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凍結した扁妙の滝



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平成17年2月5日(土)  メンバー 私だけ

扁妙の滝 へんみょうのたき 落差65m

2万5千分の1地形図「粟賀町」を参照すること。


話題の神崎町の「扁妙の滝」へ

4年前の平成13年1月下旬の兵庫県姫路市における最低気温(気象庁電子閲覧室より)

平成13年姫路市の最低気温
1月12日0.7℃
1月13日-0,1℃
1月14日-2.3℃
1月15日-4.2℃
1月16日-5.3℃
1月17日-5.2℃
1月18日-3.6℃

この年の1月18日(木)に扁妙の滝に行っている。

日記を読み返すと「笠形山の扁妙の滝が凍ったという、テレビや新聞の報道を見て行ってきた。滝壷に行く道は前に行ったときより整備してあり、冬で木の葉も落ちているので明るく歩きやすかった。大勢の人(2〜30人)が来ていた。次に滝見台に登ったが、4人しかいない。滝見台から見ると、滝全体が凍り付いていて絶景だ。滝壷にしか行かなかった人は、全体の3の1しか見られない」と書いている。

今年の1月下旬から2月上旬の兵庫県姫路市における最低気温

平成17年姫路市の最低気温
1月29日0.7℃
1月30日2.4℃
1月31日-0.6℃
2月1日-3.4℃
2月2日-3.7℃
2月3日-1.7℃
2月4日-1.1℃

神崎町ホームページ“『扁妙の滝』の凍結情報(グリーンエコー笠形) 毎日更新中!”を見ていると滝の凍結が大分進んだようだ。しかし姫路市の最低気温の推移から推察すると、4年前ほどのものは期待できない。

しかし金曜日に毎日放送「ちちんぷいぷい」で放送されたり、新聞報道もあり、この週末は大勢の人々が押し寄せるのは間違いなさそうだ。そこで凍結滝の見物人を見物するという斬新なコンセプトを持ち、神崎郡神崎町のグリーンエコー笠形の奥にある扁妙の滝に行ってきた。


バスで行くグリーンエコー笠形

ほぼ100%の人たちは、自家用車でグリーンエコー笠形へ行くようだ。神姫グリーンバスに「グリーンエコー笠形前」という停留所はある。しかし本数は少なく、途中の粟賀営業所での乗継も悪いが、姫路から行けないわけではない。

6:50
姫路駅前発神姫バス「粟賀」行きバスが定刻に発車。乗客は7名ほど。神姫バスの運行案内はのぞみNavi時刻・運賃検索にあるが、神姫グリーンバスの詳しい案内はない。

次発の粟賀行きは2時間後にあるが、粟賀営業所での待合時間が1時間半(日曜日は3時間半)もあり、粟賀営業所からグリーンエコー笠形まで1時間ほどかけて歩くことになる。

8:01
定刻通りにバスは粟賀営業所に到着。姫路駅前からの運賃は1,030円だが『神姫バスの通勤定期を持っていると土・日・祝日は路線・距離にかかわらず1乗車100円になるという恐ろしく安い【エコ定期】制度』の恩恵を受け100円玉一枚を料金箱に投入する。もう一人だけここで降りたが扁妙の滝へは行かないようだ。

粟賀バス停 神姫バス 神姫グリーンバス 平日時刻表 ※病:神崎総合病院経由、 ※土:土曜日運休、 ※休:休校日運休
※期1:5/1〜9/30運行(但し土曜日、休校日運休)
 姫路作畑新田大畑止上小田新野駅川上生野
5   50   
6   20※休 1028
7    12 38※病
80005   13※休45栃原行
900※病  15   
1050※病      
1150※病、※土30 00※病、寺前止  40※病、栃原行
12      40※病、栃原行
1350※病23 05※病 10※病17気楽苑行
14       
1550※病 10※休53  00
16 20   0530
1750※土40    40栃原行
18 40※期1 03  40※期1
粟賀バス停 神姫バス 神姫グリーンバス 日祝日時刻表 ※病:神崎総合病院経由
 姫路作畑新田上小田新野駅川上生野
5      
6      
7      
8000515   
900   40 
105030    
11     40 ※病・栃原行
12      
13502310  10 気楽苑行
14      
1550 53 55 
16      
17 40 33 40 栃原行
18      

