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水車谷からゴロゴロ岳、奥池、東六甲展望台 (1)



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平成21年1月4日(日)  メンバー 私だけ

水車谷バス停〜ゴロゴロ岳〜奥池〜熊笹峠〜東六甲展望台


六甲山系へは何度も登ったが、芦屋川東側のゴロゴロ岳・観音山一帯がまだ未踏の地として残っている。今回の山行は、土地勘をつかむために芦屋市奥山からの柿谷ハイキングコースでゴロゴロ岳、そして奥池へ下てみた。やさしげな山容であったが、2万5千分の1地形図の破線道とハイキングコースが一致せず、度々ここは何処、私は誰モードに陥りながらも、最後は何とかかんとか大いなる野望も達成することが出来た。

水車谷バス停からゴロゴロ岳
山行概念図


水車谷バス停から柿谷ハイキングコースへ

8:11
JR芦屋駅から乗車した芦有バス(阪急バス芦屋有馬線の通称名)を、住宅地が途切れる前の「水車谷」バス停で下車。柿谷ハイキングコース登山口は、バス停からほんの少し登ったところにある。

水車谷バス停で降りたのは私だけ

8:15
「奥山精道線カーブ12 兵庫県西宮土木事務所」の青看板の先が柿谷ハイキングコースの入口になるが、大きな案内図や色々な案内板があり誰にでもそれと分かるところだ。

色々な案内の中で下の写真の芦屋市が設けた「柿谷ハイキングコース」指導標が、今回の山行の友となり励ましてくれた。ここの「ここは柿谷コース1」からゴロゴロ岳頂上直下の15番まで、分岐点や重要な地点に立ちハイカーを正しいコースへと誘導している。

逆に言うと、この指導標のない分岐では道なりに行くのが正しいコースということになる。なお、この指導標は丁石のように等間隔に立っているわけでないことを理解しなければならない。

ハイカーの友、芦屋市設置の指導標

8:30
スパッツを着けたり、何たら間たらでようやく登山開始。出だしはハイキングコースらしい階段道で始まるが、落ち葉の積もり具合、路面の柔らかさからして利用するハイカーは少なさそう。

ここが柿谷コースの登り口だ

8:32
地形図にも記載されている、平成9年12月完成の柿谷堰堤(高さ12m、長さ57m)を右手に見ながら進む。直下に住宅地が迫っている堰堤上流側には土石流センサーが設置されていて、事あればサイレンを鳴らし住民に知らせる仕組みになっている。

ここの左側に柿谷堰堤がある

8:38
流れのない柿谷を渡ると芦屋市指導標2があり、表示は「←ゴロゴロ岳から奥池へ、水車谷バス停から阪急芦屋川→」となっている。

2番目の指導標だが、2/15進んだわけではない

8:42
溝状の雨が降ったら川になりそうな変な道だ。足元には石がゴロゴロしていている。

本当にハイキングコースなのかな


ちょっと寄り道

8:43
溝状の道から左側に、よさそうな道が直角に分かれている。さらに続く溝道方向には黄色ビニールテープのマーキングがあるが、枝道には何もない。でも、私の目から見たら左に分かれる道がハイキングコースに見えてならなかった。そして、様子を伺いについふらふらと入り込んでしまった。

8:47
コバノミツバツツジの戻り花が十輪ほど。花びらはいじけていて不細工だが、花のないこの季節には貴重な彩りになっている。これも寄り道したからこそ見ることが出来たわけで、けしてさまよっているわけではない。

コバノミツバツツジの戻り花

8:53
道幅は狭くなり、柿谷コースの山行記には出てこない激急な登りが現われたりして、薄々これは違うなと感じながらも深入りしてしまった。急な登りで一気に暑くなりジャケットを脱ぐ。

この急さと登り難さはおかしいな、と思いつつ

9:01
急な滑りやすいところや、片斜面の幅10cmもない道を行くと関西電力高圧送電線鉄塔「仁川連絡線 三五」に着いた。2本横切っている送電線の南側のもので、地形図の破線道も何も通っていない、柿谷の西側尾根にいることが分かった。

