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黍田富士から天下台山へ(3)



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平成21年2月7日(土)  メンバー 私だけ

竜野駅〜黍田富士〜亀岩展望台〜黒屎池〜天下台山〜とんび岩〜相生駅



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黍田富士と天下台をつなぐルート

山行概念図(2万5千分の1地形図 相生、網干)


東尾根286mピークから天下台山頂上へ

12:22
黍田富士からようやくたどり着いた天下台山東尾根コースだが、岩屋谷公園からのメインルートたる岩屋谷コース(遊歩道)に比べると雲泥の差があり、黒屎池から登ってきた道なき道に毛を3本ほど生やしたほどの違いしかない。とんび岩のような名所もなく歩くハイカーは少ないのか、5年前に歩いたときよりも道が狭くなっているような気がする。

12:24
そして、ようやく登ってきた286mピークだが、天下台山へは一旦60m以上も下り、そして登り返さなくてはならない。そうは言っても、すでに天下台山頂上の電波反射板が小さく見えていて、もう頂上は我が手の中だ。

鞍部の先に見える天下台山頂上

12:28
東尾根もシダの道だ。でも開設当初のがさついた雰囲気よりも、道が周囲になじんできて自然な感じになっている。

頂上に電波反射板が立つ天下台山

12:32
どんなに通るハイカーが少なくても、一度出来てしまった道はこれ以上狭くならないとは思う。私の好きな山道の一番は、なんと言っても歩きやすい遊歩道だが、次はこんな感じの狭い草が覆いかぶさるような道も楽しい。

雑木とシダのコラボが楽しい道だ

12:36
鞍部付近に「←東尾根旧道 東尾根新道(バイパス)↑」という案内板が下がっている。旧道よりも新道の方が歩きやすさは上だと思うが、残念ながら新道の行き先が分からない。岩屋谷コースへのバイパスなら入るのだが、東尾根の286mピーク以北につながっている可能性もあり、ここは旧道側へ進むしかない。

12:39
ちょっとシダが茂りすぎの登り返しだ。別段登るには全く問題はないが、新道(バイパス)に入ればよかったのだろうか。

シダ茂り過ぎ

12:42
半分地面が露出し、小さな丸太階段状の足場がぽつぽつと設けられ、そしてその一部は流失している。眺めは抜群だが、このザレ地を迂回するために新道(バイパス)を造ったのだと理解できた。

崩壊が進むザレ地を登る

12:47
最後のシダの道を抜けると、関西電力高圧送電線鉄塔「ダイセル播磨線 七」が立っている。尾根に立つ鉄塔はジャンプしたら送電線に届きそうな低いものがあるが、ここのはやけに背の高いものだ。

ダイセル播磨線 七

12:52
シダシダの道は、関電鉄塔からは送電線巡視路と呼ばれるものに変わり、下草も綺麗に刈られた広い広い、送電線巡視員の点検頻度から考えたらオーバースペックとも言える過剰な整備がなされている。

関西電力が管理する送電線巡視路だ

12:54
送電線巡視路の三叉路だ。案内板の南側は「火の用心 ダイセル播磨線8→」「地蔵さん→」、やって来た道は「←火の用心 ダイセル播磨線 7」「←東尾根コース」、北方向は「火の用心 ダイセル播磨線6→」となっているが、肝心の天下台山はどちらに進めばよいか分からない。

東尾根コースからやってくるような熟練ハイカーに、お節介な案内板は必要なしと判断したものと思うが、熟練ハイカーでも方向音痴は必ずいる。ここは北へ進むのが正解。

巡視路の交差点 こっちかな

12:57
まるで藁しべ長者のように、道がどんどんよくなってくる。今度は岩屋池からの遊歩道だ。六花園と表示のあるベンチが二つと作業小屋のあるところで、ここまでの道に比べたら嘘のような車も走れそうな、林道レベルの道だ。

岩屋池コース(六花園)に出た

13:01
もうあとは何も考えず歩くだけで、遊歩道が天下台山頂上へといざなってくれる。岩屋谷公園からこの遊歩道を登ってきたらもうすぐ頂上だと嬉しくなるが、今日の長めのルートだと天下台山頂上も一通過点にしか過ぎず、心が浮き立つこともない。