私の笠形山横断、滝滝コース(平成16年8月14日)に掲載した時刻表と比べると一部に違いが見受けられる。このレポートを見てバスで行こうなどと思う人はまずいないだろうが、実行する前に神姫グリーンバス(0790-32-1021)に問い合わせをすること。また、この時刻表は写真から起こしたもので正確さは保証できないし、苦情は一切受け付けない。

8:05
グリーンエコー笠形前に行く『8:05発作畑新田』行きのバスは、待機場所に止まったままで乗車位置に移動する様子もない。待っているのは私だけで、普段なら作畑新田までだれも乗せずにほとんど回送状態で行くのだろうが、のんびりしたものだ。

8:07
ようやくバスが乗車位置に来たが、急ぐ様子は全くなく料金箱を取替えたりして、すぐに発車する様子はない。「おはようございます。作畑新田まで行くの」と運転手さんに声をかけられ、グリーンエコー笠形前だと答えると「昨日ちちんぷいぷいで放送されてたもんな」といっていたが、彼もバスで扁妙の滝へ見物に行く人がいるとは驚いているようだ。

8:18
発車後いきなり運賃表がグリーエコー笠形前までの220円になりビックリしたが、定刻から6分遅れでグリーエコー笠形前に到着。払った料金は、神姫グリーンバスも【エコ定期】適用で100円だけ。

神姫グリーンバス
グリーンエコー笠形前 粟賀行 時刻表
※病:神埼総合病院経由、 ※休:休校日運休
※期1:5/1〜9/30運行(但し休校日運休)
※期2:4/1〜11/30運行
 平日土曜日日祝日
705※病、※休  29※病29※病 
8   
908※病08※病08
10   
11  48※期2
123333 
13   
14262626
1549※休  
16   
172323 
18434343


グリーエコー笠形内のオウネン平へ

案内に従いバス通りから南に入り、越知川にかかる「笠杉橋」を渡る。

8:29
グリーンエコー笠形の入口ゲートを通過。開村時間は午前8時から午後10時となっている。環境整備費として一人200円を徴収するようだが料金所があるわけではなく、希望者は管理事務所に申し出ると払うことが出来る。

道端と日陰に極少量の雪が残っているが、降雪直後でなければ扁妙の滝近くの駐車場まで車を入れることが出来る。

雪がほとんどないグリーンエコー笠形

8:56
管理事務所・駐車場の先の、車ではあっという間の結構きつい車道を登り、オウネン平キャンプ場手前の駐車場まで着いた。すでに十数台の車が止まっていて、登山準備中の人もいる。気温は5度ほどあり滝は大丈夫だろうか。

まだまだ空いている駐車場

駐車場から右へキャンプ場の間を通る道に入る。「子育て観音300m オウネン滝400m 扁妙の滝 800m」となっている。

9:02
子育て観音手前までは幅の広い平坦な道で、これが扁妙の滝まで続いていると思っていると痛い目に会う。ここから先は階段道もあるが結構険しい道が続き、おまけに一部凍結さえしている。今日ぐらいの気温なら問題ないが、冷え込んだ時は軽アイゼンが必要かなと思う。

バスを降りてからほぼ1時間、暑くなってきたので休憩を兼ねて、着過ぎていた服を1枚脱ぎ毛糸の帽子もザックにしまい込む。

縁起

霊峰笠形山の麓 奇岩「みょうご岩」の此地に観世音菩薩の霊所あり 村人は 之を「子育て観音」と称して信仰厚く もろもろの御利益を受くること久し 黙れども幾百年の星霜を経て毀損甚だしく 有志相案いて善処せん事を計り 今日再建の運びに至る 之を良き機縁とし 当地の守護観音となし 広く大衆に慈悲心を垂れ給う霊体として 幾久しく諸人の崇拝を仰ぐことを請い願うものなり
奉賛会一同を祈念し ここに之を記す

維持昭和61年9月吉日
奉賛会一同



子育て観音から、ようやく山道に

扁妙の滝へはこの鉄橋を渡る(これは帰るとき撮ったもの)

9:10
オウネン滝を横目で見ながら変妙の滝へと続く道を登る。

オウネン滝は凍らない

9:13
丸太の階段道もある。のんびりと写真を撮っていると数人に追い越されたが、まだ下りてくる人には会わない。

登るのは易しいが、凍っている時の下りは

9:15
行く手に鉄階段が現れた。両側に手摺が付いていて、たとえ凍結していても安全だ。

鉄階段

9:18
この辺からは路面に雪が残っていて滑りやすくなる。気温が低く踏み固められてツルツル状態になっていたら、アイゼン無しの歩行は困難なものだったろう。

もうすぐ滝かな


凍っている扁妙の滝、たくさんの滝見客

9:28
ようやく扁妙の滝に到着。駐車場から30分ほどかかっているが、写真も撮らずにアイゼンを付けていれば20分ほどだろうか。まだ時間が早かったので見物客は10人ほどしかいない。