普通のハイカーは来ない
「仁川連絡線 三五」送電線鉄塔

この尾根を登ることが出来ないかともう少し深入りすると、岩をワイヤーの網で固定しているところに出た。さらに尾根を登ろうと思えば出来ただろうが、いきなりバリエーションルートは何だし、来た道を引き返すことに決定。

すぐ下を車道が通っている

9:44
溝道の分岐点まで戻るが、なんと1時間も時間を無駄にしてしまった。いや、どこへ続く道かが分かったので有効な1時間だったはずだ。

溝道の分岐点に復帰
手前が送電線鉄塔への道だ


指導標と赤矢印に従うのが賢い

芦屋市指導標と共にハイキングコースの案内役にしゃしゃり出たのは、岩に赤スプレーという禁じ手すれすれの「」。スプレー缶1本で自由自在にマーキングする楽しさに取り付かれた御仁により、いたるところの岩々が指導標に変身している。

全てはハイカーの安全な通行を願いながらの真心を込めた行いと、その御仁は思い込んでいるだろうが、こんなの街中のスプレー落書き以下だ。「あんたもその赤矢印に助けられたんだろ」と、そんな考えは間違っているぞ派が絶対的多数なのも分かるが、この世の中で正論を貫き通すことは難しい。

これに従えば自然とゴロゴロ岳へ行けるが
なんだかな

9:49
溝道から普通の道に変わると、左右に分かれる分岐点だ。芦屋市指導標3は「←ゴロゴロ岳から奥池方面、前山公園へ→」となっているが、茶色の一般的な腕木式道標は「←野外活動センター東側を経てゴロゴロ岳へ、ゴロゴロ岳 前山公園へ→」となっていて、どちらに行ってもゴロゴロ岳には行けるみたいだ。

前山公園とは芦屋霊園の西側にある公園で、野外活動センターは八幡谷奥の孤立した建物群を指すものと思われるが震災以来閉鎖状態が続いている。ここは芦屋市指導標を信じ左へと進むが、右側は地形図の破線道に相当するような気がする。

3番目の指導標は左に

9:52
ゴロゴロ岳ハイキングコースとして整備された当初は立派な道だったのかも知れないが、目的地のゴロゴロ岳頂上が別荘・住宅地に隣接していてあまり芳しい雰囲気ではないこと、またこのコースは緩やかな地形の中を行くため展望のての字もないことが知れ渡っているためか、そして六甲山の中心部から外れ次の山へのつながりが観音山しかないためか、歩くハイカーは少なさそうだ。

明確さが少々不足する道だが
辿るのは容易だ

9:58
これも地形図に記載されている柿谷の二番目の砂防堰堤、平成7年3月完成の柿谷第二堰堤(高さ20.5m、長さ69.15m)が現われ、現在位置をつかむことが出来た。ここルートは堰堤工事道路をハイキングコースに流用したものと思われ、左岸側の偽木丸太階段を登って堰堤を越す。

柿谷第二堰堤

10:07
さらに、本当にハイキングコースなのかと怪しからぬ道がさらに続く。前方左側の木に取り付けられた白い指導標は「火の用心 F-4 芦屋市消防本部」となっていて、芦屋市指導標と似通った番号が振られているが、別系列の神戸市消防局による「119ばんつうほうプレート」の芦屋市版に相当するものだ。

芦屋市消防本部のプレートも所々にある

10:13
ゴロゴロ岳という、六甲山中唯一の「岳」が付いた変わった山名は、標高565.6m説、雷がゴロゴロ説、ゴロゴロ石説などなど、どれもがもっともらしい由来をもって語られているが、ハイキングコースに石がゴロゴロしているのは確かで、足元に注意しつつ一歩一歩登っていく。

ゴロゴロ石のハイキングコース

10:20
芦屋市消防本部のF-5だ。芦屋市指導標はまだ4までで負けている。がんばれ芦屋市指導標。

芦屋市消防本部のF-5

10:25
分岐点だ。火の用心の関西電力送電線巡視路標識は、左は43、右は42。茶色腕木式道標は、来た道は「柿谷コース」、右は「ゴロゴロ岳へ」。

そしてここまではパリッとした真っ白の標柱だった芦屋市指導標は、なぜか紙をパウチしただけのものが茶色腕木式道標にくくられ、表示も一部消えかけたみすぼらしいものになっている。予算が尽きてしまったのだろうか。

