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広峰、冬イチゴの谷



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平成16年12月11日(土)  メンバー 私だけ

弥高山 やたかやま 339.7m

2万5千分の1地形図「姫路北部」を参照すること。


冬イチゴ谷

随願寺西尾根ハイキングコースがある尾根と、広峰神社へ登る車道のある尾根に挟まれた谷を「冬イチゴ谷」と呼ぶらしい。地形図を見ると谷の入口まで車道があり、谷は緩やかに北北西から北西に延び近畿自然歩道の破線道を横切っている。

兵庫県 300山 登山ルート紹介によれば、近畿自然歩道を境に下流を「下冬イチゴ谷」、上流を「上冬イチゴ谷」と呼ぶようだ。


ロウソク

11:26
姫路駅発の広峰行き神姫バスは、白国交差点から北へ狭い道に入り「広峰」バス停に到着。道端に広峰神社までの丁石の基点になる石柱が4本立っていて、旧参道が車道から左斜めに林の中に入っている。

車も通れる新参道は、山陽自動車道の下をくぐった先で左へ180度のカーブを描いている。その途中から谷の奥に行く道が分岐している。

11:36
谷の入口には「昭和44年度施行 治山事業 兵庫県 施行姫路早駒組」の小さめな砂防ダムがあり、その横に道が付いている。登山口が見つかれば里山ピクニックの50%は終わったようなものだが、今回はあっけなく見つかり調子が狂ってしまった。

増位山・広峰山の麓の登山口はどこも車を止められそうな場所はないが、ここは道の巾もそれなりにあり交通量も皆無で止めておくことが出来そうだ(自己責任で)。数台の車が止まっているがハイカーのものなのだろうか、付近にはなにもないし不思議だ。

冬イチゴ谷の登山口

砂防ダム奥の道は車が通れる巾があるが、所々流されて傷んでいる。しかし、どうしても車を入れなければならない訳があるのか、その部分に足場板を渡している。

11:39
流れの横に大岩が立ち、その前にステンレス製灯明箱が置かれロウソクが6本灯されている。リンゴとミカンも供えられていて、この先に何が待ち構えているのだろうか。

広い道が続く

しばらくは左側が竹薮、右側が雑木籔の道を進む。このよい道が最後まで続いている訳はなく砂防ダムが現れてお終いになるのを予想していたが、意外なものに出合った。

11:45
ロウソクの臭いが谷にたちこめ、古い仮設トイレやなんやらが左手に現れ廃材置場かとも一瞬思ったが、さらに登ると不思議な世界が現れた。ロウソクを灯された沢山の祠、石の鳥居、落水、供えられた花々、数棟の小屋、ホワイトセメントの白色などが不思議な世界を作っている滝行の行場だ。

行場

ロウソクが至るところに灯っているし、暖をとったのか木材を燃やしたのがくすぶっている。人影は無いが、小屋の中から私を見ているような気もする。

ここを早く通り抜けたいが、困ったことに冬イチゴ谷へのルートが分らない。滝行場の上流が目的の谷のようだが右手にも流れのない砂防ダム(これも昭和44年度施行)があり、種々の構造物のためルートがさっぱり分らない。鳥居の前・祠の間を抜け右岸側を見に行くが道はなさそうだ。左岸側を見ると登れそうな感じがするので、行場入口まで戻り、階段を登り右手の小屋前を通り抜けると上流に登る道を発見。背後の小屋の中に人がいる気配がする。

行場で道を探すのに10分ほどあっちにウロウロ、地形図を見てはこっちにウロウロとさ迷ったが、行場の人も変なのが入ってきて困っていただろう。


下冬イチゴ谷

行場の上流左岸には明確な道が続き、道標の類はないが所々の木々にマーキングが付けられている。

下冬イチゴ谷

雑木林の中の、渓流の脇を行く道は流れを渡ることもなく(支流を1回だけ渡るが)変化のない道が続く。傾斜は緩やかで、これもまた変化がない。谷の名前になっているフユイチゴを探すが見つからなかった。替わりに赤い実がなっているアオキを見つけた。

アオキの赤い実

12:19
アオキから1分も登ると、ひょっこりといった感じで近畿自然歩道に出た。これまでに何回もここを通ったことがあるがこの道には気が付かなかった。谷に入ってからここまで40分ほどかかったが、行場をすんなり通り抜け写真も撮らなかったら20分ぐらいだろうか。

近畿自然歩道に出た

近畿自然歩道の「広峰神社 0.4km、随願寺 1.5km」の案内があるところで、今まで気が付かなかったが、谷の上流側左岸にも道が続いているのがはっきり見える。


上冬イチゴ谷から弥高山へ

近畿自然歩道から上冬イチゴ谷へ

幾分か道は狭くなり、急な部分もある。下草がなく落ち葉が積もっているので、道はあるが踏み跡がない状態になる。時々マーキングもあるし流れの左岸を遡って行けば迷うことはないだろう。流れも変化があり下流側よりも面白い。

上冬イチゴ谷の左岸を登る

落ち葉が積もった道を行く

12:55
左手が植林になり、その先に竹の疎林が現れる。マーキングを付けられた竹が流れをまたいで倒れている。そこから右岸に渡り、流れに沿って遡ると谷が広くなったり、分かれたり、踏み跡が薄くなったりと紆余曲折はあるが、流れの右岸側を離れることなく進めば337.9m三角点がある弥高山の西側の破線道(広峰神社と香寺町奥須加院を結ぶ広峰道)に出る事が出来る。

