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利神山の天空城
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平成14年10月29日(火) メンバー 私だけ
利神山 |
りかんざん |
373.3m |
大撫山 |
おおなでさん |
435.9m |
三方里山 |
さんぽりさん |
186m |
利神山
智頭線の佐用駅から北に一つ目「平福駅」の東側にある、利神山。利神城跡に上ってきた。400年近く前の江戸時代初期に廃城になり、頂上に石垣だけが残っている。
最後の林を抜けると突然、壮大な石垣群が現れ、天空の城ラピュタも裸足で逃げ出すような、幻想的な眺めが待っていた。
8:32
家を出発。智頭線で行っても面白かっただろうが、今日も車だ。天気は晴れ。日本海側は雨のようで、佐用の天気はどうだろうか。
国道29号線に出て北に進み、追分で左折し揖保川を渡り新宮町に入る。国道179号線で佐用へ。
佐用から国道373号線で北に行く前に、もう少し179号線で南に行き佐用町、上月町と南光町境界にある高倉山の登山口となる佐用町山脇の滋山寺を探す。寺の案内看板はあったが、車を止めるところが見つからず、佐用に引き返す。
10:02
佐用から国道373号線を北に行き「道の駅 平福」に車を止める。すぐ東に利神山が見え、頂上の石垣も見える。
10:08
準備を整え出発する。平福駅に向う途中の陣屋跡に「星の宿 花の平福」と書いてある大きな青い提灯がある。平福の町は漆喰塗りの白壁の家が多く、落ち着いた雰囲気の町並みになっている。
佐用川にかかる京橋を渡ると、平福駅の手前に「利神城跡登山口 200m先左折(平福文化と観光の会)」の案内板があり、右に曲がり進む。
「利神城跡遊歩道 頂上まで1310m 標高372m」の案内がある。なんだ、遊歩道になっているのか、とそのときは思った。
そこから線路の下の小さなトンネルに入るのだが、トンネルの入口に困った内容の大きな看板がある。
利神城跡は、城郭の一部が破損し、大変危険な状態になっていますので、登山はご遠慮下さい。
佐用町
登山を明確に禁止しているわけではないので、このまま進むことにする。
線路の下のトンネルを抜け、民家の壁の「利神城跡登り道 50m先左へ」の案内に従い、防鹿ネットを越え右に曲がり線路に沿って進む。
登り口にまた困った看板がある。
危 険
利神山へ登山する皆さんへ
利神城跡の石垣は崩れる恐れがありますので石垣のそばには 近寄らないでください
佐用町
今度のは、登ってもいいけど石垣が崩れて怪我をしても、死んでしまってもそれはあなたの自己責任ですよ、というような意味だろう。
尾根の斜面に付けられた道を上っていく。「利神城跡」の大きな看板があり、「昭和47年12月28日 大字平福管理委員会 建設」と裏に名板が付けられている。道は遊歩道というよりは登山道だ。
尾根への道
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10:24
尾根に着いた。ここからは尾根伝いに頂上まで登ることになる。
東屋があり、佐用川と平福の町並みがよく見える。東屋の先には鳥居があり、岩室の奥に祠がある「大王神社」がある。
鳥居と岩室の祠
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10:31
雑木の中の結構急な道を登っていくと「NHK 佐用平福テレビ中継放送所」のアンテナが立っている。
中腹は西側は植林、東側は雑木林と笹薮になっている。先ほどの東屋以外は展望はない。
中腹は植林と笹薮
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少し下り、登り返すと頂上まで300mの竹林の中の道を行く。
頂上まで300mの竹林の道
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10:53
最後に雑木林の中の九十九折れの道を登りきると、いきなり利神城跡の石垣群が現れる。石垣の一部は崩れ大岩がゴロゴロしているが、私の目には400年前の壮大な石垣・頂上の3層の楼閣が、天空に浮かぶ城のように見えた。
頂上直下からの利神城跡
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石垣の間の道を頂上目指して登っていくと、また困った看板が現れた。
危険 これより先へ入らないでください 佐用町
これも明確に立入を禁止したものでなく、入らないほうがあなたのためですよ、という意味に勝手に解釈し登っていく。
すぐに次の看板が現れた。
危険 これより先へ入らないでください 佐用町
本当に危険なのか、佐用町が世間に出せないことを頂上でやっているのではないかと思い、確かめるためさらに登ってみた。
危険は本当だった。東側の石垣には膨らみ今にも弾けそうところが沢山あった。よくも今まで持ったものだ。
この付近の石垣は崩壊するおそれがありますので近づかないで下さい。
平福財産区 佐用町
膨らんでオーバーハングになっている石垣
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利神城跡の石垣は本当に危険な状態になっている。側に行くと石垣が膨らみ覆いかぶさり、今にも弾けて崩壊するような恐怖が感じられる。これを読んだ人は、利神山に登っても、決して頂上に行こうなどとは思わず、できる限り離れて見てほしい。
11:03
頂上に到着。頂上は広々としていて、10本ほどの木々、古い今は使われていないテレビ共同受信用アンテナの鉄塔、使えない100円望遠鏡、危険の看板、それから鹿のフンが沢山あった。また、北側の一段低いところには瓦のかけらが沢山あった
