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かみなりもブヨも嫌いだ、龍野の大蔵山



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平成14年8月12日(月)  メンバー 私だけ

大蔵山 おおくらさん 520.1m


朝からカミナリ、一時退却

竜野市菖蒲谷森林公園、大成池の南東にある地形図にも名前の載っていない山、播州で最も南にある標高500m以上の山、大蔵山に登ってきた。

大成池までは車で上がれるので、手抜き登山ができるが、今回は新宮町市野保の奥の林道から登り始め、新池・大成池の横を通り大蔵山に登る。帰りに余裕があれば亀池から祇園山(城山の北のピーク340.4m)にも登り、それから下山の計画だ。

7:21
家を出発。このところいい天気が続いていたが今日の空は曇っている。

国道29号線を北上し、追分で左折し新宮町に向かう。揖保川を渡り今年開通した県道179号線のバイパスに直進し、市野保の集落で左折。集落の中を通り過ぎ、ブドウ畑の中を行く。墓地を過ぎさらに林道の奥に入っていく。地道だが平坦な道で普通乗用車でも入っていける。

8:11
二番目の石置き場の先にある広場に車をとめる。案内標識があり「城山城(きのやまじょう)3km」とある。用意をしていると雷が鳴り出した。これから行く南の方から雷鳴が聞こえてくる。

8:29
雷がおさまったので出発する。林道は左手に川が流れていて、車が通れるぐらいに整備されている。

8:35
道の川側に、「城山城・門の礎石」があった。四角い石の中央に丸い穴が開けられた石だ。人工物のような気がするが、普通は礎石には穴は開けず、礎石のくぼみに柱を置くだけだと思うが。

城山城・門の礎石
穴が開いた四角い石

8:38
祇園嶽出城への分岐に到着。「祇園嶽出城0.9km、亀池1.3km」。地形図の二番目の砂防ダムの地点で、ここまでは車が入れそうだ。祇園山へは砂防ダムを渡り谷を登って行くようだが、踏み跡も無く良く分からない。ここから先も広い道が続いている。

8:40
分岐地点に到着。大きな案内看板があり、詳しい地図も付いている。左は踏み跡も無く草がうっそうと茂っている。

と突然雨が降り始めた。木の下で雨宿りをしていると止むどころか、雷も鳴り始め、雨はさらに強くなってきた。カッパは蒸し暑いので着たくないので、ザックからシートを出して頭から被る。しばらく待ったが雨は止みそうも無いので、退却し車に戻る。

車を菖蒲谷公園に回し、この山も手抜き登山しようかとも思ったが、まだ時間も早いので雨が止むのを待つことにする。



雨が止み、再出発

車の中でうつらうつらしながら待っていると、完全には止まないがかなり小降りになってきた

10:17
小雨の中再出発する。

10:36
「門の礎石」・「祇園嶽」分岐を過ぎ亀池への分岐に到着。案内看板が二つあり左手の急な登山道は「城山城・亀池」、前後方向は「寺床池1km、市野保(搦手)2.3km」となっている。正面方向には新池があるはずだが、寺床池とはどこなのだろう。

ここから先の道は、草が茂っているところもあるが、傾斜の緩やかな広い道が続いている。軽四のトラックなら入っていけそうな道だ。昔、新池を作ったときの作業道なのだろう。

広い緩やかな道
緑のじゅうたんをひいたような道

道はいいのだが、くもの巣がたくさん張っていて、払いながら進んでいく。川が横にあるせいか、ブヨがうるさく付きまとって離れない。虫除けのジェルを塗っているのだが、汗に流され効き目がなくなっているようだ。追い払っても、追い払ってもついてくる。

雨上がりで気温は26℃と低いのだが、湿度が高く全身汗まみれだ。緩やかな道を登ってたはずだが、ブヨに気をとられ、周りの景色の記憶が余りない。植林の中の道ではなかったような気がする。