扁妙の滝は北向きで暗く、天気は曇り、安物のデジカメではきれいな写真が撮れるはずがないので、見物客を中心に撮ることにする。

見物客は途切れることなく、多い時は50人以上はいたような気がする。

9:34

9:34

9:36

9:51
9:56

9:58

9:58

10:00

10:00

10:13

10:14

10:27

10:33

10:36

10:37

10:38

10:39

10:42

10:42

10:45

扁妙の滝の凍結状態は予想以上だったが、氷の厚さは薄くツララも少なく迫力不足はいがめなかった。やはり姫路市内で氷点下5度以下の日が数日続かないとだめかもしれない。今話題の地球温暖化が進行して行くとこの滝も凍らなくなってしまうのだろうか。

水煙浴

滝から生じる飛沫は、こまかな霧状となり水煙が舞います。霧状のしぶきによって、マイナスイオンが空気中の小さな粒子に付着し、空気中を浮遊します。この空気を吸うことにより次の効果が生れます。

  1. 呼吸機能を高める。
    (ぜんそく療養に特に効果があります。)
  2. 精神を安定させる。

笠形山保健保安林
森林の緑は私たちに安らぎとうるおいを与えてくれます。

森林は汚れた空気をきれいにし、騒音を防ぎ、正確環境を守るほか、私たちに安らぎとうるおいを与えてくれます。
また、森林浴などの森林リクリエーションの場を提供してくれます。
このような森林の働きを特に発揮させるために指定されているのが保健保安林です。
森林の香気を浴びて心身ともリフレッシュしましょう。

扁妙の滝のいわれ

江戸初期に扁妙というお坊さまが滝の左側に不動さんをおまつりしました。
そのお坊さまがなくなられた後、地元の人がお坊さまをしのび、お堂を建て滝の名を扁妙の滝と名付けました。(落差65m)

平成6年3月 兵庫県姫路農林水産事務所



滝見の後は笠形御膳

10:45
扁妙の滝滞在も1時間をすぎ、飽きてきたので下山することにする。

11:06
ひっきりなしに登ってくる滝見客を、滑りやすい狭い登山道でやり過ごしながらも、20分ほどで駐車場まで下りる事が出来た。朝は空いていた駐車場も50台以上もの車が止まり満車になっている。

11:20
管理事務所・駐車場まで戻りレストランで昼食をとることにする。笠形御膳1500円とビール(大)550円の豪華な昼食だが

冬期限定

きじ小鍋定食(きじ小鍋・あまご・小鉢・御飯・漬物)1600円
きじ小鍋御膳(きじ小鍋・刺身・あまご・小鉢・御飯・漬物)2000円
   
ぼたん小鍋定食(ぼたん小鍋・あまご・小鉢・御飯・漬物)2000円
ぼたん小鍋御膳(ぼたん小鍋・刺身・あまご・小鉢・御飯・漬物)2500円

定食・御膳をご注文いただいた方は、ホットコーヒーを\200でお召しあがりいただけます。

という期間限定メニューを見過ごしていた。次に来る時にもこのメニューがあったら、ぼたん小鍋御膳を絶対食べようと決意した。

これは笠形御膳

11:54
笠形御膳を美味しくいただき、ビールの酔いもまわり気分も良くなった。しかし、次の粟賀営業所行き12:33のバスに乗ると、姫路駅前行きの発車まで1時間以上も粟賀営業所で待たなければならない。


長い石段の法楽寺

粟賀営業所まで歩いて行くことにする。距離は4kmほど、途中の越知川北側の長い石段を登る「法楽寺」に寄り道すればちょうど良い時間になりそうだ。

12:50
「金楽山 法楽寺」の石段下に着いた。仁王門から一直線に石段が延び、地形図によれば標高差は50mほどありそうだ。

250段ほどを登り法楽寺本堂へ

13:04
昔からの石段の中に、近年に補修された真新しい石段が混じっている。私の歩幅と合わず常に片足がよっこらしょと段差を登らなくてはならない、長い石段を登りきると左から破線道も登ってきている。破線道は車も登る事が出来て、なにかの工事中なのかコンクリートミキサー車が来ていた。

