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第ニ回、八丈岩山(姫路市172.9m)に
登山口はいくつあるのだろう



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平成20年5月3日(土)  メンバー 私だけ

西新在家登山口〜頂上〜田寺山手町登山口〜頂上〜辻井登山口

特別付録
いい加減な八丈岩山ハイキングマップ
赤:前回 青:今回

登山口名、分岐点記号は、全て私が現在地確定のため仮に付けた名前です。


今日で全登山道を解明するぞ

4月20日の「第一回、八丈岩山(姫路市172.9m)に登山口はいくつあるのだろう」の続きです。今日は八丈岩山の登山口・登山道の西側部分を解明すべく、まずは頂上から北西方向の貯水タンク(黒丸)と石段のある北西尾根を目指そうと思う。

10:01
西新在家登山口から写真を撮りながら、20分ほどかけて八丈岩山頂上に到着。

三角点標石近くの木に透明クリアホルダーが吊るされていて、前回は空だったが、今日は八丈岩山と東隣の88m標高点と卍印のある小山の登山道マップが入っていた。何というか、探索開始前に目的を達成してしまいがっかりたが、お節介な、いやまことに親切な人もいるもんだ。


北西尾根を貯水池へ(水道業界では蓋のあるタンクでも池と呼ぶ)

10:16
気を取り直し、キアゲハやクロアゲハが乱舞する頂上を後にして、分岐点Fを目指し北方向の尾根へ入る。他の下山口取付には案内板が下がっているものもあるが、この取付にはなかった。

頂上から北尾根に入る

10:18
前回も通った分岐点Fに着いた。ここから右は北東尾根、左は北西尾根へと分岐している(尾根の名前も私が仮に付けたもの)。

尾根道をショートカットするG・H間をまだ歩いてないので右に進む。ここには「←田寺山手町登山口へ・水道局タンクへ/北新在家・新在家峠・田寺東一丁目登山口へ→」という、手作りの案内板が下がっている。

でも、頂上にあったルートマップを見てしまい、道のつながりが分かってしまった今は、面白さ半減どころか、半値八掛け五割引のポイント50%付きでおまけに5年間保証も付いてしまった気分だ。

けれども八丈岩山に登ったことがないのに、この記録を読んでしまった貴方の事を思うとなぜか胸が痛む。でも、この山は姫路市内限定のローカルな山なので、遠来のハイカーが訪れることなど考えられず、先を続ける。

分岐点F
←K(北西尾根)  ↓頂上  G(北東尾根)→

10:22
分岐点Gで、ここから北西尾根への短絡路へ入る。ここからの短絡路というか連絡路は、送電線巡視員が少しでも楽が出来るようにと、お大臣の関西電力が切り開いたものかもしれない。

分岐点G
↑F(頂上)  ↓H(北東尾根)  K(北西尾根)↑

10:24
短い短絡路はほぼ水平道だ。篤志家がこつこつと切り開いた素朴さは全くなく、機械力を用いて一気に開削した様子がうかがわれる。整っている道だが八丈岩山にまだ馴染んでなく、取って付けたような、他の道からは浮いた存在に感じた。

北東尾根と北西尾根の短絡路

10:27
短い短絡路は直ぐ終わり、北西尾根上の分岐点Kに着いた。麓方向に「◎田寺山手町登山口へ ◎水道局タンクへ」の案内板が下がっている。

分岐点K
←F(頂上)  ↓G(北東尾根)  L(北西尾根)→

10:30
北西尾根は真っ直ぐに緩やかなので、道も率直に真っ直ぐに付けられている。

北西尾根の道は真っ直ぐだ

10:41
北西尾根にも送電線鉄塔が2本が立っていて、互いに近くにあり、頂上側は「溝口線 三」で麓側は「姫路支線 三ニ」で、それぞれ北東尾根に立つものよりも一番づつ若い番号が振られている。一般に送電線鉄塔の番号は若いほど電源側になるので、ここの送電線は西から北東へと電気を送っているはずだ。

手前:溝口線 三、奥:姫路支線 三ニ

10:43
麓側の鉄塔からは、正面に蛤山(振袖山)が見えてなかなかの展望地だ。

この尾根を歩き始めたころから、消防車のサイレンの音が周辺から次々集まってくるように聞こえていたが、どこかが火事なのだろうか。この方向に煙が上がっているのは見えない。

麓側鉄塔からの眺め

10:51
送電線鉄塔より下では、少し狭くなり、そして少しだけ蛇行する道となる。

この道の蛇行の具合が自然な感じでよい雰囲気だ

10:53
最後の分岐点Lに着いた。頂上を除いて、この狭い八丈岩山に12箇所もの分岐点あり、分岐点密度ならどこの山にも負けていない。直進方向には「水道局タンクへ その先通行出来ません」、左の道には「田寺山手町集会所前登山口へ」と案内が下がっている。

