミルク(アイス・ホット)  ※アイスコーヒーのみ250円)

カフェタイム 午前9時30分〜午後4時30分
デザートセットは午後2時〜

弓削牧場のミルクICE 300円・HOT 300円
ミルクたっぷりのカフェオレICE 450円・HOT 400円
紅茶(ダージリン)ICE 450円・HOT 400円
炭火焙煎コーヒーICE 430円・HOT 380円
ヨーグルトドリンク400円
  弓削牧場のヨーグルトたっぷり
りんごジュース420円
  青森・葉取らず栽培りんご果汁100%
みかんジュース420円
  愛媛・温州みかん果汁100%
エルダーフラワードリンクICE 450円・HOT 400円
ペリエ天然発泡水500円
  エルダーフラワー or サンザシ
  
デザートセット650円
  おすすめの手作りデザートをお楽しみ下さい。
  ミルク、カフェオレ、コーヒー、紅茶から
  お好きなお飲み物をお選び下さい。
  プラス50円でアイスドリンクに変更できます。
  ※季節限定のデザートはレジ横ボードにて案内中!
  
弓削牧場特製ミルクソフトクリーム300円
  弓削牧場の搾りたての牛乳で作った。
  ル・ピックのオリジナルソフトクリームです。
  
樽生ビール(アサヒ)500円
ノンアルコールビール350円
缶ビール(アサヒ・キリン)350円

このほか、季節のメニューやパン、お菓子等も販売しています。レジにてご確認下さい。

森林植物園から下界への公共交通機関は、

だけだ。正門ゲートを出よとしたら緑色の市営バスが走りさって行くところだったが、無料送迎バスの発車時刻はすぐであまり待つこともなかった。なお、乗客は私を入れて二人だけだった。



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