「ここは柿谷コースNO5 もし、救急・火事等、事故が発生したらへ 119 (上記場所とNOをご連絡ください。) 芦屋市」の行き先表示は左は進入禁止、右はゴロゴロ岳方面、来た道は阪急芦屋川方面となっている。ここからはお大尽の関西電力が管理する送電線巡視路を兼ねるため、みすぼらしかったハイキング道は一気に大名道と変化を遂げる。

地形図の西側破線道と合流した
と思われる


あとは快適な送電線巡視路でゴロゴロ岳へ

10:32
少し進むと、また分岐点だ。左手のとうせんぼするようにトラロープが張られた道方向の火の用心標識には、「行って来い 42のみ」とハイカーにより追記されている。ここの芦屋市指導標6は、またもパウチしたもので、「←柿谷へ、ゴロゴロ岳→」の道標に居候している。

ここは破線道がちょろっとUの字を描く根元かな

10:36
この辺で水車谷からゴロゴロ岳の中間地点か。前半は緩やかな登りが続いたが、後半はさらにさらに緩やかなよく整備された道が続く。ここなどは、わずかな窪みに盛り土をして道を通していている。道端には楔跡の残る岩もあり、かつては切り出した石材を運び出すのに使った石切の道に違いない。

盛り土の上の道
かつては重要な作業路だったはずだ

10:39
普通にハイキングコースを来たら本日1本目の、しかし送電システムを愛する私には2本目の送電線鉄塔「新神戸線 四一」に着いた。一応鉄塔は尾根に立っているのだが、尾根はなだらか過ぎて外界を見ることはできない。

新神戸線 四一 送電線鉄塔

10:48
大きな大きな道標は「←ゴロゴロ岳へ」と記されているが、まだ右半分が空白になっている。いま写真を見ると道標の後ろにも道形があるように見え、間違って入り込まないように道標の幅を広くしたのだろう。

私の歩いている先の左側のアカマツにパウチ芦屋市指導標7「←阪急芦屋川方面、ゴロゴロ岳方面→」が巻きつけられている。別に分岐点でもないし、設置基準がよく分からなくなってきた。

常識外れに大きな道標だな

10:50
柿谷ハイキングコースとして2本目の送電線鉄塔は「新神戸線 四〇」で、先ほどのよりも数字が若くなっている。つまりこのまま送電線を辿っていくと電源側へと次第に近づいていき、一番鉄塔は宝塚開閉所敷地内に立っている。

それから、送電線鉄塔の4本の脚にはそれぞれ名前があり、電源側(若番側)から見て右側手前がa脚、左側手前がb脚、左側奥がc脚、右側奥がd脚となっていて、線路名と番号が書かれた名板はb脚の電源側に取り付けられている。はずだ。

新神戸線 四〇

この鉄塔は地形図の破線道が合流する位置に立っていて、b脚近くが分岐点だ。芦屋市指導標8は「←柿谷コースを経てゴロゴロ岳へ(旧野外活動センター横)、前山公園→」、茶色腕木式道標は「←ゴロゴロ岳へ、柿谷コース↓、前山公園を経て阪急芦屋川駅→」と表示されている。

芦屋市指導標6と7はパウチ指導標だったが、ここのは白塗りの標柱に戻っている。全部が標柱になって欲しいが、赤字財政の芦屋市に出来るだろうか。

送電線鉄塔「新神戸線 四〇」は
地形図の破線道の分岐点だ

10:57
大岩がある曲がり角に、芦屋市指導標9「←水車谷バス亭から芦屋川、ゴロゴロ岳から奥池方面→」が立っている。だが、正面にはタフロープで塞がれた痕跡の残る細い道があり、標柱の1面に書かれた表示と3本の道の方向が一致せずに、まごついてしまった。おまけに、ここで追い越していったハイカーは、ためらうことなく正面の細い道に入っていくし、私はどうしたらよいのだろう。