新池から大成池へ

11:02
ブヨに悩まされながら、新池手前の峠についた。峠の手前に休猟区の標識があった。ここからは道は下りになり新池に下りていく。

11:09
道が狭くなり、新池の岸が見えたので下りる。曇り空の下に水面が広がっている。天気がよければきれいな色なのだろうが、今日はあまりよくない。

岸伝いに北東側の堰堤に向かう。近くの山から話し声が聞こえてくる。登山道の補修作業をしているようだ。


新池の堰堤より
新池、向こうに山がぽこぽこと

堰堤を回り南東岸の道を大成池に向かう。今までの道は雑木の中の道だったが、ここからは植林の中の道になる。池に注ぐ小川を何回か渡り、新池を後にする。

植林の中の道を行き途中の分岐を左に行く。この辺にはブヨはまったくいない。

11:26
大成池の堰堤が見えてきた。階段を上るときれいに舗装された道路が現れた。道路は池の北西側をぐるりと回っていて車でも入ってこられるようになっている。

大成池の堰堤
ここまで車で入れる

湖岸の道路を行くと、右手の植林の中に不思議な物がある。木の上に小屋が掛けられているのだ。看板があり、大成山F・F・G(ファミリー・フォレスト・ガーデン)というのだそうだ。

しかし何か違和感がある。あとで気が付いたが、こういうことは、明るく多様な木々のある雑木林の中でやってこそ面白いのであって、暗い杉の植林の中では遊んでいてもつまらないだろう。

杉の木の上の小屋
杉の木4本を柱にし、空中に浮かぶ小屋

「大成山F・F・G(ファミリー・フォレスト・ガーデン)」案内図

近畿中国森林管理局 兵庫森林管理署
〒671-2573兵庫県宍粟郡山崎町今宿100−1
TEL0790(62)0595

南西側の湖岸は親水護岸になっていて水に触れ合えるようなっている。記念の石碑があって表には露風の歌が彫ってある。この池は、きれいに整備され過ぎて趣に欠けるところがあるが、公園としては、事故が起こった時の事を考えるといたしかたないのかもしれない。

大成池湖畔の石碑
露風の歌が彫ってある

(表)水  露風

山上の おちくぼに
たゝへたる ふるき水
あまぐもをうかべたり

いつよりか かくたゝへ
いつまたも 乾ぬべきや
山上の あゝ水よ


(裏)事業概要

事業名 ため池等整備事業(一般)
 県営・大規模
地区名 大成池地区
堤長 92m
堤高 11.9m
貯水量 18万8千立方m
巡回道路 350m
親水護岸 一式
総事業費 2億4千9百万円
工期 平成6年度〜平成10年度
事業主体 兵庫県(龍野土地改良事務所)



展望台から大蔵山頂上へ

11:46
車の入口横にボーイスカウト野営場があり、砂利道の車道に出るとすぐ左側に展望台への道があった。展望台は大蔵山の一つ手前のピークにあり、そこから頂上にいける。

展望台への入口
展望台から大蔵山に行ける

展望台への道は重機で切り開かれた道で、これも公園内の遊歩道なのでしょうがないのかな。「公園内の遊歩道の規格」なんてのがあるのかもしれない。但し尾根筋には昔の道が残っているので、趣を楽しみたい人はそちらを歩いたらいいと思う。私は歩きやすい遊歩道で登った。

12:02
展望台に到着。大蔵山とは標高差が10m程度しか無いので頂上が目の前に見える。ここから見るかぎり大蔵山頂上は木に囲まれ展望はなさそうだ。

展望台の下にはメガホンの形をした「サウンドスコープ」設置されている。回りの音を聞く装置らしいがあまりよく聞こえない。メガホンよりは放物面のパラボラの方が集音すると思うのだが。

サウンドスコープ
聞こえはよくない

汗で濡れたシャツを絞ったら水がボトボト落ちた。今まで出一番汗をかいた日だ、というか汗が乾かなかった日だ。ここで「おろしなめこそば」の昼食にする。


展望台からの眺め、左が大蔵山
雨上がりで展望はよくなかった

12:53
展望台を後にし大蔵山を目指し出発する。遊歩道は展望台から南東の鞍部に下り大蔵山頂上手前まで延びていて、それから先は南に下っている。

12:59
頂上手前のベンチのある所に「大倉山登山口」の小さな木札が下がっている。はっきりした踏み跡はないがテープもあり、雑木の林は切り開かれているので、藪漕ぎの必要はない。

