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書写山の磨岩仏参道を歩く



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平成18年10月28日(土)メンバー 私だけ

書写山 しょしゃざん 371m

2万5千分の1地形図「姫路北部」を参照すること。


書写山に7本の参道あれど

私のお気に入りは、東側の書写吹からの「置塩坂参道」と、北西の菅生川岸からの登る「鯰尾坂参道」の2本だ。どちらにも磨岩仏があり、展望はよくないが歴史がぎゅうぎゅうに詰まっている参道だ。

ちなみに歩ける参道は6本あり「置塩坂参道」から時計回りに「東坂参道」、「西坂参道」、「刀出坂参道」、「六角坂参道」、「鯰尾坂参道」で、その参道を1日で登り下りした「『書写山圓教寺、6本の参道を歩く』というのもある。1日で6本の参道を歩き通し3回参詣すると御利益が万倍になり、どんな願望でも成就するという噂があるのに残念ながら真似する人はいない。残るあと1本の参道は最も利用者が多い「ロープウェイ参道」で、山の上にある書写山円教寺へ一番楽に登れるが、御利益は要した努力に比例すると考えるのが普通だろう。


置塩坂参道には駐車場所はありません

置塩坂参道の登り口のある「書写吹」へは、姫路駅前から神姫バスの便が1時間おきほどに出ている。一般的な東坂参道はロープウェイ麓駅の無料駐車場を利用できるが、置塩坂参道の登り口周辺に駐車場所はないし、参道をピストンで登り下りするのも風情がなく、この参道へはバスを利用するに限る。神姫バスホームページのバス停時刻表・運行案内が便利だ。

8:36
近所のバス停から雪彦山行きのバスに乗り「書写吹」バス停で下車。車中に登山・ハイキング姿の人はいなかったので、終点の雪彦山まで乗車する人はいなかったことことだろう。

8:48
書写吹バス停から少し引き返すと「竹尾ぶつだん店」があり、その南側に「書写吹 書写山登口」の標柱が立っている。

すぐ近くの登山口までバス停から12分もかかっているが、前日に入手したデジイチ用のリモートコントローラーの操作にいきなり手間取ったためだが、このリモートコントロラーは自分撮りになくてはならない必需品だ。なお、今回はデジタル一眼レフカメラ(略してデジイチ)による初めての山行記録で、歩きなれた書写山を選ぶことにより撮影に集中できるようにしたのだが、いかがなものになるだろうか。

置塩坂参道の登り口

参道を登り始めてすぐに道は左右に分かれるが「左 書写山」の案内があり迷うことはない。この参道は今も大事にされているようで下草を刈るなど手入れされていて、倒木も一部あるが通行に支障のないものはそのまま残されていて、手入れされている方の感性のすばらしさに感動してしまった。急な岩場にはステップが切ってあり参詣者のことを思いやる優しい参道で、緩すぎず急すぎず快適な道が続く。

明るい雑木林の中を行く置塩坂参道


磨岩仏、書写観音?

9:12
明るい雑木林の中を快適に登ることて20分で、大岩に彫った磨岩仏が現われる。大岩の前には石が積まれて祭壇風になっていていて、お参りしやすくなっている。この参道の終わり近くに「左 そさかんをん道」と彫られた古そうな石の道標があり、この石仏は「書写観音」と呼ばれているのかもしれない。

磨岩仏はそれほど大きいものではない

ドングリを持った優しい顔の石仏

振り返ると、この磨岩仏の前だけ木々が伐られた唯一の展望地になっている。いつもなら播磨灘まで見通せるのだが、残念ながら今日は霞んでいて遠望は効かない。

9:31
磨岩仏から登ること5分ほどで、今度は平らな岩に線刻された五輪塔(板碑と呼ぶのものかも知れない)が参道脇に立っている。この板碑はいつ頃のものなのだろうか。磨耗具合からするとあまり古いものではないような気がするが、私には全く分からない。

五輪塔を刻んだ板碑

新しそうにも見えるが

書写山円教寺の境内に着くまで雑木林の中を行く展望のない平凡な道が続くが、道端には五輪塔や野仏が点在し、古そうな道標もあって飽きることがない。ただ私はこの方面の知識がなく、ただじっと見るだけだがそれでも何かを感じ取れそうだ。

五輪塔

野仏

「左 たんこみち」の道標

10:08
置塩坂参道のピークは植林地で、そこから少し下ると円教寺の境内になる。東坂参道からの昔の馬車に変わる有料送迎バスの乗降場の奥の少し分かり難い、参詣客が立入らない淋しいところに出るが「置塩坂 夢前町書写吹」の案内板が目印になる。

東坂参道だけは有人の志納所が関所みたいに立ち塞がっているが、他の参道には箱があるだけで、思う存分の志納金を誰にも強制されずに自らの意思で納めることができる。ただ、ここの志納金箱は台風災害復旧作業で脇に避けられままになっていて、納めにくいのが玉に瑕だが。

置塩坂参道の終点


円教寺観光

10:12
まだ時間が早いのか、摩尼殿付近には人影が少ない。これが紅葉の時期になれば沢山のハイカー・参詣者でごった返すことになるが、今の方がゆっくり参詣できるよい時期と思う。