この山にある案内板は、全て同一人物により付けられたもので、薄合板にプラベニヤを重ねたものにマジック書きで、カラー針金で立ち木にくくりつけている。洗練されてはいないが素朴なもので好感は持てるが、前回も書いたように、立ち木に針金でくくりつけている点が気にくわない。

分岐点L
←田寺山手町   ↑配水池  K(北西尾根)↓

10:57
くもの巣が張った細道を下ると、直ぐに姫路市水道局八丈岩山配水池の円形タンクがあった。下れるのかなとここまで来たが、麓から登ってくる石段ともども有刺鉄線の返しが付いたフェンスに遮られている。石段ぐらい開放してもよさそうに思うのだが厳重に隔離されていていて、ここから下るのは不可能だ。

八丈岩山配水池

それでも諦めきれずに、石段際のフェンスに破れ目でもないかと見に行くと、書写山の手前の小山から白煙が上がっているのが見えた。66.6m三角点がある御立前山の東側の標高60mほどの小山で、帰宅後こんな山に登る人はいないだろうと調べてみたら、姫路藪山探検前山の東の岡 山で注意すべきは人間!という記録を発見してしまった。

放水しているのが時折見えるが、山火事は鎮火に向かっているようで全山丸焼けにはならずにすみそうだ。

御立前山の東の小山が山火事だ


田寺山手町登山口へ

11:08
分岐点Lまで引き返し、田寺山手町登山口へ向かう。写真から配水池へ行く道の狭さと暗さが分かるが、配水池のなかった時代はもっと尾根の先端まで道が続いていたはずだ。配水池の東側フェンス際を回り込んで行ったら、道跡が延びているのを見ることができるかもしれない。

分岐点L
↑K(北西尾根)  ↓貯水池  田寺山手町→

11:14
田寺山手町登山口へは、激斜面が待ち受けていた。尾根の西側急斜面を真っ直ぐに下る、砂が浮いたやけに広い道を疎らな木々だけを頼りに、転げ落ちないように必死に下りなければならない。ここが、あのパラダイスへ近づきつつある、いやすでになってしまった明神山(姫路市夢前町667.9m)なら、間違いなくトラロープが蜘蛛の巣張りにされているはずだ。

田寺山手町登山口への激斜面下り

11:18
激斜面を下り終えると、八丈岩山では珍しい竹が混じる林になっている。

激斜面を下り終えもう直ぐ登山口だ。

11:20
南側が田寺山手町、北側が田寺東。その境界になっている道路に下り、写真中央の電柱には「田寺東一丁目24」と表示板が付けられている。でも、ここは山中にあった案内板も呼んでいる通りに田寺山手町登山口にする。写真の左端手前に見える平屋の建物が「田寺山手町集会所」だが、表札を見つけることは出来なかった。

田寺山手町登山口


ハイカーはお断りの3田寺東登山口

11:27
配水池へ登る階段の取付はどこかと山裾を100mほど北に進むと、フェンスと有刺鉄線と「関係者以外立入禁止 姫路市水道局」の警告板に守られた「姫路市水道局八丈岩山配水池」の表札のかかる施設があった。

フェンスだけで有刺鉄線のない侵入ルートを見つけたが、後で吠えまくっている犬にさらに大吠えされそうなので諦めたが、ここを3田寺東登山口(姫路市水道局職員専用)とする。もう一つ辻井登山口があることが分かっているので、これで八丈岩山には十もの登山口があることになる。

3田寺東登山口


八丈岩山から離れて山火事現場へ

11:59
先が見えてしまい興味を失いつつある八丈岩山から離れて、山火事現場へと足を延ばしてみた。

写真右側の少し茶色くなっているところが燃えた跡で、幸いなことに迅速な消火活動のため被災面積は少なく、新聞に載るようなこともなかった。まだ放水を続けていたが煙も見えず、完全鎮火を確認するためのようだ。

でも、最高気温が今年初めて30度を超え乾燥注意報も出ているが、自然発火など考えられず、出火原因はなんなんだろうか。

山火事のあった山

山中で寒さしのぎのために焚き火をするハイカーや、石を組んで囲炉裏をこしらえて楽しげに団欒するするハイカーもいるが、『火の用心』の大切さを思い知らされる出来事だった。


八丈岩山頂上まで戻る

12:15
すでに動機など忘れ去ってしまったが、八丈岩山登山道完全探求の使命がまだ果たされていないことを思い出し、田寺山手町登山口まで戻る。

12:22
でも、この北西尾根への急登ルートは普通じゃない。姫路市水道局貯水池で本来の尾根道が遮断されたために、自然発生的に出来てしまった感じだ。砂が浮いた超滑りやすい急斜面を、木につかまりながら登り下りするうちにしだいしだいに道幅が広がり、現状の幅が2m以上もあるが端しか歩けない変な道になっている。

