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一ケ谷道西尾根(天望山)を登り
登六庵でカレーライス



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平成19年2月10日(土)  メンバー 私だけ

六甲ケーブル下駅〜一ケ谷道西尾根(天望山)〜登六庵〜アイスロード〜六甲ケーブル下駅

2万5千分の1地形図「神戸首部」を参照すること。


天望山 一ケ谷道西尾根

記念碑台東側の小道に「登六庵」という店がある。カレーライスが名物の店だ。これまでは12月から4月中頃までの冬場は店を閉めていたが、暖冬で雪のないこの冬からは土曜・日曜・祝日だけではあるが、店を開いている(冬季以外は木曜が定休日)。

南側から登六庵のある記念碑台ヘ登るには、西からアイスロード、高羽道、寒天山道、西山谷、天狗岩南尾根などがある。その中でまだ登っていない西山谷は今回の目的からしたら重過ぎるし、寒天山道は中途半端だし、どこから登ろうかと登る前から迷ってしまった。

山渓のガイドブックには載っていないが、六甲ケーブル西側の天望山482mを通る「一ケ谷道西尾根」は歩くことが出来るのを、ウェブを調べていたら見つけた。南側に送電線が4本横切っているので送電線巡視路があるのは予想できたが、北側もケーブル山上駅まで踏跡があるという。

8:15
六甲ケーブル下までJR六甲道から神戸市営バスを利用したが、ここから目の前の六甲ケーブルに乗ってしまおうかと真剣に悩んでしまった。が、危ういところで思いなおして、予定通り一ケ谷道西尾根を登ることにした。前回の五助尾根のササ藪で濡れまくった経験からスパッツを付け登山準備を整え出発する。

六甲ケーブル下駅から歩き始める

いきなりこのコースの核心部、六甲有料道路に入る。ケーブル下駅の上空を新土橋という橋で通過している道だ。まだ時間が早いためか土曜日のためか通行車両は少ない。けれども、あまり広くない対向ニ車線の道路を大型車が猛スピードで向かってくるのと至近距離ですれ違わざるを得ない。

なお、この六甲有料道路のトンネル区間だけは人の通行は禁止されているが、ここから登山口まで行くのは全く問題がない。ただ、ちょっと、いやかなり怖いのは間違いないが、わずか200mほどだ。

歩道のない六甲有料道路へ突入
ここが本日の核心部だったりして

8:23
新土橋を渡り5分ほどのスリル溢れる(ちゃんとドライバーが避けてくれるからそれほどでもなかった)核心部を行くと、落石除けの柵に隙間が設けられている。ここが天望山への登山口で関西電力の送電線巡視路であることを示す、赤い「火の用心」標識が立っている。

200mほど進むとフェンスに隙間が
そこが天望山への登山口だ

登山口は地形図では岩崖印になっているところだ。でも、急ではあるがステップが切ってありよじ登ることができた。ただ昨日の雨で岩が濡れていて滑りやすく、その上に濡れた落葉と三重苦だったが、ちょっとだけ難儀したが滑り落ちることはなかった。

ステップが切られているが
急な岩場をよじ登る

日当たりのよさそうなところに、コバノミツバツツジの戻り花が三輪だけ咲いている。しかし戻り花にしては三輪も咲くのは珍しいなと、暖冬のせいかななどと思いながら少し登ると、あらまあ。

コバノミツバツツジの「戻り花」
かと思ったが

三分咲き、いや五分咲きほどに花をつけた木があるではないか。いくら暖冬とはいえ2月上旬にこれだけ咲くわけはないだろうから、早咲きの品種なのだろうか。咲いていたのはこの近くのもう1本だけで、これ以外には今日の行程では花を見ることはなかった。

五分咲きほどのもあったり


4本の送電線鉄塔を辿り天望山頂上へ

二番目の送電線鉄塔まではそれなりの急登が続くが、特に一番目までの急さが際立つ。ただルートは明確なので、マーキングが付けられてはいるが必要性は感じなかった。

最初の鉄塔への急登

8:46
一番目の送電線鉄塔「篠原線 十」の脇を通過。天望山頂上までの登りは、振り返ると神戸の町並みが今日は霞んではいるが見えていて、まずまずの眺望尾根だ。

一番目の送電線鉄塔の脇を行く

送電線巡視路といえばプラ階段が付き物だがこのルートでは一箇所も見受けられず、傾斜も標準的な巡視路の倍ほどはあるように思う。南向き斜面なので植物の繁茂を心配していたが、雑木の尾根は広く切り開かれてて杞憂に終わった。だが、枯れたイバラを見かけたので夏場はきつそうだ。

