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姫路市大回り、その10
(姫路市最高峰、葛城山)



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平成15年12月7日(日)  メンバー 私だけ

葛城山 かつらぎやま 478.6m

2万5千分の1地形図「安志」、「前之庄」を参照すること。


姫路市大回り

12月に入り、里山の木も葉を落とし始め見通しもだいぶよくなってきた。気温も低くなりようやく藪山の季節が巡ってきた。

そんなわけで道なき山を行く「姫路市大回り」を1ヶ月ぶりに再開することにした。今回の葛城山は姫路市と安富町の市町界に東西に主尾根を延ばしていて、姫路市の最高峰でもある。

姫路市大回りは反時計回りに回ってきたが、葛城山の東からの登山口が分らない。以前に南の谷から登ったときに山頂から東西に延びる尾根に切り開きがあることを確認している。

点の記によると西側の林道の終点から谷筋を登り尾根に達し、葛城山頂上まで登ることが出来るようだ。点の記の経路図で古いのを当てにするとえらい目に会うことが往々にしてあるが、2年前の平成13年の暮れに標石調査で登っているようなので、そのルートはまだ使えるだろう。

葛城山頂上に達したら、東に続く市町界の切り開きを行けばどこかにか下りられるだろう。


西から点の記の経路で登る

点の記(国土地理院の基準点成果閲覧で見ることが出来る)によると、地形図に載っている林田川東側の「瀬川」から南に延びる実線道が北に向きを変える地点からさらに「森と緑の公社」の作業用道路が延びていて標高300mの等高線沿いに葛城山から西に約1kmほどの地点まで行けるようだ。

8:19
姫路駅前から山崎行きの始発の神姫バスに乗り、安富町安志から4kmほど南の「狭戸」のバス停で下りる。

東へ行く県道80号線で林田川を渡り、三坂川に架かる八興橋を渡り南に続く実線道に入る。700mほど南に行った墓地の前は道が広くなっていて、車で来たらここに止めておくのがいいだろう。ここまでの道は舗装してあるが墓地の先からは地道になる。

8:42
実線道が北に向きを変えるところから作業用道路がさらに南に延びている。入口には鎖が架かっているが垂れ下がり、車を乗り入れることは出来そうだ。但し、道は狭く轍の内側は草が伸び段差が大きい所もあるので普通車で入るとえらい目に会うだろうし、四駆でも両サイドの塗装を傷めることだろう。

坂道部分だけはコンクリートで舗装されていていて、林田川の向こう側の新宮町との境界の山々がよく見えるポイントがあった。次回の姫路市大回りで歩く山々だ。

草が茂る作業道路
普通車ではきついだろうなだ

新宮町との境界の山々
道はあるのだろうか

9:23
作業道の終点に着いた。位置は林田町山田の集落の北にある224.1m三角点ピークから北東に延びる尾根の西側の谷の標高300m付近だ。作業道は唐突に終わり、その先にはススキが茂っている。

谷を登るか、このまま標高300mライン沿いに南に行き尾根に取り付いてから登るか迷ったが、とりあえずススキ籔を抜けてみることにした。

20m程のススキ籔を抜けると谷筋に向けて狭い踏み跡が付けられている。始めはあまりはっきりしなかったが、植林の中に入って行くと立派な広い道になり九十九に登っていく。

植林の中の歩きやすい道
本当はもっと暗かった

間伐と枝打ちのために付けられた道のようで、歩きやすくこのまま尾根筋に行ければいいのだが。

9:45
歩きやすい道は植林地の中央で終わってしまった。下草もなく傾斜もそれほど急ではないので、植林の中を適当に登っていくことにする。

谷の傾斜は次第に急になってきた。東側の尾根方向に向かおうとすると、より急になってきて登り難くなった。そこを何とか水平方向に移動していくと獣道のような踏み跡が現れた。

10:09
ようやく尾根に出ることが出来た。急な雑木の尾根で踏み跡は見当たらない。少し登ると緩やかになり境界杭が打たれている。

緩やかになった尾根の西側は植林、東側は雑木林でその間には低いササが生えているが歩きやすい切り開きとなっている。遠くから猟銃の音や犬の鳴き声が聞こえてくる。冬は歩きやすくなるがハンターが怖い季節だ。

