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低いけど展望良好、伊勢山



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平成14年7月26日(金)  メンバー 私だけ

伊勢山 いせやま 353.0m


登山口探し

姫路市の北西、夢前町との境にある伊勢山に登ってきた。山行中の最高気温は34度。暑さとの戦いだった。しかし、どうやらその戦いには負けたようで、記憶が薄れているところがかなりある。伊勢山は低く、あまり有名でも無い山だが、展望がすばらしく、気候がいいときにまた登りたい山だ。

2万5千地形図「姫路北部」では353.0mのピークに太ゴシック体で伊勢山の表示があり、「龍野」ではその西の”がけ(岩)”の印の所にゴシック体で伊勢山と表示がある。夢前町の雪彦山と同じで三角点のあるピークも、岩壁も両方とも伊勢山と呼ばれているのかもしれない。

7:02
家を出発。天気は晴れ。もっと早く出たかったが、起きられなかった。山行に対するモチベーションが最近だいぶ低下してきたような気がする。早く涼しくならないかな。

菅生川に沿い県道411号線を北上し、山陽自動車道の下をくぐり、あの「太陽公園」の案内看板がある打越の信号を左に入る。大囚王神社の裏から登れないかと思い、車をゆっくり進めるが、駐車場所がなさそうなので通過する。

7:25
次は新池の裏から登れないかと、池の横にうまい具合に空き地があるので車を止める。偵察に行くが藪がひどく尾根筋に出るのはかなり困難な様子でここも駄目。

7:45
緑台の奥に行ってみる。一番奥はバスの回転用地になっていて、その奥にも道が続いている。入ってみるとそこは、「姫路打越木もれ日の森」の入口で公園になっている。駐車場もトイレも完備されていた。案内看板には伊勢山のことは全く書いてないが、遊歩道を行けば、伊勢山に続く道があると確信し、ここから入山することに決定。家から11km。

姫路打越木もれ日の森案内図

面積56ヘクタール
この山は、尾根にはアカマツ、谷や斜面にはコナラやアベマキの落葉広葉樹がひろがっています。一部ではクマノミズキ、ケヤマハンノキもみられます。また春には可憐な花を咲かすヤマツツジやウンゼンツツジが各広場の周辺で多くみられます。散策路は広場を周遊し、いろいろな里山の環境を体験できるようになっています。途中、点在するノグルミの木立の中を沢が流れるノグルミ広場、最高峰から里山の全景や遠くは瀬戸内海を背景にした姫路の町が一望できる展望広場ほか2か所の休憩所があります。


たきび、たばこの吸殻やごみの投げ捨てに注意し、樹木を大切にしましょう。

【”ひょうご豊かな森づくり構想”に基づく里山林整備事業】
この地区は地域のみなさん方のご協力のもと、景観や多様な動植物を保全し、保健や森林学習の場に活用するため、県内の林地開発をした方の協力金により、森林の整備や歩道の開設などを行っています。

平成8年3月
兵庫県・姫路市・(社)兵庫森と緑の公社

姫路打越木もれ日の森入口のヤマザクラ公園
駐車場、トイレ完備



東尾根から伊勢山へ

7:58
用意を整え出発。ヤマザクラ公園の中を通り、小川に沿った遊歩道を行く。自動車でも通れるような道だ。周りは雑木林で、日差しも遮られ気持ちのいい道だ。女性の方が下山してきた。この先の分岐に伊勢山の案内板があるそうで、これで間違いなく行けそうだ。

砂防ダムを過ぎると、次のような看板があった。

コナラ−アベマキ群集

この樹林は、高木ではコナラやヤマザクラが多くみられ、林内ではコバノミツバツツジ、モチツツジ、ヤブムラサキなどの落葉樹が多くみられ、地表付近ではコウヤボウキ、ベニシダ、ヤブコウジなどが多くみられます。
この樹林は、薪炭林として薪や炭を採取するため、20〜30年ごとの伐採が繰り返し行われていました。しかし薪炭林としての利用がなされなくなった現在、ヒカサキ、イヌツゲ、ヤブツバキ、ネズミモチ等の常緑樹が侵入し、ネザサなども多くなっています。
この場所は、良好なコナラ林を維持するため、常緑樹の低木やネザサなどの除伐下刈を行いました。