こんなに急な
送電線巡視路は珍しい

8:59
二番目の送電線鉄塔「神戸東線 二九」は鉄塔の真下を通り抜ける。

二番目の送電線鉄塔は下をくぐる

三番目の鉄塔手前から、西側の六甲有料道路への急斜面の崩壊を防ぐための擁壁が尾根近くまで造られている。その工事中の名残なのか板塀が西側に続いている。

9:10
三番目の送電線鉄塔「神戸港線 五」の脇を進むが、この鉄塔少し変だ。四隅のアングルの外側に取り付けられたアングル、下の写真で私が乗っているアングルも後から追加されたもののように見えて仕方がない。おそらく西側の斜面崩壊と何らかの関係があるのだろう。

私が乗っているアングルは後付けかな

9:17
最後となる四番目の送電線鉄塔は「六甲線 八」だ。ここまでにあった4本の鉄塔は全て耐張型で尾根筋に立つものとしては極普通の形式だ。

地形図を見ると最後の送電線と頂上482m標高点の間には等高線が1本描かれているが、下の写真のようにもうこれ以上高いところは北側には見当たらず、頂上はどこなのだろう。

一番大きい四番目の送電線鉄塔は下をくぐる

北へほんの10歩も行くと、鉄塔が立つところより1mほど高くなっていて、その先は緩やかに下っている。どうやらそこが天望山の頂上のようだ。残念ながら平たい山頂からは展望はほとんどなく、名前の通りに天を望めば空は見えるので天望山で間違いないが、それではどの山も天望山になってしまう。

ほとんどハイカーが登ってこない山だけに、逆に六甲の山ではほとんど見かけない登頂記念プレートがあるだろうと探してみると2枚だけ下がっていた。

  1. 第415回 755 天望山 482m 2007.1.2 akus807c@meisyu.co.jp
  2. 天望山 KOBE.YH.HIKING.C
鉄塔のすぐ北側が天望山の頂上だ


ササの道をケーブル山上駅へ

9:27
頂上から北へもよい道が続くが、そのまま行くと西側へ下ってしまう。新六甲大橋付近へ下るというが、正確な位置は分からない。

で、頂上から50歩ほど進むと道の右側に石柱が3本あり、周辺の木々には色々なマーキングが付けられている。そこから覗きこむと明確な「踏み跡」が雑木の斜面を下っているのを確認できた。これはウェブで見つけた情報で、知らなかったらそのまま西へ下ってしまったかもしれない。

頂上から50歩ほど進むと右側への分岐が

結構急で木々につかまりながら下っていくと数分で鞍部に下りつく。一部の踏み跡が落葉に隠されているのか不明確な部分もあるが、マーキングもあるし鞍部からは真っ直ぐに高い方へと登って行けばよいだけなので、地形図を見ることもない。

ただしこのルートに限らないが、どんなに低い山でも地形図とコンパスを持ち、常に現時位置の把握を続けることが重要だと思う。今はGPSなる文明の利器もあるようだが、山行中に故障・電池切れ・紛失する可能性もあるし、地形図とコンパスはグループ・大団体で行くにしても必要不可欠な個人装備だ。

急な坂を木につかまりながら下る

鞍部を過ぎると今度は急登が待ち構えている。この急登さえクリアーすれば後は緩々とした踏み跡が、ケーブル六甲山上駅まで続いているので安心かというと、そんなことはではこの尾根は許してくれない。

鞍部を過ぎたら急な登りだ

9:43
急斜面を登りきると、前回の五助尾根ほどではないがササが茂り始めた。ササは昨日の雨と朝露のためか濡れていて、スパッツを付けてきて大正解だった。

ササは茂っているがルートは明確だ

踏み跡は明確だし、所々に赤い毛糸のマーキングが付けられ境界杭も打たれているし、地形的にも登りばかりが続き、踏み跡を辿り高みへと進めばよいだけで、迷いたくても迷うことは難しいだろう。

境界杭が道案内

10:05
植林地をかすめるが、ごく一部だけでほとんどはササが茂った雑木林の中を行く。下の写真を撮った少し手前に電電公社のロゴマークと「電話 24」と刻まれた大き目の石杭があった。信じがたいがこの尾根には電話ケーブルが埋められているのかもしれない。