さて私のもう一つの趣味のため、ここから東坂参道の志納所近くまでピストンすることにする。参道の脇には今風の三十三体の観音様が並んでいるが、置塩坂参道の古色あふれる磨岩仏・五輪塔・野仏を堪能した私には、ここの観音様は新しすぎて有難みが感じられない。

観音参道を引き返す

円教寺の規模の割には小さな山門

10:55
摩尼殿まで引き返し寺社観光モードに突入し、早速リモートコントローラーで自分撮りの記念撮影をする。撮るたびにカメラに戻る必要もなく連続して簡単に自分撮りができるで、面白がって沢山撮ってしまった。写真のお腹に装着している巨大なウエストポーチはデジイチを収納するために買ったもので、容量5リットルでは少し小さく10リットルにすればよかったなと後悔したが、大きすぎると妊婦さんか相撲取りのようになり足元が見えなくなるしこれが限界の大きさだろう。

摩尼殿

11:04
摩尼殿から常行堂、食堂、大講堂がコの字型に並ぶ三つの堂まで移動し、少しばかり早いが昼食にする。重要文化財にも指定されている室町中期(500年ほど前)の建物を見ながら食べると、コンビニの290円おにぎりセットもいつもより美味しく感じる。

食堂(“しょくどう”ではなく“じきどう”と読む)


鯰尾坂参道

11:44
奥の院の脇から始まる「鯰尾坂参道」に入る。「鯰尾坂参道」と「六角坂参道」の始まりは隣同士で、六角坂参道は明確な道として下り始めているが、鯰尾坂参道はお堂の石垣の脇を抜ける参道らしくない道だが、無人志納金所には「鯰尾坂 夢前町寺(約3km)」の案内があり、初めてでも不安になることはないだろう。

この参道は手入れの行き届いた「置塩坂参道」とは正反対に自然のなすがまま状態になっているが、通行には問題はない。また賑やかな「東坂参道」とは正反対に、途中誰にも会わずに静かな山歩きが堪能できる参道でもある。

鯰尾坂参道は奥の院のすぐ脇から始まる

昔は奥の院の奥にも僧房が建ち並んでいたのだろう、その名残の石垣の横を進んでいくと道が左右に分かれるが、そこには「左 行者堂参道」の道標があり、鯰坂参道も左だ。

11:56
雑木林のような植林のような中途半端な中を行く、広いが荒れた道を進むと行者堂への分岐点に着いた。過去には「ねむり地蔵尊スグソコ」という案内板があったが、今は二つに折れた「←たまぢぞうさん」の石柱と、石仏が祀られている。

鯰尾坂参道と行者道の分岐点

11:59
分岐点から少し行くと「ねむり地蔵尊」があり、広かった道はそこで終わり狭い道になる。地蔵はその場にあった岩を彫った磨岩仏で、お顔以外は赤いエプロンで隠されていている。エプロンの下はどうなているのだろうか。今度行ったらめくってみよう。

岩に彫られた「ねむり地蔵尊」

クローズアップ

鯰尾坂参道は7本の参道の中で一番長く、非常に緩やかなというかほとんど水平な道が続く。かつては円教寺への参詣客が大勢行き来した時期もあるのだろう、くぼ地は堰堤状に盛り土をされたりして歩きやすい。けれども手入れがなされていないため、写真に撮っても実物を見ても参道というよりは、やけに幅の広い山道にしか見えない。

雑木林の中を行く鯰尾坂参道

12:14
行者堂への分岐点にあった石仏と摩岩仏以外に、この参道にはあと石仏が一体だけ祀られている。ザックに何とか入りそうな大きさで、お持ち帰りして朝晩拝みたくなるような石仏だが、ばちが当たりそうなので止めておく。

道端に石仏が

石仏を過ぎると緩やかだった参道が、いきなり急なそしてシダシダの道になってしまう。中には両側からシダが道を覆い隠していて、道も荒れていてこれでも参道かと思うところもある。ただ、この参道には分岐する道もなく迷う心配は全くない。

一番シダが茂っているところ

12:53
誰にも会わず、展望もなく長い鯰尾坂参道に飽きる頃、下に地蔵堂が見えてきて今日の山行も終わりを告げる。「利用せし人数しれず裏参道」と書かれた板が下がる地蔵堂で鯰尾坂参道は終わりだ。

鯰尾坂参道はこの裏から始まる

至近のバス停は神姫バスの「新在家」で、バス停近くのローソンの先を右の道路へ入り、「史跡 鯰尾大谷構居跡」の表示柱のある脇道を山に向かって進むと参道入口の地蔵堂を見つけることが出来るかもしれないが、分かりにくい。

新在家バス停から姫路駅前行きのバスは1時間に1本程で、平均待ち時間は30分にしかならないが事前に神姫バスのHPで調べておけば、安心して歩けるかなと思う。

今回の山行記録はデジイチデビュー第一作だったが、御覧のように以前のコンパクトデジタルカメラ(略してコンデジ)以上のものを撮ることはできず、デジイチの全自動モードは全く使い物にならないことが判明した。次は風景モードを使ってみようかと考えている。



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