天下台山頂上まであと300m

13:07
最後の階段道だ、フウフウ。ここでお子様を3人連れた家族に出会ったが、みんな手ぶらで散歩感覚で登ってきたようだ。

この階段道をこなせば頂上だ

13:10
5年ぶりの5回目の、誰もいない天下台山頂上に到着。登りつつ頂上に何かが足りない事に気付いていたが、それは日の丸を掲げていた旗竿だった。あとゴミ箱がなくなっているような気がする。

町近くの黍田富士のほうが眼下の展望は優れているが、ここ天下台山は360度遮るものがなく素晴らしいものがあり、明石海峡大橋も大鳴門橋も望めるという。でも、今日は霞んでいてさっぱりだ。

天下台山頂上からのパノラマ展望写真を掲載しているサイトは数々あれど、私のシェーはここだけでしか見ることができない。でもなんだかマンネリになってきて、もっと斬新な衝撃的な刺激的なものを撮ることができないかと思い悩むこの頃だ。

天下台山頂上でシェー

頂上南側の眺望を独り占めにしながら、ベンチに座りコンビニ弁当の昼食をとる。昔の妻その1は、どんなに早く家を出てもお弁当を作ってくれたのを思い出しながら食べていると、私と同年代か少し上の単独男性ハイカーが3人登ってきた。せっかくの天気のよい土曜日なのに、一人寂しく山に登らずに、家族で夫婦でどこかに遊びに行ったらよいのにと思う。


とんび岩がある北尾根コースで下山

13:44
もう次の山に登る元気はないので麓に下るが、天下台山にはたくさんの下山ルートがあり、そのうち歩いたのはほんの一部だ。でも天下台山といったら『とんび岩』を抜きにして語れず、北尾根を下ることにする。

岩が露出する頂上の北側に平場があり、天下台山のランドマークになっている関西電力のマイクロウェーブ反射板がある。そして天下台山愛好会による「天下台山ハイキングコース案内図」と、真夏の強烈な焼け付くような日差しを遮る休憩舎が建っている。

パノラマ写真や雑多な何やらかんやらでてんこ盛りになっている山頂が多いなか、ここもすっきりとしているとはけして言えないが、頂上の事物は前回に登ったときよりも減っているぐらいで、播州のよその山も見習って欲しいものだ。

下山開始

13:51
頂上から北へ進み東部墓園へと下るよく整備された道に入る。もう今日は藪っぽい道は嫌だな、歩きやすい道をこのまま下ってしまえば楽だろうなと思うが、この遊歩道は以前に下ったことがある。

東部墓園コースの遊歩道を下る

13:53
広い歩きやすい東部墓園コースから「北尾根コース→」「烏帽子古墳→」の案内板が下がる細い道へ入る。北尾根コースの途中に烏帽子岩と呼ばれるものが存在するのは知っているが、烏帽子古墳は初耳だ。

北尾根コースに入る

13:57
北尾根ルートも、ほとんどが雑木林とシダの間の細い道だが、入ってすぐは岩場の裾を行く。岩屑の上を慎重に登り切り、振り返ると天下台山頂上の電波反射板が小さく見える。

北尾根では例外的な岩場だ

14:02
関西電力送電線鉄塔「ダイセル播磨線 四」。山の風景になじむようにこげ茶色や緑に塗られた鉄塔が多い中か、ここ天下台山のは全てグレーに塗られたものばかりだ。どのように厚化粧しようとも遠目にはたいして変わらず、一送電線鉄塔としてのプライド、流行の言葉で言うと矜持を忘れない潔さを感じさせる鉄塔たちだ。

ダイセル播磨線 四

14:06
北尾根コースの本来の姿たるシダシダノ道になったが、ここはまだ送電線巡視路で道幅は十分、体がシダの葉に触れることはない。

シダがよく茂るが歩きやすい送電線巡視路

14:09
北尾根ルートには、西側へ分岐する道が次から次へと現われるが、ここは東部墓園へと下る「北尾根近道」への下り口で「←東部墓園口」の案内板が下がっている。右側の赤いのは火の用心送電線巡視路標識で、北はダイセル播磨線3、南は同じく4となっている。