広々とした植林の尾根を行く

この尾根の後半戦はササを掻き分けつつ踏み跡を進むのだが、所々にコンクリート製の段差がある。連続していないので階段ではないが、何のために設けられたものなのだろうか。地中に埋められているだろう電話ケーブルを保守する人の行き来のためなのだろうか。

後半はササを掻き分け進む

膝丈のササ これ位ならよいのだが

ほとんどは膝丈のササなのだが、一部は腰ほどまでのところがあった。短い距離だったので強行突破したが、スパッツだけでは防ぎきれずにパンツまで濡れてしまった。カッパの下も穿いて来るんだったと判断の甘さを後悔。

腰ほどのササ パンツが濡れる

下の写真、ササに隠されて踏み跡が見えないが、明確なものが続いている。その見えない踏み跡には例のコンクリートの段差や、半分腐った丸太の階段も隠されていて、呑気に歩いているとつまづきかねない。けど、写真撮っている暇があるのなら、まだ遅くはないからカッパを穿けばよいと思うのだが。

雨具を穿いておくんだった

アイスロードからこの尾根へ登って来る道があり、どこかで合流していたはずなのだが、残念ながら気づかないままに通り過ぎてしまったようだ。

終盤のササはこれくらい

10:34
六甲山上駅が間近に見える。現在位置はおそらく700m等高線が輪を描いている北端ぐらいだろうか。楽しかった一ケ谷道西尾根歩きはもう少しで終わりだ。

六甲山上駅が間近に

10:39
石垣の上に立つ六甲山上駅の下に電信柱が立ち、古い注意書きが掲示してある。

注意(電電公社のロゴマーク)

この道路には重要電話線が埋めてあります。道路を掘る際は切断のおそれがありますので必ず事前に下記へご連絡下さい。

連絡先電話
神戸都市管理部 (昼)第 線路工事課 078-291-01
           (夜)試験課 (局番なしの)113

これで、この一ケ谷道西尾根に電話線が埋設されているのは間違いない。

10:41
車道に出たのは下の写真のところで、道案内の類は全くない。六甲有料道路のフェンスの切れ目から登り始めて2時間20分ほどかかっているが、写真撮影に多くの時間を費やしているので、普通にゆっくり歩いてもこの時間よりも遅くなることはない。

山上駅の脇を通りここに出た


登六庵のカレーライス

11:11
車道をぶらぶらと歩き、本日の目的地「登六庵」に到着。場所は六甲小学校近くの小道沿いの少し分かり難いところだが、辻々にある集合案内板に「登六庵」の表示があるので、それを辿っていけば行き着けるだろう。

車道を歩き登六庵へ

登六庵は、これまで冬場は休業していたが、今年は雪がなく試行的に土曜・日曜・祝日に限り営業しているということ。噂にたがわず店内の飾り物は壁、そして天井を埋め尽くし一種異様な世界を構築している。

所狭しと飾り付けられた店内風景
天井も凄い

六甲山で六皿目になるカレーライスは、ちょっと辛目のもので溶けるチーズを好みで入れるようになっている。食べていると溶けかけたチーズがニューと伸びるのが面白かった。

味は十二分に美味しいのだが、値段がこれまでの中で一番高かったケーブル虹の駅二階マヤテラスで食べた「神戸摩耶カリー」900円よりも、さらに100円高い1,000円なのが解せない。効果/費用から見たら最悪で、いくら観光地の中にあるといっても高すぎだろう。

平成19年2月25日追記
六甲山のカレーライスとしてはまだまだ安く、味も素晴しく十二分に満足できるものです。登六庵さん、変なことを書いてしまってごめんなさい。反省してます。

登六庵のカレーライス
 おしながき 
名物カレー    1,000
ドライカレー    900
焼めし    900
牛すじカレーうどん    800
山菜うどん    800
本日のランチ    1,000
サラダ    700
一品もの    700
特選和牛サラダプレット    限定2,600
他お飲み物多数あり 