13:03
登山口から一旦少し下り、高みを目指し真っ直ぐ行き大蔵山頂上に到着。平坦な頂上には大きな岩がごろごろしていて、小さな石の祠がある。木々に囲まれ展望は無く薄暗い頂上だ。

大蔵山頂上の大岩
昔ここに神様が降り立ったのかも



下山もブヨに悩まされる

13:38
写真を撮り下山開始。遊歩道まで戻り、展望台には行かず南に進む。遊歩道はツツジ(?)のトンネルの中を行くところがあり花の時期はきれいだろう。しかし、今日はくもの巣の巣窟になっていた。

13:43
カリヨンから峠池に行く分岐に着いた。私は右の林間広場に向かう。遊歩道はゆるいアップダウンを繰り返し雑木林の中を進んでいく。

13:54
林間広場に到着。広場というよりはただの駐車場だ。きれいなトイレがあり、イロハモミジが80本植えられている。

13:58
砂利道を登っていくと菖蒲園への道が左手に分岐している。車の轍はほとんど菖蒲園に向かっている。

14:02
さらに登っていくと大成池に着いた。意外に早く着いたので驚いた。バス釣りをしている人が一人いて、一回かかったが取り込みに失敗して逃げられていた。

ここで少し休憩し、虫除けジェルを大量に腕・首筋に塗りたくる。少しは利いてくれればいいのだが。

14:14
大成池西岸の舗装道路を行き、堰堤の西から階段を下りる。植林の中を進み新池に向かう。

初めの計画では、帰りに亀池に寄り祇園山経由で下山する予定だったが、雷雨で出発を遅らせたので登りと同じ道を戻ることにする。

14:25
新池に到着。登山道整備の人たちはまだ作業をしていた。堰堤の西の端にテープがありそこから登るようになっているが、来たときと同じように湖岸に下り、反対側にまわる。下りて来たところの手前にもテープがあり、そこから登り広い林道に出る。

14:46
鞍部まで登り、東側にある388.4mの三角点に詣でることにする。同じことを考えた人たちがいるようでテープがあった。

14:48
尾根の途中に岩が二つあり、三角点に到着。展望はない。

388.4mの三角点
ここも展望は無い

鞍部に戻り、ブヨの巣の川沿いの広い緩やかな道を下りはじめる。予想どうりブヨにつきまとわれる。少し油断したら左腕にたかられてしまい、少し吸われてしまった。すぐに気がついて振り払ったがすでに遅く、これを打っている二日後の今日もまだ痒い。

15:05
亀池への分岐通過。

15:15
祇園山出城への分岐通過。

15:21
車に戻る。濡れた服を着替えてるときに、背中をブヨに刺されたようで、二日後の今日も思い切り腫れているが、背中は感覚が鈍いのか思いのほか痒くはない。

15:44
車を出す。お墓のところに看板があり何かなと見に行ったら、古墳の説明看板だった。北側の尾根上にも古墳があるらしい。今度は尾根伝いに登ってみようかな。尾根ならブヨはいないだろう。

市野保古墳群・市野保裏山古墳群

市野保村北側の山麓から尾根にかけて、89基の古墳(市野保古墳群:83基・市野保裏山古墳群:6基)が現在発見されています。これらの古墳は今から約1400〜1600年前の古墳時代に造られたもので、円墳・方墳・前方後円墳等の墳形が見られます。大半が古墳時代後期の横穴式石室をもつ円墳で、石室内に箱形石棺が残っているものもあります。
等古墳群は西播磨地域では最大級の古墳群で、非常に保存状態も良く、歴史的に見ても大変貴重な資料といえます。
なお、古墳中唯一の前方後円墳の市野保裏山1号墳(全長約30m)は、後円部に竪穴式石室をもつ古墳時代前期の前方後円墳で、町内では吉島古墳に続く首長の墓と考えられています。

平成6年3月 新宮町教育委員会

16:33
家に帰着。総走行距離42km。ブヨに追われた散々な山行だったが、時期を変えればまた違ったものになるだろうが、当分緩やかな谷道は歩きたくない。



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