(平成7年度里山林整備事業)

ポケット版の植物図鑑を見つけたら買っておこう。木の名前が分かれば、山登りもよりいっそう充実したものになるだろう。ポケット版の岩石図鑑・ポケット版のきのこ図鑑・ポケット版の応急手当の解説書、欲しい物はたくさんあるがザックがどんどん重くなる。

今回からヤブ、特にイバラ対策に小型の斧をもって行ったが、かなりの負担になったような気がする。しかし今回は斧の出番は無かった。

8:11
「東尾根より伊勢山へ」の案内看板が現れた。東尾根があるのなら西尾根からも行けるのだろうか。分岐の道も広い道で車のわだちの跡がある。4分ほど進むと左手に青紐が下がっていて、その先は雑木が被さった暗い狭い道になっている。そこを入ると、ようやく山登りらしい道になってきた。

ここから伊勢山頂上まで蜘蛛の巣が5mおきぐらいに張っていて、トレッキング・ポールで払いながら行くが、油断すると顔に張り付いてくる。夏は嫌いだ。

8:22
298の南の鞍部に着いた。尾根筋には南も北もはっきりした道になっている。東に下りる踏み跡もあるがかすかだ。

8:30
急な登りの先の298のピークに到着。ヌタ場があり、東側には開けた所があり少し景色が見える。またここから南東に下りる道もある。この先は踏み跡が狭くなり、多少不明瞭な地点もあるが、尾根筋を行けば問題ないだろう。

9:08
この尾根は雑木がよく茂り展望が全く無いが、伊勢山の南に北東方向の展望がいい所があった。道がきついのと、暑さのためにかなり歩みが遅くなっているようだ。

伊勢山南の展望地から
明神山、七種山系、笠形山が見えた

9:21
伊勢山頂上に到着。駐車場から1時間23分。木に囲まれ展望は全く無い。プレート類も全く下がっていなかった。

伊勢山頂上の三角点標石
角が丸くなっている



石室、岩壁のピークへ

9:36
伊勢山頂上から西に下りて行く。岩壁のピークへ上り返す前にさらに下に下りる道がある。何なんだろうと下りて行くと、巨大な岩が覆いかぶさり、石室状になっている。さらに少し下りると狭い入口があり、そこから石室に入れる。ここからさらに北西に下る道がありどこからかに下りられるのだろう。

石室の入口
落書きはやめよう

入って直ぐは谷側が切れ落ち狭くなっているが、奥はL字型に曲がっていて、数人がゆったりくつろげるスペースがある。高い所に石仏が三体安置されている。

石仏その1(不動明王かな)

石仏その2
この右にもあったがうまく撮れなかった

西側には大きく窓が開いていて景色がよく見えた。ただ、正面に採石場がありちょっと残念だ。ダンプカーが結構頻繁に通っているのが見えた。この窓が下から見たらどうなっているのか、下山後車を回し見に行かなくては。


石室の窓からの景色
石切場がちょっと

10:14
写真を撮ったりしてゆっくり休憩後出発。岩壁のピークに向かう。

10:17
直ぐ上が岩壁のピークだった。6畳ぐらいの広さの岩場で、周りに遮るものが無く、絶景だ。南は瀬戸内海の淡路島・家島もよく見え、西は龍野の的場山・亀山、北西に葛城山、北に明神山等が見えた。


岩壁の北側ピークからの展望
南は瀬戸内海まで見えた

岩壁の南側の316のピークに行くと、登ってきた東尾根の谷をはさんだ西尾根にくっきりと道が見える。「姫路打越木もれ日の森」の展望台に行く遊歩道だろう。岩壁からも西尾根にテーピングがしてある。登るときはピストンの予定だったが、計画を変更し西尾根で下山することにする。



