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道が無い、八幡山



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平成14年4月4日(木)  メンバー 私だけ

八幡山 はちまんやま 775.4m


登る道が無い

八幡山は播磨地名研究会・編「播磨 山の地名を歩く」(神戸新聞総合出版センター)に出てくる山で、地形図(生野)には八幡山の名前は載っていない。頂上は大河内町・神崎町・生野町の境界にあり、三角点は少し北西にある。

登山道の情報は無く、どこから登るか地形図を見て考えた。北西側は市川に遮られ取り付くことが出来ない。北東の去年開業した「ヨーデルの森」の西から始まる尾根に取り付き、頂上まで約2kmを登るルート。東側から取り付き直登するルート(あるのかな)。南西約2kmの点線道の通る鞍部からのルートなどが思いついた。

南西の鞍部から尾根を行けば頂上に行けると思い、最後のルートに決めた。鞍部にどちらから登るかは迷ったが、大河内町側の粟からに決めた。

7:30
家を出発。国道312号線を市川沿いに北上し、神崎町福本で左に曲がり、JR播但線寺前駅から線路に沿って北上、長谷駅に向かう。

9:00
長谷で右に曲がり市川を渡る。長谷駅の横を通り、線路の下をくぐり、粟集会所の前に車を止める。

9:05
登山開始。来た道を少し戻り、消防水利の標識の先を左に入り地形図の果樹園の記号のある道に入る。すこし登ると、関西電力の水路のところに、ゲートがあった。かんぬきが掛かっているが、鍵は掛かっていない。かんぬきを外し中に入り、金網越しにかんぬきを掛け通過する。ここから先の道は、普通自動車では無理だが、オフロード車なら登っていけるだろう。

果樹園入り口ゲート
鍵は掛かっていない

果樹園は手入れされてなく荒れ放題になっている。廃墟になった受付の小屋やトイレがあるところを見ると、昔は観光果樹園だったのかもしれない。

果樹園を通り過ぎても林道は続いていて、点線の道とは違う北東の方向に向かって伸びている。点線の道がどこから始まっているのか分からないので、そのまま林道を進んでいく。計画した登山経路の尾根鞍部から、北西に延びる谷の南側が伐採されていた。この伐採のため林道が付けられたようだ。

伐採された谷
この上は見晴らしが良いだろう

ミツマタの花

林道は、伐採地の下を通り過ぎ、植林の中に続いている。

9:40
点線の道と絶対に違うと確信しながらも北に進んでいくと、支尾根に遮られ林道は行き止まりになっていた。尾根に取り付くにも壁のように反り立っていて、登るのは困難そうだ。どうしようかなと付近を観察すると、右側の谷には細い流れがあり、その横の植林の中にかすかに踏み跡があった。この谷を登りつめれば目的の主尾根のどこかに出られるはずだと確信し、無謀にもその谷を登ることを決心する。

林道の終点、右の谷を登る

植林の中の踏み跡をたどったり、谷の底を登って行く。傾斜は急だが登れないほどでなく、越えられない壁に出会うこともなく登っていけた。ようやく、北側の支尾根に取り付けそうな所があったので、谷を離れ木につかまりながら、尾根めがけ登っていく。

10:55
谷を登り始めてから1時間、ようやく支尾根に出ることができた。出たところから主尾根までは100mぐらいしかなく、主尾根には黄色い杭があり「四」の表示があった。

主尾根には明確な踏み跡があり、神崎町側は植林地で、大河内町側は植林地と雑木地が半々だった。主尾根を北に進んで行くと、植林が伐採された谷の上に着いた。ここからは八幡山の西側にあるピークがきれいに見えた。ここからひと登りで八幡山の頂上に着くはずだ。

快適な主尾根

11:50
八幡山の頂上は植林の中だった。展望はまったく無い。3町の境界になっているので何か無いかと探したが何もなさそうだ。東に少し進むと三等三角点がある。けっこう眺めがいいのだが、周囲には潅木があり、枝越しにしか見ることが出来ない。葉が茂ってきたら何も見えなくなりそうだ。段ケ峰や高星山が、枝越しに見えた。北の麓にある「ヨーデルの森」が意外と近くに見える。頂上では、アセビの花が満開だった。

アセビが満開の八幡山頂上

西に枝越しに生野高原が見える



下る道も無い

12:36
下山開始。帰りは主尾根を、点線の道と交差する鞍部まで南下し、点線の道で果樹園まで下りることにした。鞍部まで行けば点線の道があり、楽勝に下山できるはずだと思い込むことに決めた。地図をよく見ながら南下して行くと、登ってきた支尾根の位置がわかった。762mピークの南、標高700mの地点から始まる支尾根だった。予想したよりもかなり北だった。

13:26
登ってきた支尾根をすぎ、730mのピークに到着。東側の展望が開けている。

笠形山方向

700mの等高線がくびれている所には、深い鞍部があり、急な下りと登りがあった。

13:49
最後のピークから鞍部に下りると、神崎町側からは関西電力の巡視路が登ってきていた。主尾根のさらに南に、反射板があるようだ。しかし大河内町側には踏み跡すらない。目を疑ったが、付近をいくら調べても何も無い。踏み跡は無いが、青紐が一つだけ離れた木に付いている。こうなったら適当に谷を下るしかないだろう。

神崎町側からの関電巡視路標識
神崎町からは道があった

意を決し谷を下り始めたが、そのまま谷を下りて行くと、にっちもさっちも行かなくなる事が往々にしてあるので、谷の南の支尾根に乗るように方向を、調整して下る。

14:06
現在位置がほとんど分からなくなり、どうしようかなと思い始めたとき、林道を登るとき見た伐採地の上にでた。下には林道も見えてるし、ほっと一安心。展望を眺めるゆとりも出てきた。伐採地と植林地の境の尾根を下りて行けば林道に下りられそうだ。

伐採地と高星山方向
ここの展望が一番良かった

伐採地と植林地の境は、切り落とした枝が積もり歩きにくい。2度ほど足を取られ前転をしてしまった。それからは植林の中に少し入ったところを下りていった。

無事(転んだとき、足を枝で少し怪我したが)林道に戻り、元果樹園の中を通り、粟の集落に戻った。

15:10
車に戻る。登りは2時間45分、下りは2時間34分かかった。

15:15
車を出す。16:30、家に帰着。総走行距離92km。

八幡山に登りたかったら、間違っても大河内町から登ってはいけない。神崎町側から点線の道(関西電力の巡視路になっていて、入り口には「火の用心」の標識があるはず)を登り、鞍部から主尾根をたどり、八幡山頂上に行くのがいいと思う。

のこぎりを持っていき三角点周辺の雑木を整理したら展望も一段とよくなるだろう。あと頂上の西側のピークには、行かなかったが、ひょとしたらすばらしい展望かもしれない。あるいは植林で何も見えないかもしれないが。



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