店の前を通る道にあった案内類

心ほぐす散歩道

近畿自然歩道沿いの「登六庵」を起点にして寄り道なしで約1時間の行程のベスト散策コースを紹介いたします。
その途上において、一部に車道を通る箇所(オルゴール館前から六甲高山植物園前を通り、みよし観音の脇を過ぎて再び近畿自然歩道に入る)がありますが、谷間の道からゴルフコースを通過する山頂の尾根の道で、晴れた日眼下に大阪湾を一望出来る山上唯一の大パノラマを発見する六甲山上の歴史を語る道です。阪神間を望み山上の冷気を肌に感じる、それが自然歩道のダイゴ味ではありませんか。

登六庵から東、杉林のある左の道を通り、ひょうたん池を過ぎて、風の冷たい旧称清水谷の坂を降りること約5分、オルゴールミュージアムから右に車道を登って高山植物園前を通り、みよし観音を背に再び近畿自然歩道の小径に入ってゴルフ場を突き切り「登六庵」」にもどる散策コースです。

お子様や高齢の皆さまも一緒に楽しめる小さな小さな山頂のミニハイキングコースを一度ご体験下さい。

六甲大通り(グルームコース)

この道は、六甲山上で最初につくられた大通りです。東西にのびる尾根を利用して開かれた変化に富んだ散策道で、またこの辺一帯に欧米人の山荘が点在して大正から昭和初期にかけて華やいだ、国際色豊かなリゾートパラダイスを呈しました。初夏から晩秋の頃までこの道が山上のロマンチックコースと呼ばれ先人達の数々のロマンスを生んだ山上歴史の道でもあります。現在、山陽自然歩道になっていますが、この道が山の動脈として最も古い大通りであったことはもう誰の口からも聞かれなくなりました。一人の英国人がそそいでくれた六甲山上に対する情熱とその足跡をたたえ、彼の念願であった美しい山上をつくりたいものです。神戸居留地に住んでいたアメリカ人が随想集に残した言葉に「六甲山“汝”うるわしの幻よ」とありますが、山上の美を幻に終わらせない為にも、六甲山上を心から愛した多くの内外人の心を受けて山上に皆さまの愛を与えてやて下さい。



下山は二回目のアイスロード

12:11
六甲記念碑台に移動。晴れていた天気は、登六庵でのんびりししているうちに下り坂となり、重苦しい暗い雲が空を覆い、小粒ながら雨がポツポツと降り始めてしまった。「ウーン、また六甲ケーブルで下ってしまおう」かと思ったが、空をよく見ると暗い雲がかかっているのはこの周辺だけで、周りは明るい。もうしばらく様子を見てから先のことは決めることにして、グルームさんの前でシェーを執り行う。

記念碑台でシェー

霊験あらたかな「シェー」の効果がすぐに現われたのか、小雨は止みこれ以上天気は悪くならなそう。予定通りのアイスロードでの下山を決める。

12:29
シュラインロードとアイスロードの接点、前ケ辻。ここに来るまでに、前を通り過ぎた六甲山ホテルのレストランにもカレーライスがあるのだろうか。もしあるのならば、スーツを着て山登りをしなくては。

これから下るアイスロードは平成17年12月3日に歩いた記録シュラインロードとアイスロードを歩くを見てもらうとして、詳細は省略する。ただ前回は少数だが花が咲いていたが今回は全く咲いてなく、ハイカーには全く会わなかった。

アイスロード 上部

12:56
下る途中で、渡渉が2回ほどあるのを思い出し前日の雨で増水してはいないかと心配したが、写真の通り水量は少なく、問題なし。

前ケ辻谷の渡渉ポイント

13:10
この谷筋にも大きな砂防ダムがあり、真水谷第四砂防ダムを越えると六甲有料道路からの騒音が聞こえてきて、現実世界に引き戻されてしまう。

真水谷第四砂防ダムを
越えると道路からの騒音が

13:22
六甲有料道路をくぐるトンネル登山道を通過。

六甲有料道路下のトンネルへ

13:27
前回下ったときも目に入っていたのだろうが、そのときは存在すら知らなかったので通り過ぎてしまった「六甲登山ロープウェイ」の駅跡をじっくりと観察する。手入れされなくなってから60年を経て、現役時代から比べたら見る影もないものだろうが、まだそれらしい形を残している。

六甲登山ロープウェイ
登山口駅跡の廃墟

廃止されてから60年以上
いくら待ってもゴンドラはやってこない

13:42
表六甲ドライブウェイに出た。この後は通行量の少ない旧道を下り六甲ケーブル下駅に向かい、後は市バスでJR六甲道駅に戻ることにする。

表六甲道路に下山



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