西尾根から下山

11:03
下山開始。岩壁の南から岩場を下りる。特に急ではなく簡単に下りられた。その先は緩い下りが続くが、この辺はあまり高い木が無く結構眺めがいい。ということは真夏の太陽を遮るものが無く暑い。

11:26
西尾根を行くのかと思っていたが、谷に下りてしまい、遊歩道との分岐に到着。下山はあっという間だった。



よせばいいのに展望台へ

案内標識があり、「展望広場1.0km、ヤマザクラ公園0.6km、伊勢山353m」とある。伊勢山の353mは距離ではなく山の高さのことだろう。せっかく来たんだから展望広場に行くことにする。

西尾根に登る谷沿いの道を行くが、途中階段道もありよく整備されている。小型の重機を入れて作ったと思われる道で、広いので蜘蛛の巣は張ってないが上からは太陽がガンガン照り付けてくる。夏場に歩く道じゃない。

次のような看板もあった。木にも名前の札を掛けてもらえばいいのだが、ここではやっていないようだ。

クマノミズキ−ケヤマハンノキ群落

この樹林は里山として利用が行わなくなったところに侵入した成長の早いクマノミズキ、ケヤマハンノキ、イヌシデなどの高木が多くみられる樹林です。 林内にはヤブムラサキ、コバノミツバッツツジなどの落葉樹やヤブツバキ、ヒサカキ等の常緑樹が一緒にみられます。
また、この場所は、谷筋平坦地であることから薪炭林として採取した薪や炭の処理場であったと考えられます。通常、これらの場所もコナラやクヌギ等の樹木が主要な構成種になると考えられますが土壌が薄く岩が多いといった立地条件の悪さ、過度の伐採により、樹木の再生に支障があったと考えられます。

(平成7年度里山林整備事業)

日陰の無い道をガンガン太陽に照らされ登って行く。道が狭ければ日陰もできるのに。気温34度。

立派な遊歩道をふらつきつつ登る
屋根も付けてくれ

12:01
屋根がついている立派な東屋風展望台に到着。展望台の手前には次のような看板があった。

アカマツ−モチツツジ群集

この樹林は、土壌が薄く腐植を欠いた土地に成立しており、高木は、高さ7m前後のアカマツが優占してみられ、そのほかコナラ、ネズミサシが、林内にはヒサカキ、モチツツジなどが多くみられます。また地表付近にはコシダがカーペット状にみられるところもあります。
この樹林地のように尾根筋等の土地は、乾燥しやすく、また土壌栄養分が流されやすい環境にあります。このような場所では成立できる植物は限られます。
アカマツは耐乾性を備え、このような場所に生育できる代表種です。しかし、アカマツも近年枯れが目立ち始め、減少していく傾向にあります。

(平成7年度里山林整備事業)

展望台は西尾根の284の南端にあり、展望抜群だ。瀬戸内海の島々がよく見え、麓の緑台の町並みがよく見える。ここで昼食にする。


展望台から東から南、西の眺め
南側しか見えないが、風も通り気持ちのいい所だ

12:58
展望台を後にし下山開始。ヤマザクラ公園まで1.5km。南に西尾根を下り、東に広い谷を下りるコースだ。尾根は日差しはきついが風が通り、谷は木陰があるが風は通らない。どちらも暑かった。

13:27
駐車場に到着。スポーツ飲料を2リットル持っていったが足らなかった。熱中症寸前だったような気もする。トイレの洗面台の水を拝借し頭から水をかぶる。やっと生き返った。

13:47
帰途に着く。県道411号線に出て北上し大堤峠に登る道に入る。峠付近から伊勢山に登れるところが無いか探したが、テープも見当たらなく、無いようだ。峠には捨てられ、やせた鶏が一羽歩き回っていた。

伊勢山の西側に回ると、岩壁がよく見え、石室の窓もよく見えた。

西から見た伊勢山の岩壁
石室の南側からひびが入っているように見える

14:54
家に帰着。総走行距離36km。暑かったが、予想以上にいい山で、涼しくなったらもう1回行ってみようと思う。



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