下りよりもましだが、登りも滑るぞ

12:37
北西尾根の未踏部分、分岐点KとFの間は、幾分狭いが今の時期は何も問題がなく歩ける。ただし秋になるとこれぐらいの幅は、蜘蛛の巣の巣窟となりやすいので大変な道に変わってしまう。

分岐点KとFの間は少し狭い

12:44
八丈岩山頂上に戻り昼食をとる。ここまでに3人のハイカーというか散歩者に出会ったのだが、頂上に1時間近くいても誰もやってこない。みんな姫路城周辺でやっていいる、姫路菓子博に行ってしまったのかな。


八丈岩山の最後は西尾根だ

13:35
もうどこへも分かれ道のない一本道の西尾根を残すだけだ。名残惜しいが、八丈岩山頂上を後に「田寺山手町へ(辻井東山公園)」の案内板が下がる西へ下る道へ入る。

八丈岩山頂上は十字路になっている

13:39
下り始めは見通しがよく「おっ、このルートは展望尾根なのか」と嬉しくなった。でも、この先の尾根の緩やかさから、そんなことは有り得ないのは地形図を見れば一目瞭然なことだ。

下り始めは好展望

13:42
すぐに緩やかな尾根になる。真っ直ぐにも付けられただろうに、木々に遠慮したのかウネウネと小さく蛇行する道が続く。

尾根により道の表情が違うな

13:47
共同受信用テレビナンテナが立っているが、使われなくなって長い月日が経ったのだろう。中継機器ボックスは地に落ち、木製電柱ももうじき倒れそうだ。

今は使われていない共同受信設備

13:49
道端に面白そうな岩があり、「登ってみれば」と誘わたような気がして天辺に立ってみた。眺めは、「うーん、低いからこんなもんか」ぐらいで、過度の期待は持たないほうがよい。

これが頂上にあればと
思うのは私だけではないだろう

10:53
八丈岩山に道を切り開いた人は曲がったことが大嫌いだったのか、この西尾根の道も真っ直ぐになってしまった。でも山道は真っ直ぐよりも、少し曲がっていたほうが味わい深いと思うのは、私の心根が捻じ曲がっているせいだろう。

真っ直ぐになってしまった西尾根の道

14:05
緩やかだった尾根がいきなり本性を現したのか、赤土のロープ場だ。今日は乾いているのでロープなしに普通に下りることもできるが、それでは山行記録構成上なんか面白くない。それに連続写真を撮ると、その場に吹いていた風も写し取ることができるのが面白い。

赤土のロープ場

連続して白土のロープ場もあったが、いくら低い山とはいえ遊びすぎたら日が暮れてしまうので、割愛。どちらも雨上がりにはツルツルと滑りそうだ。

14:10
送電線鉄塔「溝口線 二」の下を潜り抜けると、もう登山口はすぐそこだ。対になっているもう一本の送電線鉄塔は、なぜかフェンスに厳重に囲まれていて直に触れ合うことができない。

「溝口線 二」送電線鉄塔の中を行く

14:15
鉄塔から下は、送電線巡視路である証のプラ階段が登山口まで続いている。

送電線鉄塔から下はプラ階段

14:19
またロープが現れて、どこに下りるのかと思えばそこが登山口だった。いきなりロープ場から始まる八丈岩山、侮れない存在だ。

最後の最後はロープ場だ

出てきたところは、高い石垣に挟まれた八丈岩山から流れ出す渓流?の脇。ここには登山口の案内などないが、右手石垣の上には「火の用心」の巡視路標識標識が付けられている。頂上にあった案内板通りに、道の向こうには「辻井東山公園」があった。

辻井登山口
通りかかった人に見られたら恥ずかしいな

山中で100%善意の塊の篤志家が付けただろう案内板に出会うたびに、「針金で木にくくりやがって、木の痛みを感じることのできない感受性の低い大馬鹿野郎が」と毒づいていた。そのたびに「これが野歩記流の環境にやさしい、自然には露ほども負担をかけない案内板だ」というものを立てようかなとも思ったが、自然の中に人工物を持ち込むのは、ごみを捨てるのと同じことだと思い直した。


八丈岩山に咲いていた花々

どこの山にも咲いている、よく見かける花しか咲いていなかった。コバノミツバツツジは終わり、ヤマツツジは盛りが過ぎ、これからはモチツツジの季節だ。

ヤマツツジのようだが色が違うな

ヤマツツジの蜜を吸うキアゲハ

こらからが盛りのモチツツジ

ガマズミ

二輪だけ咲いていたコバノミツバツツジ



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