左は東部墓園口へ下る「北尾根近道」ルート

14:12
快適な送電線巡視路歩きが続くが、残念ながらもうすぐ終わってしまう。でも『ぬるま湯につかる』ような山歩きより『艱難辛苦汝を玉にす』みたいなのが私好みで望むところだ。でも、北尾根ルートはそこまではいかない。

快適な送電線巡視路はもうすぐ終わる

14:14
送電線巡視路標識は西を向いてダイセル播磨線3と指し示し、「←ささゆり苑」の案内板も左を向いている。ここまでは、ささゆり苑へと下る「ささゆり苑コース」で、本当の北尾根コースはここから分岐して始まる。

左:ささゆり苑(関電巡視路)、直進:北尾根

14:16
北尾根ルートに足を踏み込むと、道は一気に狭くなる。でもシダの種類が変わったのか丈は膝ほどもなく、お気楽な尾根歩きが続く。

これが北尾根ルートの真実の姿だ

14:21
尾根を麓へと下っているはずなのに、やけに登りの割合が多い。それも急なのばかりだ。253mピークへの急登りが終わる手前に「→古池」の表示があり古池コースへの分岐点だ。しかし、この北尾根コースよりも通る人は少ないの間違いなく、かなり凄まじいルートと思う。

253mピークへの登り

14:27
253mピークを登り切り、「←えぼし岩」の案内に誘われて20mほども西へ分け入ると、西側に絶景が広がり背丈ほどのえぼし岩が鎮座している。別に岩に登っても登らなくても見える景色には変わりないし、登ると足がすくみ眺望など楽しむゆとりがなくなってしまう。

代わり映えのしない何処にでも在りそうな岩だが、展望のよいところに存在するだけで「えぼし岩」なる名前を付けてもらい、幸せな岩だ。

枝が邪魔なえぼし岩

14:32
253mピークを過ぎるととんび岩が見えてきて、尾根はようやく下り基調となり、残す登りはとんび岩手前のちょっとしたものだけだ。

とんび岩が小さく見え出した

14:36
シダシダの道は相変わらずで、写真を見るとこんなところ歩けるのか心配する人もいるのではないかと思う。でも大丈夫。踏み跡はものすごく明確で、遊歩道を歩くのと感覚的にはさほど差はない。と、感じるのは私だけかもしれない。

シダシダの道はさらに続く

14:38
北尾根の名物、とんび岩が近づいてきた。微妙なバランスで一部が中空に飛び出した岩は、とんびのくちばしの形を知らない私が言うのもおかしいが、とんびのくちばしに見えないこともない。

最後のピーク東側のとんび岩

14:45
とんび岩手前の鞍部に「←古墳近道」なる案内がある。ここ天下台山では新ルート開設は止むことなく増え続けているみたいで、そのうちにマスクメロンの網の目のような山になることだろう。

14:49
とんび岩だ。古代からこの姿を保ち続けてきた岩の上に私が乗っても何も起こらないだろうが、たぶん私のシェーにとんび岩は怒っていると思う。

とんび岩でシェー

15:01
最後の送電線鉄塔はダイセル播磨線ではなく、相生支線15だ。

鉄塔から西へ「古墳←200m」「←古池水源地」そして「→200M古池水源地、烏帽子古墳」と3枚も案内があるが、古池と古池水源地と古墳と烏帽子古墳が同じ場所にあるのかないのかは分からない。

相生支線 一五

15:04
まだまだ北尾根は北へと続き、なぜか緩やかになり麓へ下るのを嫌がっている。でも送電線巡視路に戻った尾根道は快適で、疲れが現われ始めた足に優しい。

尾根道は快適な送電線巡視路になった

15:13
10分歩いてもまだ尾根道は続いている。思いの他しぶとく、まあまあの雰囲気の尾根道を最後の最後まで楽しめるが、そろそろ舗装道路が恋しくなってきた。

しつこいく続く尾根道

15:16
ついに長かった北尾根ルートは終焉の時を迎えた。下り立ったのは住宅地の片隅にある小さな那波野墓地だ。

墓地には「北尾根へ 天下台山←」「北尾根登山口 烏帽子古墳↑」の2枚の案内がある。

那波野墓地に下山

15:25
山登りから町歩き向きに装備を整え、相生駅を目指して歩き始める。近くにバス停はあるのだが本数はめちゃくちゃ少なく、歩くしかない。

16:05
JR相生駅着。



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