まめのこずいの「増位山、広嶺山」の地図によると上冬イチゴ谷の道から西へ分岐している道が2本あるようだが、その分岐点は確認できなかった。

13:02
青色タフロープが道を横切り左右に延びている。西斜面のタフロープの先に測量用の紅白棒が残されていて、その目印のようだ。播磨空港の測量の名残かもしれない。

13:05
小川の流れが消え川床も乾いてきて、そろそろ尾根に出るのかなと思っていたら炭焼窯跡のある広場(平らではないので広場とは呼べないかな)に出た。

炭焼窯跡の広場

炭焼窯の中は黒く煤け、つい最近まで使っていたように見えるが周囲には水を溜めたポリバスが2個ある以外はなにもなく、ゴミ一つ落ちていない。

炭焼窯跡

実はこの炭焼窯は40年前までは現役だったのだが、今は使われていない。しかしこの窯を作った人が手入れを継続してきたためか煙道の構造も完全に残っていて、屋根さえ造れば今でも使えるだろう。

窯と煙道の出口
窯底部の排煙口

13:13
炭焼窯広場の西側から2分ほど登ると「広峰道」に出た。場所は広峰道の「火の用心←18、16→、17↑」の送電線巡視路標識から1分ほど北に行った地点、「弥高山寺跡→」の案内から1分ほど南に戻った地点で、赤と白のチェック柄の布が下がっている。

広峰道に出た

1分ほど広峰道を北に進むと「弥高山寺跡→」案内があり、そこから東に登ると弥高山頂上へと行くことができる。途中草が深くなるあたりにミツバツツジの花が一輪だけ咲いていた。かなりいじけた花形だが、色彩が乏しくなってきた山の中で目立っていた。

ミツバツツジ一輪の狂い咲き


弥高山から梅田新道・近畿自然歩道で随願寺へ

13:27
弥高山頂上に到着。

頂上南の栗林でおじさんが一人黙々と草を刈ったり、折れた枝などを片づけている。この辺りの山の持ち主の方で、栗の木が台風の塩害と風で、実が付かないし枝は折れるはで嘆いていた。あの台風23号は経験した中では最悪のものだったという。

お年は70を過ぎているようだが、今年も新たに栗の苗木を植えるなど元気な方だ。30分ほども色々と話を聞いてしまった。

14:01
ここから「梅田新道」で近畿自然歩道の「一本松峠」まで行き随願寺へと抜けることにする。梅田新道の様子はそうめん滝から弥高山・広峰神社へを参照すること。

14:16
近畿自然歩道の「一本松峠」を通過。自然歩道を随願寺へと東に進む。

14:39
「蛇が池」から山上駐車場を抜け、随願寺の南「放生池」まで着いた。随願寺も見所が沢山あるが今回は時間も遅いので素通りしてしまった。

利用者の皆様へ

今日、レジャーに、体力増進に、増位山自然公園を利用され、いかがですか。
この自然公園は、失われいく自然を愛存し、忘れられゆく史跡地を保護し、あわせて市民の憩いの場として活用するため、姫路市、隨願寺、隨願寺愛存会、姫路市ライオンズクラブ、白国自治会、白国農区からなる、「増位山自然公園運営協議会」を設け、整備維持管理を行っています。
特にこの隨願寺境内地は随願寺のご好意により、姫路市に無償貸与され市民の皆様に広く開放しておりますので、利用される皆様も左記の注意を守って楽しくお過し下さい。

  1. タキ火は絶対にしないこと。
  2. 本堂をはじめ、お寺の建物にみだりに立入らないこと。
  3. 広場、通路等にごみを捨てないこと。
  4. 竹の子、梅の実、花木等を取ったり、持ち帰らないこと。

この解説板では随願寺の文字に「隨」と「随」が使われ、そのほかに「隋」が使われるのも見かける。どれが正しいのだろうか。YAHOO検索の結果は次のような検索件数となり、民主的な多数決により「随願寺」に決定。

「随願寺」は98件、「隋願寺」では17件、「隨願寺」ではわずか2件のみ


随願寺表参道を下る

随願寺放生池から表参道へ

随願寺の放生池からの表参道は巾が2mほどの石段になっているが、長いこと補修されていないようでひどく歩きにくくなっている。道端に200年ほど前の(文化2年)石仏があったりと風情があるが、雨の日は石が滑りやすくなりそうで怖そうだ。

随願寺表参道の石段

参道脇の石仏(文化2年)

14:49
新参道(車道)を横切ると、そこから下は近代的な歩きやすい遊歩道になっている。

車道を横切ると

参道は遊歩道に変わる

旧の参道は車道と遊歩道の建設によって消えてしまったようで、途中の東屋脇に石仏などが集められて祀られている。その東屋から下は完全舗装の遊歩道になるが、道端には石仏が点在し参道らしさを残している。

15:05
東尾根ハイキングコースが東側より合流し、今日のピクニックは終了。

東尾根登山口(直進は随願寺参道)

東尾根登山口近くに「緑の十景」の解説板がある。広峰神社の駐車場脇にも同じものがあるが一部の文字に違いがある。

緑の十景

増位・広峰連山(そうめん滝を含む)
(姫路市制施行90周年を記念し昭和54年4月1日制定)

まちの背後につらなる増位・広峰の山なみは西播磨丘陵自然公園の指定を受けハイキングコースで結ばれています。
木立ちも変化に富み隨願寺(ママ)・広峯神社の建造物等文化財が自然と調和して訪れる人の心を安らげてくれます 増位山につづくそうめん滝は市内唯一の清流の渓谷で豊な緑に包まれています。
このかけがえのない緑豊な自然を市民の財産として後世に継承するため大切に守っていきましょう。

姫路市

妻その1に迎えに来てもらい帰途につく。



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