金楽山摂取院法楽寺(通称播州犬寺)
高野山真言宗
播磨西国第十五番札所

  1. 創建年月 文化年間(7世紀)
  2. 開基 法道仙人
  3. 本尊 十一面千手観世音菩薩

当山創建の由来については鎌倉時代末期(14世紀)虎関師練の著になる「元享釈書」の第28巻「寺像志」のなかに四天王寺・興福寺・東大寺・清水寺等と共に「播州犬寺」として概略次のように記されている。
「昔、ここに住んでいた牧夫といわれる豪族が蘇我入鹿討伐の軍に召し出された。その留守の間に下僕がひそかに牧夫の妻を我がものにし主人の暗殺を企んだ。やがて戦も終り牧夫が都より帰ってくると下僕は発覚を恐れことばたくみに牧夫を狩に誘い出した。そして高いところに登ると、いきなり弓に矢をつがえ牧夫を射殺そうとした。
牧夫は下僕の企らみをはじめて知り驚き怒ったがもうこれまでと覚悟を決め日頃から可愛がっていた白・黒の2頭の犬を呼寄せ「自分がここで殺されるのはしかたがないが村人達が私の屍骸を見たら、あざけり笑うだろう。お前たちは私が死んだらその肉を食いつくしてくれ」と言い聞かせた。
すると2頭の犬は猛然と飛びあがり1頭は下僕が持っている弓弦を食いきり、もう1頭は下僕の喉にかみつき、風前の灯であった牧夫の命を救った。そこで牧夫はこの2頭の犬をわが子のように可愛がり財産一切を与えると誓ったが犬の方が早く世を去ったのでその菩提のため法道仙人を請じここに伽藍を建て千手観世音菩薩像を本尊として奉安した。
以後三度野火に襲われたが観世音菩薩の霊験あらたか一度も伽藍に災が及んだことなしと言う。
このことが桓武天皇の御聞に達し、当寺を官寺となし田数項を賜った」
と記され以後、慶長6年には姫路藩主池田輝政公より30石永代黒印、寛永6年には将軍徳川家光公より30石の朱印を賜るなど古今を通じて朝廷や幕府より厚い庇護を受け「播州犬寺」として名高い。

神崎町

兵庫県指定
金楽山法楽寺環境緑地保全地域

金楽山法楽寺は海抜150〜250mの丘陵地南斜面に位置し寺叢成立城の下部はスギ植林地で林床の構成種はコジイ。ベニシダ・アオキ・イズセンリョウ・フユイチゴ・ナンテンが優占している。又上部は樹齢200年〜250年生のヒノキ林で、所々にコジイの中径木が混成しており林床はコジイ・ヒノキが優占している。
本寺叢は過去、人為により成立した二次林的な半自然林であるがヒノキの樹齢が200年を越える自然林的様相を示していることと林床にコジイ低木が優占すること等から良好なるヒノキ・コジイ林に移行することが推定される。周辺環境も良好ですばらしい景観を呈し寺院の建造物と一体となって文化的環境を形成しており住民の健全な生活環境を確保するために必な地域である。

昭和57年3月 神崎町

もう一登りで法楽寺の本堂だ

狛犬ならぬ普通の犬(黒ちゃんかな)

金網に入った黒君と白君に出迎えられ本堂に着いた。本堂と鐘楼・開山堂があり、南向きの斜面に建てられているのでとても明るい。長い石段登りの甲斐があるお寺だ。


帰りのバスは変なバス

13:35
法楽寺の長い石段を下ってから10分ほどで神姫バス粟賀営業所に着いた。姫路駅前行きバスの発車まであと15分。

右後部はクロスシート

左後部は背合わせシート

姫路に帰るバスはかなり変わっていた。ノンステップバスなのだが、乗車口が真ん中ではなく後に付いているのも珍しいが、シートの配列がクロスシートや背合わせシートなど思いもよらない独創的なものになっている。路線バスで後ろ向きのシートを見たのは初めてだ。

13:50
定刻通り出発したバスは、初めは私一人の貸切だったが、ポツリポツリと乗ってきて、砥堀では増位山から下ってきたハイカーの10人ほどの団体も乗ってきた。

15:09
姫路駅前に到着。本日の交通費は合計300円。



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