展望は360度広がっている。北には後山、三室山、雲がかかっている氷ノ山が見える。氷ノ山は今日が初冠雪だったそうだ。気温は12度、風が少しふいていて曇ったり、晴れたり。
利神山頂上
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11:50
天空の城を堪能し下山開始。
12:19
写真を撮りながら智頭急行の線路横まで下りた。帰りは京橋の一つ下流の天神橋を渡り、街中の旧因幡街道を歩いていくと利神城の由来の案内看板があった。
利神城由来記
赤松一族から最北端の防備の任をうけた、河西郡別所の構えにあった別所肥前守敦範が、貞和5年(1349)佐用郡に入り、比良福利神山に砦を築き、口長谷に館を構えて移り住んだことに始まる。
別所肥前守光則の代に嘉吉の乱が起こり、一時敗退したが応仁の乱に際し、別所靜治は風雲に乗じ、都の赤松政則を助け赤松家再興を図った功績により、旧領利神城主に復帰することができた。天正6年(1578)1月2日上月城にあった山中鹿之助は、突如利神城を攻めたが、時の城主別所日向守林治は城を出て瓶岩の地にこれを迎え討ったが叶うべくもなく家老磯部主計ら数名が敵中に切り込む間に城主は落ち延び、ここに赤松家は滅んだのである。
慶長5年(1600)関ケ原の功により、池田三左衛門輝政、姫路城に入る甥の家老池田由之に佐用郡2万3千3百石を与え統治を一任した。由之は利神山山頂の砦を打ち壊し、5ケ年の歳月をかけ、他の助成のないまま独力で巨大な城郭群と麓に常御殿と呼ばれる居館と武家屋敷を構えた。
口伝によると慶長10年由之の要請により、輝政は、落成なった利神城検分のため駒を進め、釜須坂頂上にさしかかるや、北方遥かに雲を凌いでそびえ立つ巨大な城郭群に驚き、駒を返し使者を送り即刻破邸を厳命したという。
今に残る利神城の絵姿や、山頂の石垣群を見て、往時の雄大さを偲ぶのみである。
昭和55年4月
西播磨県民局 佐用町 平成13年12月再建
12:29
道の駅平福に戻り、車中で昼食をとる。途中で買ってきたコンビニの弁当だ。けれども、道の駅にはレストランもあるし、佐用町内に行けば名物「ホルモン焼きうどん」の店もあり、そちらのほうが良かったかもしれない。
大撫山
12:53
空は完全に曇り、雨が少しぱらついてきた。真っすぐ帰るのもつまらないので、佐用川をはさんで反対側にある大撫山に行くことにした。
大撫山頂上には「西はりま天文台公園」があり、車で登っていける。朝霧の名所だそうである。
13:08
それなりに急な道路を登り、大撫山頂上直下の駐車場に到着。頂上には60cm反射望遠鏡がある建物が立っている。雨は止んでいる。
三角点は建物横の整地されずに残された所にある。標高は利神山よりも高いが、建物などが邪魔して360度の展望では望めない。小学生の団体と、頂上からの展望を楽しむため登って来た人が少しいる。
大撫山頂上は天文台公園
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公園を利用されるみなさんへ
開園時間 | 午前9時〜午後9時 |
休園日 | 年末年始(12/29から1/3) 点検整備のため臨時休園(毎月第2、第4月曜日、その他) |
天文台の見学 | 午前9時〜午後6時 |
夜間観望 |
- 宿泊された方の観望会は毎夜行っています。
- 宿泊されない方のための観望会は日曜日に行っています。
参加は自由ですが受付が必要です。
※雨天・曇天の場合は内容を変更します。
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宿泊予約 | 利用される月の6ケ月前の第1日曜日から利用される月分を受付致します。※受付時間 午前9時〜午後5時 |
お願い | ゴミ・空き缶等はお持ち帰りください。
公園にはペットを入れないで下さい。 |
兵庫県立西はりま天文台公園長
三方里山
13:33
小雨が降り始めた、大撫山を後にして、三日月町中心部の西にある三方里山に行くことにする。三日月と流れ星のイルミネーションのある山だ。
13:57
国道179号線の直ぐ北にある三方里山は西側から車で、公園になっている山頂まで登れるようになっている。
頂上には月の5万分の1の大きさの丸い広場があり、タイルでかたどった大きな三日月もある。広々とした頂上の公園には誰もいない。南西の展望場所からは三日月町がよく見える。
三方里山公園クレセント(月)広場
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三方里山公園施設利用のご案内
●開園日及び遊具の貸出時間
・ | 開園日 | 年 中 無 休 |
・ | 遊具の貸出日 |
開園日の内管理人の所在する日の午前9時から午後5時まで
(土日、祝祭日及び、春休み等の学校休業日。
ただし12月29日から1月3日を除く)
雨天の場合は、貸出を中止することがあります。 |
●使用上の注意
・ | 遊具(自転車等)は、大切に乗りましょう。 |
・ | ゴミは持ち帰りましょう。 |
・ | タバコは、必ず灰皿に捨てましょう。 |
・ | 公園全部を占有して使用する場合、又は火気を使用する場合は、事前に申請書を提出し、許可を受けてください。(申請先 三日月町公民館) |
・ | その他、みんなが楽しく利用できるよう、マナーを守りましょう |
三日月町
14:24
三方里山を後にして家路につく。
15:22
家に帰着。総走行距離118km。
佐用町にとしては抜群の展望の利神山を観光資源にしたいだろうが、現状では石垣が崩壊する可能性が高く、また修復には莫大な費用がかかり不可能だろう。残念だが、誰かが怪我をする前に、この山の登山道を完全に閉鎖し、登山を禁止するのが妥当ではないかと思う。
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