大岩に直接かかれた表示は、来た道は「阪急芦屋川→」、左側は「←オクイケ」となっている。ここから奥池へはゴロゴロ岳を通らずには行けないので、左が正しいハイキングコースに間違いないが、追い越していったハイカーはどこへ行くのだろうか。

ここは左に曲がる

10:59
芦屋市指導標10を左に入ると、小広場になっていて焚き火の跡が残っている。水など一滴も得られないこの山の中で、焚き火をするとは想像力が足りないというか、愚かな人達がいるもんだ。もし周囲の枯れ草にでも火が移ったらどのような結果になるのか、考えただけで恐ろしくなり私には到底出来ない。

10は直進(左は焚き火跡のある小広場)

11:04
またパウチになった芦屋市指導標11は、茶色系道標の脛を借りている。その横には火の用心巡視路標識「←39、40→」もあり、何か重要なところなのかと周囲を見渡したが、これといったものはない。

緩やかで幅広の尾根は
尾根じゃないみたい

11:06
芦屋市指導標12の下に「立入禁止 落石危険」の補助表示板が付けられていて、その横の火の用心標識は市指導標の背後の切り開きに向けて「39→」と表示している。指導標を見ていると、その立入禁止方向から10分ほど前に大岩の曲がり角を直進して行ったハイカーが現われ、ここにつながっていることが理解できた。

たまには横から撮ろうと林の中にカメラをセットしていると、5名パーティの小母さまハイカーに追い越されてしまった。

ここから東に入ると面白いところがあるのかな

11:14
先行する小母さまパーティをモデルに手抜きをしようとしたが、歩いているのでどうしてもぶれてしまう。歩くポーズをした自分を取るよりは何倍も臨場感があるが、写真としては採用できないのが残念だ。

手振れも被写体ぶれもないけど
まあモデルがよいからよしとするか

11:18
鉄塔と建屋が分かれている「NHK北阪神テレビ中継放送所」で、もう直ぐゴゴゴロ岳に着くものと思われる。

NHK北阪神テレビ中継放送所

11:23
テレビ中継所から直ぐと思っていたが、数分歩きようやく別荘・住宅地の外れに出た。ハイキングコース出口は芦屋市指導標14と「剱谷国有林」表示看板の間。ゴロゴロ岳頂上は前方の茂みの中だ。

ゴゴゴロ岳頂上まであと25m

振り返ると町外れの原っぱといった風景で、山頂らしさは全くない。知ってはいたが、ちょと、いやかなりがっかりしたのは事実だ。

ゴロゴロ岳頂上まであと15m

頂上直下で、苦楽園尾根からのルートと合流し、そこには最後の芦屋市指導標15が立っていて、その指導標の足元には「←ゴロゴロ岳(565.6m)三角点はこちらです」の補助標識がある。「あれ、ゴロゴロ岳頂上に設置された三等三角点(点名:剣谷)標石上面の標高は565.30mなのにおかしいな」。

最後の芦屋市指導標15

11:26
水車谷バス亭から歩き始めて3時間以上が経過し、ようやくゴロゴロ岳頂上に着いた。予想外に長い道程だったが、寄り道をすることもなく普通に歩けば1時間半もかからないだろう。

眺めも何もない頂上だが、せっかくなのでシェーを執り行う。でも、今思えばゴロゴロと転がった方が面白かったのではと、反省。

ゴロゴロ岳頂上でシェー

六甲の頂上にはゴミが少ないと思っていたが、ここはたくさんの自己顕示欲の塊がぶら下がっていた。なぜ、ゴミに自分の名前を書いて目立つように木に吊るすことが出来るのか、小心者の私には理解できない行為だ。ここでそれらのゴミを大公開をするが、自ら個人情報を世間に晒しているし問題はないだろう。

ゴミの写真を載せてもよいのだが、私のHPがゴミにより汚されるのが嫌だし、文字にした方が検索性が向上しゴミを残した方々の自己顕示欲をより一層満足させることが出来るかなと思う。

私は「とっていいのは写真だけ、残していいのは思い出だけ」信奉者の中でも「足跡も残してはいけない」派に属するが、こういったものを平気で捨てていく心情が本当に理解できない。

だいぶ長くなってきたので水車谷からゴロゴロ岳、奥池、東六甲展望台 (2)へ続く。



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