尾根の切り開きを行く
展望はない

10;25
境界石が2個あるピークに南から着いた。切り開きの続きは西側に下っている。ここからどの方向に進めばいいか分らなくなり、周囲をうろうろしてして踏み跡か切り開きがないか探したが、葛城山頂上方向へのものが見つからない。

10:36
枝葉越しに周囲を観察し地形図をよく見ると、このピークは既に行き過ぎていることに気がついた。2個の境界杭地点から南に50mほど戻り、東に入ると無事に葛城山頂上への尾根に乗ることができた。

この分岐地点はおろか、ここまでにテープなどの目印は全くなく、この経路を辿ったハイカーはほとんどいないようだ。

歩きやすい切り開きが続く
展望は相変わらずない

南側の441m標高点に続く幅の広い尾根の取り付き地点に、古い境界見出し標と思われる札が下がっている。

10;53
赤紐や白ビニールテープ、赤ビニールテープの目印が数分ずつ離れた木々に付けられている。

葛城山の南にある307.3m三角点ピークの北裾を通る破線道の峠から、北に谷筋を登る非常に明確な道が尾根近くの平坦地まで続いている。その平坦地から尾根の間には道もなく明確な踏み跡もないので、そこから登ってきた人が付けたのだろう。その南から山行記録は昨年の1月に姫路市最高峰、葛城山で紹介している。

11:01
最後まで緩やかな尾根を登ると二等三角点(点名:不動山)がある葛城山の頂上に到着した。

前に来た時と変わりなく木に囲まれた展望のないピークだが、南方向の一部だけ木が伐られていて瀬戸内海に浮かぶ家島諸島が見える。

前回登った時に既にあった登頂記念プレートが1枚下がり、新たに平成15年1月25日と書かれた赤黄色のビニールテープが増えているだけで、ほとんど訪れる人がいなかったのだろう。

葛城山頂上
淋しい頂上だ

南方向がかろうじて見える
展望の山ではない


下山は東へ

11:17
お昼には少し早いし、下山することにする。頂上から東に延びる市町界尾根の切り開きを行く。

切り開きは斜面になると不明確になり、一度北側にそれたりしたが、ほぼ辿ることができた。

406mピーク手前の350mほどの鞍部に着いたら、西か東か下りやすそうな方向に行こうと考えていたが、植生界や歩きやすそうな植林の中を下りていくと鞍部の北側に出てしまった。植林の広い谷には踏み跡が北の三坂方向に延びていたので北側に下山することに決めた。

踏み跡は時々消えたりしたが、次第にはっきりした道となり緩やかに下っていく。植林の中に丸太で作られた小屋の骨組みだけがある。壁や屋根の残骸が全く見られないので、骨組みを組んだ時点で放棄されたようだ。林業小屋を作ろうとしたのだろうか。はたまた世捨て人が山の中に庵を作ろうとしたのだろうか。

植林の谷の道
はっきりした道が続く

建築途上で放棄された小屋の骨組み
何なのだろうか

12:02
谷が狭くなってきて砂防ダムが現れた。お腹もすいてきたことだし、堰堤の上で昼食をとることにする。

12:25
昼食後、砂防ダムの右岸から始まる林道を下る。ダム工事用に通したのだろうがかなり痛んでいて車は通れそうもない。しかし、歩く分にはなんら問題はない。

12:40
林道出口には獣除けのしっかりしたフェンスの扉がある。鍵は付いていないのでかんぬきを反対側から外して無事下界に下り立つことが出来た。

林道出口のフェンス
開けることが出来る

12:56
安富町三坂の県道80号線に出たが狭戸に戻ってしまっては、姫路市大回りが途切れてしまう。少し遠いが前回の終了点の夢前町護寺の護塚橋バス停まで歩くことにする。

初冬の山々を見ながらのんびりと1時間ほどかけて、護塚橋バス停に着いた。

今回の山行で葛城山の東西方向からの明確な道を見出すことは出来なかった。東西に延びる市町界尾根には明確な切り開きがあったが、その尾根に達する道はなかった。前に登った南からの谷筋の道が一番分かりやすいが、それすらも尾根の手前までしか延びていない。

一部の案内書には書写山が姫路の最高峰(地形図に山名が記載されているうちでは確かに最高峰ではある)のように書かれているし、葛城山はなんと冷遇されている山なのだろうか。



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